川上未映子のレビュー一覧
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こんな素敵な本に出会えて、本当に幸せ
紡がれているまっすぐで、正直で、優しい言葉が
これまでの母としての私を
応援してくれたり、
娘の小さな成長の一つ一つに
喜ぶ心の余裕をくれたり、
日常の中でつい忘れてしまう
夫への感謝の気持ちを思い出させてくれたり。
読んでいて、
「そうそう、妊娠してた時こんな辛いことあったよ」
「生まれてからもまた、あんな壮絶な日々があったよね」
「でも、今までの人生では味わったことない幸せで穏やかな時間も訪れるんだよね」
と、激しく共感しながら、
自分では言葉にできていなかったことを
これ以上ない素敵な言葉で綴ってくださっていた。
あらためて、
ああ、母親と -
Posted by ブクログ
エッセイはあまり読まないけど、出産を経て、前から少し気になっていたこの本に手を伸ばしてみた。
妊娠中から出産後までの赤ちゃんとの日々をつづった内容で、自分の経験とは全然違うことがたくさんなのだけど、不思議とわかるなあと思う部分もあったりして、なんだかたくさん涙が出た。
お腹の中にいる時から、たくさん不安になったり、嬉しくなったり、今までの人生では味わったことのない感情や、新しい経験が押し寄せてきて、日々溺れそうになるけど、当たり前だけど、私だけじゃないんだなあと思った。
赤ちゃんに対する作者の方のあたたかい眼差しや、愛がひしひしと伝わってきて、言葉を仕事にする人ってすごいなあと。
自分も子ど -
Posted by ブクログ
初めて川上さんの本を読んだのが2年前の「黄色い家」よく覚えている、読んでて涙が出たから。川上さんの綴る言葉は、なんか温かくて、寄り添ってくれて、感情を揺さぶる。今回は自分の出産も相まって大号泣。
このエッセイにすごい好きな場面がある。「朝。抱っこしたままでわたしの背中のほうにあるカーテンをあけて、空を見せてやる。オニの顔がぱあっと明るくなって、笑顔になって、目がどこまでも大きくなって、つやつやと濡れて、光っている。じっとみつめると、小さな目に空が映っている。わたしはそれを1秒だって見逃すまいと、まばたきもせずにみつめつづける。」本当に綺麗な描写。私も赤ちゃんの目を見つめて、そこに天井のライトが -
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面白くてあっという間に読み終わった!
昔一緒に暮らしていた女性が捕まったことをニュースで知る主人公。
上巻は捕まった女性と一緒に暮らしていた主人公の少女時代が描かれていた。
母親と2人暮らしでお金のない生活を送っていた主人公が、女性と出会い家を出て、一緒に暮らしながら懸命に働くことでお金を稼ぐが、そのお金もまた母親の都合で失ってしまう。主人公が苦しい経済状況の中でも懸命に働き、女性やそこで出会った仲間と過ごす日々は主人公にとってら青春のように読んでいて思えた。
主人公が大金を手にするようになり、どうなっていくのか、後半がとても気になる!
お金がないと人はどう感じ、どうやって生活していくのか。 -
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ネタバレ外部から成熟を要求される時、振り返ることができない。
花というヤングケアラーの少女が、親から安心できる環境を得られず、成熟を要求されざるを得ない立場に居続けた。外部に頼れない花は自身の空想のユートピアに頼らざるを得なくなる。彼女の居場所を彼女自身か守るために。それが「れもん」でもあり、「黄色い家」だった。
心が壊れること。ユートピアが崩壊すること。
長い時間をかけて出来事が過去になること。
そこから、やっとあの出来事が過去になり、花があれはなんだったのだろうと振り返れるようになったところ、そこが物語のスタートだ。
傑作だと思います。 -
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ネタバレSNSで話題になっていたのとジャケットのインパクトと帯の「人はなぜ、金に狂い、罪を犯すのか」というフレーズがとても気になって購入しました。
第一章の内容は主人公の花の現在から始まっていて一緒に住んでいたという黄美子さんが何故捕まったのか?
古い携帯に電話番号が残っていた蘭とはどういう関係だったのか?
桃子は何故行方不明になったのか?
等の伏線回収を感じる内容で徐々に興味を惹かれていきました。
第二章からは主人公が15歳の時に戻ってそこから過去の話が始まり黄美子さんとの出会い等が明かされます。
黄色い家の(上)はとにかく心が痛くなる内容で主人公に感情移入してしまうと胃痛がしてしまう様な内容でした -
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いじめの描写があまりにも生々しくて、読んでいて胸がヒリヒリしてしまいました。かなりビターな内容ですが、学校のいじめの物語にとどまらず、人が理不尽さや矛盾とどう向き合い生きるかを問われているようで、強く引き込まれました。
読みながら考えたのは、
人はなぜ集団になると残酷さに鈍感になり、正当化してしまうのか、ということです。本来、人が人に暴力をふるう権利なんてないはずなのに…、理不尽な暴力の場面に何度もやるせない気持ちになりました。
特に印象に残ったのは、百瀬が語る「世の中の仕組み」と「世界はひとつじゃない」という言葉です。
認めたくはないけれど、
身近な人間関係だけでなく、歴史の中で繰り返さ -
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「」が極端に少なく大阪弁で書かれているので、読みにくいと感じる人も多いと思う。でも私はこの文体がすごく好きで、最初からゾクゾクし、叫びたいほど「待ってました!」という感じだった。
「厭」と「嫌」、「卵」と「玉子」みたいな言葉の使い分けも面白くて、随所に読者の想像力を試してくるような書き方がたまらない。生理への嫌悪感とか、美への執着が男性的な精神からくる産物だとか、全女性がたぶん感じたことのあるあの感覚を、分かりにくそうでいてすごく分かりやすい言葉で全部言語化してくれていて、たまらなかった。描写がうますぎる。
豊胸手術への執着がすごい不器用なお母さんと、地味に反抗しているのに、お母さんのことが本 -
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あるニュース記事から甦る、過去の記憶。
家族でもない、ただの友達とも違う、ある女性たちと一緒に暮らした日々。
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普段何気なく毎日を過ごしているけど、本当は「生きる」ことってこんなにも難しいと気付かされる。
暖かく清潔な家があり、食べるものに困らず、一定の収入がある。自分が「普通」に受け入れているものが、実は親が道筋を引いてくれたものなんだなと、幼少期の花を見ていると感じる。
黄美子さんはそんな花に、不器用で歪ながらも生きる希望を与えてくれる存在だったのだろう。
みんな少しずつ欠けている。だけど、だからこそ寄り添って、一つの「暮らし」を作り上げ -
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読み終わって鳥肌が止まらないのは初めてかもしれない。
読んでる最中も、生活のいろんなところでこの本のことや主人公のことを考えた。ものすごく感情移入してたと思う。あと読んでる最中は生活の中でもやけに冷静になれた。
とりとめのない気持ちを文字にするとこんなふうになるのか。夏子の感じたことをいくつも私も感じた覚えがあって、とても愛おしく思えた。
ただ切ないとか胸が痛むとか、一言にするとそれだけの気持ちをいくつもの言葉で、私がうまく言葉にできない気持ちを全て言葉で読めることが不思議だと思った。
なんとなく読み終えた今は、この本を読めて良かったって言う強烈な気持ちと、川上さんの本を全て読んでみたいと言う -
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ネタバレ読みやすい。新聞で綴られていた小説らしいので、とても読みやすい。
1997年ごろ、主人公の伊藤花が17歳のころの回想。
瞠目するのは、作者川上未映子が犯罪者の感覚的な部分を描いているところ。それは、学校の教室でいじめっ子が「この子なら言うこと聞かせられるわ」という子を探し当てる感覚に近い。主人公花の母親も、黄美子さんも映水さんのいう「金のなる木」として利用されているのだ。花の母親や黄美子さんに悪意は全く見いだせない。ただ、ユルい。
上巻出だしで、花は黄美子さんが捕まったことを知っているので下巻では二人の関係が破綻するのだろうけど、すでに決定的なのは不安を共有できないこと。人間関係を切り -
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小学6年生が主人公のお話し。
川上未映子さんって、こんなに幅広いんだ!
本当に小6の目線な気がしました。
子どもたちはこんな風に悩んで、こんな風に乗り越えていくんだなぁと、我が子を思いながら、しみじみと読みました。
子供たちに辛いことや嫌な気持ちを味わってほしくないと思うけど、そんなことはきっと無理で、どうしても大人になっていく過程では、涙が出る経験ってあるよなぁ。
それが怒りだったり、悲しみだったり、悔しさだったり、色々ある。
親が、我が子にふってくる嫌なことの全てから守ることはできない。
でもそんな辛い気持ちを味わって、それでも乗り越えていく子どもたちの方が、人に優しくなれたり、 -
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この世に生を受けることは幸か不幸か。正義か悪か。
それを評価することはその瞬間にはできない。
生まれてきて、自我が宿り、自分で物事を思考できるようになったその時に、子ども自身が幸か不幸かを判断することになると思う。
生を受けるように働きかけること自体は親のエゴでしかない。
生まれてきた子どもが親のエゴを受けてくるのは確実なこと。
そのエゴで、ある意味生まれてきてしまった子どもが、生まれてきたことに対して不幸に思うことがあるのであれば、それは親の行いは悪になるのだろうと思う。
川上未映子さんの表現は風景と感情の描写が鮮明であり、物語の中に溶け込めるので心地よい。