感情タグBEST3
Posted by ブクログ 2023年10月04日
建築家、辰野金吾の大河小説。
正に大河と呼ぶに相応しい、波乱万丈の人生だった。
決して順風満帆ではないし、何より集大成とも言える建築に向かう頃には自分の老いを受け入れて新しいものを拒絶してるんだもんね。
栄枯盛衰、なるほどなるほど。
好きなシーンは色々ありますが、どこか1つを選べと言われたらやは...続きを読むり前述した箇所、辞表を突き付ける松井とのシーン。
時代の移り変わりと共に老いからも逃れられない。。。
『コーヒーにはうるさいぞ』からの『コーヒーはなかなかうまかった』の流れがより一層胸を締め付けます。
もはや、自分は最先端ではないことを社会全体が示してるんですよね。
切ない、切ないよ。
コンドルとの再会も最高ですね。
ラストも良かったなぁ。
思わず国会議事堂の建築家を調べちゃったよ笑
Posted by ブクログ 2023年08月05日
HKさんのお勧め。
たとえ、建築に興味がなくても知っているであろう「辰野金吾」のお話。
日本銀行本店、東京駅舎をはじめ、
中之島公会堂を設計したのはさすがに知っていたが、
唐津で高橋是清に英語を学んだとか、
鹿鳴館を設計したジョサイア・コンドルが先生だったとか、
国会議事堂の設計を争った妻木頼黄は...続きを読む
神奈川県立歴史博物館や横浜赤レンガ倉庫を設計してたとか、
いろいろ学べて面白かった。
もちろん、専門書を読めばそういうことは書いてあるのだろうが、
時系列で書かれているだけでは、なかなか入ってこない。
物語にしてもらうことによって、
人間関係や時代の雰囲気が感じられて良かった。
ペルーの銀山でだまされ会社をつぶした後、
日本銀行本店建築の事務主任になった
高橋是清の話も面白そうだった。
当時世界的に大流行したインフルエンザ「スペイン風邪」で亡くなったのは、
辰野金吾らしくないと思ったのは私だけだろうか。
一丁倫敦が見たかった。
そして、日本銀行小樽支店を見に行きたい。
Posted by ブクログ 2023年05月17日
辰野金吾のイギリス留学からの帰国後から日本銀行本店と東京駅の設計建築までの生涯を描いた一冊。
辰野金吾という名前は知っていましたが、初めて人物像を知ることができました。
明治維新で江戸時代の名残が残る時代。
西洋に追いつけ追い越せと日本が大変貌を遂げた時代。
師匠のイギリス人のコンドルと日本銀...続きを読む行の設計を巡り、時の総理の伊藤博文への直談判した時の師弟対決。
その師弟対決を超えて、友情を死ぬまで持ち続けてきた二人の絆。コンドル先生の懐の大きさがあったからこその辰野金吾がいたのですね。
妻の秀子の献身ぶりや、苦楽をともにした曽禰達蔵の身分を超えた友情。高橋是清との接点。
偉人は偉人を呼ぶですかね。
死の間際に梅太郎の言った「お義父さん。このおちょこは、今度は別のものを飲むのに使いたいですね」が涙を誘いました。
「人が仕事を選ぶのでなく、国が人を選ぶのである」
仕事の本質をつくハットする言葉な気がします。
最後の方は名言ばかりですが、辰野金吾や当時の偉人たちが今の日本を見て、何を思うのでしょうね。
Posted by ブクログ 2023年04月25日
日本近代建築の父と言われる辰野金吾の物語
日銀や東京駅の建設を担い、東京の街づくりに貢献された方
恩師であるコンドル先生とのやり取りや周囲の達蔵さんとのやり取りに面白さを感じた。
多くの政界人物との関わり合いも触れられていて、ロマンを抱いた
Posted by ブクログ 2023年07月24日
熱き建築家の一生を描いた物語。
この時代を生きた人の情熱はすごいなと
シンプルに感動した。とにかく熱い。
男というより漢感。
建築の専門用語が多いので、少し内容は難しめ。
わずか30年間で統治体制が変わり、身分が変わり、街並みも変わった激動の明治時代。
今は見慣れた東京駅や日本銀行がこの時代に作ら...続きを読むれた背景など初めて知ったし、
デザインに込められた思いなど時代を知らないと理解できないものも多かった。
一応星3だが、読み返すほどいい作品じゃないかなと思って、また時間を置いて読み返そうと思う。
Posted by ブクログ 2023年05月30日
めっちゃ面白かった銀河鉄道の父の作者×大好きな東京駅の話
と言うことで大期待して読みました。結論楽しめたし、すごく勉強にもなったのですが、主人公自体の魅力度、魅力的に描かれているかどうか、で言うと、完全に政次郎に軍配でした。笑
でも本当に勉強になりますよ!
Posted by ブクログ 2023年05月27日
先日読んだ「帝国ホテル建築物語」と比較すると、どうも作品へ思い入れが出来なかった。
上述した大正期の苦労人達の物語と、維新を這い上がった(本書の辰野金吾も十分苦労はしているのだが)才能ある野心家の物語では、自分の性格的にどうしても前者に思い入れてしまう。勿論フィクション上の辰野に対して、だが。
...続きを読む辰野に対比されるジョサイア・コンドルや曾禰達蔵は実際もなのかも知れないが余りに恬淡としているし、辰野に似ている妻木頼黄は大して書ききれない内に病死してしまう。
辰野の対立軸を決められないまま作品が終わってしまった、という印象が強い。
天神橋筋 西日本書店にて購入。
Posted by ブクログ 2023年05月23日
明治中〜後期の「はじめて物語」は
バイタリティがあって楽しいね!
もちろん、今と比べて一長一短あるけど
こうして後世から見てみると
何事かを成したいという熱量がすごい。
そのなかでも、これは建築の物語。
好きな分野だから、なお楽しかった。
この時代の建築関係の本には
かならず名の上がる「辰野金吾」...続きを読む
東京駅や日本銀行を設計した人として
名前はもちろん知っていたものの
その人となりと人生を
小説にアレンジされているとはいえ
これで追うことができました。
まぁ、天才のまわりの人間は
いつでも巻き込まれて大変ってことで( ̄∀ ̄)
曾禰達蔵もよくずっと交遊を続けてたなぁ。
Posted by ブクログ 2023年02月09日
明治期に日銀や東京駅を設計し、近代建築の祖となった辰野金吾の物語。巻末に自ら史実に基づくフィクションと書いてあるから物語なのだろうが、参考文献の記載がないのはなぜなのか。実在の人物を描いているにも関わらず、出版社が参考文献なしをよしとする基準はどこなのだろう。高橋是清が意外(私が知らなかっただけなの...続きを読むですが)な役割を演じていて、興味深かった。この作品と無関係だが、明治期の血気盛んな人物を描くと、なぜかみんな漱石の『坊ちゃん』に似るのは気のせいか。日銀といい、東京駅といい、新しい工法をその都度試していく先駆者の心意気には感服する。