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Posted by ブクログ
鳥取県の三セク、若桜鉄道うぐいす駅の駅舎取り壊し計画をめぐり、村長と住民グループとが激しく衝突する。
主人公涼太は、ここに巻き込まれてしまう。
村長の孫にして、住民グループリーダーの重次郎からは学問上の孫弟子にあたるからだ。
うぐいす駅の駅舎は本当にF・L・ライトの設計なのか。
そうでないなら、真の設計者は誰なのか。
私大の史学科の院生である主人公が謎解きをする。
これがこの本の一番のサスペンスかと思うと、実はそうでもない。
現役のまま頓死した村長、芹山剛造の後任の村長選が告示される。
鶯村でのデモ中に発作を起こして死んだ守る会の久世みち子。
その息子、静男が村長選に出馬する。
涼太は恋人の悠花を静男に奪われた恨みから、村長選出馬に踏み切る。
自分にとって面白かったのは、選挙戦が始まってからかもしれない。
代々村長を務める芹山家に、代々軍師(選対本部長)を務める冥加家のタッグ。
圧倒的に有利なはずの涼太と静男の勝負は、意外な方向に。
涼太の軽い性格や語り口のおかげで、分厚いわりにリラックスして読める。
改行が多く、ページ数の割には、テンポ良く進んでいく感じだ。
ライトの生涯や、日本での近代建築の保存活動など、建築に興味がある人にも楽しめる作品かな。
Posted by ブクログ
ストーリは鳥取のローカル私鉄の駅の取り壊し問題で住民が争う物語。駅が有名な建築家(ライト)が設計したと言われているが、病院建設のために取り壊すことにした村長派と、歴史的建造物だから保存しようとする人々。主人公は村長の孫で、この争いに巻き込まれる。その中、実はライトが設計していないのではないかと主人公は気づく。その気づきの流れは唐突な印象である。気づいた経緯・流れを丁寧に描くともっと面白いと思う。村長が急死して、村長選がはじまる。立候補者は主人公と、保存派活動をしていた女性の息子。この構図も唐突感がある。話を短くまとめようとしたのかもしれない。そして、主人公は病院建設と保存の両立を考えるが、それは村長派にならざるを得ない自分では実現できないと考え、保存派側が優位になるように話を持って行く。一介の大学院生である主人公が、政治的駆け引きを考えられることに驚いた。
Posted by ブクログ
鳥取県に実在する第3セクター鉄道、若桜鉄道を舞台としたローカル線(または沿線地域)再生の物語…を想像して読んでみましたが、全然違っていました。これ、実在の鉄道を舞台にする必要はあったかなあ。若桜鉄道を積極的にPRしている訳でもないし、実際の沿線風景に触れる訳でもない。若桜とライトって現実にも関わりありましたっけ?
そういう馴れ初めというか、執筆の経緯は読者に知らせて頂きたかったです。解説はおろか、あとがきも無いってちょっとどうなんでしょう(単行本にはあるのでしょうか)。
で、肝心の内容ですが、大くくりすれば主人公の成長物語なのでしょう。しかし、焦点がローカル線にあるのか、近代建築にあるのか、地方選挙にあるのか、恋愛模様にあるのか(悠花ちゃん最低)、そこがイマイチはっきりせず散逸な印象が拭えませんでした。描きぶりは面白くてぐいぐい読み進んだのですが、結局何の話だったのか、と時間をおいて振り返るとどうにも思い出せないのです。
まあ人生の軸なんて1本に定められないですからね。翻弄された挙句人として一皮むけた、というのはある意味リアリティがあるのかもしれません。
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