門井慶喜のレビュー一覧

  • ゆうびんの父

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    ネタバレ

    誰もが見たことがあろう1円切手の前島密の物語。

    幼少期から母の死までを描いていて、郵便の父になるまでの紆余曲折が面白すぎます。
    これまで密が主人公のドラマや小説を知らないので、こんなに破天荒な人とは知りませんでした。
    とにかく好奇心だけは旺盛で堪え性がなくいろんなことに手を出して物にはするものの、人生の目標となる軸が定まらない上に政局からは一歩引いた感じなので、生涯の仕事としての郵政に出会うまでが焦らされてしまいました。
    一つのことを突き詰めるのも素晴らしい事ですが、とりあえずは与えられた仕事をちゃんとこなしつつ夢を探すのもいいかもしれませんね。

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    2024年08月31日
  • 定価のない本

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    ミステリー仕掛けであるが、ミステリーというジャンルには入りきらない。「歴史ミステリー」かもしれないが、少し違う気がする。作品背景となる時代の情景もビビッドに書かれているが、抽象的な「歴史」を描くことが主目的ではない。中心にあるのは、その時代に、たまたま、ある分野で専門的に活動している主人公が、懸命に自己の分を尽くそうと奮闘する姿だ。
    門井は、そんなふうにジャンル分けが難しい作品を出す。
    本作では、神保町の古書屋が、戦後のGHQ統制時代に、日本の文化資産の散逸・消滅の危機に際し、自らの生業の範囲内で、知恵を絞って抵抗する姿を描く。
    地味で、大うけが狙えるようなテーマではない。が、小説として読むと

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    2024年08月24日
  • ゆうびんの父

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    「近代郵便の父」と言われる前島密が郵便制度を導入するまでの半生記。

    英語、数学、儒学、医学、蘭学、操船法など、手を付けたものは全て習得する才能の持ち主だった密は、常に新しいことを求め歩いた人生の旅人でもあった。

    長崎留学中に始めた英語塾で出会った勝海舟や薩摩藩士たちとの縁で幕臣となり、維新後は明治政府に誘われ郵便制度の基礎を築くに至る。

    頻繁に師を変えたりしても人望を勝ち得たのは、人柄に加え、志や才能が顕著だったためだろう。

    郵便制度構築に割かれたページ数は多くないが、その試行錯誤の様子は作者の真骨頂。

    制度を全国に拡げるに当たって各地の庄屋・名主が果たした役割は大きく、今でこそ特定

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    2024年08月23日
  • ロミオとジュリエットと三人の魔女

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    シェイクスピアを知っていれば面白さが倍増する小説だと思う。
    しかし知らなくても面白く、ワクワクしながら次へ次へと読み進めることができた。
    言葉の力、演劇の力を見せつけてくる文の力は見事。
    軽快な言い回しもニヤッとするし、登場人物の関係も分かりやすい。
    読めて良かった!

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    2024年08月16日
  • ゆうびんの父

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    郵便制度を創設した前島密の一代記。知った名前が、沢山出てくるあの時代ならではの面白さがあった。

    前半生においては人生の無目的に苦しんでいる。全国各地を旅したり、船乗りになったり、英語を学んだり、幕閣へさかんに建言したりしていたのは、人生の目的を渇望して発見できなかった軌跡といえる。もがくようにして、転がるようにして、自分そのものを探していたのだ。それがようやく郵便創始という目的を得て、明治時代に入ってからの後半生は国の大事業の土台を設計し創り上げていく。歴史上の有名な人物とやり合う様子は興味深い。

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    2024年07月09日
  • ゆうびんの父

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    ネタバレ

    越後の貧乏な母一人子一人で育った房五郎.元武士の出の母の教育もあって,志大きく育つ.十代の頃より家や藩などではなく日本の行末を見つめて旅をし主人を変え学ぶべきことは学び数々の失敗をしながら最後に郵便という花を咲かせた.
    房五郎は前島密になるわけだが,養子にと求められたり,彼を助ける人が多くいたことを思うと,若い頃より才能と人間の魅力に溢れていたのだろう.また,郵便の成り立ちもよく分かり面白かった.

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    2024年07月02日
  • ゆうびんの父

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    郵便制度の骨格を作った1円切手の肖像前島密。
    人は望む人物になるのではなく、周囲の環境や時の運により、思わぬ形でその才を発揮する。郵便制度に至るまでの道程のとにかく長いこと。
    挫折を繰り返しながらも前向きに生きれば道が開けて来ることを教えてくれる。

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    2024年06月09日
  • ゆうびんの父

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    幼少期から好奇心旺盛で、行動力がハンパない房五郎。紆余曲折を経て、前島密と名を変えても、彼のバイタリティーは続く。薩長土肥出身者を前にしても臆せず、彼ならではの芯の強さで難局を打開してゆく。郵便制度の基盤を完成させた前島密に感謝したくなる物語である。

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    2024年06月08日
  • ゆうびんの父

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    一つの時代にこれだけの改革者がいれば、時代が変わって当然と感じました。今の日本の礎を築いたのは間違いなく、知識欲おう盛で改革欲に溢れた人達が多く居たこの時代だと思いました。

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    2024年06月02日
  • ゆうびんの父

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    うわー、こんなところにも変人が。
    タイトルから、前島密の話だと分かったけど、
    まさか、前島密がこんなに変身だとは。

    ネット生活が当たり前の現代でも、
    郵便がなくなることはない。
    最強の二番手、恐るべし

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    2024年05月30日
  • 地中の星―東京初の地下鉄走る―(新潮文庫)

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    大事業に乗り出したのは早川徳次―地下鉄建設の歴史を知ることができる一冊です☝️渋沢栄一や五島慶太といったビッグネームも登場する一方で、現場で働く人々にスポットライトをあてた物語。これから地下鉄に乗るのも路線図を見るのも楽しみになりそう☺️

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    2024年05月28日
  • ゆうびんの父

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    今まで一円切手の肖像の人を気にしたこともありませんでしたが、郵便の創設等の感動的なエピソードを知ることができました。

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    2024年05月18日
  • ゆうびんの父

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    『ゆうびんの父』 門井 慶喜 著

     門井慶喜氏の本にハズレはないと新刊をゲット。と思ったところ、前半は前島密(上野房三郎)があっち行ったり、こっち行ったりの繰り返し。北は北海道から南は九州まで、上司・師・仕事を転々とし、「いつ本題は出てくるのやら…」と不安になってきます。後半から郵便事業の立ち上げとなり、ヤマト運輸の小倉昌男氏バリの活躍に移行します。しかも、前半の長々とした旅の経験が事業立ち上げに役立つということもわかりました。特に、旅を通じた維新の志士たちや勝海舟らとの交流が、やがて「人脈」となって活きてくることも描かれています。

     いまでも郵便局には地元の「名士」が就くことが多いようで

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    2024年05月08日
  • 地中の星―東京初の地下鉄走る―(新潮文庫)

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    日本で最初の地下鉄工事の物語。
    時代は第二次世界大戦の前、関東大震災のすぐ後に着工したことに驚いた。
    しかも東京のど真ん中に地下鉄を作るというチャレンジングな発想。
    早川徳次だけでなく、危険と隣り合わせの工事現場の人たちの苦労も描かれ、銀座線の歴史を十分に知ることができ楽しめた。

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    2024年04月16日
  • 地中の星―東京初の地下鉄走る―(新潮文庫)

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    日本に初めて地下鉄を通した人の物語。
    色々な登場人物の感情が描かれていて面白い。

    もっと長く描いて欲しかった。

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    2024年03月11日
  • 地中の星―東京初の地下鉄走る―(新潮文庫)

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    日本で初めて地下鉄を通した経営者の生涯。演出はあれどほとんど史実なのかなと思われ、男の名誉欲や不器用さがリアルで面白かった。
    結構若い人が仕事の中心となって動かしてるのが意外であり(20代で親方とは…)、人手不足もあったのだろうが熱意ややる気で立場を得て地下鉄開通のような大仕事をやっているのが羨ましくもあった。

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    2024年02月25日
  • 家康、江戸を建てる

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    【第一話 流れを変える】
    伊奈忠次 から4代。利根川の東遷事業。

    【第二話 金貨(きん)を延べる】
    後藤庄三郎光次。
    貨幣戦争については偶然最近「ホンモノのおカネの作り方」を読んでいたので興味深かった。もっと勉強したい。
    貨幣制度の日本統一は徳川家康、と漠然と理解していたつもりだったが、フィクションとはいえとても現実味があって、関ヶ原の戦いの臨場感というか、こう繋がってくるのかぁと感無量でした。
    後藤家が関ヶ原の戦いの際に真田家みたいに兄弟で東西分かれていたのは史実かな?気になる。

    【第三話 飲み水を引く】
    井の頭公園から玉川上水の川を作って都心まで引っ張る事業。大久保藤五郎と内田六次郎と

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    2023年12月26日
  • 家康、江戸を建てる

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    天下を取った家康が江戸を作っていく話。秀忠とか秀頼とか大河で見てたような人物像、ストーリーが絡んでいて面白かった。何も無かった江戸の地を日本の中心地として基礎を作った家康、すごいの一言。

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    2023年12月19日
  • 家康、江戸を建てる

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    利根川の流れを変える苦労、貨幣で天下を制する、伊豆から運んだ安山岩で作る石垣、白漆喰の江戸城等皇居東御苑のツアーの背景がよく分かる本であった。江戸の街を建設するのはこんなに大変だったのかと改めて感動した。

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    2023年11月11日
  • 東京、はじまる

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    ネタバレ

    HKさんのお勧め。

    たとえ、建築に興味がなくても知っているであろう「辰野金吾」のお話。
    日本銀行本店、東京駅舎をはじめ、
    中之島公会堂を設計したのはさすがに知っていたが、
    唐津で高橋是清に英語を学んだとか、
    鹿鳴館を設計したジョサイア・コンドルが先生だったとか、
    国会議事堂の設計を争った妻木頼黄は
    神奈川県立歴史博物館や横浜赤レンガ倉庫を設計してたとか、
    いろいろ学べて面白かった。

    もちろん、専門書を読めばそういうことは書いてあるのだろうが、
    時系列で書かれているだけでは、なかなか入ってこない。
    物語にしてもらうことによって、
    人間関係や時代の雰囲気が感じられて良かった。

    ペルーの銀山で

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    2023年08月05日