門井慶喜のレビュー一覧

  • 家康、江戸を建てる

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    太平の江戸時代、その屋台骨となるインフラ整備について、史実を基にした連作になっている。
    それぞれ職人たちが主人公で、職人魂をみせている。
    小説を読みつつ、昔の地図を紐解く。
    逆引きブラタモリとでもいえるかもしれない。

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    2020年12月08日
  • 誰かに教えたくなるレトロ建築の話

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    近現代史と建築は、両方ともあまり知識がないけれど、もっとよく知りたい分野なので、その両方をカバーして、かつ読みやすい対談形式なとこがよかった。

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    2020年09月11日
  • 天才たちの値段 美術探偵・神永美有

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    主人公の美術講師が、ある古本屋の息子である、じきに美術コンサルタントとなる男と出会うところから始まる。
    主人公の講師としての知識もさることながら、コンサルタントの男は真贋を舌で感じる変態な上、頭も切れる。メインの知識は講師、それを補填するコンサルタントの男の関係は、この美術ミステリーをより楽しく感じさせる。まさに美術探偵と言える。
    構成はいくつかの美術品に関する事件が各話で描かれていく短編型。個人的に好きな話は早朝ねはん。
    続編も出ているので非常に気になる。

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    2020年08月13日
  • 家康、江戸を建てる

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    権力者の戦いが主題になりやすい歴史小説では珍しい江戸の街づくりに貢献した人にスポットライトを浴びせている。利根川の流れを変え、飲料水を引き、貨幣造り、江戸城を建造する(石垣を切り出し、白塗りの天守を作る)。それぞれのストーリーがオリジナリティーに溢れていて面白い。

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    2020年05月19日
  • 家康、江戸を建てる

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    300年近く続く徳川の世、その後の東京の礎ともなった5つの江戸を建てる挿話。それぞれは短編集のようで、それが集まって荒地から江戸を形成し、現代まで続く。家康の先見の明と、それを支えたプロフェッショナル達がとても生き生きと描かれている。読みやすくてスラスラ読めた。

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    2020年05月14日
  • 小説あります

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    ネタバレ

    やっぱり本はいいなと。
    そして今更ですが「承前」の意味を初めて知りました。時々目にはしてましたが、なんだかわかってなかったので、あぁと思いました。

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    2020年09月11日
  • 誰かに教えたくなるレトロ建築の話

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    建築物 家などを 語るというのは、歴史的な視点でみると
    面白いものが、見えてくる。
    辰野金吾の「東京 はじまる」の 門井慶喜と
    日本政治外交史の専門家の 奈良岡聰智による対談が、
    1909年に辰野金吾が作った奈良ホテル。
    大磯の料亭 松月、丸の内ホテルのレストラン。
    という臨場感があって、実に良い企画である。
    高橋是清に学んだ 辰野金吾。佐賀出身であったが、
    全く、高橋是清に会えたことが、セレンディピティだった。
    そのことによって、政治力の力を得ることができたのかもしれない。
    建築界には、維新の負け組が多いという指摘は、ありうる。

    医療のための海水浴を提唱した鈴木順によって、
    大磯が、別荘地となり、伊藤博文、大隈重信、陸奥宗光、
    山縣有朋、西園寺公望・寺内正毅・原敬・加藤高明・吉田茂
    など 首相経験者たちが多く住み、明治の奥座敷と言われた。
    その別荘は、質素で、日常生活をすることが目的で、
    家から 海を越えて、富士山が見える位置であった。
    外に視線を置ける 別荘で、軽井沢は うちに向ける別荘。
    政治家や経済人が濃密なコミュニケーションができる。
    岩崎弥之助、渋沢栄一もいた。
    政治家のスケールが、大きいのは、こんなところにあったかもしれない。

    原爆ドームの評価の仕方と長崎の浦上天主堂が、なぜ破壊されたのか
    というのは、実に興味深い話である。
    原爆ドームが、世界遺産に指定された。世界が認めたのはなぜか?
    帝冠様式が、1920年から1930年台に流行ったのは、日本の歴史的な背景があり、
    天守閣の再建が絡んでいたというのが、愛知県県庁舎から読み取れるのは
    なるほど、そうやって、建築物を見るのかと納得した。
    愛知県にいた時に、子供ながら 不思議な違和感があったのが、理解できた。

    統一性や秩序が一貫しない東京の建築物について、
    街並みの あり方として、もっと 深めていく必要がある。
    関東大震災、戦争による災害、そしてオリンピック1964によって
    東京の街が破壊されていったというのも、面白い。
    リフォームという言葉を使っているが、リノベーションというべきものだが
    再開発の困難性は、あるものをどうするのかということが
    重要で、思想や哲学がいるわけだが、その思想がなくなってきている時代という。
    都市計画のあり方にも、もっと 思想がいると思った。
    建築物を見る視点を与えてくれる 面白い対談だった。

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    2020年04月03日
  • シュンスケ!

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    初代内閣総理大臣、伊藤博文。幼名、俊輔。武士に憧れ、一国の宰相になることを夢見た彼は、幕末の動乱期を持ち前の明るさと好奇心で駆け抜ける。早くに世界へ目を向けた俊輔がたどり着く、あるべき「日本」の姿とは?

    日本史に疎い私でも長州が生んだ維新の有名人と言えば桂小五郎と高杉晋作だと知っているけれど、初代総理大臣の伊藤博文も長州人とは知らなかった。韓国併合に反対したこの丸腰の老人を暗殺した人物を英雄と崇める隣国の気が知れない。
    (B)

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    2020年03月14日
  • パラドックス実践 雄弁学園の教師たち

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    雄弁というか詭弁というか。ここの卒業生は政治家にでもなるのか。教師が生徒に無理難題を投げかけると思いきや逆で、教師がたじたじになる話だった。

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    2020年02月24日
  • 家康、江戸を建てる

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    大手門に吾平の石を探しに行きたくなりました。
    物語自体とても読みやすく面白いので、あっという間に読み終えました。
    今の東京の基礎が、こんな風にして作られたんですね。
    ピラミッドやスヒィンクス、カッパドキアやマチュピチュにも引けを取らない大工事。当時の人々は大したものだ!
    東京を見る目が変わりました。

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    2020年01月17日
  • ぼくらの近代建築デラックス!

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    最高なタイトルからわかるように、大阪から台湾まで、ぼくらの大好きな近代建築が蘊蓄とともに紹介されるゆるガイドブック。
    訪れたことのある場所でも、その建物や建築家のエピソードを知るとまた行きたくなる。
    「建ってから八十年以上も焼けてないのは大阪城史上最長」など、どうでもいい記録がわかったりします。

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    2020年01月13日
  • 家康、江戸を建てる

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    文字通りに単なる広野に等しかった土地に江戸を作り込む話だけど、利根川を曲げ金貨を作り飲料水を引き江戸城の石垣を重ね天守閣を築き上げた5話の作品。それぞれの話に主人公が登場する。個人的には石工が登場する第4話が印象的だったかな。少し食い足りない感は残ったけど、東京の古の知識として興味深く読めた♪

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    2019年12月19日
  • 小説あります

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    『おさがしの本は』の姉妹編らしいと知り読んでみましたが、3年後に市役所の総務課へ異勤となった和久山隆彦はでてきましたが、話としては本がテーマとはなっていますが、別物でした。

    N市立文学館でアルバイトをしながら小説の研究をしている老松郁太、29歳が神田神保町で作家の徳丸敬生(のりお)のなぜかサインの入った遺稿集をみつけるところから物語は始まります。
    徳丸敬生は芥川賞候補にもなったのですが、昭和55年に62歳で樹海で行方不明になりましたが、死亡が確認されていませんでした。文学館には徳丸の遺稿とされる原稿その他一式が置かれています。
    しかし、文学館は廃館が決まっていて、廃館後は郁太の父の後継ぎで会社を経営している弟の勇次が買いとって料亭にすることが決まっています。
    それを知った郁太は「本のなかでも小説はいちばん役に立たないものじゃないか」という弟に「もし私がお前を納得させられたら、料亭はやめるんだ」と言いだし、勇次もそれをうけてたち、二人の小説談義「人はなぜ小説を読むのか」が始ります。
    一方、直筆のサインの入った、徳丸敬生の遺稿の謎、そして、徳丸の生死も途中ではっきりとします。

    「人はなぜ小説を読むのか」この答えも兄弟の間で答えが出されますが、それが正論かどうかはともかく、こんな大きなテーマを作品で解答した作者には脱帽しました。

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    2019年11月30日
  • 人形の部屋

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    基本的に蘊蓄が好きな作家さんなんだなということはよくわかった。この話、時代がちょっと古いんだろうなぁ。今ならもっと色々な手助けがあるだろうし。花言葉はちょっと面白かったかな。うーん、でも、もうつばめも高校生なんだし、働いたらと思うんだけど。

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    2019年11月08日
  • ゆけ、おりょう

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    言わずと知れた坂本龍馬の妻おりょうを主人公に、彼女の波乱万丈の人生とともに、門井版龍馬の物語。
    龍馬は当初、おりょうからは鼻もかけられなかったとの挿話は意外だった。おりょうが、龍馬との結婚を決めた理由も、頼りないから放っておけないからだったとは。
    英雄然とした司馬版龍馬よりも、より人間臭さが感じられる龍馬像。
    姉乙女ほかいろいろな人物に手紙を書いていた龍馬を評して、21世紀に生まれていたなら、スマホを片時も話さないSNSの中毒愛好者になっていたかもと、評しているのも面白い。
    そんな龍馬とおりょうの夫婦生活は、琴瑟相和すの言葉通りだっただろう。それだけに、龍馬亡き後の彼女の急変には、疑問符とともに、哀れさを感じないわけにはいかない。

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    2019年11月06日
  • 家康、江戸を建てる

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    門井慶喜氏の歴史小説。江戸を一大都市にのし上げることになった大仕事を、その中心人物のドラマとともに描く。
    河川の流れを変えた灌漑技術の伊奈忠次、小判を作り、貨幣の日本統一で経済を掌握した橋本庄三郎、水を引いた内田六次郎。石を見通す見えすき吾平、天守を作った職人たち。
    家康の攻めと守り、そして天下人にふさわしい判断力と、一つ一つに思慮のある家康と、優秀で、且つ自分の意思と夢を持つ主人公たちが織りなすプロジェクトのロマン。ゼネコンや、石油コンビナートなどの建設に携わる現代人とも通じるような、熱い情熱が江戸を作っていたということを土台にしたドラマとなっている。特に、石を運び石垣を作るプロジェクトでででくる石切り、そして石への強い思いが、親から子へと、また人から人へ伝わっていく。江戸城完成に至るに3代をかけた徳川は、その後2百年あまりを太平の世とした。その功績と情熱を感じる一冊。

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    2019年10月28日
  • こちら警視庁美術犯罪捜査班

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    タイトルから、いかつい刑事がうんちくを傾けながら悪いヤツを捕まえるのかと思われたのですが、そうではありませんでした。
    いかつい男がうんちくを傾けるのは当たってましたが、刑事ではなく悪いヤツのほうでした。
    捜査班は二人、岸すみれと部下の三田村豪気。豪気は素人ながらも着眼点は冴えたところがあり、最初は呆れられたものの、次第に頼りにされるようになっていきます。
    この二人が詐欺まがいの事件を追い、黒幕である上述のいかつい男を追いつめていく話です。
    その男、実はすみれと浅からぬ縁があり、警察官としては許せないのに岸すみれとしては…と葛藤を抱えながらの追及。
    部下で相棒の豪気はすみれの心情を慮り、自分が頑張らなくてはと奮闘するのですが、空回りしたり、逆襲を許したり、もどかしいことこの上ない(笑) でもそこがまた良いのです。
    すみれは時に叱咤しながらも優しく豪気を見守り、二人のコンビはこれからも美術犯罪を暴いていくのだろうと思えます。
    美術にあまり明るくない私にも理解しやすく書かれていて、楽しく読めました。

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    2019年09月29日
  • ゆけ、おりょう

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    龍馬ではなく、おりょうに視点を置いた作品。
    長女らしく、計算して、生きている彼女は嫌いじゃない。
    だらしなく弟気質の龍馬を見捨てられずに婚姻してしまう所も、あるなぁと笑ってしまった。
    だが、時代が進んで、龍馬がどんどん変わってゆき、彼女は身の置き場をなくしてしまう(T ^ T)

    再評価されなくて、龍馬と二人で生きていけたら、きっと幸せだったのだろうと思うと、やはり明治維新という時代は罪深い。

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    2019年08月19日
  • かまさん――榎本武揚と箱館共和国

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    幕末、幕臣である榎本武揚が大坂で徳川慶喜に取り残される辺りから、軍艦で蝦夷へ行き、共和国を立ち上げて新政府軍に負けるまでを描く。個人的には、榎本武揚に付き従った幕臣たちの時代錯誤な考えが、今でいえば大企業病のように感じる。幕臣は刀槍の戦いこそが武士としての戦いで、鉄砲は足軽がやるものと軽んじている。そして、いつでも刀槍の戦いができると思い込んでいるが、実は戦い方や鎧の着方すら知らないという。今の時代でも、いつでの仕事できると思っているが、実は何もできないということがあるように思う。そしてそんな企業は幕末を迎えるのかもしれない。

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    2019年08月09日
  • 家康、江戸を建てる

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    国を作る、街を作る、ランドマークを建てる、インフラを整える。江戸という未開地を首都にするために、多くの異能人が働き場を得、家康は彼らを巧みに使った・・・という見立ての歴史小説。

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    2019年05月01日