門井慶喜のレビュー一覧

  • 地中の星―東京初の地下鉄走る―(新潮文庫)

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    日本に初めて地下鉄を通した人の物語。
    色々な登場人物の感情が描かれていて面白い。

    もっと長く描いて欲しかった。

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    2024年03月11日
  • 天災ものがたり

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    『銀河鉄道の父』の著者による、戦国時代から昭和に至るまで日本を襲った災害にまつわる人間ドラマ集。〈小説現代〉に2020〜22年に発表された。

    『一国の国主』天文十一年(1542)甲府洪水(「信玄堤」構築物語)、
    『漁師』明治二十九年(1896)三陸沖地震(ある漁村の高台への移転の試み)、
    『人身売買業』寛喜二年(1230)大飢饉
     京の都で「問丸」=都住人に物資を輸入する商社〈柿鍋〉を営んでいた滝郎は、寛喜元年からの異常気象に「これは不作になる」と見て米の先物を「値段に構わず買い付けろ」買い集め同二年の収穫期には平年並の地方からの米供給で巨利を得た。彼に関係する流通業者から請われて飢饉で食い

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    2024年03月02日
  • 地中の星―東京初の地下鉄走る―(新潮文庫)

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    日本で初めて地下鉄を通した経営者の生涯。演出はあれどほとんど史実なのかなと思われ、男の名誉欲や不器用さがリアルで面白かった。
    結構若い人が仕事の中心となって動かしてるのが意外であり(20代で親方とは…)、人手不足もあったのだろうが熱意ややる気で立場を得て地下鉄開通のような大仕事をやっているのが羨ましくもあった。

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    2024年02月25日
  • 家康、江戸を建てる

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    【第一話 流れを変える】
    伊奈忠次 から4代。利根川の東遷事業。

    【第二話 金貨(きん)を延べる】
    後藤庄三郎光次。
    貨幣戦争については偶然最近「ホンモノのおカネの作り方」を読んでいたので興味深かった。もっと勉強したい。
    貨幣制度の日本統一は徳川家康、と漠然と理解していたつもりだったが、フィクションとはいえとても現実味があって、関ヶ原の戦いの臨場感というか、こう繋がってくるのかぁと感無量でした。
    後藤家が関ヶ原の戦いの際に真田家みたいに兄弟で東西分かれていたのは史実かな?気になる。

    【第三話 飲み水を引く】
    井の頭公園から玉川上水の川を作って都心まで引っ張る事業。大久保藤五郎と内田六次郎と

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    2023年12月26日
  • 天災ものがたり

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    日本史上に起こった大災害を6編から描く。

    「一国の国主」
    暴れ川の治水工事を行なった武田晴信(後の信玄)。
    人間味あふれる一面が知れておもしろい。
    人は、津波・大火など天災の前では無力。
    P288
    〈人のいるところに天災がある。逃れるすべはなく、
    あるのは逃れかたの上手下手だけ。または運だけ〉

    「除灰作業員」でも書かれている。
    富士山の噴火により降灰で村が覆われた。
    幕府により、一方の村は見捨てられ、もう一方の村は『焼け太り』。
    たった一里の差が村の運命を変えた。
    大飢饉による飢えから、村人が次々と流れてくる
    「人身売買商」も辛い。

    どの話も人々の悲痛な思いが胸に迫りくる。

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    2023年12月24日
  • 家康、江戸を建てる

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    天下を取った家康が江戸を作っていく話。秀忠とか秀頼とか大河で見てたような人物像、ストーリーが絡んでいて面白かった。何も無かった江戸の地を日本の中心地として基礎を作った家康、すごいの一言。

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    2023年12月19日
  • 天災ものがたり

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    タイトルが示す通り天災~洪水、津波(地震)、冷夏(飢饉)、噴火、大火、豪雪~を舞台にした6つの短編。時代も鎌倉時代から昭和38年(豪雪)まで、場所も様々です。
    門井さんはこれまで5作品読みましたが、短編は今回が初めてです。
    長編では軽快な語り口でサクサク読める作家さんという印象が強かったのですが、この作品はやや重く、しっかり書き込んだ感じがあります。短編のせいでしょうか。
    天災を乗り超えて行く話ですが、いずれもかなりの苦みを含み、味わい深く仕上がっています。
    強いて言えば、「大火」は前振りをもう少し、例えばキリシタンの妻の想いなどを書き込めば良かったように思うし、「豪雪」の最後の天災の解説は無

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    2023年12月06日
  • 家康、江戸を建てる

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    利根川の流れを変える苦労、貨幣で天下を制する、伊豆から運んだ安山岩で作る石垣、白漆喰の江戸城等皇居東御苑のツアーの背景がよく分かる本であった。江戸の街を建設するのはこんなに大変だったのかと改めて感動した。

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    2023年11月11日
  • 天災ものがたり

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    洪水、地震、噴火…6つの物語の主人公が突然の災害に翻弄され、苦渋する姿は最早他人事とは思えなかった。災害の爪痕は後世に範例を残す。日本が災害に強い国になるには、未だ遠く長い道程だと感じた。

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    2023年10月10日
  • 江戸一新

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    当時の明暦の大火、江戸の街の再建、川越大名のちえいづこと松平信綱の川越との関係がよく分かる一冊であった。1657明暦大火、1666ロンドン大火、保科正之、札ノ辻、島原の乱、由井正雪の乱、吉原の移転、江戸城の天守台再建、等江戸に関する歴史がわかった気がする。

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    2023年09月30日
  • 天災ものがたり

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    久しぶりに三陸に。田老の巨大堤防は予想以上。田老もだが、三陸あちこちの立派な球場に違和感…メディアでは伝わらない復興の現実。高台移転の失敗にも歴史があるんだ。「要するに誰も彼も百年の計より目前の便宜を取ったってことだ」「人の暮らしってのは頭の中で考えるようには行かないもん」「お金というものはタダでもらうなら単なる数字だが、労働の対価として受け取れば人間の肯定そのものなのである」考えさせられた。

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    2023年09月11日
  • 東京、はじまる

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    ネタバレ

    HKさんのお勧め。

    たとえ、建築に興味がなくても知っているであろう「辰野金吾」のお話。
    日本銀行本店、東京駅舎をはじめ、
    中之島公会堂を設計したのはさすがに知っていたが、
    唐津で高橋是清に英語を学んだとか、
    鹿鳴館を設計したジョサイア・コンドルが先生だったとか、
    国会議事堂の設計を争った妻木頼黄は
    神奈川県立歴史博物館や横浜赤レンガ倉庫を設計してたとか、
    いろいろ学べて面白かった。

    もちろん、専門書を読めばそういうことは書いてあるのだろうが、
    時系列で書かれているだけでは、なかなか入ってこない。
    物語にしてもらうことによって、
    人間関係や時代の雰囲気が感じられて良かった。

    ペルーの銀山で

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    2023年08月05日
  • ぼくらの近代建築デラックス!

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    行ってみたい建物だらけ。なぜ昔の建物は、人を惹きつけるのか。そこに歴史の物語があるからか。二人のトークも絶品。

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    2023年07月16日
  • 信長、鉄砲で君臨する

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    テンポよく、種子島を舞台に鉄砲の伝来、複製、堺における売買の商売、安土城建設、鉄砲による時代の変化へと話が進む。
    読みやすい。

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    2023年05月17日
  • 東京、はじまる

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    辰野金吾のイギリス留学からの帰国後から日本銀行本店と東京駅の設計建築までの生涯を描いた一冊。

    辰野金吾という名前は知っていましたが、初めて人物像を知ることができました。

    明治維新で江戸時代の名残が残る時代。
    西洋に追いつけ追い越せと日本が大変貌を遂げた時代。

    師匠のイギリス人のコンドルと日本銀行の設計を巡り、時の総理の伊藤博文への直談判した時の師弟対決。
    その師弟対決を超えて、友情を死ぬまで持ち続けてきた二人の絆。コンドル先生の懐の大きさがあったからこその辰野金吾がいたのですね。

    妻の秀子の献身ぶりや、苦楽をともにした曽禰達蔵の身分を超えた友情。高橋是清との接点。
    偉人は偉人を呼ぶです

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    2023年05月17日
  • 東京、はじまる

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    日本近代建築の父と言われる辰野金吾の物語

    日銀や東京駅の建設を担い、東京の街づくりに貢献された方

    恩師であるコンドル先生とのやり取りや周囲の達蔵さんとのやり取りに面白さを感じた。

    多くの政界人物との関わり合いも触れられていて、ロマンを抱いた

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    2023年04月25日
  • 江戸一新

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    明暦の大火の後の江戸の復興。老中松平信綱、通称知恵伊豆の奮闘を描く。

    決して完璧なサクセスストーリーでなく試行錯誤しながらの江戸の復興の過程。知恵伊豆がスーパーマンでない設定に好感が持てる。

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    2023年03月20日
  • 家康、江戸を建てる

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    家康の先見の明は何処から生まれたのか、未開拓の地を大都市への変貌を夢見た家康。5つの大きな先手工事をできる人材に即座に抜擢、「天下普請」(幕府の負担を軽減、地方の勢力を減退)の役割を同時期に指導したのはやはり凄い。 江戸幕府崩壊の要因は少なくともこの「天下普請」「参勤交代」が無くなったことで起きたのは間違いない。

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    2023年03月15日
  • 江戸一新

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    明暦の大火(1657)からの江戸再建を軸に、「知恵伊豆」と呼ばれた老中松平伊豆守信綱の活躍を描く。

    幕閣を除き信綱に絡む人物や出来事はほぼ作者の創作と思うが、その生き生きとした劇画調の描写が楽しく、信綱の人物像に親しみを感じさせる。

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    2023年02月28日
  • 江戸一新

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    かの江戸の大惨事、明暦の大火。
    老中・松平信綱は如何にして復興の難事業に挑んでいったのか。
    第一章 大火発生  第二章 復興開始  第三章 米の値段
    第四章 復興景気  第五章 抗争    第六章 大移動
    第七章 討ち入り  第八章 遷都

    江戸城の本丸、二ノ丸の焼失。江戸の町の多くの建物が焼け、
    約10万人の死者の被害を出した明暦の大火から始まり、
    その三日後から始まる復興への道程。
    知恵伊豆(知恵出づ)と称される老中・松平信綱が、
    如何にしてこの大事業に知恵を巡らせたのかを描く歴史小説。
    御用部屋での酒井忠清、阿部忠秋ら老中たちとの審議を核とし、
    当座の、粥施行、木材や米の供給、牢人問題、

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    2023年02月21日