門井慶喜のレビュー一覧

  • ぼくらの近代建築デラックス!

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    このお二人がなぜ近代建築談義を?と思いつつ、読み進めるうちに、面白いは面白いは。知っている建物もあり、そうでないものもあり。どれも、一度訪ねてみたいと思えてくる。
    綿業会館と御影公会堂は是非行きたい。

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    2022年02月02日
  • 小説あります

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    N市立文学館が財政難のため廃館となる事が決まった。
    文学館に勤務する文学青年は館の延命の為、N市に縁のあった作家・徳丸敬生の晩年の失踪の謎を解くことで活路を見出そうとするが、物語は意外な方向へ。
    N市は『おさがしの本は』の舞台と同じで、一部の登場人物も重なるので本作は姉妹編的作品。
    本作では、小説について命題が出される。
    「人間はなぜ小説を読むのか。
    言いかえるなら、小説は、私たちの人生のための何の役に立つのか。」
    そう言われても…。暇つぶし、疑似体験、空想、妄想、娯楽…。思いつくのはいたって貧弱。情けない。もちろん本作では鮮やかに一つの回答がなされる。
    門井慶喜、巧いなあ。

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    2022年01月10日
  • なぜ秀吉は

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    豊臣秀吉による文禄の役。なぜあのタイミングで、秀吉は大陸に打って出ようとしたのだろうか?歴史上のミステリーの答えを探す物語でありながら、秀吉をはじめとする、大名、商人、職人、庶民、キリシタン、色々な人が主人公となりながら、当時を生き生きと生活しています。門井しらしい快活なタッチの物語でした。

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    2021年11月26日
  • なぜ秀吉は

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    その時代に生きた人々が台詞を通して生き生きと描かれていた。気になったのが草千代。猿楽でのシーンでは胸が締め付けられた。とてもメタファーの上手い作家であり表現も分かりやすい。

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    2021年08月29日
  • なぜ秀吉は

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    秀吉の晩年、朝鮮出兵はなぜ行われたか。秀吉の真意を探る大名と商人、秀吉の命を狙う朝鮮人陶工、謎のキリシタンの女が複雑に絡み合うドラマ。

    名護屋城を舞台とした朝鮮出兵を巡る人間ドラマ。前半はやや単調な感があったが、登場人物が動き出した後半は一気読み。クライマックスの猿楽の緊迫感が素晴らしい。

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    2021年07月14日
  • 家康、江戸を建てる

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    徳川家康の天下取りの戦いではなく、江戸という町づくりの話。
    治水工事、小判作り、江戸城工事など、それぞれ家康に仕事を任されたその道のプロが主人公の短編集のようになっている。
    これが今の〇〇にあたる、など、東京の身近な地名の謂れが分かってとても面白かった。

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    2021年05月17日
  • 家康、江戸を建てる

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    歴史小説なのかエンタメ小説なのかよく分からないが、面白かったから何でもいいや。ドラマ見たかったなー

    小学校の社会科で、神田上水や玉川上水をやったのを思い出したり。あれは東京限定だったんだろうなあ。

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    2021年04月19日
  • 注文の多い美術館 美術探偵・神永美有

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    美術探偵・神永美有シリーズの3作目。
    本作も古今東西の美術品とその背景の歴史についての講釈が満載。更に短編ならではの鋭い物語のキレとオチ。語り部役で相棒の大学准佐々木昭友とかつての教え子イヴォンヌとの掛け合いもパワーアップ。盛り沢山のエンターテイメント。

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    2021年03月13日
  • 天才までの距離 美術探偵・神永美有

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    美術品コンサルタントとなった神永美有と、大学の准教授となった佐々木昭友のコンビの連作短編の2作目。
    語り手である佐々木の拠点が東京から京都に移った事が本作のタイトルの意味の一つとなっている。
    今回のネタは、岡倉天心、古い切り絵、古い柱時計、山水画、そしてレンブラントの模写の5作品。美術や当時の歴史的背景についての薀蓄が豊富なのはもちろんだが、登場人物のヒューマンドラマの部分もエンターテイメントとしても読み応えのある一冊。

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    2021年03月07日
  • 天才たちの値段 美術探偵・神永美有

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    美術品の真贋を舌で瞬時に判別できる神永美有と、女子短大で美術講師をしている佐々木昭友のコンビによる、美術品にまつわる連作短編集。神永は舌で判別というオカルトチックな能力はありながらも、理路整然とした思考を持ち魅力的な探偵役となり、語り手となる佐々木は、はちょっとおとぼけもある名助手役。言わば定番スタイル。
    そんな設定の上で取り扱われる美術品については、ボッティチェリ、古地図、涅槃図、フェルメール、アールヌーボーのガラス工芸品と幅広い。どれも含蓄が豊富でいてそれだけでも楽しめるのに、物語としても完成度高し。シリーズ化されているので次作にも期待。

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    2021年02月28日
  • 誰かに教えたくなるレトロ建築の話

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    面白かった。大磯の避暑地の成り立ち、軽井沢との違い。原爆ドームと浦上天守堂の差。アメリカの対応。オリンピックと万博など示唆に富む着眼点に感心した。周辺の本が読みたい。

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    2021年01月12日
  • 家康、江戸を建てる

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    太平の江戸時代、その屋台骨となるインフラ整備について、史実を基にした連作になっている。
    それぞれ職人たちが主人公で、職人魂をみせている。
    小説を読みつつ、昔の地図を紐解く。
    逆引きブラタモリとでもいえるかもしれない。

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    2020年12月08日
  • 誰かに教えたくなるレトロ建築の話

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    近現代史と建築は、両方ともあまり知識がないけれど、もっとよく知りたい分野なので、その両方をカバーして、かつ読みやすい対談形式なとこがよかった。

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    2020年09月11日
  • 天才たちの値段 美術探偵・神永美有

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    主人公の美術講師が、ある古本屋の息子である、じきに美術コンサルタントとなる男と出会うところから始まる。
    主人公の講師としての知識もさることながら、コンサルタントの男は真贋を舌で感じる変態な上、頭も切れる。メインの知識は講師、それを補填するコンサルタントの男の関係は、この美術ミステリーをより楽しく感じさせる。まさに美術探偵と言える。
    構成はいくつかの美術品に関する事件が各話で描かれていく短編型。個人的に好きな話は早朝ねはん。
    続編も出ているので非常に気になる。

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    2020年08月13日
  • 家康、江戸を建てる

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    権力者の戦いが主題になりやすい歴史小説では珍しい江戸の街づくりに貢献した人にスポットライトを浴びせている。利根川の流れを変え、飲料水を引き、貨幣造り、江戸城を建造する(石垣を切り出し、白塗りの天守を作る)。それぞれのストーリーがオリジナリティーに溢れていて面白い。

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    2020年05月19日
  • 家康、江戸を建てる

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    300年近く続く徳川の世、その後の東京の礎ともなった5つの江戸を建てる挿話。それぞれは短編集のようで、それが集まって荒地から江戸を形成し、現代まで続く。家康の先見の明と、それを支えたプロフェッショナル達がとても生き生きと描かれている。読みやすくてスラスラ読めた。

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    2020年05月14日
  • 小説あります

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    ネタバレ

    やっぱり本はいいなと。
    そして今更ですが「承前」の意味を初めて知りました。時々目にはしてましたが、なんだかわかってなかったので、あぁと思いました。

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    2020年09月11日
  • 誰かに教えたくなるレトロ建築の話

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    建築物 家などを 語るというのは、歴史的な視点でみると
    面白いものが、見えてくる。
    辰野金吾の「東京 はじまる」の 門井慶喜と
    日本政治外交史の専門家の 奈良岡聰智による対談が、
    1909年に辰野金吾が作った奈良ホテル。
    大磯の料亭 松月、丸の内ホテルのレストラン。
    という臨場感があって、実に良い企画である。
    高橋是清に学んだ 辰野金吾。佐賀出身であったが、
    全く、高橋是清に会えたことが、セレンディピティだった。
    そのことによって、政治力の力を得ることができたのかもしれない。
    建築界には、維新の負け組が多いという指摘は、ありうる。

    医療のための海水浴を提唱した鈴木順によって、
    大磯が、別荘地

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    2020年04月03日
  • シュンスケ!

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    初代内閣総理大臣、伊藤博文。幼名、俊輔。武士に憧れ、一国の宰相になることを夢見た彼は、幕末の動乱期を持ち前の明るさと好奇心で駆け抜ける。早くに世界へ目を向けた俊輔がたどり着く、あるべき「日本」の姿とは?

    日本史に疎い私でも長州が生んだ維新の有名人と言えば桂小五郎と高杉晋作だと知っているけれど、初代総理大臣の伊藤博文も長州人とは知らなかった。韓国併合に反対したこの丸腰の老人を暗殺した人物を英雄と崇める隣国の気が知れない。
    (B)

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    2020年03月14日
  • パラドックス実践 雄弁学園の教師たち

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    雄弁というか詭弁というか。ここの卒業生は政治家にでもなるのか。教師が生徒に無理難題を投げかけると思いきや逆で、教師がたじたじになる話だった。

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    2020年02月24日