川上未映子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
主人公の伊藤花は、小さなネット記事で監禁・傷害事件に関する事件を見つけ、吉川黄美子という名前に思い当たる。
今から二十年くらい前、まだ若かった頃の数年間を家族のように一緒に過ごした人だった。
加藤蘭と玉森桃子、あの時一緒に暮らしていた二人は今どうしているのか。
あの頃の記憶が一気に蘇る…。
元々母のホステス仲間だった黄美子さんと二人でスナック「れもん」を開店し、二十歳と偽って働き始め、同じような境遇の人たちが集まって、働いても働いても一生貧乏で、自分が育ってきたあたりまえの生活とはものすごくかけ離れていて、自分が知りえない世界を目の当たりにして震えが止まらない。
川上未映子さんの筆致が猛スピードで私たちに畳みかけてきて圧倒されます。
親って何だろう。
気がついたらこんな場所でこんなことになっていて、考えても仕方なくなってくる。
彼女たちの行く末は…。 -
Posted by ブクログ
コロナ禍が迫りくる東京を背景に六話の短編が綴られている。
感染症によって日常が崩壊する直前の脅威と不穏さが潜んでいた時期が舞台となっているのだが、登場する人物たちは切羽詰まった恐怖感には未だ襲われていなかったのだろうが、無意識ながらも情緒不安定な状態だったような気がした。
表題の「こわいもの」は身体が震え上がるようなものとは異なり、無意識に心に忍び込んでくる「こわいもの」だと私は理解した。
登場する人物が考えることや行動は極端な不自然さはなく、誰でもが陥る可能性があるような事柄だと思うのだが、川上未映子さんが描くと何となく不穏さが伝わってくる。
当たり前と思っていた生活が、当たり前で過ごせなくなったのがコロナ禍だ。
人々の心の明暗が抉り出され、冷静な考えと行動が吹っ飛んでしまった時期だった。
この各短編の登場人物も、本人は冷静に行動しているつもりなのだろうが、何気に不穏さを含んでいる。
「黄色い家」しか読んでいないのだが、川上未映子さんの作風は現実と摩訶不思議な境目を描くことに秀でている作家さんのように思える。 -
Posted by ブクログ
川上未映子さんの文章を初めて読んだけど、こちらに語りかけてくれているような少し口語的なところがすごく心地よかった。
ひとつひとつは短くて軽やかなんだけど、女性に関する社会の問題提起とか、言葉や考えることの大切さとか、今の自分に刺さる話が多かった。
なんとなく価値観というか感性が似ているのかも…と恐縮ながら思った。別れるとき思わず泣きそうになってしまう人がいるよね、とか、あ〜〜わかるぅ〜〜となった。
深く息をするのが大事、は私も経験があって、なんだか私がこれから経験したり考えたりすることを先に経験して教えてくれる女性の先輩のような、そんな存在になりそう。 -
Posted by ブクログ
乳と卵、夏物語からハマって読み続けている川上未映子。これは雑誌Hanakoに掲載されたエッセイ集。何気ない日常や思いなど川上さんの考えに触れる一葉で、私はとても好きでした。片思いしている人の声を聞くみたいな気持ちで読んでいて、知らなかったアートや考え方にも触れられて、様々な事を考えさせられたり、自分の知らなかった気持ちに気付けたりしました。これを読んで彼女のInstagramも見てみたりして、やっぱり好きだなぁと思いました。
デビューした頃は全く興味がなくて読んでみたいとも思わなかったけれど、どこでどんな出会いをするかで自分にとって大切な本や作家になりうる、また書き続けて欲しいと思います。 -
匿名
購入済み胸が痛い。体も心も傷つけられて、それでも我慢しなくちゃいけないなんて事はない!虐めを通じて強く結びついた2人。お互いが心の支えになれた時もあっただろうけれど。虐めを耐えてる自分達がとてつもなく強くて優しい人だなんて、そんな考え方は寂し過ぎる。何もかも放り出していいんだよ。と、彼と彼女に何度も語りかけるました。容姿が良くても頭が良くても、人の痛みが分からずに残酷な人間はいる。その行為が醜いとも考えない頭が空っぽの奴ら。そんな奴らの相手になる事なんてない!