門井慶喜のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ古典籍を巡るサスペンスミステリーですね。
戦後一年たった昭和二十一年終戦記念日に、神保町の古本屋で、古本に押し潰されて、一人の古書店主が死んだ。
そこから、事件は始まる。
古書店主の先輩で、古典籍のみを扱う琴岡庄治は、事故ではなく、事件ではないかとみて、真相究明に乗り出す。
話が、ここまでなら、単なる推理ミステリーなのですが、さすがに門井さんは歴史ミステリーの強者。
話が、GHQにも及んで、戦後の日本の古典籍の危機をサスペンスがらみで物語ります。
徳富蘇峰、太宰治、九条家、神田の古書店総出演で、物語を膨らませます。
門井さんの取材力と物語の構想力には畏れ入るばかりです。
参考文献は、古典籍販 -
Posted by ブクログ
これはちょっと。。。。
門井さんという事で、明暦の大火の後の江戸拡大事業を描いた史実物という位置づけで読み始めたのですが、何かすごく中途半端な物語でした。
主人公は知恵伊豆こと松平信綱。そしてサブに幡随院長兵衛。TVドラマ「暴れん坊将軍」の吉宗とめ組の辰五郎みたいな関係ですね。まあ、ここまでは許せます。しかし、長兵衛の敵役・水野十郎左衛門にまで江戸一新策の起案者といった役割を与えたりしてなんだか話のつじつまが合わず。そもそもこの二人を登場させたのは町奴vs旗本奴のアクションシーンを入れたかっただけなのかなあ。その他にも信綱の実姉のおあんやその弟子・おときについては、ページ数が割かれる割にストー