門井慶喜のレビュー一覧

  • 屋根をかける人

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    明治時代に日本に来日し、建築家、あるいは宣教師、或いはメンソレータムを広めると様々な顔を持つW.M.ヴォーリズ通称メリル、最愛の妻満喜子と出会い、開戦の前夜に日本に帰化し日本人として生きる道を選んだ。
    そして、2つの祖国を持つメレルだからこそ、成し得た戦後日本の為の決断とは、開戦がアメリカ国籍のメレルに取ってはどう写ったか。
    時代の先を読む力、決断、実行力、色々と考えさせられた。
    故郷を捨て日本人として戦後を生きる姿に感服しました。

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    2025年12月11日
  • 天下の値段 享保のデリバティブ

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    世界最古と言われる先物取引市場、大阪堂島をめぐる大阪商人対江戸幕府の戦い、という構図だけど難しいところなくサクサク読める。最後は裏切られる事なくハッピーエンドで二重まる

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    2025年12月09日
  • 天下の値段 享保のデリバティブ

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    大阪商人かっこいい
    この時代でデリバティブ成立してるの凄すぎ
    やっぱり噂とか雰囲気で上げ下げするんだ

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    2025年12月07日
  • ゆうびんの父

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    日本の郵便制度をつくった前島密の話。幕末、越後の小さな村に生まれ、さまざまな学問をし日本中を旅して、やがて新政府で郵便制度をつくったのだが、そこに至るまでが長い長い旅路だった。「ゆうびん」という語を考えたのも彼。この制度に込られた思いを知ると、今日当たり前に見かける郵便局、郵便ポストを見る目も変わるかもしれない。

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    2025年12月04日
  • 札幌誕生

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    知らない話ばかり。創作と史実が混ざっているんだろうけれども興味深い。
    佐賀の島義勇、そうだったのか…!
    アイヌの人たちの哀しみは、そうだろうと思う。
    北海道行ってみたい

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    2025年11月21日
  • 天下の値段 享保のデリバティブ

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    厚い単行本だったが、割とすんなり読めて、楽しかった。大阪商人はすごいわ。吉宗や大岡越前もよく知ってるだけに、なかなかうまく書かれていた。もう少し短くまとめても良かったと思うんだけど、門井さん、さすがです

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    2025年11月14日
  • 小説あります

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    なんだか不思議な小説だった。
    どこに行くのかわからないまま読み進め、でも楽しくて、最後もいい終わり方だった。
    本好きにはたまらないお話でした。

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    2025年11月07日
  • 天下の値段 享保のデリバティブ

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    大阪堂島の米の取引、それを支配しようとする江戸側と大阪商人たちとの攻防。先物取引の醍醐味が生き生きと描かれている。

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    2025年11月04日
  • 文豪、社長になる

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    菊池寛さん、功績デカすぎ!戦前戦中戦後の文壇の様子が面白く描かれていて作家同士の繋がりがとても興味深かった。作家って個人プレーな感じがするけど、みんないろいろ協力したり刺激しあったりして良い作品を生み出そうと頑張ってくれているんだなぁと。そしてそのおかげで私たち読書好きは日々の楽しみを享受できるんだなぁと感謝。パワフルで働き者、面白いおじさん^ ^でもそれで少し命を縮めてしまったのかも…

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    2025年11月01日
  • 札幌誕生

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    読む前は「札幌」という都市の誕生を市政史的に淡々と語っていく感じを想定していた。
    しかし、その予想は覆された。
    北海道開拓使がおかれた明治初頭から始まり、開拓使の首席判官に任命され、現在の碁盤の目状の都市計画の基盤を構築した元佐賀藩士・島義勇、クラーク博士が去った後の札幌農学校二期生として入学した内村鑑三、アイヌの女性でありながらイギリス人の聖公会宣教師ジョン・バチェラーによって受洗し、ジョンや後に出会う金田一京助が作成するアイヌ語辞書の制作に協力したバチラー・八重子、父親から札幌に購入した巨大な農地を引き継ぎ、慣れないながらも農場経営も行うが、後に農地経営を小作人に譲渡する農地開放を日本政府の施策に先立って実施した作家の有島武郎、蛇行しているが故に気候の変化により周囲に繰り返し水害を及ぼした石狩川の治水の計画を立案して、実行した岡崎文吉。
    そう言った札幌という都市の創世に関わった人たち、一方でそれは「和人」によって失われて行くアイヌの土地、北海道の歴史を時代小説的に語る作品。
    歴史ノンフィクションというのではなく、Based On True Story 的なフィクション。
    その読書前とのギャップが新鮮でどんどん引き込まれて読めた。

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    2025年11月01日
  • 新選組颯爽録

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    新選組の短編集。新選組といえば、司馬遼太郎の金字塔「燃えよ剣」があり、近年になってもあれ以上の作品は存在しない。
    この作品は「燃えよ剣」の世界をそのまま持ってきた感があり、「燃えよ剣」の近藤勇、土方歳三、山南敬介、沖田総司らに会うことができる。
    新選組を描く上で、もう「燃えよ剣」以外の人格肉づけは無理なんじゃないかなぁ…それはそれでいいのだけれど。

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    2025年10月18日
  • 天下の値段 享保のデリバティブ

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    楽しみながら経済の大元のお勉強に最適かも。「商人といえど諸国万人のこと考えなあかん」垓太のような胸のすく商売人、今もいるのかしら?今の実体のない株高は、「天下の値段」と言えるわけないわなあ。昔も今も「商人は抜け目なく法の網を潜り抜ける」。でも今は、そこに庶民もこぞって加わるから目も当てられないことに。

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    2025年10月08日
  • 札幌誕生

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    【349冊目】私の故郷を描いたこの作品に、わずかな文字数で感想を書き切れるわけがないのです。札幌は、はぐれ者や敗者の集まる土地であり、彼らが再起と希望を賭けた土地であり、あるいは、思うに任せない人生への思いをしがらみから離れて整理する土地だった、ということがよく分かります。

     島義勇は内地(注:北海道の人が「北海道以外の日本」を指すときに使う言葉)ではあまり知られていない人物かもしれませんが、プロの札幌市民であれば市役所にその像があることで、札幌誕生に何がしかの貢献をしたことをほのかに知っているでしょう。内村鑑三や有村武郎は全国区の有名人ですが、バチラー八重子はいまや道民にしか馴染みのない名前かもしれません(道民ですら、どこかで耳にしたことがある程度でしょう。)。

     ただ、岡崎文吉は…これは知りませんでした!しばしば石狩平野を水浸しにして開拓の積み上げを無に帰してきた石狩川の治水をした責任者であったそう。札幌の発展に重大な貢献をした方にもかかわらず知らなかった自分を恥じたい(なお、筆者も他の4章の主人公に比べて岡崎の名が知られていないことは認めています。)。

     全編を通して描かれるテーマは、厳しい自然環境や冷徹な社会・人間関係の中で生きていくこと。
     生きていくことは、悩み、苦しみ、良き友人や家族を得てその声を聞き、やっぱり最後には自分で決めるしかないってこと。
     自分の内なる声が正しいとは限らなくて、時に妥協し、時に誤りを認めて、時に周りに流されても良い。最後にそういうことを全部自分で引き受けること。それが人生なんだろうなぁと考えてしまいました。
     札幌は新しい街、よそ者ばかりで出来た土地だからこそ、そういう煩悶を抱えた人々をまるっと受け入れる懐の深さみたいなものを感じます。

     「札幌誕生」というタイトルもまた、本書をとても魅力的なものとしています。日本にはいくつもの都市が存在します。しかし、その都市が誕生する過程をつぶさに描けるのはいくつあるでしょうか?
     私の印象では、17世紀に徳川家康が都市改良を行った江戸、そして札幌ぐらいではないかと思うのです。京都や大阪、名古屋も都市としては有名ですが、それらは歴史が古すぎて「誕生」のプロセスを詳細にストーリー仕立てにすることは難しそうです。
     そう考えると、今や人口200万人を誇る巨大都市がまさに生まれた瞬間をとらえることができる、札幌というのはとても貴重な存在なんだと思います。

     郷愁や慕情にかられ、溢れ出る思いがうまく言葉にできませんが、この本は少しだけ不器用ながらも頑張る人たちの本です。大泉洋のような器用人は、北海道にはほとんどいません!笑
     少し傷付いた人や何かに負けそうな人、絶対両立しないものの間で選択を迫られている人、そして、それでも頑張りたい人にはぜひオススメの本です!

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    2025年10月07日
  • 定価のない本

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    タイトルに惹かれて買いました。戦後GHQに占領されている時代の古書店主の話。最初に殺人事件が発生するので、てっきり古書を絡めたミステリーかと思ったのですが、少し違っていました。GHQを相手に、神保町の古書店主たちが日本の文化を守るために戦うストーリーというところでしょうか。ちょっと期待外れでした。

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    2025年09月14日
  • 天下の値段 享保のデリバティブ

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    大阪商人の活気、手腕、度胸に舌を巻く。双子の姉弟、おけいと垓太らが、吉宗や大岡、江戸豪商らを相手に、大阪弁で打ち負かすのも爽快。時代は違えど、自分ファーストで裏でコソコソ強欲な御上らには呆れ返る。

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    2025年09月13日
  • 銀河鉄道の父

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    30年、読書をしてきて直木賞受賞作で素直に面白いと思ったのは、この作品が初めてかもしれません。宮沢賢治のお父さんの政次郎の父親としての矜持、誇りや喜怒哀楽をいっぱいに詰め込んだ一冊でした。賢治への政次郎の一挙手一投足から見える愛情が直截に伝わってきて、気持ちが温かくなりました。偶には喧嘩をすることがあっても、それは、政次郎が賢治の将来を想っての事、常に賢治を思いやる政次郎の人間味のある温かさが伝わってくる一冊でした。

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    2025年09月12日
  • 天下の値段 享保のデリバティブ

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    大阪の米先物市場が日本全体を支配していた。将軍吉宗たち江戸が逆転しようとする。

    面白かった。米の相場が現代のデリバティブと同様に理論的に構築されてることに驚く。

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    2025年09月11日
  • 銀河鉄道の父

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    うーん!
    宮沢賢治、思ってた人物像と違いすぎて。

    質屋という人間の思惑と金が密接に関わる家の長男として生まれた賢治。家業を嫌うくせにその金で裕福に暮らしていることを自覚できない夢見がちで頑固な彼を苦悩しつつ支えた『父親でありすぎる』、宮沢政次郎の話。
    『家長はこうあるべき』『土地の有力者としてこう思われる行動はすべきではない』という正解を求められる時代の価値観の中で、それを時に覆しながら『明治の新しい父親の在り方』を切り開いていく政次郎はまっすぐで凄い人だったのだなと思ったけれど、とにかく賢治がボンボンのお坊ちゃんすぎて、読んでるこっちまで呆れて頭を抱えてしまう(笑)

    妹のトシの晩年の祖父に宛てた手紙、本当に良かったので何故本人に読んで聞かせてやらなかったんだろうとか、小説としても弟・清六の描写が極端に少なくて残念に思うところはあったけれど、賢治の物語には家族の存在と生き様が詰まっていたのだなと知れてよかった。トシが生きて教師を続けられていたなら、もしかしたら賢治より有名になっていたのかもなと思ったり…
    清六は兄・賢治について綴った文集を出しているとも聞いたので、そちらも読んでみたいなと思いました。

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    2025年08月23日
  • 文豪、社長になる

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    菊池寛。作家兼文芸春秋創設者。その内面性と人間関係を描き出した小説。主人公の二面性や思考を含め、魅力あふれる人物を教えてくれる。名前しか知らなかった存在を、時代を駆け抜けて、日本の文学界に影響を与え続けた一人の人間として初めて認識させてくれた小説。かつて教科書や学校指定図書として読んだ作中登場作家の知らなかった一面を知り、菊池寛だけでなく、他の作家もまた読みなおしてみたいと思った。

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    2025年08月22日
  • 文豪、社長になる

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    菊池寛(本名はひろし、筆名はかん)
    肩書きは小説家・劇作家・ジャーナリスト
    そして実業家。

    文藝春秋社の創業者。

    この時代の文壇は世界が狭くて、
    大抵の名前は登場するから見ごたえがあって面白い。
    直木三十五は賞の名前になっている以上の知識がなかったので、
    今回会えてよかった。

    それにしても文藝春秋社というものを見ると、
    菊池寛が手を引いたタイミングが社としての役割を終えたタイミングだったように思えてならない。
    規模が大きくなるにつれて個人から法人へと性格を変える必要があるのが企業だと思うのだけれど、
    現在の文藝春秋社は個人の熱量を個人の顔を見せないまま暴走させる装置になってしまっている気がする。
    それがアジアのジャーナリズムらしいといえば、それはそう。

    直木賞・芥川賞の功績は大きいけれど。

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    2025年08月22日