門井慶喜のレビュー一覧

  • ゆうびんの父
    読み終わりまるで大河ドラマのような壮大な物語でした。小学生の頃切手収集が好きで1円切手の前島密は知っていました。馴染みのある肖像画でした。ゆうびんの父納得です。5歳でひとり旅をするなんてすごいですね。波瀾万丈の生涯、幕末の有名人オンパレード、歴史小説としても読み応え充分でした。郵便制度の開拓は心震え...続きを読む
  • 銀河鉄道の父
    素晴らしい小説だった。親子愛を描いた本として傑作だと思う。この小説での父・政次郎は、宮沢賢治という、人とは一風変わった個性と真摯に向き合う、人間味あふれる父親として描写されている。実際の父親がどのような人であったかは、資料がないために、はっきりとはわかっていないらしいが、いつの時代でも、このような父...続きを読む
  • 銀河鉄道の父
    もうめちゃくちゃ最高でした。
    宮沢賢治のお父さんの話という前情報にもならない情報だけで読んだが、このお父さんが本当に愛情深く宮沢賢治を大事にしていたのが伝わった。
    宮沢賢治のお父さんは息子である宮沢賢治の事を「凧のようだった」と。こちらがしっかり握ってやらないと、どこへ行くか分からなかったと言ってい...続きを読む
  • 決戦!新選組
    新撰組のアンソロジー。
    剣で斬り合うのは決して好きではない。
    なのに惹かれる新撰組。
    時代が移ろう中で、自分の信念を生きる姿に惹かれる。
    馴染みの隊士のイメージがちょっと違ったりして、
    そんなところも面白かった。
  • 地中の星―東京初の地下鉄走る―(新潮文庫)
    【地中の星】
    中島みゆきさんのヒット曲に『地上の星』というのがありましたが、この著書は『地中の星』です。

    日本で初めて地下に鉄道を走らせようとした男たちが数々の難局を乗り越えてみせる壮絶な冒険記です。

    主役となる早川徳次、名前を見たときに最初はSHARP創業者かと思いましたが、生年月日、名前の呼...続きを読む
  • 銀河鉄道の父
    夜間覚醒中に読んだ本。父の眼差しの暖かさにほっこりする本。著者と担当者が「誰が一番親バカ」か話している、ほっこりインタビュー記事も読んだが、親の視点を追体験できるようなシンプルで温かい文体。自分が親として、子供にしてあげられることって、いったい何があるんだろう?等、いろいろ考えました。
  • 銀河鉄道の父
    私がいた大学に深澤教授という学生闘争以前の大先生がいた。西洋哲学のゼミを物色していた私が『宮沢賢治研究』という見出しを見た際、「気持ち悪っ」と思って他ゼミに流れたことがある。

    卒業後その記憶も薄れて、緒方直人主演の『宮沢賢治物語』をたまたま見た。最愛の妹トシの死、そして賢治の死を画面で見てしまい一...続きを読む
  • 銀河鉄道の父
    命の恩人であり、保護者であり、教師であり、金主であり、上司であり、抑圧者であり、好敵手であり、貢献者であり、理解者であり、過保護なまでのあふれる愛情をもちつつ、外には出さず厳格に見える父。昔の父親は大変やな。
    母親の心情には全くスポットが当たってないけど、お母様も大変やったろうな。
    過保護なまでの愛...続きを読む
  • 銀河鉄道の父
    父と息子?家族?の絆愛情の物語かな?
    自分も父親になって初めて共感出来るとすごく思った。俺も息子からはウザがられてるんだろうなぁ、、、、切ないなぁ。

    まぁ確かに自分の父親にかけてもらったぐらいに愛情を持っているかと言われたらそんなことないのだが、、、、、自分の父親もこんなに思ってくれてるんだろうか...続きを読む
  • 東京、はじまる
    建築家、辰野金吾の大河小説。
    正に大河と呼ぶに相応しい、波乱万丈の人生だった。

    決して順風満帆ではないし、何より集大成とも言える建築に向かう頃には自分の老いを受け入れて新しいものを拒絶してるんだもんね。
    栄枯盛衰、なるほどなるほど。

    好きなシーンは色々ありますが、どこか1つを選べと言われたらやは...続きを読む
  • 屋根をかける人
    アメリカ人が日本に来たとか、実業家が何かを成し遂げたとか、一般化できるような話ではなかった。
    この、ウィリアム・メレル・ヴォーリズ氏でしか成し得なかったこと、彼にしか駆け抜けられなかった人生というものを存分に感じることができた。

    まず、ヴォーリズ氏は、若くして非常に弁が立ち、向上心、野心に溢れた男...続きを読む
  • 文豪、社長になる
    愛すべき人。今までほとんど知らなかった。よくぞ文藝春秋社を創立した。直木賞、芥川賞を創設した。川端康成など、同時代の作家さんがたくさん出てくるのも楽しい。
  • 銀河鉄道の父
    自分は政次郎のように真剣に息子を叱れるだろうか。
    愚直に仕事と向き合い、自分の生き方に誇りを持っているからこそ、胸を張って息子と接することができるのだと思う。
    最近父になった自分は、そういった視点で本書を読み進めた。

    時代は違えど、父親というのは現代とさほど変わらない。やっぱり子どもはかわいい。健...続きを読む
  • 天災ものがたり
    日本史上に幾多とあった天災。それらを題材に災害から立ち直ろうと奮闘する人々を描いた連作集。


    信玄堤、三陸沖地震、飢饉、宝永の富士山噴火、明暦の大火、三八豪雪。

    天災と人災の境目について考えさせられる一冊。

    氏の作品には外れがない。
  • 文豪、社長になる
    ノンフィクションやインタビューではない、出版社創業フィクションは老舗ならでは。他の本で書かれていたことや、過去に読んだ石井桃子の自伝などともリンクして、グイグイ読めた。

    ゴシップ話が大正時代になってから人気が出た、という話が印象的だった。

    もちろん、同社からの出版物だし故人なので、好意的かもしれ...続きを読む
  • 銀河鉄道の父
    ★5つ、9ポイント半。
    読んで良かった、とても心に残る一冊。
    ただし、再読はしないだろう。
    宮沢賢治とその父の、あまりに切ないおハナシだから。

    映画公開に先立ってのTVCMからは、コメディ色の匂いが漂っていた。
    映画観ようか迷ったり、この本を買おうかとか考えたりしながらあらすじを読んだ時には、父子...続きを読む
  • 文豪、社長になる
    安定の門井慶喜作品。流行作家から今も続く文藝春秋を創刊した菊池寛。今や絶滅した文豪の生き様を菊池寛のほか、芥川龍之介、直木三十五らとともに描く。

    新進の作家に発表の場を与えるために創刊した同人誌的な内容から日本を代表する総合誌へ。そして戦争の影。
    ハズレのない門井慶喜の伝記小説は今回も安定の出来。
  • 銀河鉄道の父
     直木賞を受賞し、映画にもなった作品だ。宮沢賢治の父政次郎を主人公として、時代はずれの父性愛を描いている。どちらかといえば賢治の芸術方面への活動に賛同しなかったと漠然と考えられている父親像の反対をいく描き方だ。
     果たしてこれが事実か否かは私には判断できない。ただ、賢治という強烈なキャラクターを成立...続きを読む
  • 銀河鉄道の父
    宮澤賢治のことではなく、その父にスポットを当てている作品。父の目線から見た賢治は、私たちが現代から想像していた青年ではなかったようである。父が息子を愛する姿が、素直に、ぶっきらぼうに描かれていて、心が震えた。
    宮澤賢治作品をもう一度読み直したい!と思える一方で、父になるとはどういうことなのかを考えさ...続きを読む
  • 文豪、社長になる
    特に何か凄い事件が起こるわけではないのに、日本の近代文学史が描かれているせいか、非常にワクワクして面白かったです。

    明治21年生まれの菊池寛が作家になり『真珠婦人』をヒットさせ文藝春秋社という会社を立ち上げ、雑誌『文藝春秋』を創る話です。


    1話目の寛と寛(ひろしとかん)には芥川龍之介が登場しま...続きを読む