門井慶喜のレビュー一覧
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明治時代にキリスト教の伝道師として来日し、建築家、実業家として活躍する
ことになるアメリカ人のメレルが日本に留まり帰化することを選んだ理由とは!?
フィクションなのか、ノンフィクションなのか、
解説に書かれている、とある実録に名が記されていることでにより、
それが、小説の内容のようなことであるなら、現代日本にとって重大で重要な
ことと言えるでしょう。そして、ウィリアム・メレル・ヴォーリズの人生は、
良くも悪くも、心に響き、読者に感動を与えること間違いなし。
2025年8月に気になっていたこの小説を読んだことは、戦後80年という
ことは意識していなかったけれども、考え深いことではあります。 -
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本作は、『真珠夫人』などのベストセラーで知られる一方、『文藝春秋』の創業者として活躍した一面も持つ作家、菊池寛を主人公に、夏目漱石から向田邦子まで様々な有名な小説家がオールスター的に登場する大変賑やかで、楽しい一冊です。
直木賞、芥川賞の生みの親的な存在でもあり、本作でも創設の過程や芥川や直木とのエピソードがユーモラスに語られているので、著者はすでに『銀河鉄道の父』で直木賞を取っているので取ることはできないと知りながら、これが直木賞を取った世界線を思わず想像していました。
物語は挫折からはじまり、様々な失敗も描かれているので(と言っても、とてつもなくすごいひとなわけですが)、馴染みや -
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肉や骨はほろびるが、ことばは滅亡しない
映画観たかったぁ。。。
大好きな 大好きな宮沢賢治
その生涯を支えた父親の物語!!
そのせいか若き頃の賢治は、この本ではどうにもワガママ息子に描かれていた。
家業を継ぐ気はなく、でも将来を決めかねて、挙句の果てには仕事にもつかず学問を優先するがあまり、親にお金の工面を願い出たり。。。etc。。。
父親からみたら、可愛さ余って。。。だったろう!!
でも、この頃の賢治は、きちんと未来を見据えていたと私は思っていて、岩手の土壌が悪く野菜が育たない。。。でも肥料となりうるかもしれない鉱物は、岩手の地にはたくさんあって。。。
そのことを突き詰めるには、父の豊 -
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ネタバレ映画で原作が気になって読んでみた。
断然原作のほうが好み。
まず父親の内面描写が丁寧で、政次郎をぐっと好きになった。
おそらく私がオッサンになっている頃合いだからというのもあるだろうけれど。
で、筆は大抵政次郎に寄っているが、三人称で、賢治にも寄る。
そこで父が知りえない生活や、内面が多少描かれるが、ここもまたぐっときて。
正確な意味で、ファザーコンプレックスと、インフェリオリティコンプレックス。
法華経がらみも、おそらく映画よりは事実に近いんだろう。
親子を描くと同時に、政次郎の父喜助と、次女シゲや次男清六の子ら(政次郎の孫)を描く。
それを、食卓の座席配置に厳密であることから、新時代の卓袱 -
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ネタバレ直木賞受賞作品。
宮沢賢治の父に焦点をあてた作品。面白くて一気読み。
この父がとても過保護。明治の父なので厳しく接しようとはしているが、子にも「隙だらけ」と思われるくらい子に甘い。息子が入院するたびに周囲の反対を押して泊まり込みで看病し、自分も罹患してしまう。
宮沢賢治については「雨ニモマケズ」の印象が強くて貧しい農民出身なのかと思い込んでいたけれど、実は実家はかなりのお金持ち。質屋で儲かったお金で何不自由なく生活できたことに対する負い目はあるのだが、その割には、その実家に金の無心をしたり、父に改宗をせまったり、妹に禁断に近い愛情をもってしまったり、「ん?思っていた人と違うな・・」とオロオ -
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★4.6
聖人・宮沢賢治。農民のために身を捧げた「求道者」、あるいは「宗教的な詩人」。
しかし”父の目”に映る彼は、手のかかる不器用な一人息子だった。理解と困惑のはざまで、父はその背を見つめ続けた。
『風の又三郎』、『セロ弾きのゴーシュ』、『よだかの星』、『グスコーブドリの伝記』ーー。
ファンタジックで寓意に富んだ作品群で、”あの”教科書で出会う詩人の代表格だ。
宮沢賢治は、まさに“死後に再評価された”人物である。生前はほとんど無名に近く、その後の時代が“賢治像”を創り上げていった。
そもそも、本書を読む前は彼にどのようなイメージを抱いていただろうか。清貧?献身?理想主義?
「銀河鉄道の -
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タイトル通り宮沢賢治の父。政次郎の視点で描かれてます。
解説にもありますが、宮沢賢治の障壁として悪役として扱われていた。よっぽど資料の捜索に苦悩したと思います。にも関わらず実際に見たんかなっていうぐらい描写がしっかりしててびっくり。父親ならシンパシーを感じちゃう政次郎の迷いや感情の動き面白い。私は割かし甘やかされて育てられたので、もしや私の父もこんな気持ちだったんじゃ?と思わされます。
宮沢賢治についての歴史も沢山出てきて、宮沢賢治の印象も変わります。優しい長男のイメージでしたが、純粋すぎる長男のイメージ
内容も時代が違うから想像するのが難しいですが、心の中の呟きが改行されるなどの工夫のお陰で -
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ネタバレ胸を打つ渾身の父親像を政次郎に見ました。
どうしようもなく甘いけど、それだけじゃなく人物として立派で、賢治と似ている部分、似ていない部分の対比が秀逸。
幼い頃から息を引き取るまで何度も賢治の看護をしているシーンは穏やかながらも悲しさが付きまといます。涙の別れではなく、遺言を聞き取ろうと最後まで父親であり続けた様に背筋が伸びるような思いになりました。
賢治が父のようになりたくてもなれなかった葛藤も胸に刺さりました。何とか自分に出来ることで必死に生きようとしている所が、痛いほど共感出来てしまいます。
ひとつの親子の形として、完璧じゃないかと思えるお話でした!