川上未映子のレビュー一覧
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ネタバレピーター・ラビットシリーズの六巻目。
ねずみの夫婦の物語ですね。
人形の家の、お人形のルシンダとジェーンがお出掛けをしている間に、ねずみの夫婦トム・サムとハンカ・マンカが人形の家に忍び込んで大暴れ……。
ビアトリクス・ポターは「人形の家の、もちぬしのおんなのこ」のために、とても楽しい物語を創りました。
ねずみの夫婦は、たしかに、ものはこわす、人形の家の服などをもちだしてしまいますが、あとでちゃんとお代をはらいます。すべては夫婦の、こどもたちのための、しわざでした。
ポターは、ねずみたちの可愛らしい、ほほえましい絵で、この本を彩ります。
こどもたちのための、おはなしは、いたずらやおおさわぎ -
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早川書房版ピーター・ラビットシリーズの四巻目。
ベンジャミン・バニーのおはなしですね。
福音館書店版と比較して読んでみました。
えは、早川書房版の方が鮮やかで、えの枚数も多いですね。
2022年初版。一巻目の説明のように、原作に忠実に添っておられるようです。
川上未映子さんの翻訳は、大人でも楽しめるように苦心をされています。リズミカルで、やさしく語りかけるように物語ります。
ピーターといとこのベンジャミンの冒険は(今回はベンジャミンが主役です)再びマグレガーさんの畑に…
ビアトリクスさんの絵には、いつもながらため息がでます。
おはなしもわくわく感が盛上がり、はらはらしながら、さいごは『あ~よか -
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ネタバレピーター・ラビットシリーズの3巻目ですね。
イギリスのグロスターという都市の仕立て屋さんと、気立ての良いねずみたちの、心温まるお話しです。
貧しいけれども、仕事熱心な仕立て屋さんが、市長さんの結婚式の上着を作っていましたが、寝込んでしまいます。
さぁ大変、どうしたらいいんでしょう?
飼い猫のシンプキンに買い物を頼みましたが、気分が悪くなり寝込んでしまいます。
シンプキンはねずみたちには、恐ろしいものでしたが、仕立て屋さんには、お世話になっています。
ねずみたちの、恩返しが始まります。おりしもクリスマスの季節です。とても、素敵なお話しですね。
ねずみたちの、懸命な仕事ぶりに、シンプキンも心を入れ -
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芥川賞作家の川上未映子さんが村上春樹氏に4回にわたりインタビューする対談集。内容は、主に村上氏の小説の書き方、文章へのこだわり、スタンス、特にインタビュー直前に発行された「騎士団長殺し」について、様々な角度から切り込む形である。
村上氏は過去の著作をあまり振り返って読まないそうで、その理由は今ならもっとうまく書けるのにと思ってしまうからとのこと。本書の中でも、「え、そんなこと言ったっけ?」とか、小説の登場人物の名前を忘れたり、覚えていないこともたくさんあった。
私はわりと最近「村上さんのところ」を読んだので、彼の人柄や考え方は入っていた。基本的なところは一貫している。
本書では、川上未映子さん -
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のらりくらりとした師匠と優秀な弟子の対談みたいな、2人のやり取りが絶妙。
村上春樹の読者は内的な読書を求めてるとか、壁抜けの話とか、今まで村上さんの小説を読みながら感じていた感覚が言語化されていくのが面白い。本人の言葉だから納得感もある。
女性の描かれ方について聞くところは、川上さんのストレートな質問がスリリングで、でも村上春樹小説の理解者としての部分も聞き手として見えてきて、絶妙なバランス感覚で面白かった。
最終章、小説の書き進め方を数字のメモを見返しながら話していくところは、ものづくり論としても興味深かった。「書き飛ばし」のくだりとか。
村上春樹さんの本も川上未映子さんの本ももう一 -
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村上春樹さんにとって小説とは何なのか、について、川上未映子さんが質問攻めにしている本でした。
村上さんは、読みやすい文体を大事にされてること、物語にメッセージや意味を込めたり伝えたりしようとはしてないこと、自我に関する悩み(やその解決)という次元で書いてはいないこと、それよりもっと、無意識(深層心理?)に近い領域で物語をかいていること、読み方は読者に委ねていること、などがわかりました。
川上さんの質問が鋭く熱心なのに対する村上さんの脱力加減というか自然体加減がすごい。面白かった。言及される作品も読みたい気持ちになった。
村上さんが人として謙虚だが小説家としてはプロ意識・自信に満ちてるとこ -
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作品全体に暗喩の雰囲気が漂う村上春樹がよもやプラトンについて明るくないどころか洞窟の比喩も知らないとは、、、、。
徒然に、ある種、語感だけでメタファーとイデアを持ち込んで騎士団長殺しを執筆していると考えると身震い。作品を読むたびにこの人物が象徴しているものはなんなのかなあ、わかんないなあとか思ってたけどそんなこと考える必要もないんだな。
「もやっとした総合的なものを読者がもやっと総合的に受け入れるからこそ、それぞれ自分なりの意味を見出すことができるんです。」
わかりやすいステートメントではなく、善き物語としての小説、それもわりかし長い小説という形で発信を続けていく村上春樹の作品を今後も追い続