門井慶喜のレビュー一覧

  • 札幌誕生

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    蝦夷地から北海道へ。その中核として設計された都市、札幌。札幌が発展するきっかけを作った5人のあまり知られぬ人たちの苦闘を描いた感動作。
    人がその一生でできることは限られているが、後世にタスキを繋ぐことはできる。

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    2025年06月03日
  • 銀河鉄道の父

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    ネタバレ

    映画で原作が気になって読んでみた。
    断然原作のほうが好み。
    まず父親の内面描写が丁寧で、政次郎をぐっと好きになった。
    おそらく私がオッサンになっている頃合いだからというのもあるだろうけれど。
    で、筆は大抵政次郎に寄っているが、三人称で、賢治にも寄る。
    そこで父が知りえない生活や、内面が多少描かれるが、ここもまたぐっときて。
    正確な意味で、ファザーコンプレックスと、インフェリオリティコンプレックス。
    法華経がらみも、おそらく映画よりは事実に近いんだろう。
    親子を描くと同時に、政次郎の父喜助と、次女シゲや次男清六の子ら(政次郎の孫)を描く。
    それを、食卓の座席配置に厳密であることから、新時代の卓袱

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    2025年05月19日
  • 銀河鉄道の父

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    ネタバレ

    直木賞受賞作品。

    宮沢賢治の父に焦点をあてた作品。面白くて一気読み。
    この父がとても過保護。明治の父なので厳しく接しようとはしているが、子にも「隙だらけ」と思われるくらい子に甘い。息子が入院するたびに周囲の反対を押して泊まり込みで看病し、自分も罹患してしまう。

    宮沢賢治については「雨ニモマケズ」の印象が強くて貧しい農民出身なのかと思い込んでいたけれど、実は実家はかなりのお金持ち。質屋で儲かったお金で何不自由なく生活できたことに対する負い目はあるのだが、その割には、その実家に金の無心をしたり、父に改宗をせまったり、妹に禁断に近い愛情をもってしまったり、「ん?思っていた人と違うな・・」とオロオ

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    2025年05月18日
  • 地中の星―東京初の地下鉄走る―(新潮文庫)

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    日本初の地下鉄(土の中に電車を走らせるという発想‼️)を作り、地下鉄の父と言われた早川徳次。渋沢栄一が出てきたり、五島慶太とは因縁の相手だったり、今でこそ東京メトロだけれども一度は官のものであったりと、地下鉄普請の苦労もさることながら実名出てきてふうん、と思いました。この工事に携わった人たちを「地中の星」と呼びタイトルにしたセンスは素晴らしいです。

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    2025年04月28日
  • 札幌誕生

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    道民なら教科書に出てきた大友亀太郎や小説家としてしか知らなかった有島武郎、さらには三日月湖として現代に残る石狩川治水など。幕末から続く壮大な開拓物語に一気読みした。

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    2025年04月24日
  • 銀河鉄道の父

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    宮沢賢治の父政次郎を中心とした宮沢家のお話。

    とにかく政次郎が子ども思いであり、子どもには甘い。
    この時代の父親像とは異なるように思えるが、子を思う気持ちが最後まで溢れている。

    宮沢賢治の作品だけを追ってきただけではもったいないかも。この父あっての宮沢賢治だった。

    この作品に出会ってよかった。今度は宮沢賢治の詩集を読んでみたい。

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    2025年04月23日
  • 銀河鉄道の父

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    ★4.6
    聖人・宮沢賢治。農民のために身を捧げた「求道者」、あるいは「宗教的な詩人」。
    しかし”父の目”に映る彼は、手のかかる不器用な一人息子だった。理解と困惑のはざまで、父はその背を見つめ続けた。


    『風の又三郎』、『セロ弾きのゴーシュ』、『よだかの星』、『グスコーブドリの伝記』ーー。
    ファンタジックで寓意に富んだ作品群で、”あの”教科書で出会う詩人の代表格だ。
    宮沢賢治は、まさに“死後に再評価された”人物である。生前はほとんど無名に近く、その後の時代が“賢治像”を創り上げていった。

    そもそも、本書を読む前は彼にどのようなイメージを抱いていただろうか。清貧?献身?理想主義?
    「銀河鉄道の

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    2025年04月16日
  • ゆうびんの父

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    ゆうびんとあるから、どんな話だろうと思って読んでみれば、郵便の核心部分に触れるのは4分の3、ほとんど後半である。

    しかし、まだ人の足でものを運んでいたような時代に、これだけのものを短期間で仕上げてしまう、前島密の努力に感服した。

    その努力が今、民営化やメールやSNSなどの普及によって下火になってしまっているのは残念である。

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    2025年03月11日
  • 銀河鉄道の父

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    お父さんに涙。
    宮沢賢治の父が家族の長として、賢治や家族とどう向き合ったか
    時代的にも厳しく厳格な父を想像するが、中身は親バカすぎてもはや愛おしいです!
    そして作品はいくつか知っていたけど、宮沢賢治がどんな人か知らなかったのでそれもおもしろかった!勝手に「雨にも負けず」な生活をしていた苦労人だと思っていました、、
    映画は見てないですが、この父親は役所広司が適任だと、映画が見たくなりました!

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    2025年01月30日
  • 銀河鉄道の父

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    タイトル通り宮沢賢治の父。政次郎の視点で描かれてます。
    解説にもありますが、宮沢賢治の障壁として悪役として扱われていた。よっぽど資料の捜索に苦悩したと思います。にも関わらず実際に見たんかなっていうぐらい描写がしっかりしててびっくり。父親ならシンパシーを感じちゃう政次郎の迷いや感情の動き面白い。私は割かし甘やかされて育てられたので、もしや私の父もこんな気持ちだったんじゃ?と思わされます。
    宮沢賢治についての歴史も沢山出てきて、宮沢賢治の印象も変わります。優しい長男のイメージでしたが、純粋すぎる長男のイメージ
    内容も時代が違うから想像するのが難しいですが、心の中の呟きが改行されるなどの工夫のお陰で

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    2025年01月24日
  • 銀河鉄道の父

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    賢治のお父さんは明治生まれと言うけれど、どちらかといえば現代の父親にも見えなくもないと思った。
    「家長」と意識しながらもついつい賢治に甘くしているところが、子ども可愛さ故か。
    父、政次郎も賢治の心を読もうとしたり、賢治の失敗を自分のせいだと感じ反省したりと、本当に人がいいんだなと思ってしまう。

    読み応えがあり、今後、また宮沢賢治の本を読むときに思い浮かべてみようと思う。

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    2025年01月09日
  • 銀河鉄道の父

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    ネタバレ

    胸を打つ渾身の父親像を政次郎に見ました。
    どうしようもなく甘いけど、それだけじゃなく人物として立派で、賢治と似ている部分、似ていない部分の対比が秀逸。
    幼い頃から息を引き取るまで何度も賢治の看護をしているシーンは穏やかながらも悲しさが付きまといます。涙の別れではなく、遺言を聞き取ろうと最後まで父親であり続けた様に背筋が伸びるような思いになりました。
    賢治が父のようになりたくてもなれなかった葛藤も胸に刺さりました。何とか自分に出来ることで必死に生きようとしている所が、痛いほど共感出来てしまいます。
    ひとつの親子の形として、完璧じゃないかと思えるお話でした!

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    2024年12月16日
  • 銀河鉄道の父

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    なーんとなくしか知らなかった宮沢賢治と全く知らなかった父ちゃんの話
    映画なんか見ないで、原作を読もう!
    厳しいけど少しかわいい政ニ郎さんが待ってますよ

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    2024年12月15日
  • 灯台を読む

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    日本財団「海と灯台プロジェクト」から生まれた紀行。近年の流行作家門井慶喜、澤田瞳子、阿部智里、川越宗一、永井紗耶子、安部龍太郎。それぞれある地域の灯台を3カ所訪れ時空を超えて想いに馳せる。
    映画「喜びも悲しみも幾歳月」の世界は遠い過去。無人化さらにGPSの普及により灯台は役目を終えつつある。
    とはいえ灯台の立つ場所は古代からの交通の要衝。異国との貿易の出発点、文化が交わる場所でもあった。

    地域の海の記憶を辿り、新たな海洋体験を 灯台とともに

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    2024年12月05日
  • 銀河鉄道の父

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    映画を観てから読みました。

    読んでから映画を観た方が良かったのかもしれないと思いました。

    映画がより深いものになりました。

    映画を観て、原作を読んで、宮沢賢治の作品たちを読んでいますが、こんなにも素晴らしい作品だったのかと目から鱗です。

    そんな素晴らしい作品を生み出した賢治さんの生き様に触れられる、とても素晴らしい物語りです。


    あめゆじゅとてちてけんじゃ。。

    涙が出ます。

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    2024年12月04日
  • 灯台を読む

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    ネタバレ

    GPSの進歩により、灯台がその役割を終えていっているという事実を初めて知った。
    「海と灯台プロジェクト」協力のもと、灯台が存在することの意義を、その土地のあらましや歴史、灯台を守ってきた人々にスポットライトを当てることで言語化した、6名の作家さんによる紀行文。

    作品を読みながら旅行気分に浸れるので愉しい。作家のみなさんが灯台の中の螺旋階段を登り、灯台室に入られる場面のわくわく感が伝わってきた。フルネルライトを初めて検索したが、見事なライトであった。

    灯台の父と呼ばれるイギリス人のブラントンさんという方が、菜種油で火を灯す木造の灯明台が主な海の道標だった日本に、西洋式の灯台をもたらした。また

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    2024年11月18日
  • ゆうびんの父

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    アヘン戦争で、中国が負けた事は、想定外だったのだろう。いかにして、日本の植民地化を防ぐか。維新期の動乱からの見事な着地をなしえて本当に良かった。旧弊の幕府組織では対応出来なかったろう。混乱から、西洋式の政府への見事な転換。利権を奪われずに制度化していった要人達。ありがとう。

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    2024年11月17日
  • 銀河鉄道の父

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    宮沢賢治について、生い立ちなどの知識があまりないまま読み始めました。
    勝手なイメージから、完璧な人だと思い違いをしておりましたが、人と同じように悩み、失敗を繰り返し、中にはもう少ししっかりしておくれ…と感じるエピソードまでがちりばめられており、彼への印象が変わりました。
    お父様の目線で描かれることが中心で、子を愛し過ぎる側面に自分も2人の母として思わず笑ってしまう部分があり、楽しく読み始めることが出来ます。一方で、人生についても考えさせられます。
    終始読み飽きることない作品です。

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    2024年10月27日
  • ぼくらの近代建築デラックス!

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    日本丸総帆展帆とオクトーバーフェストに合わせて近代建築巡り、事前学習のために再読。
    2024-048

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    2024年10月15日
  • 地中の星―東京初の地下鉄走る―(新潮文庫)

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    ネタバレ

     へぇーっ!ベルトコンベアは、日本で開発されたものだったんだ。地下鉄を1km造るのと、地上の鉄道を1km造るのでは、ずいぶんとコストがちがうんだ。
     ずいぶんと苦労しながら、主人公(早川徳次)は日本で初めての地下鉄を造った。ライバル敵意な存在である五島慶太のことを、これまでは、強盗慶太という呼び方そのもので理解していたが、この本を読んで、地上の鉄道を造りながら利益を上げて、地下鉄も手がけていった優秀な実業家だったんだとわかった。
     いい本でした。

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    2024年10月08日