門井慶喜のレビュー一覧

  • 東京帝大叡古教授

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    シャーロックホームズのつもりで、東京帝大の政治学教授の殺人事件の犯人を捜す藤太と、いいように藤太を使う叡古教授のやり取りが愉快だ。
    すっとぼけながらも事件の裏の裏まで解き明かす叡古教授は、全体を俯瞰しすぎていて現実味がないが、コメディーと思えば許容の範囲。
    そして叡古の娘さくら子と藤太の仲は...と思わせておきながらのどんでん返しは、さすがのすっとぼけと唸らせる。

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    2016年05月19日
  • パラドックス実践 雄弁学園の教師たち

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    ネタバレ

    通常の科目のほかに,「雄弁」を学ぶという伝統ある名門校雄弁学園を舞台とした連作短篇集。パラドックス(=逆説)をテーマとした論理的な作品というよりは,やや人情ものっぽい要素がある。ミステリではないが,個々の短篇にはミステリ的な手法が生かされている。「パラドックス実践」は,本編の主人公,能瀬雅司という教師が,生徒達から出題された三つの命題にどのような解決を見せるかというハウダニットだし,「職業には向かない女」は,一度,挫折して雄弁学園を去った五十嵐という女性教師と,一歳年下の北原という女性教師との関係は何か。なぜ,雄弁学園は五十嵐を教師として呼び戻したいと思っているのかという点が謎として描かれてい

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    2015年12月13日
  • ホテル・コンシェルジュ

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    各話のエピソードにまつわるウンチクがなかなか興味深い。
    薀蓄を披露したいがためのストーリーなのか?と思ってしまった。

    不満な点としては、人物造形がもうちょっと深ければ良いのに、とか、もっと京都の地元色が感じられれば、などと思ってしまいました。

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    2015年11月30日
  • ホテル・コンシェルジュ

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    万城目学氏との共著「ぼくらの近代建築デラックス!」で溢れんばかりの薀蓄を放つ門井氏に興味を持って、初の門井氏の小説作品。
    やはり凡人が知らないような薀蓄ネタに笑みがこぼれた。
    「薀蓄在りきで、後からミステリーを組み立てたでしょう。」と 突っ込まずにはいられない。
    さらに門井氏に代わり薀蓄をスマートかつ存分に披露するホテルコンシェルジュというキャラクターに思い至った門井氏のほくそ笑む顔が思い描ける。

    ということで、普通は可決に至れるとは思えない難事件を薀蓄で解くストーリー展開はミステリー作品としてはあり得ないと思うが、軽快な展開とキャラクターの突飛さと事件のばかばかしさは、薀蓄好きのコメディー

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    2015年11月04日
  • ホテル・コンシェルジュ

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    前半は万能コンシェルジュが活躍、後半はだんだんヒロインにシフト、みたいな感じ。
    コンシェルジュさんはホテルマンらしく裏方に回ったり、と後輩の育成となって、暗躍系の探偵さんに。
    御曹司君のゆるゆる感もよかった、頼りないけど。
    そしたらヒロインがもっとぐいぐいいくタイプだといいのかなー
    続くっぽいけど、ちゃんとまだ続いてくれるかなぁ
    このまったり感のまま続いたら良いシリーズになるような気もする。

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    2015年10月31日
  • 人形の部屋

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    ネタバレ

    父と娘の関係がクローズアップされている日常の謎系ミステリ。5つの短編からなる連作の作品である。主人公の「父」である八駒敬典は,もともとは旅行会社勤務であり,なかなかのやり手だったという設定だが,現在は会社を辞めて専業主夫状態。博識の「父」とその娘「つばめ」との間の,なんとも微笑ましく,そしてちょっと難しい関係が楽しめる作品である。
    日常の謎系のミステリとして見ると,各作品で描かれている謎は魅力的であり,解決もなかなかのもの。壊れた人形の謎(人形の部屋),万年筆についての謎(銀座のビスマルク)など,傑作というほどではないが,十分楽しめる佳作が続く。
    読後感もよく,なかなかの良作なんだけど,ちょっ

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    2015年09月10日
  • ぼくらの近代建築デラックス!

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    これまで街中の風景の一部としてしか感じていなかった建物が、本書を読んで靄の中から浮き出たように輝いて感じた。

    門井さんの薀蓄と万城目さんの忌憚のない感想とサラッと次の物件に移ってしまう所が、愉快で軽快なばかりでなく、施主や建築家から時代背景まで広く興味をそそられ、この目で見てみたい。ちょっとググってみたい。という欲求を掻き立てられる。

    建築物入門にうってつけの一冊

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    2015年07月14日
  • 若桜鉄道うぐいす駅

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    ストーリは鳥取のローカル私鉄の駅の取り壊し問題で住民が争う物語。駅が有名な建築家(ライト)が設計したと言われているが、病院建設のために取り壊すことにした村長派と、歴史的建造物だから保存しようとする人々。主人公は村長の孫で、この争いに巻き込まれる。その中、実はライトが設計していないのではないかと主人公は気づく。その気づきの流れは唐突な印象である。気づいた経緯・流れを丁寧に描くともっと面白いと思う。村長が急死して、村長選がはじまる。立候補者は主人公と、保存派活動をしていた女性の息子。この構図も唐突感がある。話を短くまとめようとしたのかもしれない。そして、主人公は病院建設と保存の両立を考えるが、それ

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    2015年06月07日
  • ぼくらの近代建築デラックス!

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    万城目さんが関わっている本なので、きっと面白いだろうと買ってきました。

    ところどころで万城目さん節が炸裂してて、やっぱりおもしろかったです。

    建築のことも、ちょっと説明が続いて読み飛ばしてしまった箇所もありましたけど、勉強になりました。
    ちょいとしたエピソードなんかもとても興味深い。

    この本に出てる中で、私がすぐにでも見に行けるのが横浜。
    ということで横浜市開港記念会館を、遊びに行ったついでに見てきましたが、確かに圧巻!
    これが昔の日本に建っていたのかと思うと、その当時に見たら、もっと「ふわあ~」と感動しただろうなあと思いました。

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    2015年06月06日
  • 若桜鉄道うぐいす駅

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    田舎の駅舎が文化財、保存か建て替えかというテーマ。

    フランクロイド ライトまで引っ張り出して。

    門井氏の一冊は、穏やかでとてもインテリジェンスが醸し出る。

    岐阜の片田舎に巻き起る珍事に心温まりました。

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    2015年03月18日
  • 人形の部屋

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    専業主夫の父と年頃の中学生の娘.食卓から飛び出すあざやかな推理の数々!ほのぼの日常ミステリ.推理部分がちょっと回りくどい気もしたけど,ハートフルな感じが全面に出てて良い作品でした.それにしても専業主夫に憧れてしまう.

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    2014年07月06日
  • 小説あります

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    人は何故小説を読むのか。。。

    廃館寸前の文学館に勤める老松郁太さんは、作家徳丸敬生さんの作品に魅せられ、家業を捨ててしまう
    そんな郁太さんを連れ戻そうと、弟の勇次さんが考えた勝負が「人はなぜ小説を読むのか」という問いに納得できる答えを用意すること。

    なぜ読むのでしょう?
    私は自分の知らない世界で生きている人になれるからかなぁ。。。暇潰しかなぁ。。。色々な考え方の習得かなぁ。。。

    難しいね!

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    2014年05月24日
  • おさがしの本は

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    なんとなく読み始め、なんとなく読み続けましたが、最後がなんとなくよかったなあとぼんやり思った。。。
    ただ、もう少し、違う作品も読んでみたいとも。

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    2014年02月15日
  • おさがしの本は

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    読み始めは、癖のある言い回しについていくのが苦痛でした。 中身より表現の仕方で読み手に印象を残そうとしているようで、強引な感じがしました。慣れるに従って、主人公よりその上司の魅力が光って、読み終わった後は、まあ清々しいのかな、という感じです。もうちょっとキャラクターに深みが欲しいところ。舞台設定は面白いのですが。

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    2014年01月24日
  • パラドックス実践 雄弁学園の教師たち

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    雄弁学園という特殊な学校が舞台の教師もの小説。

    オムニバス形式で『テレポーテーションが可能であることを証明せよ』といった無理難題を突き付ける生徒相手に新任教師が奮闘する話が面白かった。

    それ以外はつまらなくはないけどやや単調。
    教師が大変だってことはよく伝わってくる。

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    2013年03月29日
  • パラドックス実践 雄弁学園の教師たち

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    ネタバレ

    もっと屁理屈に対して屁理屈で返す、屁理屈の応酬に終始していく物語かと思いきや意外と二話目から教師モノになっていた。
    最終的に読後感は悪くないが、先生って大変なんだなとしみじみ思った。

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    2013年03月29日
  • パラドックス実践 雄弁学園の教師たち

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    popの売り文句を見て結構無理難題を解決して行くのかと思いきや、それは冒頭だけ…
    途中から普通のがくえんきょうしものになってました。
    悪くはなかったけど、宣伝文句は誇張しすぎかな^_^;

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    2013年02月11日
  • パラドックス実践 雄弁学園の教師たち

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    論理学な話.この中では「パラドックス実践」が好みにあった.解答はこじつけと言えばこじつけなんだけど,普通のミステリでも解決とは結局,真実を明らかにすることではなくて,関係者が納得できるものを提示すること,だと思うので,そういう意味ではミステリ.

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    2018年10月07日
  • 天才までの距離 美術探偵・神永美有

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    美術探偵神永美有シリーズの第2弾。
    今回からは、ワトソン役(?)の佐々木さんが京都に移ってしまい、離れ離れではあるのだが、頻繁に行き来し、特に問題の無い様子。
    美術史に絡むミステリーであり、おそらく取材は大変なんだろうなと感じるが、軽い気持ちで読めるのがいいところ。次作が待ち遠しい。

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    2012年10月20日
  • 天才たちの値段 美術探偵・神永美有

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    美術ミステリー。

    美術史はもちろん、技法手法も知っているともっと、面白いんだろうな。

    それでも十分に楽しめる一冊。
    切り口が斬新。

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    2012年10月03日