門井慶喜のレビュー一覧

  • 家康、江戸を建てる

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    大手門に吾平の石を探しに行きたくなりました。
    物語自体とても読みやすく面白いので、あっという間に読み終えました。
    今の東京の基礎が、こんな風にして作られたんですね。
    ピラミッドやスヒィンクス、カッパドキアやマチュピチュにも引けを取らない大工事。当時の人々は大したものだ!
    東京を見る目が変わりました。

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    2020年01月17日
  • ぼくらの近代建築デラックス!

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    最高なタイトルからわかるように、大阪から台湾まで、ぼくらの大好きな近代建築が蘊蓄とともに紹介されるゆるガイドブック。
    訪れたことのある場所でも、その建物や建築家のエピソードを知るとまた行きたくなる。
    「建ってから八十年以上も焼けてないのは大阪城史上最長」など、どうでもいい記録がわかったりします。

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    2020年01月13日
  • 家康、江戸を建てる

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    文字通りに単なる広野に等しかった土地に江戸を作り込む話だけど、利根川を曲げ金貨を作り飲料水を引き江戸城の石垣を重ね天守閣を築き上げた5話の作品。それぞれの話に主人公が登場する。個人的には石工が登場する第4話が印象的だったかな。少し食い足りない感は残ったけど、東京の古の知識として興味深く読めた♪

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    2019年12月19日
  • 小説あります

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    『おさがしの本は』の姉妹編らしいと知り読んでみましたが、3年後に市役所の総務課へ異勤となった和久山隆彦はでてきましたが、話としては本がテーマとはなっていますが、別物でした。

    N市立文学館でアルバイトをしながら小説の研究をしている老松郁太、29歳が神田神保町で作家の徳丸敬生(のりお)のなぜかサインの入った遺稿集をみつけるところから物語は始まります。
    徳丸敬生は芥川賞候補にもなったのですが、昭和55年に62歳で樹海で行方不明になりましたが、死亡が確認されていませんでした。文学館には徳丸の遺稿とされる原稿その他一式が置かれています。
    しかし、文学館は廃館が決まっていて、廃館後は郁太の父の後継ぎで会

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    2019年11月30日
  • 人形の部屋

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    基本的に蘊蓄が好きな作家さんなんだなということはよくわかった。この話、時代がちょっと古いんだろうなぁ。今ならもっと色々な手助けがあるだろうし。花言葉はちょっと面白かったかな。うーん、でも、もうつばめも高校生なんだし、働いたらと思うんだけど。

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    2019年11月08日
  • ゆけ、おりょう

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    言わずと知れた坂本龍馬の妻おりょうを主人公に、彼女の波乱万丈の人生とともに、門井版龍馬の物語。
    龍馬は当初、おりょうからは鼻もかけられなかったとの挿話は意外だった。おりょうが、龍馬との結婚を決めた理由も、頼りないから放っておけないからだったとは。
    英雄然とした司馬版龍馬よりも、より人間臭さが感じられる龍馬像。
    姉乙女ほかいろいろな人物に手紙を書いていた龍馬を評して、21世紀に生まれていたなら、スマホを片時も話さないSNSの中毒愛好者になっていたかもと、評しているのも面白い。
    そんな龍馬とおりょうの夫婦生活は、琴瑟相和すの言葉通りだっただろう。それだけに、龍馬亡き後の彼女の急変には、疑問符ととも

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    2019年11月06日
  • 家康、江戸を建てる

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    門井慶喜氏の歴史小説。江戸を一大都市にのし上げることになった大仕事を、その中心人物のドラマとともに描く。
    河川の流れを変えた灌漑技術の伊奈忠次、小判を作り、貨幣の日本統一で経済を掌握した橋本庄三郎、水を引いた内田六次郎。石を見通す見えすき吾平、天守を作った職人たち。
    家康の攻めと守り、そして天下人にふさわしい判断力と、一つ一つに思慮のある家康と、優秀で、且つ自分の意思と夢を持つ主人公たちが織りなすプロジェクトのロマン。ゼネコンや、石油コンビナートなどの建設に携わる現代人とも通じるような、熱い情熱が江戸を作っていたということを土台にしたドラマとなっている。特に、石を運び石垣を作るプロジェクトでで

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    2019年10月28日
  • こちら警視庁美術犯罪捜査班

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    タイトルから、いかつい刑事がうんちくを傾けながら悪いヤツを捕まえるのかと思われたのですが、そうではありませんでした。
    いかつい男がうんちくを傾けるのは当たってましたが、刑事ではなく悪いヤツのほうでした。
    捜査班は二人、岸すみれと部下の三田村豪気。豪気は素人ながらも着眼点は冴えたところがあり、最初は呆れられたものの、次第に頼りにされるようになっていきます。
    この二人が詐欺まがいの事件を追い、黒幕である上述のいかつい男を追いつめていく話です。
    その男、実はすみれと浅からぬ縁があり、警察官としては許せないのに岸すみれとしては…と葛藤を抱えながらの追及。
    部下で相棒の豪気はすみれの心情を慮り、自分が頑

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    2019年09月29日
  • ゆけ、おりょう

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    龍馬ではなく、おりょうに視点を置いた作品。
    長女らしく、計算して、生きている彼女は嫌いじゃない。
    だらしなく弟気質の龍馬を見捨てられずに婚姻してしまう所も、あるなぁと笑ってしまった。
    だが、時代が進んで、龍馬がどんどん変わってゆき、彼女は身の置き場をなくしてしまう(T ^ T)

    再評価されなくて、龍馬と二人で生きていけたら、きっと幸せだったのだろうと思うと、やはり明治維新という時代は罪深い。

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    2019年08月19日
  • かまさん――榎本武揚と箱館共和国

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    幕末、幕臣である榎本武揚が大坂で徳川慶喜に取り残される辺りから、軍艦で蝦夷へ行き、共和国を立ち上げて新政府軍に負けるまでを描く。個人的には、榎本武揚に付き従った幕臣たちの時代錯誤な考えが、今でいえば大企業病のように感じる。幕臣は刀槍の戦いこそが武士としての戦いで、鉄砲は足軽がやるものと軽んじている。そして、いつでも刀槍の戦いができると思い込んでいるが、実は戦い方や鎧の着方すら知らないという。今の時代でも、いつでの仕事できると思っているが、実は何もできないということがあるように思う。そしてそんな企業は幕末を迎えるのかもしれない。

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    2019年08月09日
  • 家康、江戸を建てる

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    国を作る、街を作る、ランドマークを建てる、インフラを整える。江戸という未開地を首都にするために、多くの異能人が働き場を得、家康は彼らを巧みに使った・・・という見立ての歴史小説。

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    2019年05月01日
  • 小説あります

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    人はなぜ小説を読むのか?
    それの答えを求め進んでいく話に
    ワクワクドキドキしながら、最後の結末にも
    驚き、とても面白い内容でやった

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    2019年04月05日
  • 竹島

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    親父は蒸発し、母親も男を作って蒸発。施設に預けられ、決して恵まれた少年時代を送らなかった主人公。高卒で不動産営業のドサ回り。
    営業中、とあるオッさんに出会い物語は始まる。
    竹島が日本のものか韓国のものか、一冊の古文書を巡り、外務省から、韓国大使館、さらに中国へ。三つ巴の展開に。
    さすが、門井慶喜氏。
    領土問題だけでなく、貧困による教育格差、その他、実に示唆に富む一冊。
    竹島問題についても、新書5冊分くらいを大変分かりやすく、噛み砕いてくれている。
    この手の題材からイデオロギーを排して、エンタメに昇華する技術はさすがだ。
    領土問題に興味を持つために良い一冊でした。

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    2019年03月29日
  • シュンスケ!

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    初代総理大臣 伊藤博文が主人公。
    幕末における伊藤俊輔を名乗っていた時代の物語。


    明治維新とは薩長を始めとした諸藩が、封建的腐敗的だった徳川幕府を倒し、近代化という革命を起こした、と一元的に考えがちだが、維新側にも色々問題があったわけで。

    英雄として描かれがちな吉田松陰や高杉晋作を、シュンスケの目を通し客観的に描いていたのは、なかなか画期的と思う。

    作者の作品は榎本武揚を主人公に釜さんも見たが、チョイスがいいし、きちっと史実を調べているな、と思わされる。

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    2019年02月06日
  • 家康、江戸を建てる

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    物語というよりは記録のような感じだが、今までにない面白さの作品だった。
    江戸という寂れた田舎が、日本を動かす中心地になるまでのはじめの一歩を見ることができたような気持ち。
    治水、貨幣、上水、石垣。とても興味深く読めました。

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    2019年01月26日
  • 家康、江戸を建てる

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    湿地の江戸に新しい都市を築く。歴史物として、地理書として、小説として面白かった。利根川の流れの出口を江戸湾から千葉の太平洋に変える大治水。天下を支配するための貨幣作り。江戸へ上水を引くための精緻な治水。築城。いずれも長期に困難を極め、職人達が天分を発揮して完成した。▼家康はそれらを見通して江戸に都を築いたわけではないと思う。秀吉から迫られ、緊迫する短時間に、漠然とではあるが何らかの確信を持って江戸行きを決断したのだと思う。すごい判断力を持った大名だと感心する。▼史実に、あたかも自分で見てきたような物語が装飾されており、面白い。

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    2019年01月19日
  • 家康、江戸を建てる

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    岡田斗司夫が文は下手だが面白いと言っていたのと、NHKドラマが結構良かったので原作も読んでみることにした。確かに短期間に当時世界一の大都市となる江戸を建設した話は面白かったし日本人にいかに優秀な人材がいたのかは分かったが、古地図や参考資料写真なども添付してほしかったし、史実の出典も明らかにしてもらいたかった。よって磯田道史にもう一度江戸の成り立ちを書いてもらおう。ローマは1日にして成らずだったが、江戸は20年程度でなったわけだが、ガウディのサグラダファミリアのごとく一生完成しそうもない街のようだ。

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    2019年01月18日
  • キッドナッパーズ

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    門井さんのデビュー短編集。酔余や一夕の歓など文章の中に俳句で使えそうな言葉を散りばめながらちゃんと話を落としていく。

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    2019年01月09日
  • 家康、江戸を建てる

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    6年前に関西から関東に来て、純粋に江戸のことが知りたくなった。もともとさびれた漁村と沼地だった江戸の地を一大都市に変貌させた家康。やることは山積みなのだが、なんだかんだ一気に読んでしまった。

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    2018年12月11日
  • 徳川家康の江戸プロジェクト

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    徳川家康という人物に対しては、信長や秀吉よりも地味なイメージを持っていました。しかし家康が江戸に幕府を開いた先見性や、世界でも有数の100万都市への発展。その後の戦前と戦後に繋がる東京への軌跡を知って、決してふたりにひけをとらない名将なのだと思いました。

    本書では、特に江戸の発展に川の存在が欠かせないとあります。利根川の流れを曲げるという事業や神田上水をはじめとする水流を制御するシステムは、経済の発展に大きく寄与したのだと実感。
    また、東京各地の日比谷などの名前の由来にも触れて、興味深く読むことができました。日比谷は、ひびというのり?をとる棒の名前が由来だとか。

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    2018年12月07日