門井慶喜のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ定価のない本、つまりは歴史的価値の高い、古典籍という、歴史研究に使うような文化財みたいな本のことだった。日本には歴史があるから変な自尊心があって駄目なんだ、歴史を奪ってまっさらにしてやらないと、という米国の考え。
ちょうど少し前に読んだ、加藤陽子著「それでも日本人は戦争を選んだ」でも話していたことだなと、内容を思い返しながら読んでいた。
日本の古典籍を片っ端から購入し、日本から奪うという米国。米国の金庫vs日本の古典籍という構図だったが、戦後の情勢による相場の変化は勿論だが、やはり日本の歴史の長さから、最初から結果は見えていたのではないかと思う。
太宰治が少し出てきたが、その役割は太宰治でなく -
Posted by ブクログ
N市立文学館が財政難のため廃館となる事が決まった。
文学館に勤務する文学青年は館の延命の為、N市に縁のあった作家・徳丸敬生の晩年の失踪の謎を解くことで活路を見出そうとするが、物語は意外な方向へ。
N市は『おさがしの本は』の舞台と同じで、一部の登場人物も重なるので本作は姉妹編的作品。
本作では、小説について命題が出される。
「人間はなぜ小説を読むのか。
言いかえるなら、小説は、私たちの人生のための何の役に立つのか。」
そう言われても…。暇つぶし、疑似体験、空想、妄想、娯楽…。思いつくのはいたって貧弱。情けない。もちろん本作では鮮やかに一つの回答がなされる。
門井慶喜、巧いなあ。