門井慶喜のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ嫌いじゃない。嫌いじゃないけど、もっと分かりやすく書けなかったかなあ。というか、弁論術をより効果的に小説の題材として扱うことだって出来たはずなのに。学園モノは嫌いじゃないから、それだけで期待が高まる部分はあったのだけど、高等部部長が冒頭否定していた「詭弁」そのものだと思う。実例実証なしの、教養が抜け落ちた論理お化けを、詭弁と称せず何と呼ぶのだろう?それは、全てが机上の空論であって、頭でっかちの子どもの育成であって、あまりに空疎。ということで、設定そのものにも、そもそも難があったってことだな。むしろ、詐欺集団を育てるための育成スクールみたいな無茶苦茶な設定だったら、よかったのかな。
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Posted by ブクログ
人は何故、小説を読むのか。
一見、哲学的にも見える素朴な疑問。
これを追い求めて行く物語。
結論としては、孤独に耐える練習だそうです、つまり人付き合いのためだと。
これだけだと、疑問符が浮くかもしれないが、ご興味ある方は本編をご一読ください。
孤独に耐えるってのは、言い得て妙だな。
小説。音もなければ映像も無い、あるのはただ文字だけ。読み始めると、物語の中に埋没して行き、完結させるには読み終えなければならない。その間には、多分に想像力が働く。結論を急ぎたくとも、自分一人で読み進め、我慢しなければならない。我慢という意識がなくとも。
昨今、我慢できない、堪え性のない、待てない、人を思い遣れ -
Posted by ブクログ
置手紙を残して行方不明になった作家の遺稿集に、作家自身のサインがある謎を、文学館勤務の主人公が追うミステリーと、「人はなぜ小説を読むのか」という根本問題とが絡み合ったユニークな作品。
実在する文学賞や、作家や評論家が実名で登場し、どこからが(どこまでが)フィクションなのかと、思い惑いながら読み進んだ。
書中、主人公と会社経営の弟が、その根本問題について論争を繰り広げる。
「人は本能的に物語りを欲する。だから小説を読む」
「小説を読むのは、孤独であることの練習のためだ」etc
そういった意義付けもある面必要かもしれないが・・・
しかし、
本読みにとって、人生に役に立つとか立たないとか(ハウツー本 -
Posted by ブクログ
美術品犯罪に対応する警視庁捜査二課の美術犯罪捜査班。
詐欺ビジネスが疑われる美術品販売会社を相手に、美術知識ゼロの新米刑事と美人女性上司が違法スレスレの悪だくみを暴こうとする。
両社の対決はどう決着するのか――。
門井慶喜の美術ミステリ・神永美有シリーズが面白かったのでそれを念頭に読んだのですが…ちょっとガッカリしました。
美術うんちくはかなり神永シリーズよりも控えめに説明されるので読みやすかったです。
漫画的なキャラが漫画的に行動し、さらに読み口を軽くしています。
面白さを感じた点もたくさんありました。
美術品の価値を決める要素が逆説的に作用してしまうという皮肉的なおかしさ。
絵を描い -
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Posted by ブクログ
舌に甘みを感じるか苦みを覚えるかで美術品の真贋を見分けることができる美術コンサルタント・神永美有が活躍する美術探偵シリーズの3作目。
前作同様、美術探偵の神永とワトソン役の美大准教授・佐々木のコンビが遭遇する美術品の真贋を巡って右往左往するという、美術ミステリ短編集。
作者の多彩な知識(というかうんちく)から成る、余裕のある語りに身をゆだねて読み進めれば、一度のみならず二度も覆される珍説の応酬に心おどる…というのがこのシリーズの楽しみ方なのですが。
でも今回はその鑑定の過程にこじつけが多く、短編の多くが仮説で終わってしまい、真贋がよくわからずに物語が閉じてしまうのでスッキリしませんでした。