川上未映子のレビュー一覧
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これから親になる未来を見据えて読んだ本。妊娠・出産に関するお金や手続きといった現実的なところから感情の起伏まで、女性にのしかかるさまざまな負担を知ることができた。この本から男が学べるのは「男にできることは怒鳴られても罵られても黙っていること、金を稼ぐことだけ」ということである。
ただ、川上未映子が出産の不安や産後の苦労で旦那にキレ散らかしているのを「ホルモンバランスだから仕方ない」といった風に書いて夫に謝罪も悪びれる様子もないのは「気丈な女性」を通り越して不誠実だと感じた。
川上未映子の小説は抒情的でやや誇張された表現が多いが、このエッセイは軽いタッチで描かれており、関西のチャキチャキ感が -
Posted by ブクログ
何のために人は生むのか。生みたいと思う女性の本能は、自分勝手なわがままではないのか。男の 3秒の快感のために、60年の苦労を背負わせていいのか? などと考え始めると、ほどなく人類滅亡なので、とりあえず何も考えずに性的欲求、母性本能のおもむくままに種を存続させていただきたい今日このごろではあるのだが、AID (Artificial Insemination with Donor's Semen; 夫以外の第三者から提供された精子を用いる非配偶者間人工授精)の問題を絡めつつ、38歳という出産を考えると微妙な年齢の女性の想いを「乳と卵」のあの濃密な筆致で描く。前半はその「乳と卵」の焼き直
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Posted by ブクログ
まだわたしには共感できる経験はしてないけど、言語化された感情に感動した。
子供を身籠る、出産する、育てることは奇跡である。現にわたしは授かるフェーズで奇跡を願わずにいられない。
正直、不妊治療を始めた今、この物語を読むことは少し勇気がいる。だけど、わたしの身の回りの妊婦の友達や実母の気持ちは知っておきたい。何かしら手助けができたらいいな、と思い読み始めた。
作者はユーモアを交えて壮絶な日々を描いており、読みやすかった。
子を産んだ後の夫への憎しみ(産後クライシス)に必ずなりそうだなぁとか思ってた。
どちらかといえば、夫に読んで欲しい。ジェンダーの観点からもぜひ彼に読ませてたい。 -
Posted by ブクログ
色んな種類の、いい人ぶった嫌な人が出てきた!
そして、その嫌な人はどこにでもいるのめっちゃわかる。
家族、友達、職場など、そしてその嫌な言葉を投げかけてくるのは異性とは限らず両方っていうのもめっちゃわかる。
結婚して子供を産まない女は人として欠損があるように見られたり、籍を入れずに子供を産むのは親世代からしたら絶縁するほどの罪だったり。
恋愛が本テーマなのかなと思い読み始めたのだが、こういう周りにいる地味に嫌な人達によって生きづらい世界を作られている感じにめちゃくちゃ共感した。
34歳にして初恋をして、仕事1日2時間しかできなくなるぐらい苦しくなって部屋に閉じ籠る主人公、、、(^∇^)笑 -
Posted by ブクログ
ネタバレ昔からよく平積みされていて気になっていたことと、最近YouTubeでこたけ正義感が好きな本としてあげていたので、ついに読んだ。「川上未映子さんの書く文章が心地いい」というふうに言われていたけれど、私にはそれが感じとれず。
物語は35歳の女性が主人公で、人との関わり方の悩みや葛藤がテーマの物語だと感じた。昔からあまり話すことが得意ではなく、職場での居心地の悪さを感じる点など、初めは近しいものを感じていたけど、その後、とてもはつらつとした女の友達と親しくなるところやお酒をたくさん飲んでカルチャーセンターへ行き、結局気持ち悪くなって吐いてしまうところなど、あまり近しくないと感じる部分もあった。