川上未映子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
読めば読むほど惹きつけられる本〜
麦くんとヘガティー、小学生の目線で、考えてることが次々と適切に表現されて、その表現力に脱帽といったかんじ。
小学生ならではの視点もあり、
純粋で、無知で、名前のついてない感情。
これがあこがれなのかなぁ、あこがれ。。
初恋って気づいて顔が思い出せなくなっちゃうとか、
好きな人に会いたい人にいつでも会えなくなる怖さとか、
付き合ってることにしててとか。
会えるのは毎日会い続けてるからだって。
会いたい人には会えるうちに会っておかなきゃいけない。
血のつながりとか、死別とか、
いろいろ。いろいろ。あこがれって、もう私の年齢になると感じにくい感情だなぁってお -
Posted by ブクログ
『思いもよらないことが起こって、思いもよらない人が、思いもよらないかたちで死んでいく。僕が一番言いたいのはそういうことじゃないかな』
『僕の文章というのは、基本的にリアリズムなんです。でも、物語は基本的に非リアリズムです』
『つまるところ、小説家にとって必要なのは、そういう「お願いします」「わかりました」の信頼関係なんですよ』
『物語とか、男性とか井戸とか、そういったものに対しては、ものすごく惜しみなく注がれている想像力が、女の人との関係においては発揮されていない…いつも女性は男性である主人公の犠牲のようになってしまう傾向がある』
『トロントの新聞によると、トロントの書店で盗まれる本は村上春樹 -
Posted by ブクログ
★★★2021年4月★★★
読み終わってからだいぶ経つ。
本に入れた折り目を見直しつつ、印象に残ったことを書いていく。
村上「本当のリアリティっていうのは、リアリティを超えたもの」
「ボイスをよりリアルなものにしていく。それが僕らの大事な仕事」
「学生運動の頃の、言葉がまったく無駄に終わってしまったことへの怒りみたいなものが強くあった」
「トランプは人々の地下室に訴えることだけを言いまくって、それで勝利を収めたわけ」
「日本人の感覚では、あの世とこの世が行き来自由なわけです」
「僕にとっては文章がすべてなんです」
「自分がそうであったかもしれないけど、実際にはそうではない自分の姿」
「 -
Posted by ブクログ
皆さんのレビューが良かったこともあるが、表紙の絵に惹かれて購入。
右の男の子が麦くんで、左の女の子がヘガティー。
二人が4年生と時の短いお話と、6年生になってからの少し長いお話。
この作者、初めて読んだけど、台詞がパン、パン、パン、パン、パン、パンと繋がって行く文章のリズムは結構好き。
サンドイッチ売り場の人に対する麦くんの、不思議な気持ち。それがどんな気持ちなのか自分でも分からない不思議な気持ちってあるよね。
ミス・アイスサンドイッチと初めて話が出来た後、色んなものを眺めながら、ぼろぼろにはがれた白い線の上を歩いて行く描写が切ないな。
ヘガティーが偶然知った父の秘密。見知らぬ姉の存在は、 -
Posted by ブクログ
なんか、うまく言えないんだけど
食べてくれてうれしかったってことなのよ
いまからさ、わたし学校に行ってくるんだけど、そのまえにあなたと話したくてさ
こういうのって、みんなすきなように言うからさ
でもわたしはあなたの話しかきかないから
なんでも言って。でも言いたくないことは言わなくていい
最後のお母さんの言葉が救い
離婚して親子関係じゃなくなっても
この2人はまた時々会ってご飯食べたりするような関係を続けられたらいいなと思った。
コジマのお父さんのことを忘れたくないという気持ちがわからないわけではないけど、お風呂入らなかったり、髪ボサボサだったりしなくても、忘れないでいることはできるんだから