あらすじ
鳥取県内を走る若桜(わかさ)鉄道は、三両編成。一両や二両のときも……。ローカル色あふれる路線には、昭和初期に著名な建築家が設計したとされるうぐいす駅の駅舎がある。しかし、この場所に病院を誘致し、とりこわす計画が持ち上がり、改築と保存で田舎町は揺れていた。大学院生の芹山涼太(せりやまりょうた)は、村長である祖父の命令で、駅舎の歴史を調べるなか、祖父の急死で、村長選に立候補させられてしまった。(傑作青春ミステリー)
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
鳥取県に実在する第3セクター鉄道、若桜鉄道を舞台としたローカル線(または沿線地域)再生の物語…を想像して読んでみましたが、全然違っていました。これ、実在の鉄道を舞台にする必要はあったかなあ。若桜鉄道を積極的にPRしている訳でもないし、実際の沿線風景に触れる訳でもない。若桜とライトって現実にも関わりありましたっけ?
そういう馴れ初めというか、執筆の経緯は読者に知らせて頂きたかったです。解説はおろか、あとがきも無いってちょっとどうなんでしょう(単行本にはあるのでしょうか)。
で、肝心の内容ですが、大くくりすれば主人公の成長物語なのでしょう。しかし、焦点がローカル線にあるのか、近代建築にあるのか、地方選挙にあるのか、恋愛模様にあるのか(悠花ちゃん最低)、そこがイマイチはっきりせず散逸な印象が拭えませんでした。描きぶりは面白くてぐいぐい読み進んだのですが、結局何の話だったのか、と時間をおいて振り返るとどうにも思い出せないのです。
まあ人生の軸なんて1本に定められないですからね。翻弄された挙句人として一皮むけた、というのはある意味リアリティがあるのかもしれません。