門井慶喜のレビュー一覧

  • かまさん――榎本武揚と箱館共和国

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    幕末、幕臣である榎本武揚が大坂で徳川慶喜に取り残される辺りから、軍艦で蝦夷へ行き、共和国を立ち上げて新政府軍に負けるまでを描く。個人的には、榎本武揚に付き従った幕臣たちの時代錯誤な考えが、今でいえば大企業病のように感じる。幕臣は刀槍の戦いこそが武士としての戦いで、鉄砲は足軽がやるものと軽んじている。そして、いつでも刀槍の戦いができると思い込んでいるが、実は戦い方や鎧の着方すら知らないという。今の時代でも、いつでの仕事できると思っているが、実は何もできないということがあるように思う。そしてそんな企業は幕末を迎えるのかもしれない。

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    2019年08月09日
  • 家康、江戸を建てる

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    国を作る、街を作る、ランドマークを建てる、インフラを整える。江戸という未開地を首都にするために、多くの異能人が働き場を得、家康は彼らを巧みに使った・・・という見立ての歴史小説。

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    2019年05月01日
  • 小説あります

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    人はなぜ小説を読むのか?
    それの答えを求め進んでいく話に
    ワクワクドキドキしながら、最後の結末にも
    驚き、とても面白い内容でやった

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    2019年04月05日
  • 竹島

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    親父は蒸発し、母親も男を作って蒸発。施設に預けられ、決して恵まれた少年時代を送らなかった主人公。高卒で不動産営業のドサ回り。
    営業中、とあるオッさんに出会い物語は始まる。
    竹島が日本のものか韓国のものか、一冊の古文書を巡り、外務省から、韓国大使館、さらに中国へ。三つ巴の展開に。
    さすが、門井慶喜氏。
    領土問題だけでなく、貧困による教育格差、その他、実に示唆に富む一冊。
    竹島問題についても、新書5冊分くらいを大変分かりやすく、噛み砕いてくれている。
    この手の題材からイデオロギーを排して、エンタメに昇華する技術はさすがだ。
    領土問題に興味を持つために良い一冊でした。

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    2019年03月29日
  • シュンスケ!

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    初代総理大臣 伊藤博文が主人公。
    幕末における伊藤俊輔を名乗っていた時代の物語。


    明治維新とは薩長を始めとした諸藩が、封建的腐敗的だった徳川幕府を倒し、近代化という革命を起こした、と一元的に考えがちだが、維新側にも色々問題があったわけで。

    英雄として描かれがちな吉田松陰や高杉晋作を、シュンスケの目を通し客観的に描いていたのは、なかなか画期的と思う。

    作者の作品は榎本武揚を主人公に釜さんも見たが、チョイスがいいし、きちっと史実を調べているな、と思わされる。

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    2019年02月06日
  • 家康、江戸を建てる

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    物語というよりは記録のような感じだが、今までにない面白さの作品だった。
    江戸という寂れた田舎が、日本を動かす中心地になるまでのはじめの一歩を見ることができたような気持ち。
    治水、貨幣、上水、石垣。とても興味深く読めました。

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    2019年01月26日
  • 家康、江戸を建てる

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    湿地の江戸に新しい都市を築く。歴史物として、地理書として、小説として面白かった。利根川の流れの出口を江戸湾から千葉の太平洋に変える大治水。天下を支配するための貨幣作り。江戸へ上水を引くための精緻な治水。築城。いずれも長期に困難を極め、職人達が天分を発揮して完成した。▼家康はそれらを見通して江戸に都を築いたわけではないと思う。秀吉から迫られ、緊迫する短時間に、漠然とではあるが何らかの確信を持って江戸行きを決断したのだと思う。すごい判断力を持った大名だと感心する。▼史実に、あたかも自分で見てきたような物語が装飾されており、面白い。

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    2019年01月19日
  • キッドナッパーズ

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    門井さんのデビュー短編集。酔余や一夕の歓など文章の中に俳句で使えそうな言葉を散りばめながらちゃんと話を落としていく。

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    2019年01月09日
  • 家康、江戸を建てる

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    6年前に関西から関東に来て、純粋に江戸のことが知りたくなった。もともとさびれた漁村と沼地だった江戸の地を一大都市に変貌させた家康。やることは山積みなのだが、なんだかんだ一気に読んでしまった。

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    2018年12月11日
  • 徳川家康の江戸プロジェクト

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    徳川家康という人物に対しては、信長や秀吉よりも地味なイメージを持っていました。しかし家康が江戸に幕府を開いた先見性や、世界でも有数の100万都市への発展。その後の戦前と戦後に繋がる東京への軌跡を知って、決してふたりにひけをとらない名将なのだと思いました。

    本書では、特に江戸の発展に川の存在が欠かせないとあります。利根川の流れを曲げるという事業や神田上水をはじめとする水流を制御するシステムは、経済の発展に大きく寄与したのだと実感。
    また、東京各地の日比谷などの名前の由来にも触れて、興味深く読むことができました。日比谷は、ひびというのり?をとる棒の名前が由来だとか。

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    2018年12月07日
  • 徳川家康の江戸プロジェクト

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    家康、江戸を建てるが正月にテレビドラマ化されるタイミング。小説で語られる物語の背景や、作者独自の都市論もあっておもしろい。

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    2018年12月07日
  • 東京帝大叡古教授

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    日露戦争の終結間際の頃、日比谷界隈は、東京帝国大学は、徳富蘇峰や、桂太郎や原敬は何をしていたのだろうか。未来の日本のエース外交官は何をしていただろうか。ああ、こういう絵柄だったのかもしれないな、と門井の「画力」に賛嘆。

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    2018年11月12日
  • ぼくらの近代建築デラックス!

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    万城目さんと門井さんの軽妙なトークがにより繰り広げられる近代建築のガイド。
    大阪、京都、神戸、横浜、東京、そして台湾の近代建築を散歩して探訪する企画である。

    行ったことがある物件もあるし、日曜美術館やら、美の巨人たちやらで見たことのあるものもある。
    (もちろん、今回初めて知るものもあるんだけど。)
    それでも、門井さんが言うように、建築家の人となりに注目した紹介は新鮮で、面白い。

    ダンディな渡辺節とか。
    辰野金吾の人生三大万歳のエピソード(東京駅受注、日露戦争勝利、そして臨終の時)も興味深い。
    ヴォーリズのエンドウマメ発芽実験のエピソードは、後の彼のイメージに反するもので、印象的。
    なんでも

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    2018年10月30日
  • この世にひとつの本

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    失踪した書家の謎を追う話かと思ったら、社内で続いた
    病死が問題になったりとびっくり。
    秘書を愛人にする社長、しかも、そんな趣味かーいに唖然(笑)
    そのくせ、盗聴後のあれはひどい。
    調査する社長の息子より、腋の2人が面白かった。
    でも、事件の謎はどちらも、ちょっと納得しにくくて残念。

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    2018年09月22日
  • パラドックス実践 雄弁学園の教師たち

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    雄弁とか、論理学という言葉に、もはや偏見に近い先入観を持っている。
    だから、雄弁学園の生徒はみんなガリガリくん、その教師はきっと奇矯な魑魅魍魎のような人たち。
    そういうのが次から次へと、ぞろぞろ出てきて詭弁を振るう小説なのかと(笑)。

    本書は雄弁学園の初等部、中等部、高等部、そして大学と、それぞれの教師を主人公にした短編集。
    学園長にのし上がる栗坂を狂言回しにして。
    教師の休職、保護者のクレーム、学園内政治の紛争など、さまざまな困難にそれぞれの教師たちが立ち向かい、解決する姿が描かれる。
    結構ヘビーなトラブルなのに、やけにあっさり解決するから、もしかすると短編にすることもなかったのではないか

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    2018年08月28日
  • マジカル・ヒストリー・ツアー ミステリと美術で読む近代

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    昔はやったニューヒストリシズムの文芸批評のような本かと思っていた。
    いくつかの、ミステリの嚆矢となる作品を取り上げ、それぞれを書かれた当時の時代背景(そこには美術品も含む)の中に置いて解釈する、というようなー。
    ところが、この本の射程はもっと長かったのだ。
    近代という時代の特質が、見ることや語ることを変質させ、ミステリというジャンルを生んでいくという運動を解明しようとした本だと理解した。

    とはいうものの、やはりどこかで富山多佳夫さんの本や、その論じ方を思い出さずにはいられず、既視感がどうもぬぐえなかった。

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    2018年06月23日
  • マジカル・ヒストリー・ツアー ミステリと美術で読む近代

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    名作のミステリを、産業革命や宗教裁判など、史実・その時代背景から読み解く評論。
    物語の中に書かれた、逃走の話を当時の時刻表などから調べ、どのように逃走したのか、どういう時代背景で逃げられたのか等を読み解く。
    また挿絵や当時の美術から、その登場人物がどのような宗教を信じていたか、本心はどうだったのかも読み解いている。
    普通に読むのとは違う面白い見方で、とても楽しんで読めた。
    ここに紹介されたミステリを、これを踏まえて読んでみたい。

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    2018年05月27日
  • 新選組颯爽録

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    『新選組血風録』へのオマージュか。司馬や他の作家が描いた群像とは、また違った視点で。どこかあっけらかんと、現代的な感性の持ち主として描写。

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    2018年10月14日
  • にっぽんの履歴書

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    ネタバレ

    早い話が、私たちは政権交代とは言うけれど、政府交代とは言わない。お上が入れ変わるとも言わない。政府やお上は常にそこにあるもの、他への転嫁ができないものとして私たちの意識または無意識にあるのだ 江戸時代の人々は、案外、ローマ市民の正当な子孫なのかもしれないのだ 言語とはこの国の入れ物、この国の器に他ならないのだ

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    2018年04月16日
  • にっぽんの履歴書

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    私とさほど年齢が変わらないのですが
    学生時代に露伴全集を24万で買ったとかすごいですね。
    こういう 厚い読み方をする方は
    もう珍しいと思ってしまいます
    私の読書って軽薄だなぁと思いました
    確かに 知れば知るほど面白い
    歴史ってそういうものですね

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    2018年04月09日