川上未映子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレコジマが、いじめの状況は変わらないのにどんどん強い印象に変わっていくのが不気味だった。自分の解釈で世界を捉えて、現実の苦しさになんとか耐えるためか?目を逸らすには、より強く世界に没入しないといけなかったのかもしれない。だから自分に言い聞かせるように、汚れをお父さんを忘れないための「しるし」とか、いじめに対抗しないのは「美しい弱さ」と何度も訴えていたのかもしれない。その様子を主人公がなんだか受け入れられないのは、置いて行かれるという焦り?か、自分もコジマの世界観に取り込まれてしまうという怖さ?とかかなと思った。百瀬は最初の描写から、後で主人公側になる?と思ったけど、違った。不思議な人だったけど、
-
Posted by ブクログ
大阪弁の勢いがとにかく小気味いい。
ほんまに横で喋ってるみたいで、「ああ、こういう女の人いる」と思いながら読んだ。
生理の描写には驚いた。
嫌悪じゃない。経験していることだからわかる。
でも、「そこまで書く?」とは思った。
血も痛みも湿度も、そのまま出してくる。
あけすけ。遠慮なし。
なのに不思議と、核心はするっとかわされている感じもある。
あんなに喋っているのに、
本当にいちばん痛いところは、最後まで言葉にしていないような。
むき出しに見えて、どこかでちゃんと守っている。
母になること、ならないこと。
身体を持つこと。
軽口の延長で話しているようでいて、実はものすごく重たい。
読後 -
Posted by ブクログ
ネタバレ2026/06
上巻読み終わった翌日には読み切った。
上巻はレモンが燃えてしまって絶望エンドだったけど、それを上回る絶望が次々と花ちゃんに押し寄せてくる。
頼る人がいない子、頼り方が分からない子、一人で抱えることが正解だと思うしかなかった子。花ちゃんはそれらの気質すべて持っていて、悪循環に陥る。
とにかくもっとちゃんとした大人がそばにいたら「そうじゃないよ」と彼女を救ってあげられるのに、と思った。でも本当に私が彼女のそばにいたら、正しく救ってあげられるんだろうか。正しさって難しい、とあれこれ頭を抱えた。
蘭や桃子は、花ちゃんとは違う。
それは過去の苦労の量や質だけじゃなくて、この先の -
Posted by ブクログ
上巻だけの感想
自分の居場所を確保するために必死に働く花。鋭敏にならざるを得なかった金銭感覚でコツコツと貯金をする。しかし、困難が何度も続く。
花が頑張らなければならない、となる状況に陥るのが見事に描かれている。同居人の黄美子(蘭、桃子も)が金銭感覚に乏しいことは序盤から丁寧に描かれていた。家賃や他の生活費に関しては尽く話が噛み合わないことが残酷なまでに描かれている。
闇バイトの上司(?)に高級焼肉店を奢ってもらったときに「おいしい」という感情よりも強く、こういった店で食事をする機会がないであろう黄美子や母のことを思って泣いてしまう。このシーンで花は本当に優しい子であることが分かる。また -
Posted by ブクログ
・(上巻からの続き)
生活にだらしない母親とそのパートナーにお金を盗まれたことに耐えかねて家を出た花は、母の知人である黄美子に出会う。一緒にスナック経営に乗り出し、「黄色い家」で共同生活しながら生活を立て直していく。その過程で友人も出来、希望が見え始めたところでスナックが火事になってしまう。収入源が絶たれ生活が苦しくなる中、スナックの客経由で、偽造クレジットカードの出し子バイトから犯罪に手を染めていき、次第に同居人との関係も変わっていってしまう
・上巻の生活描写から一転、出し子の詳しい仕組み、各関係者のそれぞれの思惑、犯罪行為に対する良心の呵責を花が次第に感じなくなる詳細な心理描写、金銭をめぐ -
Posted by ブクログ
・ニュースを通じて知人(黄美子)による監禁・障害事件を知った花の人生を通じて、事件に至るまでの過去の経緯が明らかになる
(上巻はまだ過去の描写の途中。下巻を早く読みたい)
・『なぜ日本文学は英米で人気があるのか』の中で川上未映子さんが村上春樹を痛烈に批判している記述があり(「マッチョイムズ、焼き増し」という批判だったかな?確か)、彼女の作品を読まねば!!ということで早速読んでみたけど、これは凄いな、、、
・花が目にする景色、友人との会話、安心/不安/怒り/行き場のない感情含めた描写、そこに漂う空気まで、あまりにも生々しく、花の人生を追体験している様な気持ちになる
・それでいてとてもテンポの良い