門井慶喜のレビュー一覧
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【第一話 流れを変える】
伊奈忠次 から4代。利根川の東遷事業。
【第二話 金貨(きん)を延べる】
後藤庄三郎光次。
貨幣戦争については偶然最近「ホンモノのおカネの作り方」を読んでいたので興味深かった。もっと勉強したい。
貨幣制度の日本統一は徳川家康、と漠然と理解していたつもりだったが、フィクションとはいえとても現実味があって、関ヶ原の戦いの臨場感というか、こう繋がってくるのかぁと感無量でした。
後藤家が関ヶ原の戦いの際に真田家みたいに兄弟で東西分かれていたのは史実かな?気になる。
【第三話 飲み水を引く】
井の頭公園から玉川上水の川を作って都心まで引っ張る事業。大久保藤五郎と内田六次郎という人物。
井の頭公園の近くに“牟礼”という地名に聞き覚えがあったので胸熱でした。
『枕草子』の「井は、ほりかねの井」などを挙げて"ほりかねの井”なる枕詞がでてきます。
玉川上水が身近であることや目白山、椿山荘、水道橋などの地名の由来や現在の様子を比べて面白いです。
【第四話 石垣を積む】
大久保長安がとっても嫌なやつで驚いた!!
東京国立近代美術館の「眺めの良い部屋」でみたあの石垣を思い浮かべながら読みました。
【第五話 天守を起こす】
凡庸と言われる秀忠の描きようと、天守から常に普請中という江戸の街を眺める家康の目線が良かった
天守建築の事業でありながら、江戸の街全体の漆喰の壁にまつわる話。これぞまちづくり。
家康の元でそれぞれ奮闘した人物たちと事業についての独立した話かと思いきや、前話までの内容や人物像を読者に浸透していることを前提とした話運びで、みな江戸を建てるために必要なことだけれでもそれぞれ別事業でありそうなのに、やはり家康を中心に背景が繋がっていることが伝わってくる。 -
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ネタバレHKさんのお勧め。
たとえ、建築に興味がなくても知っているであろう「辰野金吾」のお話。
日本銀行本店、東京駅舎をはじめ、
中之島公会堂を設計したのはさすがに知っていたが、
唐津で高橋是清に英語を学んだとか、
鹿鳴館を設計したジョサイア・コンドルが先生だったとか、
国会議事堂の設計を争った妻木頼黄は
神奈川県立歴史博物館や横浜赤レンガ倉庫を設計してたとか、
いろいろ学べて面白かった。
もちろん、専門書を読めばそういうことは書いてあるのだろうが、
時系列で書かれているだけでは、なかなか入ってこない。
物語にしてもらうことによって、
人間関係や時代の雰囲気が感じられて良かった。
ペルーの銀山でだまされ会社をつぶした後、
日本銀行本店建築の事務主任になった
高橋是清の話も面白そうだった。
当時世界的に大流行したインフルエンザ「スペイン風邪」で亡くなったのは、
辰野金吾らしくないと思ったのは私だけだろうか。
一丁倫敦が見たかった。
そして、日本銀行小樽支店を見に行きたい。 -
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辰野金吾のイギリス留学からの帰国後から日本銀行本店と東京駅の設計建築までの生涯を描いた一冊。
辰野金吾という名前は知っていましたが、初めて人物像を知ることができました。
明治維新で江戸時代の名残が残る時代。
西洋に追いつけ追い越せと日本が大変貌を遂げた時代。
師匠のイギリス人のコンドルと日本銀行の設計を巡り、時の総理の伊藤博文への直談判した時の師弟対決。
その師弟対決を超えて、友情を死ぬまで持ち続けてきた二人の絆。コンドル先生の懐の大きさがあったからこその辰野金吾がいたのですね。
妻の秀子の献身ぶりや、苦楽をともにした曽禰達蔵の身分を超えた友情。高橋是清との接点。
偉人は偉人を呼ぶですかね。
死の間際に梅太郎の言った「お義父さん。このおちょこは、今度は別のものを飲むのに使いたいですね」が涙を誘いました。
「人が仕事を選ぶのでなく、国が人を選ぶのである」
仕事の本質をつくハットする言葉な気がします。
最後の方は名言ばかりですが、辰野金吾や当時の偉人たちが今の日本を見て、何を思うのでしょうね。