門井慶喜のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
うーん!
宮沢賢治、思ってた人物像と違いすぎて。
質屋という人間の思惑と金が密接に関わる家の長男として生まれた賢治。家業を嫌うくせにその金で裕福に暮らしていることを自覚できない夢見がちで頑固な彼を苦悩しつつ支えた『父親でありすぎる』、宮沢政次郎の話。
『家長はこうあるべき』『土地の有力者としてこう思われる行動はすべきではない』という正解を求められる時代の価値観の中で、それを時に覆しながら『明治の新しい父親の在り方』を切り開いていく政次郎はまっすぐで凄い人だったのだなと思ったけれど、とにかく賢治がボンボンのお坊ちゃんすぎて、読んでるこっちまで呆れて頭を抱えてしまう(笑)
妹のトシの晩年の祖父 -
Posted by ブクログ
菊池寛(本名はひろし、筆名はかん)
肩書きは小説家・劇作家・ジャーナリスト
そして実業家。
文藝春秋社の創業者。
この時代の文壇は世界が狭くて、
大抵の名前は登場するから見ごたえがあって面白い。
直木三十五は賞の名前になっている以上の知識がなかったので、
今回会えてよかった。
それにしても文藝春秋社というものを見ると、
菊池寛が手を引いたタイミングが社としての役割を終えたタイミングだったように思えてならない。
規模が大きくなるにつれて個人から法人へと性格を変える必要があるのが企業だと思うのだけれど、
現在の文藝春秋社は個人の熱量を個人の顔を見せないまま暴走させる装置になってしまっている気 -
Posted by ブクログ
日本史の教科書でおなじみ、郵便制度を作った前島密のお話です。その名前と1円切手の肖像は知ってましたが、元々の名前が上野房五郎だとか5歳で初めて一人旅をしただとか、ほぼ知らないことだらけでした。そういえば大河ドラマ『青天を衝け』で郵便の話があったなぁとうっすら思い出しましたが、創始者たる前島密が当時ヨーロッパ出張中とは……さぞや悔しかっただろうなぁ(^^;
かつて特定郵便局長が地元の名士とか資産家であるというのは知ってましたが、まさか当初は無給だったとはびっくりです。今や日本の郵便は青息吐息ですが、それもこれも民営化のせいですね…前島さんの嘆きが聞こえるようです。
もう少し晩年まで彼の人生を見て