門井慶喜のレビュー一覧

  • 銀河鉄道の父

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    宮沢賢治と遠野の昔話が好きなのが高じて岩手県好きです。宮沢賢治の生い立ちは本やドラマ化されたので知ってましたが。父親のことは余り語られてなかったのでとても衝撃的でした。息子への愛の強さとあの父親の息子だから優しく切ない物語が出来上がったのですね。私の3人いる娘達は皆30歳を超えましたがこれからも愛情をたっぷりかけて行きます。この本の感想は父親の偉大な愛情に尽きました。

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    2024年09月02日
  • 家康、江戸を建てる

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    とても良かった。徳川家康が豊臣秀吉により関東へと移されそこで新たな都市を作る過程が描かれている。利根川を無理やり曲げることで沼のような土地だった場所を人が住めるようにし、貨幣を作ることで経済のあり方を変え、上水を整備することで多くの人が生活できるようにする。江戸城の築城にも多くの人が関わっていて、最後の章の天守閣が白の漆喰で塗られた理由(作者の考え?)が平和の象徴及びそれまでに亡くなった人への墓標というのも感慨深い。
    東京の地理にもっと明るかったらもっと楽しく読めたし実際の土地へ行けたのに、残念。
    1から都市を作るってすごいことでもう日本じゃぁ起きないよな。

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    2024年08月29日
  • ゆうびんの父

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    郵便の父・前島密の伝記小説。高名ではあるがその生涯はほぼ知らなかったので、大変面白く、勉強になった。明治になるまでの記述が冗長で、郵便以外の前島の業績をもっと書いてほしかった面はあるが、郵便が一生涯の仕事となる軌跡が確り描かれていて良かった。

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    2024年06月12日
  • ゆうびんの父

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    伝記は史実が大事だからか、説明くさくて読みにくいものが多かったが、本作は先が気になってどんどん読み進んだ。
    前島密の人生が面白いというのもあるけれど、やはり作者の力だろう。

    母の影響を多く書いているところが、男性作者だなあと思う。そして息子はみんなマザコンなくせに、ちっとも母を大事にしない。
    当時の女性は、それが誉で息子の出世が己の幸せ?離婚までさせて連れてきた母を、7年間で飼い殺しなんて。
    と腹の立つこともあったが、話はとても面白く読んだ。

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    2024年06月05日
  • 家康、江戸を建てる

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    何もなかった江戸の町を作るために、尽力した人たちがたくさんいたことが印象的でした。
    川を曲げたり、石を切り出して積み上げたり、何人の犠牲があったのだろう。この土地が愛おしくなりました。

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    2024年05月22日
  • ゆうびんの父

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    門井さんが描く前島密が惜しい感じのヘタレ人間で、ユーモアがあって面白い。幕末の熱血志士とは違ったテイストの人生を生きる彼を応援したくなってしまった。

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    2024年05月02日
  • ゆうびんの父

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    読み終わりまるで大河ドラマのような壮大な物語でした。小学生の頃切手収集が好きで1円切手の前島密は知っていました。馴染みのある肖像画でした。ゆうびんの父納得です。5歳でひとり旅をするなんてすごいですね。波瀾万丈の生涯、幕末の有名人オンパレード、歴史小説としても読み応え充分でした。郵便制度の開拓は心震えました。あなたも読んで感動して下さい。

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    2024年03月30日
  • 決戦!新選組

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    新撰組のアンソロジー。
    剣で斬り合うのは決して好きではない。
    なのに惹かれる新撰組。
    時代が移ろう中で、自分の信念を生きる姿に惹かれる。
    馴染みの隊士のイメージがちょっと違ったりして、
    そんなところも面白かった。

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    2024年01月26日
  • 地中の星―東京初の地下鉄走る―(新潮文庫)

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    【地中の星】
    中島みゆきさんのヒット曲に『地上の星』というのがありましたが、この著書は『地中の星』です。

    日本で初めて地下に鉄道を走らせようとした男たちが数々の難局を乗り越えてみせる壮絶な冒険記です。

    主役となる早川徳次、名前を見たときに最初はSHARP創業者かと思いましたが、生年月日、名前の呼び方が違いました。

    その早川徳次、大学卒業後、南満州鉄道に就職、その後も地上の鉄道会社でそれなりに力を発揮していた人物ですが、ある時、地下鉄道を作ることを命じられます。

    もちろん日本にはそのようなノウハウもスキルもなく、またどれくらいの費用がかかるのかも見当がつかない中でのスタート。まずは資金集

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    2023年12月30日
  • 東京、はじまる

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    建築家、辰野金吾の大河小説。
    正に大河と呼ぶに相応しい、波乱万丈の人生だった。

    決して順風満帆ではないし、何より集大成とも言える建築に向かう頃には自分の老いを受け入れて新しいものを拒絶してるんだもんね。
    栄枯盛衰、なるほどなるほど。

    好きなシーンは色々ありますが、どこか1つを選べと言われたらやはり前述した箇所、辞表を突き付ける松井とのシーン。
    時代の移り変わりと共に老いからも逃れられない。。。
    『コーヒーにはうるさいぞ』からの『コーヒーはなかなかうまかった』の流れがより一層胸を締め付けます。
    もはや、自分は最先端ではないことを社会全体が示してるんですよね。
    切ない、切ないよ。

    コンドルと

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    2023年10月04日
  • 屋根をかける人

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    アメリカ人が日本に来たとか、実業家が何かを成し遂げたとか、一般化できるような話ではなかった。
    この、ウィリアム・メレル・ヴォーリズ氏でしか成し得なかったこと、彼にしか駆け抜けられなかった人生というものを存分に感じることができた。

    まず、ヴォーリズ氏は、若くして非常に弁が立ち、向上心、野心に溢れた男で、この時点で、成功者としての素質を持っているのだった。
    ヴォーリズ氏であれば、どの時代でも、どの国でも、成功することができただろう。

    20代半ばで日本の近江八幡に来て、英語教師として教鞭をとったのをはじめとして、キリスト教の布教活動、建築活動、そして、メンソレータムの販売と、壮年期まで休むことな

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    2023年09月18日
  • 天災ものがたり

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    日本史上に幾多とあった天災。それらを題材に災害から立ち直ろうと奮闘する人々を描いた連作集。


    信玄堤、三陸沖地震、飢饉、宝永の富士山噴火、明暦の大火、三八豪雪。

    天災と人災の境目について考えさせられる一冊。

    氏の作品には外れがない。

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    2023年09月03日
  • 東京、はじまる

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    万城目学との対談本「ぼくらの近代建築デラックス! 」が面白かったので、その対談相手である門井慶喜を初めて読んでみた。
    とても面白かった

    東京駅を代表とする辰野式と、それとは様式の異なる日本銀行本店。
    日銀の支店でも、京都支店は辰野式で、大阪支店は本店と同じスタイル。
    という2つの様式の関係が以前から気になっていたが、この本を読んでその事情を理解できたのも嬉しい

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    2024年05月18日
  • 江戸一新

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    とても面白かった。いや、知恵伊豆、すごいわ。とても魅力的に描かれている。他の老中や幡随院長兵衛とのやり取りも面白い。これもぜひドラマにして欲しいものだ。光圀を山本耕史君に演じてもらって、やり込められるとこを見たい

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    2023年02月12日
  • 江戸一新

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    明暦の大火からの復興を描いた。大勢の町人が犠牲になり、江戸城も焼け、町が灰燼に帰した。松平信綱が主人公。天守を復興させず、城郭内の大名屋敷を外へ出し、町割りを改めた。登場人物たちの会話、かけあいが楽しい。

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    2023年01月25日
  • 自由は死せず : 下

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    あの有名な板垣退助のセリフの謎はこんなだった。なんだか笑えるエピソードですが、死ぬまでロックな板垣退助の人生はとても興味深かった。

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    2023年01月21日
  • 自由は死せず : 上

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    ロックな板垣退助、最高に面白かった。ギャグかなこれ?と思う笑えるシーンあり、でも悲惨な戦争は進む。門井慶喜さんのシンプルな文体が読みやすい。

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    2023年01月21日
  • 江戸一新

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    振袖火事で有名な明暦の大火の江戸の地でのその後をテーマにした出来事や登場人物によく知られている由井正雪や幡随院長兵衛などありさながら浪曲を聴いている様で実に面白かった。

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    2023年01月21日
  • かまさん――榎本武揚と箱館共和国

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    ネタバレ

    もはや新政府が勝利するのは史実であるから、なぜ幕府軍が負けたのかは今まであまり考えたことがなかった。この本では、なぜ榎本率いる幕府軍が敗れたのか、門井先生なりの見解が示されていて興味深い。

    自分の誤読かもしれないが、結論としては、新政府軍の方が近代化に成功していたからということらしい。
    ではなぜ、欧州帰りで当時おそらく最も開明的であった榎本をトップに据える函館共和国で近代化が遅れたのか。
    榎本が求める近代国家のロールモデルはオランダだった。そして日本に「オランダ」を作ろうとしていた。スペインから独立したオランダのように、分離したまま実効支配を積み重ねた後の独立を考えていた。
    榎本は多くの誤り

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    2023年01月12日
  • 家康、江戸を建てる

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    短編の連作で、表題に沿ってとても読みやすく書かれていました。家康や支えていた側近、職人、二代目の秀忠まで、その人柄が手に取るように解りました。清々しい読後感に満たされました。

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    2022年12月31日