【感想・ネタバレ】若桜鉄道うぐいす駅のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

鳥取県に実在する第3セクター鉄道、若桜鉄道を舞台としたローカル線(または沿線地域)再生の物語…を想像して読んでみましたが、全然違っていました。これ、実在の鉄道を舞台にする必要はあったかなあ。若桜鉄道を積極的にPRしている訳でもないし、実際の沿線風景に触れる訳でもない。若桜とライトって現実にも関わりありましたっけ?

そういう馴れ初めというか、執筆の経緯は読者に知らせて頂きたかったです。解説はおろか、あとがきも無いってちょっとどうなんでしょう(単行本にはあるのでしょうか)。

で、肝心の内容ですが、大くくりすれば主人公の成長物語なのでしょう。しかし、焦点がローカル線にあるのか、近代建築にあるのか、地方選挙にあるのか、恋愛模様にあるのか(悠花ちゃん最低)、そこがイマイチはっきりせず散逸な印象が拭えませんでした。描きぶりは面白くてぐいぐい読み進んだのですが、結局何の話だったのか、と時間をおいて振り返るとどうにも思い出せないのです。

まあ人生の軸なんて1本に定められないですからね。翻弄された挙句人として一皮むけた、というのはある意味リアリティがあるのかもしれません。

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2020年12月07日

Posted by ブクログ

鳥取県の三セク、若桜鉄道うぐいす駅の駅舎取り壊し計画をめぐり、村長と住民グループとが激しく衝突する。

主人公涼太は、ここに巻き込まれてしまう。
村長の孫にして、住民グループリーダーの重次郎からは学問上の孫弟子にあたるからだ。

うぐいす駅の駅舎は本当にF・L・ライトの設計なのか。
そうでないなら、真の設計者は誰なのか。
私大の史学科の院生である主人公が謎解きをする。
これがこの本の一番のサスペンスかと思うと、実はそうでもない。

現役のまま頓死した村長、芹山剛造の後任の村長選が告示される。
鶯村でのデモ中に発作を起こして死んだ守る会の久世みち子。
その息子、静男が村長選に出馬する。
涼太は恋人の悠花を静男に奪われた恨みから、村長選出馬に踏み切る。

自分にとって面白かったのは、選挙戦が始まってからかもしれない。
代々村長を務める芹山家に、代々軍師(選対本部長)を務める冥加家のタッグ。
圧倒的に有利なはずの涼太と静男の勝負は、意外な方向に。

涼太の軽い性格や語り口のおかげで、分厚いわりにリラックスして読める。
改行が多く、ページ数の割には、テンポ良く進んでいく感じだ。
ライトの生涯や、日本での近代建築の保存活動など、建築に興味がある人にも楽しめる作品かな。

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2020年12月06日

Posted by ブクログ

「家康江戸を建てる」(まだ読んでいない)でこの作者を知り、読んでみようと思った小説。

芹山涼太という主人公の一人称で物語が進んでいく。

田舎の駅が取り壊されるという話が出てどんどん進んでいき、最後にはハッピーエンド?で終わる。

最後に物語の疑問点を回収していってよかった。

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2018年11月02日

Posted by ブクログ

地方ローカル線の駅の取り壊しをするや否やで物語は進んでいく。

話しは全体的に面白いのだが、その場面展開が結構唐突過ぎて、無理やり感がある所が多い。
もう少しスムーズな場面展開を意識してストーリーを進めて貰うと良かった。

特にキーマンの一人の心変わりの突然感は頂けない。

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2016年07月28日

Posted by ブクログ

ストーリは鳥取のローカル私鉄の駅の取り壊し問題で住民が争う物語。駅が有名な建築家(ライト)が設計したと言われているが、病院建設のために取り壊すことにした村長派と、歴史的建造物だから保存しようとする人々。主人公は村長の孫で、この争いに巻き込まれる。その中、実はライトが設計していないのではないかと主人公は気づく。その気づきの流れは唐突な印象である。気づいた経緯・流れを丁寧に描くともっと面白いと思う。村長が急死して、村長選がはじまる。立候補者は主人公と、保存派活動をしていた女性の息子。この構図も唐突感がある。話を短くまとめようとしたのかもしれない。そして、主人公は病院建設と保存の両立を考えるが、それは村長派にならざるを得ない自分では実現できないと考え、保存派側が優位になるように話を持って行く。一介の大学院生である主人公が、政治的駆け引きを考えられることに驚いた。

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2015年06月07日

Posted by ブクログ

田舎の駅舎が文化財、保存か建て替えかというテーマ。

フランクロイド ライトまで引っ張り出して。

門井氏の一冊は、穏やかでとてもインテリジェンスが醸し出る。

岐阜の片田舎に巻き起る珍事に心温まりました。

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2015年03月18日

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