川上未映子のレビュー一覧

  • きみは赤ちゃん

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    怖い位、産後の私でした…。
    内容に感動するというよりは、「わかる…」と共感し、我が子を思い出して泣き、あの時の夫を思い出し腹を立てる、そしてあまりにも同じなので、思わず笑ってしまいました。
    もう本当に読んでよかった!産前産後をもう一度言葉で思い返せる最高の読書体験でした。

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    2026年03月06日
  • 乳と卵

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    「」が極端に少なく大阪弁で書かれているので、読みにくいと感じる人も多いと思う。でも私はこの文体がすごく好きで、最初からゾクゾクし、叫びたいほど「待ってました!」という感じだった。
    「厭」と「嫌」、「卵」と「玉子」みたいな言葉の使い分けも面白くて、随所に読者の想像力を試してくるような書き方がたまらない。生理への嫌悪感とか、美への執着が男性的な精神からくる産物だとか、全女性がたぶん感じたことのあるあの感覚を、分かりにくそうでいてすごく分かりやすい言葉で全部言語化してくれていて、たまらなかった。描写がうますぎる。
    豊胸手術への執着がすごい不器用なお母さんと、地味に反抗しているのに、お母さんのことが本

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    2026年03月05日
  • 黄色い家(上)

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    あるニュース記事から甦る、過去の記憶。
    家族でもない、ただの友達とも違う、ある女性たちと一緒に暮らした日々。

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    普段何気なく毎日を過ごしているけど、本当は「生きる」ことってこんなにも難しいと気付かされる。
    暖かく清潔な家があり、食べるものに困らず、一定の収入がある。自分が「普通」に受け入れているものが、実は親が道筋を引いてくれたものなんだなと、幼少期の花を見ていると感じる。
    黄美子さんはそんな花に、不器用で歪ながらも生きる希望を与えてくれる存在だったのだろう。

    みんな少しずつ欠けている。だけど、だからこそ寄り添って、一つの「暮らし」を作り上げ

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    2026年03月01日
  • 夏物語

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    読み終わって鳥肌が止まらないのは初めてかもしれない。
    読んでる最中も、生活のいろんなところでこの本のことや主人公のことを考えた。ものすごく感情移入してたと思う。あと読んでる最中は生活の中でもやけに冷静になれた。
    とりとめのない気持ちを文字にするとこんなふうになるのか。夏子の感じたことをいくつも私も感じた覚えがあって、とても愛おしく思えた。
    ただ切ないとか胸が痛むとか、一言にするとそれだけの気持ちをいくつもの言葉で、私がうまく言葉にできない気持ちを全て言葉で読めることが不思議だと思った。
    なんとなく読み終えた今は、この本を読めて良かったって言う強烈な気持ちと、川上さんの本を全て読んでみたいと言う

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    2026年02月27日
  • 黄色い家(上)

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    ネタバレ

     読みやすい。新聞で綴られていた小説らしいので、とても読みやすい。
     1997年ごろ、主人公の伊藤花が17歳のころの回想。
     瞠目するのは、作者川上未映子が犯罪者の感覚的な部分を描いているところ。それは、学校の教室でいじめっ子が「この子なら言うこと聞かせられるわ」という子を探し当てる感覚に近い。主人公花の母親も、黄美子さんも映水さんのいう「金のなる木」として利用されているのだ。花の母親や黄美子さんに悪意は全く見いだせない。ただ、ユルい。
     上巻出だしで、花は黄美子さんが捕まったことを知っているので下巻では二人の関係が破綻するのだろうけど、すでに決定的なのは不安を共有できないこと。人間関係を切り

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    2026年02月26日
  • 黄色い家(上)

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    『夏物語』で初めて読んだ川上未映子は、
    文体のリズムと軽やかさとは裏腹に、
    繊細で切実な物語の紡ぎ方で一気に魅せられたが、
    まー、今回も度肝を抜かれる。

    花。
    抱きしめてあげたい。
    孤独に必死で人生と闘っている小さな魂に、
    ちゃんとそこにいるんだよねって、
    見つめてあげたい。

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    2026年02月21日
  • あこがれ(新潮文庫)

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    小学6年生が主人公のお話し。
    川上未映子さんって、こんなに幅広いんだ!

    本当に小6の目線な気がしました。

    子どもたちはこんな風に悩んで、こんな風に乗り越えていくんだなぁと、我が子を思いながら、しみじみと読みました。

    子供たちに辛いことや嫌な気持ちを味わってほしくないと思うけど、そんなことはきっと無理で、どうしても大人になっていく過程では、涙が出る経験ってあるよなぁ。
    それが怒りだったり、悲しみだったり、悔しさだったり、色々ある。

    親が、我が子にふってくる嫌なことの全てから守ることはできない。

    でもそんな辛い気持ちを味わって、それでも乗り越えていく子どもたちの方が、人に優しくなれたり、

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    2026年02月21日
  • 夏物語

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    この世に生を受けることは幸か不幸か。正義か悪か。
    それを評価することはその瞬間にはできない。
    生まれてきて、自我が宿り、自分で物事を思考できるようになったその時に、子ども自身が幸か不幸かを判断することになると思う。

    生を受けるように働きかけること自体は親のエゴでしかない。
    生まれてきた子どもが親のエゴを受けてくるのは確実なこと。
    そのエゴで、ある意味生まれてきてしまった子どもが、生まれてきたことに対して不幸に思うことがあるのであれば、それは親の行いは悪になるのだろうと思う。

    川上未映子さんの表現は風景と感情の描写が鮮明であり、物語の中に溶け込めるので心地よい。

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    2026年02月18日
  • 春のこわいもの(新潮文庫)

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    川上未映子の美しい文体から人間の醜さや愚かさが流れるように描写され苦しさを感じつつも物語を読み進める手が止まらなかった。

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    2026年02月18日
  • 黄色い家(上)

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    2026/05

    花ちゃんの家庭環境キツすぎる。

    私は親が離婚していて、母親が父親の借金を抱える家庭で育ったので、読んでいてとんでもなくしんどくなった。

    花ちゃんのお金や家への執着が、私にはとてもよく分かる。どれだけ目に見えないものが大切とはいっても、結局自分自身を生かしてくれるものってお金だと昔からずっと思ってきたし、なにがあってもお金に苦労しない人生を送ろうと小さい時から思ってきた。

    でもこの本を読んで「お金に苦労しない人生」っていうのは、他の誰かに頼るんじゃなくて自分がどれだけ踏ん張って努力して頑張れるかなんだなと思った。

    大人になって、結婚をして生活に余裕ができて、ちょっとした

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    2026年02月16日
  • あこがれ(新潮文庫)

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    この方の作品は『黄色い家』に続き2作品目。
    すごく良かった。

    心理描写がすごく細かく巧みで、誰もが味わったことのあるような感情を比喩を交えながら文章にしていて、登場人物に自分を重ねてしまう場面がたくさんあった。
    特に物語の終盤、ヘガティのお母さんへの想いが溢れ出す描写は切なくて涙が溢れた。
    「私が小さい時にお母さんはいなくなったから、お母さんのことで思い出せることはないのに、お母さんを思いだすと涙が出る」というところ。子どもはみんな、「お母さん」という存在が恋しい、大好きな対象なんだよね、ととても腑に落ちる文章だった。

    子ども向けの本なのかもしれないが、私にとってはとても心に刺さる素敵な物

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    2026年02月15日
  • 深く、しっかり息をして 川上未映子エッセイ集

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    今まで読んだエッセイで一番しっくり来たかもしれない。
    エッセイをタイトル読みしたらなんだか違う、ということがよくあるけれど、
    これは全然裏切らなかったなー。
    hanakoに連載されていたものらしい。
    2011年から2022年までのが載っている。
    そんなに時がたっているとは思えないぐらい、どの回も揺れがないような安定感を感じました。
    でもその間にお子さんが生まれてもう小学校も高学年になっているなんて、
    時間の流れを考えるととても不思議だなーと思ったり。…

    いろいろ救われそうです。

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    2026年02月18日
  • 夏物語

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    恥ずかしながら川上未映子氏のことを某CMで初めて知り、手始めに『乳と卵』を読み、本作品を読む。
    人生悲喜こもごも。生まれたことの意味。生まされたことの意味。生きることへの苦痛や喜び。それでも私たちは誰かとの関係性のなかで日々生きる。哀しみがあり切なさがあり笑いがあり。唐突さや滑稽さのなかで足掻く彼女らのなんとも眩しいことか。なんだかんだで前を向く夏子や巻子、遊佐に対して絶対的な負として善百合子を描くことでご都合主義に陥らないバランスも良い。圧倒的エネルギーに満ちた傑作小説だと思う。
    唯一の不満点は第一部であれほど盛り上がった豊胸が第二部ではほとんど語られぬことくらいか(一応どうなったかは分かる

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    2026年02月11日
  • ヘヴン

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    本作は、ただの「いじめを描いた小説」ではなく、ひとりひとりが持つ「世界観」や「価値観そのもの」を問う物語だと感じました。

    物語の中心にいるのは、斜視のせいでクラスから執拗な暴力を受ける「僕」と、クラスで別の理由で嫌われている「コジマ」です。彼らは孤独の中で手紙を通して交流を深めていき、互いにとっての「救い」となる存在になっていきます。

    しかし、ここで描かれているのは、単純な友情や救済の物語ではありません。読んでいる間、私は何度も「人間の苦しみには意味があるのか」「苦しみと向き合うとはどういうことか」という問いに立ち止まりました。コジマは苦しみの中にも意味を見出そうとしますが、それは決して易

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    2026年02月08日
  • 乳と卵

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    母親と娘、そして叔母の3日間の生活を描いたこの作品では、第三者目線の叔母と当事者の2人で、確実に違った感情を抱いている。

    母親と娘は確実に愛がお互いにあるんだけど、お互いにまだ精神が成熟しきっていなくて、母親はうまくいかない人生があったからそうなんだろうし、娘は年齢(思春期であること)もそうだし、母親から一般的な愛を受けていないこともあるのだろう。

    関西人だから家族間でのやり取りも雑になるという偏見は、関西に住む自分だからこそ偏見でないようにも思えてしまう。

    娘は母親から愛されているのかという疑念が、しっかりと描写されていたわけではないけど、言葉の節々から伝わってくる。寂しさだったり悲し

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    2026年02月07日
  • ヘヴン

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    今、見えている世界は盲目的で他が侵入してくる余地はない、と皆んな思い込んでいる。
    でも、少しでも勇気を出して他の世界を見てみるとどうだろう。当たり前、じゃないかもしれない。
    そんな事を語りかけてくれた本書。素晴らしい。

    あー最後救われたね、良かったね。

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    2026年02月03日
  • ヘヴン

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    読んでいてこれほど泣いた本は無い。
    読み進めるうちに涙が止まらなくなった。
    読むのが辛くなって、途中で何度か
    苦しくなったけど何とか最後まで
    読むことが出来ました。辛かったなぁー。

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    2026年02月03日
  • 乳と卵

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    ネタバレ

    私達は生きている限り、自分の体から離れることも自分の思考から逃げることもできない。緑子が体の変化を嫌がるのも、巻子が豊胸手術をしたがるのも、体という檻に閉じ込められた人間の必死の抵抗のように思えた。川上美映子さんの小説を初めて読んだけど、文体が気持ちいい。一つ一つの文が長くてすらすらと流れるように入ってくる。あっという間に読み終わった。

    緑子、ほんまのことって、ほんまのことってね、みんなほんまのことってあると思うでしょ、絶対にものごとには、ほんまのことがあるのやって、みんなそう思うでしょ、でも緑子な、ほんまのことなんてな、ないこともあるねんで、何もないこともあるねんで。(本文より引用)

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    2026年02月02日
  • 夏物語

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    「みんな、賭けをしてるようにみえる」
    わたしが、学生の頃から抱いていた違和感を文字にしてもらった気持ちになりました。
    小説を読む理由はこの瞬間の為にあるように思います。
    理由は分かりませんが、同じことを思っている人がいる。自分では言葉にできない感情を文字に起こしてくれる人がいる。
    それを知ったとき、何かに、誰かに、許されたような気持ちになれます。
    この一冊に出逢えてほんとうによかったです。

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    2026年01月30日
  • あこがれ(新潮文庫)

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    ふたつの物語があって、最初のは、小学校4年生の、近所に住む、男の子麦くんと女の子ヘガティーのお話。次のお話では、2人が6年生になっている。


    4年生の麦君は、まだまだ子供で、ヘガティーのほうがしっかり者って感じだけど、6年生の麦くんは、だいぶ思慮深い感じになってて、素敵だ。

    ヘガティーは、徐々に思春期にさしかかって、いろいろに思い悩むんだけど、お父さんには言えないっていうところが、ああ、自分もそうだったなあ、と思った。

    大人になってしまうと、泣きたくても、泣けなかったり、誰かに何かを相談したくても、誰にも言えずじまいだったり。なんとか自分の中で折り合いをつけてしまいがちだ。

    この本の2

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    2026年01月29日