川上未映子のレビュー一覧

  • 夏物語

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    川上未映子さんの本はエッセイしか読んだことがなくて、なぜかこの話もノンフィクションだと思って途中まで読んでて、主人公が出したはじめての本を筆者の本かと思って検索までして、やっと気付いた(笑)
    前半部分の主人公の東京の家に姉と姪が遊びに来る話は、夏の湿気が肌にまとわりつくやな感じ?を思わせる雰囲気のストーリーが面白かった。後半は人と性交できないし独身の身だけど子どもが欲しいという気持ちに突き動かされて物語が進んでいく。確かに「自分の子ども」というまだ実態のないかつ自身の意思を持つものを欲しがる気持ちってなんなんだろうって考えさせられる。エゴなのかもしれないけど、だったらその選択をした自分もその結果である子どものこともちゃんと責任持って幸せにしたい。
    自分の子どもとか生育環境とか父とか母とか性とか、もうすべてがめちゃくちゃフェミニズム小説だった。

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    2026年09月17日
  • すべて真夜中の恋人たち

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    校閲を仕事としている入江冬子
    人間関係にうまくいかずとも黙々と仕事に没頭する毎日だったが
    会社を辞めた知り合いから、仕事の依頼をされることがきっかけで
    フリーの校閲者となり、たくさんの仕事をこなすようになっていた。

    けれども 心は満たされないままだった
    飲めないお酒に依存しはじめた矢先、
    教師と名乗る三束(みつつか)という男性と知り合う。

    時々会うようになりいつしか冬子は三束さんを想うようになっていく。

    恋愛というものを今までしてこなかった冬子が
    異性を好きになり、どうしたらいいのかわからなくなって
    仕事も手につかず、自暴自棄になっていくが。。。

    人を好きになることの奥底に秘められた感情表現が
    とても新鮮でリアルで不気味で恐ろしくて
    そんな表現を次々に押し出してくる川上未映子作品

    真夜中と光に魅了された主人公との対比が素敵だった。

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    2026年09月14日
  • すべて真夜中の恋人たち

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    主人公の寄る辺なさに思わず取り込まれそうになってしまうけど、冬子の三束に対する感情は燦然たる「光」で、救われる。二人の不器用過ぎるコミュニケーションを通して、会話の本質についても考えさせられた。映画化、岨手由貴子監督なので期待しかない。

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    2026年09月13日
  • すべて真夜中の恋人たち

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    主人公に対して、ずっとやめなよ!なんでそんなことするの!!を繰り返して、読み終わった後どっと疲れる。でも、読んで良かったと確かに思える。
    夏物語も同じ印象でした。

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    2026年09月13日
  • 夏物語

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    川上未映子さん作品三作目。

    毎回思うのが、この方の情景の描写は本当に胸に迫るというか、「すべて真夜中の恋人たち」も話の内容はあまり覚えていないけれどラストシーンの真夜中の描写がいつまでも胸に残っていて、それが作品の印象になっている。この作品でもタイトルの通りに夏の中で主人公が立ちすくんでいるようなシーンが目の前に見えるみたいで、特に第一章での姪と観覧車に乗るシーンでの夏の夕方と夜が混じり合っていく時間帯の表現がとても素敵だった。

    テーマとしての「反出生主義との相対」については子を持つものとしてはとても重たく、善百合子の主張する「10人の寝ている子どもを目覚めさせる」ことについて、いかに自分が子を持つことへの責任に無自覚であったか考えさせられた。望んで生まれてくる子どもは確かにおらず、「産む側は何を賭けているの?」という問いは鉛のように胸に沈む。私は子らを存在させてしまった。反出生主義の立場に立つ立たないとにかかわらず、子を持つ人間には少なからずその自覚は必要であると感じた。他の方の感想を拝見して、筆者自身がそのような考えを提唱していた時期もあったようなので、ある意味私小説的というか、それでも出産に至ったエクスキューズ(言葉は悪いけど)のような意味合いもあるのかもと思った。

    主人公の姉の巻ちゃんがなんとも可笑しく愛らしく、私はとても好きだ。「乳と卵」より先にこちらを読んだので、巻ちゃんの娘、主人公の姪である緑子が思春期に抱えていた「痛み」や「女性としての身体(容れ物)への違和」をどう克服し、あるいは克服せずとも大人になっていったかは描かれていないもののとても気になるところだった。

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    2026年09月12日
  • 深く、しっかり息をして 川上未映子エッセイ集

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    ネタバレ

    年月の流れで考え方がちょっとずつ変わっていくのがよく分かる。後半になるほどニュースや世の中の出来事に対しての憤りが増しているように感じた。
    子供の成長の影響もあるのだろうか。
    ただ後半になるほど考えが固定化したのかどこかでよく聞くような話が増えて独自視点みたいな感覚は感じなくなった。
    前半は星5、後半は星3、間をとって星4にしました。

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    2026年09月11日
  • 黄色い家(下)

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    読んでいてずっとざわざわする感じ。若者が社会からこぼれ落ちていく感じが、読んでいて苦しくなる場面も多かった。悪いことをする人を単純に悪い人と片付けられない。人が追い詰められていく過程って、何か一つの大きな出来事ではなくて、小さな選択や環境の積み重ね。弱者=努力が足りない、では決してない。

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    2026年09月06日
  • すべて真夜中の恋人たち

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    川上未映子さんは、いろいろな種類の感情を言葉にする能力が高い。川上未映子さんの小説を読むと、自分の感情にも言葉が与えられる感じがして、すごく好き。
    何ともいえない、グレーな気持ちすら言葉になってしまう。

    最近「人生はハッタリで生きてナンボやな」と思っていたところに、たまたまこの小説を読んで、ハッタリの人生についてまた考えている。
    私はハッタリで生きるほどのキャパシティがない、かつ、めんどくさいので「人生はハッタリで生きてナンボやな」というのは、そうやって生きている人はうらやましいなという意味。
    本当は、内心では、うらやましいというより、かわいそうだと上から目線で見ているのかもしれないけれど。
    ダメな自分を嘘で取り繕うと、嘘が嘘を呼んでしまうよね。

    どんな人にも「ダメ人間」な部分ってあるんだから、自分のダメなところはダメなまま受け入れていこうと、いつもの結論に落ち着く。

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    2026年09月05日
  • 黄色い家(下)

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    辛い、しんどい。しんどいのに読んじゃう。
    犯罪してるのに心情は分かるというか、すごく自然な流れで犯罪までつながってる。花ちゃんはピュアすぎるくらいだけど、でも必死でやってるのが伝わるから、発狂しちゃったり病んだりしちゃうのも分かる。責任感が強すぎるんだよね、幸せになってほしい。
    実際には犯罪とかしてもすっかり忘れて要領良く生きれる蘭みたいな人間が多そうで、主人公の花ちゃんみたいなのは稀だよね。
    最後まで読んでから冒頭を振り返ると悲しくなる。

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    2026年09月05日
  • 黄色い家(下)

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    裏表紙には「監禁・傷害事件」、「クライム・サスペンス」、「人はなぜ、金に狂い、罪を犯すのか。」という惹句があるが、これはミスリードのように感じた。

    ドロドロの犯罪小説なのだという先入観を持って読み進めたが、思っていたのとは違った。

    犯罪やお金そのものよりも、主人公・伊藤花の15歳から40歳頃までの生き様を描いた物語として読むと、面白さが見えてくる。

    未成年の花が社会に投げ出され、手探りで生きていく中で、少しずつ危うい世界に入り込んでいく。その過程がとてもリアルに描かれている。

    誰にも導いてもらえず、自分なりに一生懸命生きようとすることが、かえって自分を追い詰めていく。その姿が痛々しくもあり、同時にとても人間らしく感じられた。

    「まともな生活を毎日繰り返してる人たちは、どうやってそっちの世界の人間になれたのか、誰かに教えて欲しかった。」

    この花の心の中の叫びが印象に残った。欲しかったのは、ごく普通に、まともに暮らせる生活だったのに、どうすればそれを手に入れられるのかが、ずっとわからなかった。

    そして最後のシーンで、花がまるで15歳の少女の様に感じられたのが印象的だった。

    長い時間を経ても、花の中にはあの頃の自分がずっと残っていて、止まっていた時間がようやく動き出し、人生をやり直すような瞬間だったのではないかと思う。

    終わり方が希望に満ちていて、とても良かった。

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    2026年09月03日
  • 乳と卵

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    ずーーーっと話し口調。関西の方言で綴られている一人称視点での話し口調が、読みづらいのに読みやすいというすっごく不思議な感覚。そして情景の描写がすごい。空気感や匂いまで感じてくるように思った。

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    2026年09月02日
  • ヘヴン

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    虐められる主人公よりも、病院で遭遇した
    百瀬とのやりとりが気になった
    自分の都合よく物事をみていることのやりとり

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    2026年09月01日
  • 黄色い家(下)

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    ネタバレ

    悲しい。親がいい加減だとずっと苦しまなければならないのか。黄美子さんが女性を監禁していたのか、それはわからないけど映水さんもちがうと言ったしそう信じたい。花だけがずっとみんなでいられるようにシノギで働いてでも黄美子さんを見捨てるしかなかった。

    なんでそっちを選ぶのか、という意見にはこうなるしか本当に花はなかったんだよ。
    親に頼れなくて、花はどうしたって頼れる、そして頼りにしてもらえる黄美子さんや映水さんやヴィヴさんのことが必要だった。

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    2026年09月02日
  • 夏物語

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    ネタバレ

    第一部は緑子の思春期特有のうまく伝えられない気持ちが繊細に描かれていてとても面白かったです。緑子が夏子と関わることによって様々なことに気がついていくのと同時に夏子も様々なことを感じていくという構成がよかったです。最後に緑子と巻子で卵を自分の頭にぶつけてお互いに伝え合うというのがシュールでしたがこの作品の中で最もインパクトのあるシーンであるのは間違いなく、非常に面白い体験をしました。第二部は夏子がAIDによって自分の子供と出会おうとする中で逢沢をはじめとした様々な人物と出会い、生命とはなにか、結婚とは何か、独りとはなにかを感じ取っていくというストーリーでした。登場人物それぞれが色々な感情や背景を抱えていてとても面白かったです。好きなキャラクターは遊佐です。男という生き物に対してはひとつの信頼も置いておらず世間を冷笑しているように感じられながらも娘のくらや夏子のこととなると真剣に考えて好きなように生きるように手助けするという性格がよかったです。また一番好きなシーンは夏子と善百合子が夜の公園で話すシーンです。善百合子の生まれたことこそが最大の不幸であり、母親たちのエゴで辛いことばかりが待っているこの世の中に子供を生み出しているという主張を聞き、一見支離滅裂に感じながらもハッとした気持ちになりました。他にも紺野や仙川といった魅力的なキャラクターが多く登場して夏子が迷いながらも成長するというのがよかったです。

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    2026年08月31日
  • きみは赤ちゃん

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    産後に読書再開しようと思い、Geminiで育児書を選書された中の一冊。

    川上未映子さんの著書自体が初めてで「めっさ重たい」「むっさいかつい」「値段なんかこれもげっさ高い」などの副詞が新鮮で面白かった。

    あとがきにも書かれているけれど妊娠、出産、育児の話題はとても個人的なもの且つとってもデリケート。この感想を投稿する文章を考えるだけでも書いては消してを繰り返し、いつもの倍以上の時間がかかってしまった。

    育児に関して一番刺さったフレーズは
    「世の中の思い込みから解放されて、自分たちにとっていいあんばいのスタンスをみつけてゆかねばならない」

    マタニティブルーや産後クライシスの部分は読むのが苦しい人もいると思うくらい重たいけれど、個人的な体験や感情を晒すこと自体勇気のいることで、貴重な体験を読ませてもらった感謝の気持ちが生まれた。

    次は小説を読んでみたいと思う素敵なエッセイでした

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    2026年08月31日
  • 黄色い家(下)

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    4.3

    凄く重厚感のある感じの本だった。。

    薄らと不幸で辛い人生が続く中でも一時的にある幸せの瞬間がとても輝いてみえた。

    でも、辛いなーって感じです。
    こんな方もいるんだよなーと思うと悲しい。

    凄い本だった。

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    2026年08月30日
  • 黄色い家(上)

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    親から守られなかった子どもが、大人としての役割を背負い、自力で生きていく物語。

    まだ上巻なので何とも言えないけど、読んでいてドストエフスキーと吉田修一を混ぜたような雰囲気を感じた。

    生きていくために、やってはいけないことをやっている。でも、それは正しくないけれど、間違っているとも言い切れない。そんな矛盾の中で、「私の人生ってなんなんだろう」と問いかける感じは、ドストエフスキーを思わせる。

    そして、「血のつながりって何なんだ」というところは、吉田修一の小説を思い出した。

    最後の母親との再会の後の花の場面では、瞼の奥が熱くなった。下巻でどう狂うのか、なんだか怖い。でも、早く読みたい。

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    2026年08月30日
  • きみは赤ちゃん

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    こめのおすすめ
    誰かの妊娠から1歳までに感じたことを読むのは面白い
    十人十色なことだから自分はどう感じるかなーと想像して今から楽しみ
    大人になってからこんなに生活が一変することってなかなかないもんね

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    2026年08月30日
  • 春のこわいもの(新潮文庫)

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    何年か前にも読んでいて、その時は全く楽しめなかったけどまた読みたくなって読み返しました。これはあれだ、コロナ禍と隣り合わせの人間の怖さ?汚さ?がなんとなく散りばめられてる。よくありそうな感じの話。

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    2026年08月29日
  • 黄色い家(上)

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    3.8

    全体のスーリーは鬱屈として辛い人生模様なのだが、面白くて読み進められる。

    主人公の花の辛い境遇や努力しても報われない感じが読んでいても辛いのだが黄美子さんという存在により少し気持ちが楽になる感じが伝わる。

    ただ、こういった境遇の方も世の中にはいると思うとやはり辛い世の中だなと感じる。

    下巻も楽しみ

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    2026年08月27日