川上未映子のレビュー一覧

  • 夏物語

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    恥ずかしながら川上未映子氏のことを某CMで初めて知り、手始めに『乳と卵』を読み、本作品を読む。
    人生悲喜こもごも。生まれたことの意味。生まされたことの意味。生きることへの苦痛や喜び。それでも私たちは誰かとの関係性のなかで日々生きる。哀しみがあり切なさがあり笑いがあり。唐突さや滑稽さのなかで足掻く彼女らのなんとも眩しいことか。なんだかんだで前を向く夏子や巻子、遊佐に対して絶対的な負として善百合子を描くことでご都合主義に陥らないバランスも良い。圧倒的エネルギーに満ちた傑作小説だと思う。
    唯一の不満点は第一部であれほど盛り上がった豊胸が第二部ではほとんど語られぬことくらいか(一応どうなったかは分かる

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    2026年02月11日
  • 黄色い家(上)

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    女に仕事辞めろとかいう男ほど最後まで面倒みないし助けもしてくれないと感じた。
    頼れるものは「自分で稼いだお金」というのは悲しくもあり真理でもある、リアリズムの極みであると思う。
    金を払う方が強く、払われる方が弱い。金が全てではないが、金がなくては自由に生きられない。
    そんな直視し難い現実を突きつけられた。
    金はなんのためにあるのか。使うためなのか、自尊心を守るためなのか、生きるためなのか。
    自分に問い直したいと思う。

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    2026年02月10日
  • ヘヴン

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    本作は、ただの「いじめを描いた小説」ではなく、ひとりひとりが持つ「世界観」や「価値観そのもの」を問う物語だと感じました。

    物語の中心にいるのは、斜視のせいでクラスから執拗な暴力を受ける「僕」と、クラスで別の理由で嫌われている「コジマ」です。彼らは孤独の中で手紙を通して交流を深めていき、互いにとっての「救い」となる存在になっていきます。

    しかし、ここで描かれているのは、単純な友情や救済の物語ではありません。読んでいる間、私は何度も「人間の苦しみには意味があるのか」「苦しみと向き合うとはどういうことか」という問いに立ち止まりました。コジマは苦しみの中にも意味を見出そうとしますが、それは決して易

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    2026年02月08日
  • 乳と卵

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    母親と娘、そして叔母の3日間の生活を描いたこの作品では、第三者目線の叔母と当事者の2人で、確実に違った感情を抱いている。

    母親と娘は確実に愛がお互いにあるんだけど、お互いにまだ精神が成熟しきっていなくて、母親はうまくいかない人生があったからそうなんだろうし、娘は年齢(思春期であること)もそうだし、母親から一般的な愛を受けていないこともあるのだろう。

    関西人だから家族間でのやり取りも雑になるという偏見は、関西に住む自分だからこそ偏見でないようにも思えてしまう。

    娘は母親から愛されているのかという疑念が、しっかりと描写されていたわけではないけど、言葉の節々から伝わってくる。寂しさだったり悲し

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    2026年02月07日
  • きみは赤ちゃん

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    夫への贈り物として手に取った一冊。結果的に、渡してよかったと心から思える本でした!

    妊娠中の気持ちをわかってほしいけれど、育児書を渡すのは説教っぽい気がして…。そんな時に本屋さんで目に留まったのがこの本。

    エッセイなので押し付けがましくなく、妊娠・出産・育児が女性にとってどんなものかが自然に伝わる内容でした。
    読み終えた夫が自発的に育児書を買い始めたのには驚きましたが(笑)

    私自身も、泣き笑いしながら共感し、生まれてからの日々をゆっくり考えるきっかけになりました。

    全パパさんに読んでほしいし、これからママになる方、ママさんにもおすすめの一冊です!

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    2026年02月06日
  • きみは赤ちゃん

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    妊婦から出産、育児のあれこれを川上さんの言葉で等身大に綴ったエッセイ。
    最近出産した身としては共感しかなくて終始にやけるか泣くかしながら読み進めた…
    世の中の母親はみんな命懸けで覚悟があって、強くてみんな偉い!と改めて自分が母になって思う。
    街で困ってるお母さんいたら迷惑かもだけどさらっと声かけれる人になりたいな。

    夫に感じてるモヤモヤも川上さんが言語化してくれてて、(育児家事を超積極的にしてくれる夫でも感じてるモヤモヤという点ですごく川上さんの夫と重なる部分があった)特に夫に赤ちゃんが泣いた時の対応とかおむつ替えをしてもらってるときに「ごめん、ありがとう」ということが多くって、この「ごめん

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    2026年02月05日
  • きみは赤ちゃん

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    エッセイを媒介にした大きくなったオニへのメッセージだと感じた。子の誕生を控えた私にとって、どんなノウハウ本よりも、知識が頭に入った。n=1の事例かもしれないけど、どのみち子育ては他人の例が参考にならないn=1の連続だろうからそれでよいのだと思うことにした。

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    2026年02月04日
  • ヘヴン

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    今、見えている世界は盲目的で他が侵入してくる余地はない、と皆んな思い込んでいる。
    でも、少しでも勇気を出して他の世界を見てみるとどうだろう。当たり前、じゃないかもしれない。
    そんな事を語りかけてくれた本書。素晴らしい。

    あー最後救われたね、良かったね。

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    2026年02月03日
  • ヘヴン

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    読んでいてこれほど泣いた本は無い。
    読み進めるうちに涙が止まらなくなった。
    読むのが辛くなって、途中で何度か
    苦しくなったけど何とか最後まで
    読むことが出来ました。辛かったなぁー。

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    2026年02月03日
  • 乳と卵

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    ネタバレ

    私達は生きている限り、自分の体から離れることも自分の思考から逃げることもできない。緑子が体の変化を嫌がるのも、巻子が豊胸手術をしたがるのも、体という檻に閉じ込められた人間の必死の抵抗のように思えた。川上美映子さんの小説を初めて読んだけど、文体が気持ちいい。一つ一つの文が長くてすらすらと流れるように入ってくる。あっという間に読み終わった。

    緑子、ほんまのことって、ほんまのことってね、みんなほんまのことってあると思うでしょ、絶対にものごとには、ほんまのことがあるのやって、みんなそう思うでしょ、でも緑子な、ほんまのことなんてな、ないこともあるねんで、何もないこともあるねんで。(本文より引用)

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    2026年02月02日
  • きみは赤ちゃん

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    数年振りに再読。
    前に読んだときはまだ学生だったかなあ。
    今とは違う街に住んでいたなあ。
    仕事を始めて、結婚して、妊娠して。喫茶店でPCに向かって文章を書く夫をたまにちらちら見つつ、どんどん強くなってきた胎動に気を取られながら読んだこのエッセイはまた違う温度で私の中に流れ込んできた。

    帝王切開も母乳育児も、産後クライシスも、この一年で自分が経験することなのかもと思って読むと、このエッセイの解像度は私に恐怖を与えてくる。章を選んで、夫にも読ませよう。せめてこの恐怖の一部でも感じてもらおう。

    学生のときの自分にとって、それはへ〜、そんな感じなんだと読み進められることだったのに。

    でも、たのし

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    2026年01月31日
  • 夏物語

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    「みんな、賭けをしてるようにみえる」
    わたしが、学生の頃から抱いていた違和感を文字にしてもらった気持ちになりました。
    小説を読む理由はこの瞬間の為にあるように思います。
    理由は分かりませんが、同じことを思っている人がいる。自分では言葉にできない感情を文字に起こしてくれる人がいる。
    それを知ったとき、何かに、誰かに、許されたような気持ちになれます。
    この一冊に出逢えてほんとうによかったです。

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    2026年01月30日
  • あこがれ(新潮文庫)

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    ふたつの物語があって、最初のは、小学校4年生の、近所に住む、男の子麦くんと女の子ヘガティーのお話。次のお話では、2人が6年生になっている。


    4年生の麦君は、まだまだ子供で、ヘガティーのほうがしっかり者って感じだけど、6年生の麦くんは、だいぶ思慮深い感じになってて、素敵だ。

    ヘガティーは、徐々に思春期にさしかかって、いろいろに思い悩むんだけど、お父さんには言えないっていうところが、ああ、自分もそうだったなあ、と思った。

    大人になってしまうと、泣きたくても、泣けなかったり、誰かに何かを相談したくても、誰にも言えずじまいだったり。なんとか自分の中で折り合いをつけてしまいがちだ。

    この本の2

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    2026年01月29日
  • きみは赤ちゃん

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    妊娠、出産、育児を経験した人は、絶対泣くと思う。
    このエッセイを読みながら、色々と思い出した。
    妊娠検査薬が陽性になった瞬間、エコーで米粒みたいな赤ちゃんを見た時、心拍が確認出来た日、悪阻が酷くて死にかけた時、でも悪阻が軽くなると急に不安になって診察してもらった時…。
    赤ちゃんを授かるのも、お母さんのお腹の中で順調に赤ちゃんが育つことも、母子共に無事に出産を終えることも、全てが奇跡。
    子育てって本当に体力的にも精神的にもやられて、子育てなんて投げ出したいって思うこと、たくさんあるけど、そんな辛くなった時こそ、このエッセイを思い出して、育児を頑張っていこうと思った。
    大切な作品に出会えた。

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    2026年01月22日
  • きみは赤ちゃん

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    いやもう1から10まで一言一句すべてに「うんうんそうだよな…!」と頷きながら読んだ本は初めてでした。それは私がこの本を読み始めた時に妊娠していて、読み終わった今まさに絶賛赤子の育児に四苦八苦しているからだとは思うけど…。
    こんなこと考えてる、感じてるのは私だけかも…というようなことも川上さんも感じていて、母親は孤独と書かれてはいたけども、そう思っていたのは私だけじゃないんだと知れてほっと(?)しました。
    妊娠中&育児中の人には絶対読んで欲しい本。なんならお母さんだけでなくお父さんもマストで読んで欲しい。

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    2026年01月22日
  • 春のこわいもの(新潮文庫)

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    かなり昔に乳と卵を見て好みじゃないと思って以来だけど、これはすごく好き。鼻の話と最後の娘の話が特に。

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    2026年01月19日
  • 夏物語

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    川上未映子さんの本は絶対重くて、絶対読まれへんと思ってたんやけど、なんとなく気になって読んでみることにした

    子どもを産むってことは、眠っている子どもを起こすことや、っていう善さんの語りが印象に残った
    子ども自身が生まれてきたいかどうかとか、未来に生まれる子どもの権利とか、ここ数年で見聞きするようになった

    そんななかで自分は子どもを持ったし、まわりでは不妊で人工授精で授かったいのちもまま聞くようになった
    この世に生み落とされたことって、子どもにとってはどういうことなんか。自分が子どもやったころはただひたすらに大人たちがいつか死ぬってことが怖くてたまらんかった。
    うちの子はどう思うんやろ、せめ

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    2026年01月19日
  • きみは赤ちゃん

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    素晴らしい
    男性こそ読むべき本と思う


    出産を経験した夫婦とは、もともと他人であったふたりが、かけがえのない唯一の他者を迎え入れてさらに完全な他人になっていく、その過程である

    ここが一番恐ろしくて一番印象に残った

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    2026年01月18日
  • ヘヴン

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    いじめられっ子2人のやり取りに魂を感じた。普通になりたい男の子と、それを止める女の子。私がヘヴンの世界にいたら絶対に男の子を支持する。女の子の言い分は狂気じみているが、普通でないことにアイデンティティを感じるのはちょっと分かる。

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    2026年01月18日
  • 夏物語

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    子供を持つか持たないか考えるヒントになればと読み始めました。夏子が考えること、仙川さんや善さんが言うこと、全部「そうだよなぁ」となりました。『乳と卵』も読んでいたので、巻ちゃん、緑子も元気でよかったです。最後の逢沢さんのお父さんの話と結末も胸がじんわり温かくなりました。
    夏ちゃん、がんばれ!

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    2026年01月15日