川上未映子のレビュー一覧

  • 夏物語

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    ネタバレ

    第一部は緑子の思春期特有のうまく伝えられない気持ちが繊細に描かれていてとても面白かったです。緑子が夏子と関わることによって様々なことに気がついていくのと同時に夏子も様々なことを感じていくという構成がよかったです。最後に緑子と巻子で卵を自分の頭にぶつけてお互いに伝え合うというのがシュールでしたがこの作品の中で最もインパクトのあるシーンであるのは間違いなく、非常に面白い体験をしました。第二部は夏子がAIDによって自分の子供と出会おうとする中で逢沢をはじめとした様々な人物と出会い、生命とはなにか、結婚とは何か、独りとはなにかを感じ取っていくというストーリーでした。登場人物それぞれが色々な感情や背景を抱えていてとても面白かったです。好きなキャラクターは遊佐です。男という生き物に対してはひとつの信頼も置いておらず世間を冷笑しているように感じられながらも娘のくらや夏子のこととなると真剣に考えて好きなように生きるように手助けするという性格がよかったです。また一番好きなシーンは夏子と善百合子が夜の公園で話すシーンです。善百合子の生まれたことこそが最大の不幸であり、母親たちのエゴで辛いことばかりが待っているこの世の中に子供を生み出しているという主張を聞き、一見支離滅裂に感じながらもハッとした気持ちになりました。他にも紺野や仙川といった魅力的なキャラクターが多く登場して夏子が迷いながらも成長するというのがよかったです。

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    2026年08月31日
  • きみは赤ちゃん

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    産後に読書再開しようと思い、Geminiで育児書を選書された中の一冊。

    川上未映子さんの著書自体が初めてで「めっさ重たい」「むっさいかつい」「値段なんかこれもげっさ高い」などの副詞が新鮮で面白かった。

    あとがきにも書かれているけれど妊娠、出産、育児の話題はとても個人的なもの且つとってもデリケート。この感想を投稿する文章を考えるだけでも書いては消してを繰り返し、いつもの倍以上の時間がかかってしまった。

    育児に関して一番刺さったフレーズは
    「世の中の思い込みから解放されて、自分たちにとっていいあんばいのスタンスをみつけてゆかねばならない」

    マタニティブルーや産後クライシスの部分は読むのが苦しい人もいると思うくらい重たいけれど、個人的な体験や感情を晒すこと自体勇気のいることで、貴重な体験を読ませてもらった感謝の気持ちが生まれた。

    次は小説を読んでみたいと思う素敵なエッセイでした

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    2026年08月31日
  • 黄色い家(下)

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    4.3

    凄く重厚感のある感じの本だった。。

    薄らと不幸で辛い人生が続く中でも一時的にある幸せの瞬間がとても輝いてみえた。

    でも、辛いなーって感じです。
    こんな方もいるんだよなーと思うと悲しい。

    凄い本だった。

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    2026年08月30日
  • 黄色い家(上)

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    親から守られなかった子どもが、大人としての役割を背負い、自力で生きていく物語。

    まだ上巻なので何とも言えないけど、読んでいてドストエフスキーと吉田修一を混ぜたような雰囲気を感じた。

    生きていくために、やってはいけないことをやっている。でも、それは正しくないけれど、間違っているとも言い切れない。そんな矛盾の中で、「私の人生ってなんなんだろう」と問いかける感じは、ドストエフスキーを思わせる。

    そして、「血のつながりって何なんだ」というところは、吉田修一の小説を思い出した。

    最後の母親との再会の後の花の場面では、瞼の奥が熱くなった。下巻でどう狂うのか、なんだか怖い。でも、早く読みたい。

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    2026年08月30日
  • きみは赤ちゃん

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    こめのおすすめ
    誰かの妊娠から1歳までに感じたことを読むのは面白い
    十人十色なことだから自分はどう感じるかなーと想像して今から楽しみ
    大人になってからこんなに生活が一変することってなかなかないもんね

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    2026年08月30日
  • 春のこわいもの(新潮文庫)

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    何年か前にも読んでいて、その時は全く楽しめなかったけどまた読みたくなって読み返しました。これはあれだ、コロナ禍と隣り合わせの人間の怖さ?汚さ?がなんとなく散りばめられてる。よくありそうな感じの話。

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    2026年08月29日
  • 黄色い家(上)

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    3.8

    全体のスーリーは鬱屈として辛い人生模様なのだが、面白くて読み進められる。

    主人公の花の辛い境遇や努力しても報われない感じが読んでいても辛いのだが黄美子さんという存在により少し気持ちが楽になる感じが伝わる。

    ただ、こういった境遇の方も世の中にはいると思うとやはり辛い世の中だなと感じる。

    下巻も楽しみ

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    2026年08月27日
  • 夏物語

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    タイトルからして夏の物語なのかと思いきや、鬱々した描写が続き、何の物語を読んでいるかわからなくなり何度か読むのを諦めそうになった。
    後半は色々考えさせられた。
    逢沢さんとの会話が良い。

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    2026年08月24日
  • 黄色い家(下)

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    「幸せな人は考えない人」作中に出てくるこの言葉で、読み終わってからも主人公をはじめとする人たちがそうであったか考えてしまった。後半の主人公の感情が動くスピード感が凄まじかったし苦しかった。

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    2026年08月22日
  • すべて真夜中の恋人たち

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    「真夜中は、なぜこんなにもきれいなんだろうと思う」から始まる綺麗な恋愛小説。

    真夜中の雨でぼやけた光みたいな繊細な瞬きがよく似合う不器用で素朴な主人公冬子34歳の生き方が愛おしい。
    いちいち人と話したり出かけるたびに、酒かちこむアル中具合も人間らしい脆さがみえる。
    周りの女友達たちはみんなフレネミー要素があったり、劣等感を感じさせる真反対の人ばかりで、冬子はきっと毎日心が疲れるだろうなぁって何度も読んでて苦しくなった。

    でも、冬子みたいな女がむかつく聖の気持ちも少しわかるので、2人の女同士の言い合いは共感と反省で胸が少し抉られた。
    意見をはっきりという人=きつい・我が強い・自己中心的と思われがちだけど
    自分の本心を出さないずるい人の代わりに悪者になってあげてるのにって思うことある。
    主体性のない人間に、思った事はハッキリ言えばいいのに、って思ってしまう事がある。
    でも人には人の性格があって、感じ方があって、ペースがあって、だから何かを押し付けるのって違うよねって反省できた。

    それにしても、川上未映子は「乳と卵」だけ読んで女版村上春樹のような印象を受けてたんだけど
    この作品は全然印象が違かったな。

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    2026年08月22日
  • すべて真夜中の恋人たち

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    仕事だけで、毎日が淡々と過ぎていってしまう、独身女性の物語。
    人がたくさんいる場所が苦手で、話をすることも苦手。
    そんな女性の恋物語。

    世の中きっとそういう人だらけだと思う。
    だからこそ共感を呼ぶのだろう。

    自由を手に入れたら、その分何かを失うし、それでも、自由でいたい人はいればいいし、安全な現代社会で、少し不自由だけれど淡々と生きるのもいい。
    それは自分で選ぶしかない。

    私は、多分、不自由な安定をこのまま生きるだろう。
    それでも、この主人公のように、恋ではなくても、素敵な自分の物語を紡いでいけるはずだ。

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    2026年08月22日
  • 夏物語

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    言葉は通じるけど、会話はできない。
    うっすら感じていたことをバチッと書いてくれて、この一文を読めただけでも、ありがたい一冊だった。
    作者さんは話の構成の、パターンが他の作品もけっこう似ていると思った。

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    2026年08月22日
  • 夏物語

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    子どもが欲しいというとき、人は何を欲しがっているのだろう。
    遊佐や善の主張、恩田の登場、頭に引っかかったままの「精子提供」というキーワード。
    自分はどうしたいのか。どうしてそう思うのか。
    夏子の心は激しくゆれ動く。
    それぞれの言葉に胸をとんとん叩かれているようで、読んでいるこちらまで問われているような気がした。
    緑子のノートが切なく、蘭子とぶつかり合うシーンでは胸が熱くなる。
    こういう家族がいたというのも、思いの土台のひとつになったんじゃないだろうか。

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    2026年08月21日
  • ヘヴン

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    ネタバレ

    結構好きだった。
    不気味で救いようのない雰囲気に引き込まれた。
    コジマは 辛いことを受け入れて乗り越えることを美徳としていたが、それを主人公に押し付けて勝手に期待をし、考えが違うとわかると泣いて なにもわかっていないと言い放つ姿に重さを感じた。
    理不尽な苦しみに耐える必要はないと思ったし、私はコジマの考えには共感できなかった。
    主人公は百瀬と向き合おうとしたり、現状をどうにかしたいと思う気持ちがあったと思うが、コジマは 黙って受け入れることがアイツらに抵抗する唯一の手段だと考えていた。
    読んでいる時、二人が報われて欲しいと思ったが、二人の考えはかなり違った。
    主人公は、コジマに共感していなかったように思える。

    斜視なことや、身体的特徴などが直接いじめに関係しているのではなく、全部たまたま タイミングで何もかも起こっているという、百瀬の考えに最も共感した。

    コジマがいるけど斜視のままロンパリとバカにされひどいいじめがある世界。
    コジマがいなくなるけれど何もかもから解放される世界。
    どっちがヘヴンなのだろうか

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    2026年08月21日
  • ヘヴン

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    ネタバレ

    文章が綺麗で本当に好きな感じだったんだけども、終始しんどい。逃げればいいと思ったし、酷すぎる虐めに耐える行為に意味あることだと思えない。でもコジマにとってはそれが意味あることでそれを乗り越えてこそ、という考え方で…。
    もうコジマの思想は恐ろしい程に確立していて、心は壊れてしまったのだと。2人が普通の友達になれればどれだけ良かったことか……。
    今後コジマが大人になって、今までの習慣や考え方は意味なかったんだって思う時は来るのかな……それともずっと縛られて生きていくのだろうか。
    主人公は、たくさん苦しんだ分、新しい目で色んなもの見て友達つくって恋人つくって普通に幸せに過ごしてほしいよ。コジマといても幸せになれないと思うよ。もう狂ってしまったからね。
    そして、百瀬の透かした感じのニヒリズム、死ぬほど腹たったけどまあ気持ちもわかる。結局この非情な世の中、やられっぱなしになる理由もないしね。その状況に置かれてるのも自分の責任、そんな世の中ですからね。まぁ、仕方ねーーーーー

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    2026年08月19日
  • すべて真夜中の恋人たち

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    校閲を生業とし、人と関わらず、面倒なことから逃げ、流されるままに生きてきた冬子。周りの人から「君を見てるとイライラする」と言われてしまう。初めて自分の意思で、想いを伝える。心が動いて、好きという気持ちを実感して…三束さんはついていた嘘は職業だけではなかったんじゃないかな。冬子の純粋な愛に応えられない、もう会わないという選択になったのかもと思った

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    2026年08月17日
  • 夏物語

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    女性の物語
    家族、性、生と死、愛がギュッっと詰まった一冊
    生まれてくる子どもって幸せなのか、新しい家族の形、読むたびに捉え方の変化を楽しめそう

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    2026年08月15日
  • 深く、しっかり息をして 川上未映子エッセイ集

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    この方にフェミニズムを語らせたら一流なのではと思うほど、たいていの女性が目をつぶっている部分を鋭く指摘する著者が、とてもかっこいいと思いました。自分自身も無意識に見過ごしていたことに気づかされ、考えさせられました。

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    2026年08月15日
  • すべて真夜中の恋人たち

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    登場人物のちょっとした一言がグサグサ刺さって他人事としては読めなかった。
    周りとどう関わって自分を認識するのか。思うところがたくさんあった

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    2026年08月15日
  • すべて真夜中の恋人たち

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    何も大きな事件とかが起きるわけでもなく、淡々と物語は進んで行く。ただただ美しい文章。映画化どうなるのか気になる。

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    2026年08月14日