川上未映子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「もしあなたが子どもを生んでね、その子どもが、生まれてきたことを心の底から後悔したとしたら、あなたはいったいどうするつもりなの」
15章の善百合子のここからの発言、苦しい、自分何度も人生で思ったことで苦しい、これを精子提供で生まれ育ての父親から性虐待された善ではなく作者が書いたと思ったら苦しい。
最後、主人公は「忘れるよりも間違えることを選ぼうと思う」と出産を決意するが、善百合子は「生まれてきたことを肯定したら、わたしはもう一日も、生きていけないから」と言う…リアルどおり人を救いきらないのが作者らしかった。他の人のレビューを読んでも善百合子に対する感想が多く、なんか救われた
ずっとなぜ夏子 -
Posted by ブクログ
先日、第1子の妊娠がわかり、幸福と不安を感じる日々を過ごしてたので、思わず本作を手に取りました。
前半の出産パートは、自分でもだいぶ調べていたこともあり、そうだよなこんな感じだよな、とより具体的なイメージを膨らませることができました。
後半の育児パートは、戦慄しました。妊娠中から若干に感じている夫との気持ちのギャップ。お腹に宿しているからこその、孤独と責任感。産んだあとは、こんなもんじゃないのかと……大変びびりました。
でも、そんな辛い時間もいつかはかけがえのない思い出になる、というのも母親の特権だと考え、先輩方の後に続き、肩の力をぬいて頑張ろうと思います。
あと、夫にも読んで欲しいです。 -
Posted by ブクログ
小説の題材は「苛め」です。
これは社会で起きているであろう真実を、その当事者の思考や哲学を読み解きながら、問題提起している作品であると思います。
苛めをする側の独善的で倫理観の欠如した思考と、苛めを受ける側の苛めに耐えて受け入れていく人生哲学を、それぞれ登場人物に語らせることで、何が善(正義)で何が悪(不義)なのか、どちらが本当の強者でどちらが弱者なのか、を問うそんな内容でした。
物語は、斜視が原因でクラスの男子生徒から日常的に苛めを受けていた14歳の中学生である「僕」のもとに、「わたしたちは仲間です」という手紙が届くところから始まります。それは同じクラスの女子生徒「コジマ」からの手紙で、