門井慶喜のレビュー一覧
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万城目さんと門井さんの軽妙なトークがにより繰り広げられる近代建築のガイド。
大阪、京都、神戸、横浜、東京、そして台湾の近代建築を散歩して探訪する企画である。
行ったことがある物件もあるし、日曜美術館やら、美の巨人たちやらで見たことのあるものもある。
(もちろん、今回初めて知るものもあるんだけど。)
それでも、門井さんが言うように、建築家の人となりに注目した紹介は新鮮で、面白い。
ダンディな渡辺節とか。
辰野金吾の人生三大万歳のエピソード(東京駅受注、日露戦争勝利、そして臨終の時)も興味深い。
ヴォーリズのエンドウマメ発芽実験のエピソードは、後の彼のイメージに反するもので、印象的。
なんでも -
Posted by ブクログ
雄弁とか、論理学という言葉に、もはや偏見に近い先入観を持っている。
だから、雄弁学園の生徒はみんなガリガリくん、その教師はきっと奇矯な魑魅魍魎のような人たち。
そういうのが次から次へと、ぞろぞろ出てきて詭弁を振るう小説なのかと(笑)。
本書は雄弁学園の初等部、中等部、高等部、そして大学と、それぞれの教師を主人公にした短編集。
学園長にのし上がる栗坂を狂言回しにして。
教師の休職、保護者のクレーム、学園内政治の紛争など、さまざまな困難にそれぞれの教師たちが立ち向かい、解決する姿が描かれる。
結構ヘビーなトラブルなのに、やけにあっさり解決するから、もしかすると短編にすることもなかったのではないか -
Posted by ブクログ
美術品の真贋を舌で見分ける天才美術探偵・神永美有シリーズ第二弾。
「筆を持たない芸術家」と呼ばれた岡倉天心の直筆画ははたして本物かどうかを推理する表題作『天才までの距離』。
佐々木の幼馴染の家で見つかった日本画家・平福百穂の切り絵についての話『文庫本今昔』。
結婚を決意した相手の男性から贈られた古時計の謎を解く『マリーさんの時計』。
ある文化人の「日本は中国の属国」という発言にイヴォンヌが激昂し、牧谿の水墨画を巡る真贋対決に佐々木が巻き込まれる『どちらが属国』。
神永美有の父親や佐々木と因縁のある人物からの依頼により再び岡倉天心の真筆かを推理する『レンブラント光線』の五作品。
前作のラストで -
Posted by ブクログ
人はなぜ、それ(小説)を読むのか。
物語の中には一応の答えがある。
でも、100人いれば100個の、1000人いれば1000個の答えがあるように思う。
小説から知識を得ようとして読む人はあまりいないだろう。
知識が欲しいなら専門書を読んだほうが早いのだから。
あれもこれも全部読んでみたい。
恋愛小説が大好き。
ミステリーには目がない。
人それぞれに好みは違うし、何を面白いと感じるかはその人の感性によって変わってくる。
だからこの物語で示されるひとつの答えらしきものに納得しない人もいるだろう。
「あぁ、そういう見方もあるんだな」といったところだろうか。
別の世界にひたれるから。
これが一番しっく -
購入済み
江戸を建てたのは誰?
江戸を建てたのは、勿論家康公。
だけど、「江戸」という大構成物のパーツの数は膨大で、
パーツの物語のいくつかをピックアップして
モザイクのように編んだ本、が本書です。
パーツを章立てにしてあるので、読みやすいです。
私は冒頭の川の話が好きです。
江戸開府には、きっと他にもドラマティックな話があるでしょうし、
是非続編が読みたいです。