川上未映子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ六つの物語から成る短編集、なんだけれど、ひとつひとつの完成度と熟成された感にいちいち圧倒されて、読後、おいおい、『ヘヴン』くらいのすごい物語を読んだぞ、これは……と、ちょっと現実に戻ってくるのに数日かかるって感じの読書体験でした。
はああああ、ほんと未映子先生さいこう……たまらねえよ。
やっぱり未映子先生で好きなのはエンタメより、純文学なのよ…!
どの話も胸を抉って、わたしに色んな感情の種を植え付けてくるので、ある物語(たとえば「あなたの鼻がもう少し高ければ」や「淋しくなったら電話をかけて」)を読んだときはそれはいっそ暴力だったし、ある物語(たとえば「青かける青」や「娘について」)を読んだ -
Posted by ブクログ
ちょっと色々衝撃的やな、海外で刺さるのも良くわかるわ。どこから夢でどこから現実なんやろか、小説だからぜんぶ夢なんやろけど。斜視って治るんやな、現代技術は素晴らしいな。俺も白目の黒い部分取ってもらおかな。
自分がされて嫌なことは、他の人にもやってはなりません、というのは綺麗ごとだという百瀬。自分がやられて嫌なことでも、やりたかったらやる、でも自分の身内がされそうになったら全力で防ぐ。それが嫌なら力をつけるしかない、それが現実なんや、という百瀬。
いじめをしてる側の二の宮や百瀬みたいな奴らは、一見外見もよく頭もよく見えるけど、ほとんどの場合家庭環境が悪く、親に問題があって、そのストレスを外に向けて -
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短くて面白い。
ちょっと関西弁が大阪住みの自分からしても古いのか変な言い回しに感じて音読しても読みにくいと感じた。
都筑道夫のミステリイ指南より
「すぐれた小説というのは、声に出して読んでみることのできる、言葉の音楽性のようなものを、ちゃんと備えている作品が多いと、私は考えています。」
そういう意味では文章としては▲だが、テーマや心情を描くのは上手い感じた。
「乳と卵」
性の成長とそれに伴う様々な葛藤、そして女性特有の身体的な悩み、現代の身体感や他者からの視線、比較などが詩的な文章でつづられていた。
男性に置き換えると現代で言えばボディーメイクや薄毛、骨延長手術、メンズメイクなど己自身に矢印 -
Posted by ブクログ
今1番気になってる作家のお2人の会話が読めてとても嬉しい。特に「騎士団長殺し」を最近読み終えたばかりだったので、インタビューの内容もついていきやすく良かった。
川上未映子さんだからこそできる質問や、かなり深入りする質問がとても面白かった。特に村上春樹さんの小説の中での、女性の描かれ方についての突っ込んだ質問。めちゃくちゃ良かった。
村上春樹さんの今まで読んだ(まだ数は少ない)小説は、どれも私はとても好きだったのだけれど、女性目線で読むと少しモヤモヤするところがあって、その霧が晴れたような気持ちになり、本当にこのインタビューを読めて良かったと思う。
村上春樹さんへは、川上未映子さんがそう感じたよ -
Posted by ブクログ
ネタバレ人間関係のもやもや欲張りセット! な本。
・同級生を「家に自分で上がったから」と襲う男子学生
・男性上司との飲み会の席で口論になり、引き下がらない女。それだけでなく、何も言わないその場の女性たちを卑下する女
・↑この女性の知人に「あなたは利用されているだけ。あの人は男性をとっかえひっかえしている性悪女」と吹き込む会社の元同僚
・独身の同級生(女性)に家庭の愚痴を山ほどこぼした後、「あなたも子供を生むべき」と言い、最後には「この話ができたのは、あなたが自分の人生の登場人物ではなくなったから」と話す既婚女性
……そんな生活の中で、主人公・冬子は三束という男性と出会う。
恋愛中心かと思いきや、 -
Posted by ブクログ
高校の時の担任の先生が持ってて、教室に置いてあったんだけど、その当時の私は本が嫌いで読み終わることができず、、、でもずっとミスアイスサンドイッチのことを覚えていて、水色のアイシャドウで大きな目ってことまで覚えていて、ようやく5年ぶりくらいに読み終えることができました!言葉の綴り方というか、表現の仕方、語彙がパッと出てくるものではなくてというか、グングン読み進められた、理解できない比喩というか表現もあるけれど、自分なりにこういうことなのかな?と想像できるのも面白い、ミスアイスサンドイッチに私も会いたいし話してみたいし、というか、麦くんと同じ場所から眺めたいし、麦くんが描いた絵も見てみたい、ヘガテ
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Posted by ブクログ
◾️特に好きなもの
悲しみを乗り越えられるわけ
別れのリトマス試験紙
すべてを忘れてしまう私たちは
いっそすべての穴を埋めたい
主人などいない
彼女のような人ならとくに
これっていったい何なんだろう
似てると言ったら烏滸がましいのだろうけれど、私も根っからのネガティブ人間なので、川上未映子さんのエッセイに何度となく出てくる、生きることは強制参加、なぜか涙が出てくる、みんないつか死ぬのに、エトセトラ、そんなような感覚がとてもよく分かって、泣きたい気持ちになる
私は自分の心情を言語化することは好きだけれどうまく帰結することが苦手
拡散して拡散して、なんだこりゃ、私、何がしたいんだっけ?何が好き -
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Posted by ブクログ
注! インタビュー本なのでネタバレ設定にしていませんが、内容にかなり触れています。
年末(2023年のw)、本屋をブラブラしていた時、表紙のフクロウ(あ、みみずく…、ねw)が、なぜかミョーに気に入ってしまって、ついつい衝動買いしちゃった本。
ちなみに、フクロウとミミズクの違いは、羽毛が耳のようにちょこんと出ているのがミミズクで、頭が丸いのがフクロウということらしいけど。
ウチに時々やって来るのは頭が丸い方なせいもあって、ミミズクよりフクロウの方が好きだ(^^ゞ
……って、最近は、文章の終わりに「。」をつけたりすると怒られたり(ニュースで見た)、「、」や絵文字が多いと“おじさんの文章”と