門井慶喜のレビュー一覧
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2015年26冊目。
京都、大阪、神戸、横浜、東京の近代建築を巡る、ゆる散歩対談集。街中で、「レトロかわいいな」とか「しぶいなあ」と感じた建築物は、これからは意識的にチェックしてみようかな。
どの建築物にも、時代背景はもちろん、関係者の趣味や思惑も色濃く反映されている。人間味溢れるストーリーがある。
色とか雰囲気だけじゃなくて、全体のバランスとか部分的なデザインにも、これからは注目してみたい。
神戸と横浜の貿易関連施設、大阪の綿業会館とか、特に興味深かった。
最後に台湾が出てきたのも良かった!植民地政策というと、どうしても、圧政のイメージが強くなっちゃうけど、八田與一のダム建設と銅像の件は、な -
Posted by ブクログ
本書の解説で「ビブリオ・ミステリー」という語を見て、そういうミステリーのジャンルがあることを初めて知り、どんなものだろうと思い購入。
殺人事件や犯人捜しがあまり好きではなく、通常のミステリー小説だと、つい後ろから読んでしまって、楽しみを半分くらい失いがちな私にとって、本格派ビブリオ・ミステリーの本書は、純粋に謎解きを楽しむことができてよかった。
この本、三省堂本店で「書店員のおすすめ」になっていたけれど、その気持ちは非常によくわかる。文献資料のリサーチや分類・整理に関わったことのある人であれば、自分の求める文献資料を探しているときのワクワク感がそのまま味わえるだろう。 -
Posted by ブクログ
宮沢賢治といえば「教科書の中の清廉な偉人」というイメージだが、この作品が魅せるのは、世間の規格からはみ出し続けた「不肖の息子」と、彼を甘やかし続けた「厳格になりきれない父親」の、あまりにも人間臭い葛藤のドラマである。
26歳まで迷走していた賢治だが、妹トシの過酷な看病を通じて、それまでダメ人間だと自覚していた彼が、初めてある種の「達成感」を得る。
そして、質屋での経験から「大人は嘘をつくが、子供は嘘をつかない」という彼らしい純粋な動機から、ついに童話を書くことで、父親という巨大な壁を飛び越えようとし始める。
トシの臨終の際、父・政次郎は「肉や骨は滅びるが、言葉は滅亡しない」という強い思いを -
Posted by ブクログ
ネタバレ父である宮沢政次郎から見た宮沢賢治の物語。後半はかなり泣かされる部分も多かった。
政次郎は笑ってしまうくらい親バカで賢治のことが大好きで…賢治の描く美しい世界は家族の愛(と、経済的援助)に支えられたものであったのだなとしみじみ感じた。
しかしこの時代、結核とは本当に恐ろしい病気だったのだなぁ。宮沢賢治も妹のトシも、成人してから結核で亡くなったとされている。淡々とした語り口だったけれど、大切な子供を2人も亡くすことがどれほどの地獄か。胸が締め付けられる思いだった。
賢治は今日では聖人のように扱われることが多いけれど、かなりの変人でもあり、親に繰り返し金を無心するような金銭感覚の未熟さもあり