門井慶喜のレビュー一覧
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豊臣秀吉は天下統一を果たしながら、晩年、無謀とも言える朝鮮出兵を行ったのか。その「なぜ」に迫る歴史小説。
人間の欲は果てしない、配下へ報奨とする土地が尽きてしまった、権力者は愚行を繰り返す、秀吉は単純に戦争が好きだった、など、多くの学者により分析されつくした朝鮮出兵の動機。それらを踏まえて小説家としての著者視点での新解釈を提示してくれると期待したのだが、消化不良のまま完結してしまったという感想。
本作に登場する秀吉は、名もなき庶民や商人などに、勢いで朝鮮・明などを征服すると公言した手前、引っ込みがつかなくなってしまっていたように感じられる。淡々と名護屋城を築き、朝鮮向けの人と船を集めるだけ -
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ネタバレ札幌の成立過程を、幕末から昭和にかけての5人の人物のドラマを通じて描いた連作短編、門井先生自身が語った創作意図・作品で最も強調したかったのは、「人が住んで街になるのではなく、人はいないが街をつくる」という、極寒の大地で大規模な都市計画をゼロから推進した先人たちの信念と情熱、そして現代にも通じる「自制心」を持った5人らしい・・・が、小説ならば特定の主人公を通過した5人という書き方の方が馴染みある、つまり札幌誕生というタイトルに相応しい観察者が不在なため、読者はバラならの5人の先人話を読まされただけに終わった(辛口)バチラー八重子や有島武郎の話は札幌誕生ストーリーに何も寄与していないと断ずる
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時は大正が終わり昭和が始まる頃に、日本初の地下鉄が開業した。いまの銀座線、浅草を起点に上野、神田、新橋と徐々に延伸していく形で現在に繋がる地下鉄道網が張り巡らされていく。その裏には歴史に名を残したいという野望を持った一人の男の姿があった。
早川徳次は日本の地下鉄の父と呼ばれる。山梨の寒村から裸一貫で東京に出てきて、渋沢栄一や大隈重信といった経産界の大物と知己を得て資金を集め、日本初の事業である地下鉄掘削を開始する。当時は市電が地上を走るものの、次第に自動車との交通戦争が激化していく時代に差し掛かっていた。
関東大震災が起こり、東京の重心は東寄りの下町から西側へと遷っていく。そこに目を付けた -
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「開拓判官ー島義勇」「ビー・アンビシャスー内村鑑三」「人の世の星ーバチラー八重子」「流行作家ー有島武郎」「ショートカットー岡崎文吉」の五話。北海道に強く関係した5人の人物を主人公にした5つの中編を、時代に沿って並べる事で、札幌の誕生とその成長を描いた作品です。
『東京、はじまる』の感想には「口に出さない当人の考えをインデントや()で括って差し込んでいく文体は、池波正太郎によく似て非常に軽快です」と書いていましたが、今回は読み始めてしばらく(文章と言うより話の進め方が)「なんか司馬良太郎っぽいナ」と感じました。もっとも読み進めるにつれ、その感触は弱まってきましたが。とは言え、どこか余り逡巡が感じ -
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鹿苑寺(ろくおんじ)は、日本の京都市北区金閣寺町にある臨済宗相国寺派の寺院である[1]。大本山相国寺の境外塔頭で山号は北山(ほくざん)。本尊は聖観音。正式名称は北山鹿苑禅寺(ほくざんろくおんぜんじ)である[2][3]。建物の内外に金箔が貼られている舎利殿「金閣」が特に有名なことから金閣寺(きんかくじ)という通称で呼ばれることも多い[4]。
日本文化の礎は、この男がつくりだした!
応仁の乱は、京の街を焼け跡にしようとしていた。
室町幕府八代将軍・足利義政は、京の秩序を守る責務から目をそらし、自らの美意識の顕現に挑んだ。
孤独な将軍は、何に苦悩し、何を実現しようとしたのか。
日本建築の源流とな