川上未映子のレビュー一覧

  • すべて真夜中の恋人たち
    校正のお仕事についてのエッセイ『文にあたる』で紹介されていたこの小説。
    校正のお仕事の女性が主人公。
    校正のお仕事の様子に触れたくて読み始めたのですが、川上さんの美しい文章、繊細な主人公の心の描写、聞こえてくるような心の動き、そんな全てに引き込まれました。
    静かでぐっとくる恋愛小説。
    想像しなかった...続きを読む
  • ラヴレターズ
    作家や俳優などの著名人が、いろいろな相手に対してラブレターを
    書くというコンセプトの作品集。

    ラブレターを出す相手が、必ずしも人ないし生き物とは限らない
    ところが、このラブレター集の面白いところで、
    素直なラブレターもあれば、作家ならではな小説を書いてるような
    ノンフィクションなの?と思うのもあっ...続きを読む
  • 乳と卵
    難しかった。緑子の思春期の葛藤を全体を通して感じられた。男の自分にとっては想像もしたことなかったエプロンの生々しい表現やシーツを洗うシーンが印象的だった。
  • ヘヴン
    暗いなーーと思っていたけれど最後主人公が斜視の手術を終え並木道を見る場面、ぶわーーっと光が差し込んでくるようで綺麗でした。ヘブンってどんな絵なんだろう
  • すべて真夜中の恋人たち
    言葉の使い方というか組み合わせが好きだった。普段、心の中で感じても言葉にできない、言い表せない、気持ちが言語化されてる気がして、すごいなと思った。主人公が感じていた気持ちと全く同じ気持ちになったことはないのかもしれないけど、でもなんとなく分かる、の繰り返しだった。でもこれも聖が言ってた「何かにたいし...続きを読む
  • 夏物語
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    大阪の下町で生まれ小説家を目指し上京した夏子。38歳の頃、自分の子どもに会いたいと思い始める。子どもを産むこと、持つことへの周囲の様々な声。そんな中、精子提供で生まれ、本当の父を探す逢沢と出会い心を寄せていく。生命の意味をめぐる真摯...続きを読む
  • すべて真夜中の恋人たち
    川上未映子さん、続けて三冊読破です。
    この独特な言い回し、痛かったり、フッと笑ってしまったり、考えてしまったり、すっかりハマってしまった(笑)

  • すべて真夜中の恋人たち
    私は何かを選択できていない。と嘆いていた冬子が部屋の片付けをしている時、典子のセーターは段ボールにつめたのに対して、聖から貰った洋服たちはタンスに閉まっていく描写が良かった。冬子自身が気付いて無いだけで、人生のあらゆる選択をしているのだなと。
  • ラヴレターズ
    大御所によるラブレターのアンソロジー。失恋した時におすすめしたい本。

    俵万智さん、吉本ばななさん、壇蜜さんが特に響いた。『心に墓を建てる』という表現や、吉本さんの清らかな恋愛の瑞々しさも響いた。
  • 愛の夢とか
    限りなくリアルに近いファンタジー。面白かった。
    やっぱりこの方の文章はすごく美しくて、大好きだなと思った。

    十三月の怪談、時子視点の終盤でどんどん平仮名が多くなっていくのがおもしろかった。それだけ認知とか感覚とか意識が遠のいて、揺らいでいってたのかな。多分時子が死後見ていた世界は幻想で、それは潤一...続きを読む
  • きみは赤ちゃん
    2021.12.24
    子どもが欲しいと思っている男女、全員この本を履修すべき!

    “人生は悲しくてつらいことのほうが多いのだもの。だったら。生まれてこなければいいのじゃないだろうか。生まれなければなにもかもが、そもそも生まれようもないのだもの。そんなふうに子どもの頃から思ってきた。だけど、わたしはい...続きを読む
  • 乳と卵
    読みづらい。
    改行が圧倒的に少ない。標準語圏に属しているからなのか、関西弁の台詞が難しい。更に言うと、海外の訳された小説を読んでいるかのようで、とある内容に対して贅肉のように表現が多く、何が言いたいのか、何が重要な点なのかが分かりづらい。

    文学としては正しいかもしれない。
    端的に読める小説を求めて...続きを読む
  • あこがれ(新潮文庫)
    『六年間』という期間を区切った場合に、あなたはどの時代のことを思うでしょうか?

    私たちの人生は一日一日の積み重ねが一週間、一ヶ月、そして一年という一つのまとまりとして積み重なっていきます。昨日と今日、そして明日と考える中にそこに大きな切れ目というものは本来的にはないはずです。しかし、実際には入学...続きを読む
  • きみは赤ちゃん
    妊娠、出産、育児の大変さは人それぞれなんだな、と思う。読みながらすごく共感する部分もあるし「そうでもないなぁ」と思う部分もある。でも、みんな大変。
    この本を読んだ今はまさに初めての育児に右往左往しているところ。日々の中で、嬉しくて幸せで、でもうまく飲み込めなくて、ふんわりとそこにいた気持ちが、本の中...続きを読む
  • 乳と卵
     語り口もちょっとした描写や表現も今まで読んだことのない独特なものだったが、細かいところにリアリティがあり面白かった。
     終始語り手視点で、巻子と緑子親子が東京に来てから帰るまでの様子が描かれるが、所々に唐突に挟まれる緑子の手記が、語り手視点から見た緑子のやや理解し難い様子の理由となるものを少しずつ...続きを読む
  • 乳と卵
    「ヘヴン」が大好きだったので、川上さん2冊目に本著を読みました。
    ずっと面白くないな〜とページを巡っていたけど、最後の卵のくだりが良すぎたので、ああああ〜〜〜!という感じでした。
    同じくらいその次の”あなたたちの恋愛は瀕死”も面白くて(いやむしろこっちの方が面白くて)、本屋とデパコス見てる空間の対比...続きを読む
  • きみは赤ちゃん
    私は今妊娠9ヶ月でこれから出産だけども
    あらゆる場面を先に体験し、詳しく教えてくれたこの本に感謝しています。

    前向きに頑張ります
  • 夏物語
    現在、子供の出産に対して消極的な人たちがいるというニュースを度々見かけるが、同様に出産の多様性というものも大きく取り沙汰されているように感じる。その中で女性がどういう選択をし、どう生きていくのかということを深く深くまで考えたこの本はきっと多くの女性を救う一冊になっていると思うし、詩的な表現や様々な側...続きを読む
  • 夏物語
    今まで生まれてくることについて考えたことがなかったけれども、『生まれてくることを本人は望んでいない』は真理であると思う。それだけにこれはエゴであるけど、生まれてきた子どもには生まれてきて良かったと思ってもらえるような人生を歩んでほしいし、自分自身もそうでありたいと考えさせられる本でした。
  • 夏物語
    小説家を目指す30代後半のフリーター女性が主人公。
    あることから精子提供で子どもを産むことに関心を持ち、調べ始めるうちに子どもを産むこと自体に対しての考え方が変わっていく。色々な人の意見や話を聞いて、主人公は結論を出す。

    子どもを産んで育てるとはどういうことか、精子提供という手段を通して問いかけて...続きを読む