門井慶喜のレビュー一覧

  • 天下の値段 享保のデリバティブ

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    もっと面白くなったんちゃうのん。と。

    米を主にしたデリバティブ。

    相場操作じゃねえかと危惧するお公儀が、逆に相場操作をしようとする。

    自らの正義、お江戸の正義に商売人としての正義を重ねようとする人たちと、ほっとけやボケ、と言う商人。

    皆んな自分の利ばっかり追求する、神の見えざる手的な資本主義的な市場原理を絡めつつ、暴れん坊将軍的なケレン味を加えると思いきや、伏線と思わせながらも回収する気の全くない展開と、数ページにわたるブルーバックス的な、わかるが必要のない描写。

    自分のことを「おけい」という女子もどうかねというドン引きがスパイスとは言え。

    まあ、こんなもんなんすかね。

    時代小説

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    2026年04月19日
  • 天下の値段 享保のデリバティブ

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    江戸時代の先物取引(デリバティブ)とは?

    大阪堂島では 江戸初期には あの大豪商“淀屋”が「米市」を開いていたと 何となく知ってはいたが。その実態は?

    大阪商人vs将軍吉宗
    享保の米騒動で描く 享保の先物取引。
    やはり物語で描かれると デリバティブと言う経済用語も理解しやすい。

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    2026年04月11日
  • 札幌誕生

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    ネタバレ

    幕末から戦前を中心とした北海道、札幌の歴史小説。

    五つの章から構成されていて、島義勇、内村鑑三、バチラー八重子、有島武郎、岡崎文吉が各章の主人公。
    札幌の開拓物語と思っていたが、島と岡崎の章以外は札幌ゆかりの人の話という感じです。
    とにかく島や松浦武四郎がいなかったら札幌が道都になっていなかったと思えると島の章は重要です。
    堀利煕についても最期について記述してあげてほしかったです。
    内村、八重子、有島と文化人が続きますが、キリスト教やアイヌ民族や農場経営について勉強になりました。
    石狩川治水責任者の岡崎がトリになるのですが、時代的にはそれまでの章と前後する部分もあるものの、彼の功績によるとこ

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    2026年04月04日
  • 天下の値段 享保のデリバティブ

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    家康江戸を建てるが良かったのでチャレンジ。
    大阪での米の先物取引vs吉宗。
    日本が世界に先駆けて行っていた先物取引の仕組みがよくわかった。
    登場人物の役割がちょっと難しかったかな。

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    2026年04月03日
  • 天下の値段 享保のデリバティブ

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    ネタバレ

     昨秋(2025)、新聞書評で見かけた一冊。

     享保の改革の様子、暴れん坊将軍で有名な吉宗がなぜ米将軍ともあだ名されていたかが良く分かる(笑)

     副題に、「享保のデリバティブ」とあるように、これは経済小説だ。天下の台所と呼ばれた大阪では、江戸の中期には米取引が発展、一大市場を成していた。そして、そこでは現物の売買だけでなく、現代のデリバティブ取引と同じ仕組みを持つ「帳合米」の取引が発達していたという話。

     それを、ひとりの仲買人を通し、大阪堂島で繰り広げられる米取引の様子と、権力で価格を統制しようとする幕府との丁々発止の駆け引き、交渉の様子が描かれる。

     その中心人物である垓太と、将軍

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    2026年03月26日
  • 夫を亡くして 北村透谷の妻・ミナ

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    新聞連載で読んだ。
    北村透谷の妻、ミナの当時としては稀有な自立した生き方にスポットライトを当てた小説。

    ミナの自由さに比して、北村透谷の人物像が今ひとつ伝わらなかった。なぜ北村透谷は自殺したのか?その謎にまで迫ると主役のミナの存在が薄れてしまうのかな。  


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    2026年03月22日
  • おさがしの本は

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    最初は少し取っ付きにくいかも?と思ったが
    主人公の変化と共に文章を受け取りやすくなるという不思議な体験をした。面白かった。

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    2026年03月14日
  • 東京帝大叡古教授

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    数年前にこの作家さんの直木賞作品「銀河鉄道の父」を読んだけど、その時の作風とイメージが違ってちょっと驚き。
    銀河鉄道〜はもうちょっと真面目な感じだったけど、この本はちょっとくすっとしちゃうようなところがあったり、少しくだけた雰囲気。
    この本のほうが昔の作品だけどこんな感じの小説も書いてたのか。私としてはこの本のほうが好きで楽しかった。

    実在人物が出てくるからてっきり本当にあった事件なのかと思ったけどそうではないみたい。
    だけど史実を交えながらのストーリー展開で勉強にもなったしシンプルに面白かった。
    こういうちょっと癖のあるキャラが出てきたりくすっと笑えるところがある小説はすごい好きだから、他

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    2026年03月05日
  • マジカル・ヒストリー・ツアー ミステリと美術で読む近代

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    うーん。。
    タイトルから「ミステリー」「美術」という二つのものから近代(ヨーロッパ、特にイギリス)という社会を読み解く…的なものだと思って手に取ったんです。最初はそんな感じで進むんですが、後半の方に一人称と三人称の話になり、最後は主観と客観の話になり、近代の話は一体どこに行ってしまったの?って感じでした。こちらの著者先生の本は初めてですが(「銀河鉄道の父」を書かれた方のようですね)先生の好きなもの、言いたいことを詰め込んだ感じの本の印象を受けました。

    もちろん個々の話はとても面白かったです。産業革命とミステリー誕生の関連性とか、イスラム世界の細密画の描き方のルールとか、そうなんだ!と楽しく読

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    2026年02月10日
  • 天下の値段 享保のデリバティブ

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    先物取引の仕組みを詳しく知らなくても物語として楽しめた。「相場は天下が決める」という言葉が印象的で、江戸時代の話でありながら、現代の市場にもそのまま当てはまる感覚がある。 インフレとデフレの原理が物語を通して自然に理解でき、経済がどう動くのかを実感できた点が良かった。時代は違っても、経済の基本は変わらないのだと気づかされる。 経済をめぐる攻防が、貨幣経済へ移行する時代における「武士の価値観」と「市場を守ろうとする商人の価値観」の衝突として描かれているのが興味深い

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    2026年02月09日
  • 札幌誕生

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    幕末から大正の間に北海道が開拓開発されていく様子を描いた歴史小説。五人の実在の人物にそれぞれの章をあてていて、だんだん近代化していく様子がわかります。
    特典の歴史地図(デジタル版もあり)が理解を助けてくれてありがたい存在でした。

    小説だと思って読んでいたら急に著者の感想のような文章が出てくるのは歴史小説あるあるなのか、この作家さんの特徴なのか、好みにも左右されるのでしょうが私の場合は小説の世界への没入にブレーキがかかってしまったように感じました。

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    2026年02月08日
  • 札幌誕生

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    北海道を国防の場とするため、要となる都市を一からつくる…途方も無いことを成し遂げようと動く人々
    街づくりにアイヌ文化、治水など5人の視点で札幌が出来上がっていく様子、知らなかった歴史を知る事ができるのがとても面白かった
    本当に読み応えたっぷり!

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    2026年01月13日
  • 天才たちの値段 美術探偵・神永美有

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    面白くない訳ではないのだが、微妙に読みづらい。無理に会話してるので、高田崇史みたいに蘊蓄に振るとかキャラ立てるとかがもう少し欲しい。

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    2026年01月02日
  • 江戸一新

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    松平信綱が主役なんだなって。保科正之かと思ってた。かの有名な明暦の大火の小説は物珍しいので、読んでみました。火事の凄さはよく聞くけど、その後の復興はあんまり聞いたことないから、とても勉強になった。小説も勉強になるんだなと改めて思ったよ。

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    2025年12月31日
  • 文豪、社長になる

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    菊池寛。

    タイトル通り、人気大衆小説家が「文藝春秋」を立ち上げ社長になり、芥川賞、直木賞を創設し……亡くなるまでの、一代記。
    もちろん史実に基づいてはいるものの、フィクションだが。
    大まかな時系列には沿っているものの「オール讀物」連載の5編が、そのまま収まっているようで多少、時間は前後する。
    読みやすいが、少しぶつ切り感があった。

    芥川龍之介や川端康成、小林秀雄らとの濃い話も読みたかったが、菊池寛、その人を知るには非常に読みやすい本だった。

    個人的には、直木「三十一〜三十五」との物語「貧乏神」が一番面白く読めた。

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    2025年12月18日
  • 人生を豊かにする 歴史・時代小説教室

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    多分、「人気作家」の、どうやって作家になったか、どういうことを考えて著作しているかを編集者が聞き手になって書いている。

    多分というのは、三人とも知らないから。

    時代/歴史小説、また、この作家さんが好きな人が読めば違うんだろう。
    なんか昔の、漫画家になろう!的な本みたいな感じ。

    以前読んだ、流行作家?になるには見たいな本の成金的な臭いは少なかったし素直にすげえな、やっぱりプロは、と思ったのだが、一人だけやっぱり臭ってた気がした。

    もっと、古典的な有名な作品を取り上げて論評してくれるようなもんかと思ってたので、拍子抜け。

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    2025年12月15日
  • 信長、鉄砲で君臨する

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    鉄砲をテーマにいろいろ書きたかったのだろうか。切り口がおもしろかった。
    ただ、鉄砲で建てるは無理があるやろと。シンプルに伝来の話が一番おもしろかった。

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    2025年11月17日
  • なぜ秀吉は

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    豊臣秀吉は天下統一を果たしながら、晩年、無謀とも言える朝鮮出兵を行ったのか。その「なぜ」に迫る歴史小説。

    人間の欲は果てしない、配下へ報奨とする土地が尽きてしまった、権力者は愚行を繰り返す、秀吉は単純に戦争が好きだった、など、多くの学者により分析されつくした朝鮮出兵の動機。それらを踏まえて小説家としての著者視点での新解釈を提示してくれると期待したのだが、消化不良のまま完結してしまったという感想。

    本作に登場する秀吉は、名もなき庶民や商人などに、勢いで朝鮮・明などを征服すると公言した手前、引っ込みがつかなくなってしまっていたように感じられる。淡々と名護屋城を築き、朝鮮向けの人と船を集めるだけ

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    2025年10月18日
  • 札幌誕生

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    ネタバレ

    札幌の成立過程を、幕末から昭和にかけての5人の人物のドラマを通じて描いた連作短編、門井先生自身が語った創作意図・作品で最も強調したかったのは、「人が住んで街になるのではなく、人はいないが街をつくる」という、極寒の大地で大規模な都市計画をゼロから推進した先人たちの信念と情熱、そして現代にも通じる「自制心」を持った5人らしい・・・が、小説ならば特定の主人公を通過した5人という書き方の方が馴染みある、つまり札幌誕生というタイトルに相応しい観察者が不在なため、読者はバラならの5人の先人話を読まされただけに終わった(辛口)バチラー八重子や有島武郎の話は札幌誕生ストーリーに何も寄与していないと断ずる

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    2025年09月23日
  • 地中の星―東京初の地下鉄走る―(新潮文庫)

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    時は大正が終わり昭和が始まる頃に、日本初の地下鉄が開業した。いまの銀座線、浅草を起点に上野、神田、新橋と徐々に延伸していく形で現在に繋がる地下鉄道網が張り巡らされていく。その裏には歴史に名を残したいという野望を持った一人の男の姿があった。

    早川徳次は日本の地下鉄の父と呼ばれる。山梨の寒村から裸一貫で東京に出てきて、渋沢栄一や大隈重信といった経産界の大物と知己を得て資金を集め、日本初の事業である地下鉄掘削を開始する。当時は市電が地上を走るものの、次第に自動車との交通戦争が激化していく時代に差し掛かっていた。

    関東大震災が起こり、東京の重心は東寄りの下町から西側へと遷っていく。そこに目を付けた

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    2025年09月21日