【感想・ネタバレ】家康、江戸を建てるのレビュー

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Posted by ブクログ 2022年12月31日

短編の連作で、表題に沿ってとても読みやすく書かれていました。家康や支えていた側近、職人、二代目の秀忠まで、その人柄が手に取るように解りました。清々しい読後感に満たされました。

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Posted by ブクログ 2021年07月16日

2021年7月16日
鳴かぬなら鳴くまで待とうほととぎす
この言葉が実感できる5篇だった。
江戸を領地とするマイナスをどうプラスに転じるのか。不可能と思うことを根気強くやり遂げる粘着気質。
そして人を見る目。
壮大な都市つくりをやってのける手腕にわくわくした。
身分の低い者達が話す言葉もぞんざいだが...続きを読む、仕事は着実で、矜持を持っているところもどっしりした太い基盤に違いない。
たぬきオヤジのイメージだった家康が、こんなにも有能だったと目からウロコで楽しい読書になった。

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Posted by ブクログ 2021年05月30日

江戸の町ができる様子が目に浮かんできました。
まちづくりを5話に分け、エピソードとともに語られています。
その一つに、江戸を水浸しにしている原因は利根川だと結論づけたら、その流れを変える工事に着手するなど、応急処置ではなく恒久的な対応をして現代に至ります。
真因を突き止めることの大事さを学びました。

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Posted by ブクログ 2019年12月22日

各章で違う物語。それぞれの章で出てくる登場人物の掛け合いが面白い。東京の有名な地名の由来も紹介されていて、「あ、これがあそこか」という歴史の面白さを体験できるよさがある。良書。

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購入済み

温故知新

2019年11月28日

まさしく古きを訪ね新しきを知る。私は高校では日本史というものを履修しなかったのであまり詳しくはない。漫然と東京で暮らし、東京で働いていた。著書に出てくる登場人物のほとんどを知らなかったが、この本を通じて詳しく知りたくなった。というのも、今の東京を知っていれば、家康の偉業がどれほどのものなのか、いや、...続きを読む家康の家臣たちやその人足たちの努力や知恵がどれほどのものなのかまざまざと植え付けられた。特に利根川を曲げ、犬吠埼まで流すなどという発想はもはや地図を変えている。この壮大なシムシティを現実に行い、これほど先の未来を描いていたのは世界史を見てもそういないのではなかろうか。東京の様々な由来を知ることができたので、これからの散歩がますます楽しみになった。小生、27歳という若輩者ではあるが、この本にこの年で出会えたことに感謝する。

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Posted by ブクログ 2019年10月17日

タイトルは「家康、江戸を建てる」とありますが、歴史の中に埋もれた職人さんたちのお話です。利根川の東遷事業や貨幣鋳造のお話など、江戸時代初期の街づくりがどのように行われていったのかがわかります。
利根川東遷事業が行われていなければ2019年の台風被害でさらに甚大な被害が出ていたかも知れないと思うと、先...続きを読む人たちが苦労していたことに感謝しかありません。

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Posted by ブクログ 2018年11月19日

今、僕の暮らす東京にどんな歴史があるのか、その一端を感じることができました。普段、何気なく眺めている井の頭公園や神田川が、史跡として立ち現れてくるようです。「江戸」というコスモポリスの知らない部分をたくさん教えてもらいました。皇居の見学に行きたくなりました。

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Posted by ブクログ 2018年04月07日

「家康」自身の話ではなく
「家康」の命で江戸の町を作った男たちの連作
利根川や荒川の付替えをした人
小判の鋳造をした人
江戸城のための石を切った人
神田上水を引いた人
江戸城の天守を作った人

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Posted by ブクログ 2023年12月26日

【第一話 流れを変える】
伊奈忠次 から4代。利根川の東遷事業。

【第二話 金貨(きん)を延べる】
後藤庄三郎光次。
貨幣戦争については偶然最近「ホンモノのおカネの作り方」を読んでいたので興味深かった。もっと勉強したい。
貨幣制度の日本統一は徳川家康、と漠然と理解していたつもりだったが、フィクショ...続きを読むンとはいえとても現実味があって、関ヶ原の戦いの臨場感というか、こう繋がってくるのかぁと感無量でした。
後藤家が関ヶ原の戦いの際に真田家みたいに兄弟で東西分かれていたのは史実かな?気になる。

【第三話 飲み水を引く】
井の頭公園から玉川上水の川を作って都心まで引っ張る事業。大久保藤五郎と内田六次郎という人物。
井の頭公園の近くに“牟礼”という地名に聞き覚えがあったので胸熱でした。
『枕草子』の「井は、ほりかねの井」などを挙げて"ほりかねの井”なる枕詞がでてきます。
玉川上水が身近であることや目白山、椿山荘、水道橋などの地名の由来や現在の様子を比べて面白いです。

【第四話 石垣を積む】
大久保長安がとっても嫌なやつで驚いた!!
東京国立近代美術館の「眺めの良い部屋」でみたあの石垣を思い浮かべながら読みました。

【第五話 天守を起こす】
凡庸と言われる秀忠の描きようと、天守から常に普請中という江戸の街を眺める家康の目線が良かった
天守建築の事業でありながら、江戸の街全体の漆喰の壁にまつわる話。これぞまちづくり。


家康の元でそれぞれ奮闘した人物たちと事業についての独立した話かと思いきや、前話までの内容や人物像を読者に浸透していることを前提とした話運びで、みな江戸を建てるために必要なことだけれでもそれぞれ別事業でありそうなのに、やはり家康を中心に背景が繋がっていることが伝わってくる。

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Posted by ブクログ 2023年12月19日

天下を取った家康が江戸を作っていく話。秀忠とか秀頼とか大河で見てたような人物像、ストーリーが絡んでいて面白かった。何も無かった江戸の地を日本の中心地として基礎を作った家康、すごいの一言。

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Posted by ブクログ 2023年11月11日

利根川の流れを変える苦労、貨幣で天下を制する、伊豆から運んだ安山岩で作る石垣、白漆喰の江戸城等皇居東御苑のツアーの背景がよく分かる本であった。江戸の街を建設するのはこんなに大変だったのかと改めて感動した。

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Posted by ブクログ 2023年03月15日

家康の先見の明は何処から生まれたのか、未開拓の地を大都市への変貌を夢見た家康。5つの大きな先手工事をできる人材に即座に抜擢、「天下普請」(幕府の負担を軽減、地方の勢力を減退)の役割を同時期に指導したのはやはり凄い。 江戸幕府崩壊の要因は少なくともこの「天下普請」「参勤交代」が無くなったことで起きたの...続きを読むは間違いない。

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家康、江戸を建てる

2022年02月05日

築城、土木、土工などイキイキと描かれ、どのように江戸が作られたか、門外漢でも充分楽しめます

#アツい #感動する #タメになる

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Posted by ブクログ 2021年05月17日

徳川家康の天下取りの戦いではなく、江戸という町づくりの話。
治水工事、小判作り、江戸城工事など、それぞれ家康に仕事を任されたその道のプロが主人公の短編集のようになっている。
これが今の〇〇にあたる、など、東京の身近な地名の謂れが分かってとても面白かった。

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Posted by ブクログ 2021年04月19日

歴史小説なのかエンタメ小説なのかよく分からないが、面白かったから何でもいいや。ドラマ見たかったなー

小学校の社会科で、神田上水や玉川上水をやったのを思い出したり。あれは東京限定だったんだろうなあ。

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Posted by ブクログ 2020年12月08日

太平の江戸時代、その屋台骨となるインフラ整備について、史実を基にした連作になっている。
それぞれ職人たちが主人公で、職人魂をみせている。
小説を読みつつ、昔の地図を紐解く。
逆引きブラタモリとでもいえるかもしれない。

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Posted by ブクログ 2020年05月19日

権力者の戦いが主題になりやすい歴史小説では珍しい江戸の街づくりに貢献した人にスポットライトを浴びせている。利根川の流れを変え、飲料水を引き、貨幣造り、江戸城を建造する(石垣を切り出し、白塗りの天守を作る)。それぞれのストーリーがオリジナリティーに溢れていて面白い。

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Posted by ブクログ 2020年05月14日

300年近く続く徳川の世、その後の東京の礎ともなった5つの江戸を建てる挿話。それぞれは短編集のようで、それが集まって荒地から江戸を形成し、現代まで続く。家康の先見の明と、それを支えたプロフェッショナル達がとても生き生きと描かれている。読みやすくてスラスラ読めた。

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Posted by ブクログ 2020年01月17日

大手門に吾平の石を探しに行きたくなりました。
物語自体とても読みやすく面白いので、あっという間に読み終えました。
今の東京の基礎が、こんな風にして作られたんですね。
ピラミッドやスヒィンクス、カッパドキアやマチュピチュにも引けを取らない大工事。当時の人々は大したものだ!
東京を見る目が変わりました。

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Posted by ブクログ 2019年12月19日

文字通りに単なる広野に等しかった土地に江戸を作り込む話だけど、利根川を曲げ金貨を作り飲料水を引き江戸城の石垣を重ね天守閣を築き上げた5話の作品。それぞれの話に主人公が登場する。個人的には石工が登場する第4話が印象的だったかな。少し食い足りない感は残ったけど、東京の古の知識として興味深く読めた♪

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Posted by ブクログ 2019年10月28日

門井慶喜氏の歴史小説。江戸を一大都市にのし上げることになった大仕事を、その中心人物のドラマとともに描く。
河川の流れを変えた灌漑技術の伊奈忠次、小判を作り、貨幣の日本統一で経済を掌握した橋本庄三郎、水を引いた内田六次郎。石を見通す見えすき吾平、天守を作った職人たち。
家康の攻めと守り、そして天下人に...続きを読むふさわしい判断力と、一つ一つに思慮のある家康と、優秀で、且つ自分の意思と夢を持つ主人公たちが織りなすプロジェクトのロマン。ゼネコンや、石油コンビナートなどの建設に携わる現代人とも通じるような、熱い情熱が江戸を作っていたということを土台にしたドラマとなっている。特に、石を運び石垣を作るプロジェクトでででくる石切り、そして石への強い思いが、親から子へと、また人から人へ伝わっていく。江戸城完成に至るに3代をかけた徳川は、その後2百年あまりを太平の世とした。その功績と情熱を感じる一冊。

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Posted by ブクログ 2019年05月01日

国を作る、街を作る、ランドマークを建てる、インフラを整える。江戸という未開地を首都にするために、多くの異能人が働き場を得、家康は彼らを巧みに使った・・・という見立ての歴史小説。

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Posted by ブクログ 2019年01月26日

物語というよりは記録のような感じだが、今までにない面白さの作品だった。
江戸という寂れた田舎が、日本を動かす中心地になるまでのはじめの一歩を見ることができたような気持ち。
治水、貨幣、上水、石垣。とても興味深く読めました。

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Posted by ブクログ 2019年01月19日

湿地の江戸に新しい都市を築く。歴史物として、地理書として、小説として面白かった。利根川の流れの出口を江戸湾から千葉の太平洋に変える大治水。天下を支配するための貨幣作り。江戸へ上水を引くための精緻な治水。築城。いずれも長期に困難を極め、職人達が天分を発揮して完成した。▼家康はそれらを見通して江戸に都を...続きを読む築いたわけではないと思う。秀吉から迫られ、緊迫する短時間に、漠然とではあるが何らかの確信を持って江戸行きを決断したのだと思う。すごい判断力を持った大名だと感心する。▼史実に、あたかも自分で見てきたような物語が装飾されており、面白い。

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Posted by ブクログ 2019年01月18日

岡田斗司夫が文は下手だが面白いと言っていたのと、NHKドラマが結構良かったので原作も読んでみることにした。確かに短期間に当時世界一の大都市となる江戸を建設した話は面白かったし日本人にいかに優秀な人材がいたのかは分かったが、古地図や参考資料写真なども添付してほしかったし、史実の出典も明らかにしてもらい...続きを読むたかった。よって磯田道史にもう一度江戸の成り立ちを書いてもらおう。ローマは1日にして成らずだったが、江戸は20年程度でなったわけだが、ガウディのサグラダファミリアのごとく一生完成しそうもない街のようだ。

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Posted by ブクログ 2019年01月12日

純粋に面白かった。住んでいるのに知らないことだらけ。今の再開発もこの延長にあるんだなと。文体や人物描写もカジュアルでわかりやすとっつきやすく、楽しく読めました。

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Posted by ブクログ 2019年01月03日

門井慶喜さんの時代小説は初めてですが、非常に読みやすい。時代小説としてのハードルが非常に低い。
内容は、「小説版ブラタモリ」。上水のエピソードとか、そのままタモリさんがブラブラしていました。
壮大にしてニッチな、というあの雰囲気も近いものが。

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Posted by ブクログ 2018年12月11日

6年前に関西から関東に来て、純粋に江戸のことが知りたくなった。もともとさびれた漁村と沼地だった江戸の地を一大都市に変貌させた家康。やることは山積みなのだが、なんだかんだ一気に読んでしまった。

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Posted by ブクログ 2018年12月08日

いま現在でさえ街づくりには多大な労力と時間がかかる。1590年、今から数えて400年以上も前のことならばなおさらである。
小田原征伐後、教科書では単に家康が関東に移封されたことしか学ばない。だが、そこには多大な苦労があり多くの人間が江戸の街づくりに関わり、長い時間をかけて、今の東京を築いてきたのだ。...続きを読む
ある程度発展していた小田原ではなく、未開発の江戸に本拠を定めた家康の慧眼も素晴らしいが、そこで0から多くのものを作っていた数多の人々の努力があるからこそ、今の東京があるとしみじみと実感できた。

特に「金を延べる」が面白かった。全ての歴史は経済的視点で見るとまた違って見える。


治水工事:伊奈家三代
貨幣鋳造:後藤庄三郎
飲料水確保:大久保藤五郎、六次郎、春日与右衛門
石垣工事:吾平、喜三太
天守建設:徳川秀忠

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Posted by ブクログ 2021年08月18日

東京の成り立ちを、政治と技術の両面からダイジェスト的に書いた作品。江戸初期の土木技術、建築技術、鋳造技術の調査、裏付けを取りながら、ドラマに仕立てているところが秀逸。特に「石垣を積む」のところはこれまで想像していた技術の確認ができ、もっともっと細かく知りたいと思わせた。今の地名で書いてくれてあるので...続きを読む想像しやすく、引き込まれる。天守閣のデザインに関する家康と秀忠のエピソードは、作者の想像の産物なのだろう。軽いけれど清々しく感じる。

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江戸を建てたのは誰?

2016年07月17日

江戸を建てたのは、勿論家康公。
だけど、「江戸」という大構成物のパーツの数は膨大で、
パーツの物語のいくつかをピックアップして
モザイクのように編んだ本、が本書です。
パーツを章立てにしてあるので、読みやすいです。
私は冒頭の川の話が好きです。

江戸開府には、きっと他にもドラマティックな話があるで...続きを読むしょうし、
是非続編が読みたいです。

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Posted by ブクログ 2023年03月18日

時代小説だけど台詞回しがマンガっぽいから読みやすい! そしてそれ以上にドラマが熱い!
「金を延べる」が面白かったな〜……男たちのプライドのぶつかりあい。まさにプロジェクトX in江戸!
表の実力者である豊臣秀吉と、知略を尽くしてひっくり返そうとする徳川家康。この心理戦が面白い!

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Posted by ブクログ 2019年11月10日

江戸を作った男たちの物語であります。
一面の荒野であった、関東において、まず利根川を東遷し(治水)、通貨(貨幣)を造り、流通させ(経済活動を活発化)、生活用水を安定的に確保し(利水と衛生状態の確保等)、更には、今も残る長大な石垣群や巨大な天守閣等を抱えた`お城`作りという様々なプロジェクト`X`が、...続きを読む同時に競うように行われた時代の物語であります。家康は、乱世の英雄(海内一の弓取り)であり、稀代の陰謀家であり(狸親父と呼ばれ)、かつ良質の行政官であったかも、と思わせる一冊であります。

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