感情タグBEST3
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存在や記憶、そして愛というもの。
人間がどんな時代も問い続けていくのだろう、
生きている間はそれらを完全に理解することはできないし、死んでもそれはわからないのかもしれないが、
考えないで生きるのは、果たして人間を人間たらしめているのだろうか
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川上未映子さんの短編集。
「彼女と彼女の記憶について」
「シャンデリア」
「マリーの愛の証明」
「ウィステリアと三人の女たち」の四編。
田舎町の中学の同窓会に、出欠の返信も出さず当日に突然現れる女優や、思わぬ大金を手にして、デパートで気まぐれに高価な買物をして一日を過ごす女性などを主人公にした物語。
記憶とか、お金とか、愛とか、同じところにとどまることを知らない、曖昧で不確かなものたちについて、独特の言葉で美しい世界を創り出している。
表題作の「ウィステリアと三人の女たち」が良かったです。
向かいに住む主婦が、目の前で壊されつつある大きな家に真夜中に忍び込んで、かつて住んでいたウィステリアという老女の生を体験する。
藤の花びらと、黒いカーディガン姿のウィステリアが、脳裏に焼き付いてしまうほど鮮明に描かれていて、もどかしくて上手く伝えられないような、彼女たちの悲しさや愛の深さ、その表現力が凄すぎて、思わず一気読みしてしまいました。
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瑞々しくって、どこか不穏でフェミニズムを感じる文体が心地よい。物語以前に文体としての個性があるのが真似できないポイントで、だからこそ唯一無二なんだろうな。
表題作はじめ、どの話も抱えるものを持つ女性が主人公で気持ちの移り変わりを自分事として想像するだけで贅沢な時間が味わえる。真夏の果物のような雰囲気から、雨の後のじとっとした湿気なんかも感じるシーンもあり、彩りを感じた。
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初めて読んだ川上未映子の作品。掴みどころがなくて流れるような文章だったけど、綺麗で美しいだけではなく、暗く醜い表現も隠さずに書かれているのがよかった。表紙は最後まで読んでからもう一度見ると胸が詰まる。久しぶりに夢中になって読み終わった本だった。
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4編からなる短編集。急に金持ちになった私がデパートのシャンデリアの下敷きになって死ぬ夢想をしながらデパートで毎日デパートで買い物する「シャンデリア」の虚無感が良かった。
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川上未映子さんの言葉選びは美しい。改めてほう、と思わずため息をついてしまうような言い回しの数々に虜になる。
本作は、彼女と彼女の記憶について、シャンデリア、マリーの愛の証明、ウィステリアと三人の女たちから成る短編小説集。(なんだか最近短編ばかり読んでいる。ほんとはどっぷり長くて素敵な小説に浸りたい)
登場人物は、ほぼ女性。
美しい描写に反して、正直なところ内容は読んだ端から抜けてしまった。
彼女と彼女の記憶については、不気味さを孕みながらも優雅な主人公が美しい。
シャンデリアでは、自分の力で不自由なく日々を過ごす主人公の、気紛れな虚無感が垣間見えて良かった記憶。
毎日デパートに通い、ハイブランドの新作を購入する毎日…。卑しいかもしれないし、きっと心の豊かさは手に入れ難いんだろうけど、人生で一度くらい、そんな生活をしてみたい。笑
Posted by ブクログ
4篇の話が入っているが、なんとなく感覚的に女しかわからない話だなーと思った。4篇とも、ほとんど女性しか登場しない。最後の話だけ、よくある気の小さいモラハラ夫が登場しますが、恋愛場面も女性のみです。
個人的にお気に入りの話はシャンデリア。毎日デパートに入り浸っては目にするアイテム一つ一つのブランドと品物名を心の中に唱える主人公が、優しさで差し出されたハンカチに対してはブランド名を唱えなかった(ノーブランド)けど価値を感じた的なところとか。
人の優しさはプライスレス感動!てことじゃなくて、女はいくら社会的に成功してても、自分の力でガポガポ稼いでも、それでは満たされない。結局暖かい家族、それもできれば優しいダンナと美男美女じゃなくていいから五体満足の二人の子どもがいる女に比べればそういう人達も圧倒的負け組に括られてしまうという世の中の評価を反映してるのかも、なんて感じました。
Posted by ブクログ
「彼女と彼女の記憶について」はホラーだったのか?モヤモヤしたまま話が終わる。
「シャンデリア」が一番面白かったかな。最後に金持ちのおばあさんに言うセリフにびっくりしたけど。
「マリーの愛の証明」はよく分からなかったし、表題作「ウィステリアと三人の女たち」に関しては、妄想⁇と入り込めず挫折…
最初の2作は面白かったのにな。