門井慶喜のレビュー一覧

  • 札幌誕生

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    読む前は「札幌」という都市の誕生を市政史的に淡々と語っていく感じを想定していた。
    しかし、その予想は覆された。
    北海道開拓使がおかれた明治初頭から始まり、開拓使の首席判官に任命され、現在の碁盤の目状の都市計画の基盤を構築した元佐賀藩士・島義勇、クラーク博士が去った後の札幌農学校二期生として入学した内村鑑三、アイヌの女性でありながらイギリス人の聖公会宣教師ジョン・バチェラーによって受洗し、ジョンや後に出会う金田一京助が作成するアイヌ語辞書の制作に協力したバチラー・八重子、父親から札幌に購入した巨大な農地を引き継ぎ、慣れないながらも農場経営も行うが、後に農地経営を小作人に譲渡する農地開放を日本政府

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    2025年11月01日
  • 新選組颯爽録

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    新選組の短編集。新選組といえば、司馬遼太郎の金字塔「燃えよ剣」があり、近年になってもあれ以上の作品は存在しない。
    この作品は「燃えよ剣」の世界をそのまま持ってきた感があり、「燃えよ剣」の近藤勇、土方歳三、山南敬介、沖田総司らに会うことができる。
    新選組を描く上で、もう「燃えよ剣」以外の人格肉づけは無理なんじゃないかなぁ…それはそれでいいのだけれど。

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    2025年10月18日
  • 天下の値段 享保のデリバティブ

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    楽しみながら経済の大元のお勉強に最適かも。「商人といえど諸国万人のこと考えなあかん」垓太のような胸のすく商売人、今もいるのかしら?今の実体のない株高は、「天下の値段」と言えるわけないわなあ。昔も今も「商人は抜け目なく法の網を潜り抜ける」。でも今は、そこに庶民もこぞって加わるから目も当てられないことに。

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    2025年10月08日
  • 札幌誕生

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    【349冊目】私の故郷を描いたこの作品に、わずかな文字数で感想を書き切れるわけがないのです。札幌は、はぐれ者や敗者の集まる土地であり、彼らが再起と希望を賭けた土地であり、あるいは、思うに任せない人生への思いをしがらみから離れて整理する土地だった、ということがよく分かります。

     島義勇は内地(注:北海道の人が「北海道以外の日本」を指すときに使う言葉)ではあまり知られていない人物かもしれませんが、プロの札幌市民であれば市役所にその像があることで、札幌誕生に何がしかの貢献をしたことをほのかに知っているでしょう。内村鑑三や有村武郎は全国区の有名人ですが、バチラー八重子はいまや道民にしか馴染みのない名

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    2025年10月07日
  • 札幌誕生

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    札幌の成り立ちを5人の人物を通して描く。面白かった。石狩川のこととか、ニセコと有島武郎の関係とか。歴史は好き。

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    2025年09月17日
  • 定価のない本

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    タイトルに惹かれて買いました。戦後GHQに占領されている時代の古書店主の話。最初に殺人事件が発生するので、てっきり古書を絡めたミステリーかと思ったのですが、少し違っていました。GHQを相手に、神保町の古書店主たちが日本の文化を守るために戦うストーリーというところでしょうか。ちょっと期待外れでした。

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    2025年09月14日
  • 札幌誕生

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    北海道生まれの人には、是非読んで欲しい本です。
    札幌という都市が出来るのには、名も無き人達が困難にも負けず、苦しみながら、未来を夢見てきた。

    アイヌ問題や自然関係(特に動物)など、織り交ぜながら、物語がグッときました。
    25/09/07 38冊目

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    2025年09月13日
  • 札幌誕生

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    開拓者たちにとって北海道は人生の逆転のための場所だった。明治維新で地位や名誉、土地などの財産を失った人たちが、必死の思いで何もない土地に文明を築いてきたと思うと、普段目にする建物や道路、河川の堤防にもそういった人たちの息遣いが感じられるような気がした。北海道の急速な発展の歴史を知ると、まだまだ北海道が秘めた可能性は無限大であるような気がして、楽しくなる。

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    2025年09月13日
  • 天下の値段 享保のデリバティブ

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    大阪商人の活気、手腕、度胸に舌を巻く。双子の姉弟、おけいと垓太らが、吉宗や大岡、江戸豪商らを相手に、大阪弁で打ち負かすのも爽快。時代は違えど、自分ファーストで裏でコソコソ強欲な御上らには呆れ返る。

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    2025年09月13日
  • 銀河鉄道の父

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    30年、読書をしてきて直木賞受賞作で素直に面白いと思ったのは、この作品が初めてかもしれません。宮沢賢治のお父さんの政次郎の父親としての矜持、誇りや喜怒哀楽をいっぱいに詰め込んだ一冊でした。賢治への政次郎の一挙手一投足から見える愛情が直截に伝わってきて、気持ちが温かくなりました。偶には喧嘩をすることがあっても、それは、政次郎が賢治の将来を想っての事、常に賢治を思いやる政次郎の人間味のある温かさが伝わってくる一冊でした。

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    2025年09月12日
  • 天下の値段 享保のデリバティブ

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    大阪の米先物市場が日本全体を支配していた。将軍吉宗たち江戸が逆転しようとする。

    面白かった。米の相場が現代のデリバティブと同様に理論的に構築されてることに驚く。

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    2025年09月11日
  • 銀河鉄道の父

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    うーん!
    宮沢賢治、思ってた人物像と違いすぎて。

    質屋という人間の思惑と金が密接に関わる家の長男として生まれた賢治。家業を嫌うくせにその金で裕福に暮らしていることを自覚できない夢見がちで頑固な彼を苦悩しつつ支えた『父親でありすぎる』、宮沢政次郎の話。
    『家長はこうあるべき』『土地の有力者としてこう思われる行動はすべきではない』という正解を求められる時代の価値観の中で、それを時に覆しながら『明治の新しい父親の在り方』を切り開いていく政次郎はまっすぐで凄い人だったのだなと思ったけれど、とにかく賢治がボンボンのお坊ちゃんすぎて、読んでるこっちまで呆れて頭を抱えてしまう(笑)

    妹のトシの晩年の祖父

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    2025年08月23日
  • 文豪、社長になる

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    菊池寛。作家兼文芸春秋創設者。その内面性と人間関係を描き出した小説。主人公の二面性や思考を含め、魅力あふれる人物を教えてくれる。名前しか知らなかった存在を、時代を駆け抜けて、日本の文学界に影響を与え続けた一人の人間として初めて認識させてくれた小説。かつて教科書や学校指定図書として読んだ作中登場作家の知らなかった一面を知り、菊池寛だけでなく、他の作家もまた読みなおしてみたいと思った。

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    2025年08月22日
  • 文豪、社長になる

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    菊池寛(本名はひろし、筆名はかん)
    肩書きは小説家・劇作家・ジャーナリスト
    そして実業家。

    文藝春秋社の創業者。

    この時代の文壇は世界が狭くて、
    大抵の名前は登場するから見ごたえがあって面白い。
    直木三十五は賞の名前になっている以上の知識がなかったので、
    今回会えてよかった。

    それにしても文藝春秋社というものを見ると、
    菊池寛が手を引いたタイミングが社としての役割を終えたタイミングだったように思えてならない。
    規模が大きくなるにつれて個人から法人へと性格を変える必要があるのが企業だと思うのだけれど、
    現在の文藝春秋社は個人の熱量を個人の顔を見せないまま暴走させる装置になってしまっている気

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    2025年08月22日
  • 札幌誕生

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    歴史が浅いと捉えられがち(捉えがち)だが、人のつくりたもう町は、一層人の想いの乗り移った街となっているものなのだ。と思わせてくれる一冊。地名の由来などを知ることができ、散策も楽しみになること請け合い。創成川行きてー⭐️

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    2025年08月18日
  • 銀河鉄道の父

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    2017年直木賞(下半期)受賞作
    宮沢賢治の父、政次郎の話
    宮沢賢治ってボンボンやったんやなぁ
    質屋って人から蔑まれた職業なんやなぁ
    なーんて思いながら読み進めてみたが…

    賢治の祖父、政次郎の父、喜助の言で目が覚める
    お前は父でありすぎる
    子供為に何かしてやりたい、という当たり前の感情も、こと明治・大正の頃の家長には威厳が求められた時代…。優しいお父さんなんだなぁ

    どうしようもない倅、突き放したくてもついつい手を差し伸べてしまう…分かるなぁー

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    2025年08月03日
  • 文豪、社長になる

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    「真珠夫人」や「恩讐の彼方に」などヒューマニズムに溢れた大衆小説が人々の心を掴み、菊池寛は一躍ベストセラー作家に。『文芸春秋』創刊。芥川龍之介や川端康成ら才人は引きも切らず、雑誌は売れに売れ・・・お茶の間を沸かせた天才プロデューサーの実像とは?

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    2025年07月31日
  • ぼくらの近代建築デラックス!

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    関西弁の語り口がいい。この本に紹介されている建築を、自分自身のGoogle マップに登録した。今後の外出が楽しみである。

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    2025年07月30日
  • なぜ秀吉は

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    ネタバレ

    世間のいわゆる人並みの幸せと言うやつは、何かに鈍感であり、かつ何かに無意識であることで、初めて得られる幻の宝なのである

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    2025年07月27日
  • 銀河鉄道の父

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    父という現象がそこにあり、感動しました。

    長いこと読めてよかったと思える力作でした。
    いくつもの名言があり、その名言一つ一つが現代の父親像に繋がっているようで、ああ父親ってこんなに愛のある人だったんだと思い返してはそういえばうちの父もそうだったと思える共感と学びのある内容でした。
    父親ってこうだよねって一概に言えるものではないにせよ。努力して頑張っている父とはすなわちこんな人でなかったかと感じてしまいます。
    常に変わりゆく人の心、そして幾つになっても成長する人の心を描ききる情熱的な傑作を読んでいただきたいです。

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    2025年07月15日