川上未映子のレビュー一覧

  • 乳と卵

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    ネタバレ

    私達は生きている限り、自分の体から離れることも自分の思考から逃げることもできない。緑子が体の変化を嫌がるのも、巻子が豊胸手術をしたがるのも、体という檻に閉じ込められた人間の必死の抵抗のように思えた。川上美映子さんの小説を初めて読んだけど、文体が気持ちいい。一つ一つの文が長くてすらすらと流れるように入ってくる。あっという間に読み終わった。

    緑子、ほんまのことって、ほんまのことってね、みんなほんまのことってあると思うでしょ、絶対にものごとには、ほんまのことがあるのやって、みんなそう思うでしょ、でも緑子な、ほんまのことなんてな、ないこともあるねんで、何もないこともあるねんで。(本文より引用)

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    2026年02月02日
  • 黄色い家(下)

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    下巻一気に読みました。
    はじまり方からどんなにひどい家の話かと思ったら…終始切なく、孤独を感じる素晴らしい文学でした。
    切なく苦しい時もあったけれど、どの場面も詩的で美しい文面で、流れるように入ってきました。
    読後感も良いです。

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    2026年02月01日
  • きみは赤ちゃん

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    数年振りに再読。
    前に読んだときはまだ学生だったかなあ。
    今とは違う街に住んでいたなあ。
    仕事を始めて、結婚して、妊娠して。喫茶店でPCに向かって文章を書く夫をたまにちらちら見つつ、どんどん強くなってきた胎動に気を取られながら読んだこのエッセイはまた違う温度で私の中に流れ込んできた。

    帝王切開も母乳育児も、産後クライシスも、この一年で自分が経験することなのかもと思って読むと、このエッセイの解像度は私に恐怖を与えてくる。章を選んで、夫にも読ませよう。せめてこの恐怖の一部でも感じてもらおう。

    学生のときの自分にとって、それはへ〜、そんな感じなんだと読み進められることだったのに。

    でも、たのし

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    2026年01月31日
  • 夏物語

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    「みんな、賭けをしてるようにみえる」
    わたしが、学生の頃から抱いていた違和感を文字にしてもらった気持ちになりました。
    小説を読む理由はこの瞬間の為にあるように思います。
    理由は分かりませんが、同じことを思っている人がいる。自分では言葉にできない感情を文字に起こしてくれる人がいる。
    それを知ったとき、何かに、誰かに、許されたような気持ちになれます。
    この一冊に出逢えてほんとうによかったです。

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    2026年01月30日
  • あこがれ(新潮文庫)

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    ふたつの物語があって、最初のは、小学校4年生の、近所に住む、男の子麦くんと女の子ヘガティーのお話。次のお話では、2人が6年生になっている。


    4年生の麦君は、まだまだ子供で、ヘガティーのほうがしっかり者って感じだけど、6年生の麦くんは、だいぶ思慮深い感じになってて、素敵だ。

    ヘガティーは、徐々に思春期にさしかかって、いろいろに思い悩むんだけど、お父さんには言えないっていうところが、ああ、自分もそうだったなあ、と思った。

    大人になってしまうと、泣きたくても、泣けなかったり、誰かに何かを相談したくても、誰にも言えずじまいだったり。なんとか自分の中で折り合いをつけてしまいがちだ。

    この本の2

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    2026年01月29日
  • 黄色い家(下)

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    予想以上に面白かったです。誰も頼る人がいない10代の少女が直面するお金に縛られる怖さと生存への不安感。読書中は不安や辛さを抱えたまま読み進めることになりますが、意外に悪くない読後感が凄い。少女を通して語られるスナック経営や出し子犯罪など、ストーリー展開も面白く飽きずに楽しめました。
    読後に著者インタビュー動画をみて、現代は実家をでることや結婚や出産をするということが金銭的にとても難しくなっているとコメントされており、まさにおっしゃる通りだと痛感しました。

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    2026年01月25日
  • 黄色い家(上)

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    貧しさの中で育った少女の視点から一人称で語られる物語。少女の心理描写や少女から見た状況描写が流れるように記述され、読者は少女と同化することで物語に強いリアリティを感じることができます。面白い。レビュー評価が軒並み高いのも頷けます。下巻も楽しみです。

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    2026年01月25日
  • すべて真夜中の恋人たち

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    いや〜、めっっっちゃ良かった。2時間弱で一気読みしちゃった。この特になにか起こるわけでもなく、淡々と物語が進んでいく感じ、良い。エッセイもだったけど、本当に文章が綺麗で読みやすい。これこそ文体が好みなのかもしれない。それかこの本が読みやすいから?冬子には幸せになってもらいたいわ。三束さんとのやりとりに静謐さがあって良かった。

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    2026年01月24日
  • 黄色い家(下)

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    金 かね カネ … 世の中カネが全て 
     NO money NO life 事実か真実か現実か

    お金について考えざるおえない物語
    養老孟司先生がどこかの本で「誰にでもお金は稼げる。問題なのは使い方で、お金の使い方には教養がいる、どうしよもない成金がいるのはそれが原因」と言っていたのを思い出した作品だった

    川上末映子の持つポエジーはかなり抑えられており、ポエジーは色に託されているように感じた
    黄色に様々な意味が込められ、様々な場面で効果的に使われていた
    自分自身は黄色にはポジティブなイメージを持っていたのだが(元気、喜び、歓声、ひまわり、エネルギー、太陽など)この作品を読むと、黄色の持つ魔

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    2026年01月25日
  • 黄色い家(下)

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    「黄色い家」を読んで、
    依存ってこういうことなんだと府に落ちました。

    お金や人への依存であったり、
    そして共依存。
    気づいたときには周りが見えなくなっている。
    この本には、人間にしかない、人間らしい弱さだったり醜さ、そして切実さがたくさん詰まっていました。

    お金をテーマにした小説を初めて読みましたが
    難しさは全くなく、むしろ現実として迫ってくる。
    生まれつき貧しい人、貧しい国に生まれた人、
    反対に、生まれながらに恵まれている人。
    もし神様がいるのだとしたら、なんて残酷なんだろう、と何度も考えさせられた。

    喜美子さんは物語を通して何度も登場するが、
    不思議な雰囲気をまとったまま、最後まで掴

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    2026年01月23日
  • きみは赤ちゃん

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    妊娠、出産、育児を経験した人は、絶対泣くと思う。
    このエッセイを読みながら、色々と思い出した。
    妊娠検査薬が陽性になった瞬間、エコーで米粒みたいな赤ちゃんを見た時、心拍が確認出来た日、悪阻が酷くて死にかけた時、でも悪阻が軽くなると急に不安になって診察してもらった時…。
    赤ちゃんを授かるのも、お母さんのお腹の中で順調に赤ちゃんが育つことも、母子共に無事に出産を終えることも、全てが奇跡。
    子育てって本当に体力的にも精神的にもやられて、子育てなんて投げ出したいって思うこと、たくさんあるけど、そんな辛くなった時こそ、このエッセイを思い出して、育児を頑張っていこうと思った。
    大切な作品に出会えた。

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    2026年01月22日
  • きみは赤ちゃん

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    いやもう1から10まで一言一句すべてに「うんうんそうだよな…!」と頷きながら読んだ本は初めてでした。それは私がこの本を読み始めた時に妊娠していて、読み終わった今まさに絶賛赤子の育児に四苦八苦しているからだとは思うけど…。
    こんなこと考えてる、感じてるのは私だけかも…というようなことも川上さんも感じていて、母親は孤独と書かれてはいたけども、そう思っていたのは私だけじゃないんだと知れてほっと(?)しました。
    妊娠中&育児中の人には絶対読んで欲しい本。なんならお母さんだけでなくお父さんもマストで読んで欲しい。

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    2026年01月22日
  • 黄色い家(上)

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    暇さえあれば読むくらい魅了された。
    お金とは何だろう。幸せとは何だろう。生まれた時からある程度の人生は決まってしまっているのかと思わされた。
    何かと色々考えさせられる内容だが、読みやすい。最後は自分の人生を掴んでほしいと期待を込めて下巻へ。

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    2026年01月21日
  • 春のこわいもの(新潮文庫)

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    かなり昔に乳と卵を見て好みじゃないと思って以来だけど、これはすごく好き。鼻の話と最後の娘の話が特に。

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    2026年01月19日
  • 夏物語

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    川上未映子さんの本は絶対重くて、絶対読まれへんと思ってたんやけど、なんとなく気になって読んでみることにした

    子どもを産むってことは、眠っている子どもを起こすことや、っていう善さんの語りが印象に残った
    子ども自身が生まれてきたいかどうかとか、未来に生まれる子どもの権利とか、ここ数年で見聞きするようになった

    そんななかで自分は子どもを持ったし、まわりでは不妊で人工授精で授かったいのちもまま聞くようになった
    この世に生み落とされたことって、子どもにとってはどういうことなんか。自分が子どもやったころはただひたすらに大人たちがいつか死ぬってことが怖くてたまらんかった。
    うちの子はどう思うんやろ、せめ

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    2026年01月19日
  • きみは赤ちゃん

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    素晴らしい
    男性こそ読むべき本と思う


    出産を経験した夫婦とは、もともと他人であったふたりが、かけがえのない唯一の他者を迎え入れてさらに完全な他人になっていく、その過程である

    ここが一番恐ろしくて一番印象に残った

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    2026年01月18日
  • ヘヴン

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    いじめられっ子2人のやり取りに魂を感じた。普通になりたい男の子と、それを止める女の子。私がヘヴンの世界にいたら絶対に男の子を支持する。女の子の言い分は狂気じみているが、普通でないことにアイデンティティを感じるのはちょっと分かる。

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    2026年01月18日
  • 黄色い家(上)

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       ものがたり連れていけ

      わたしはお前をしんようした

      ものがたりの好きにすればいい  

      わたしはお前の連れてゆくところへ
      連れて行かれる   ただそれだけ 
      みんな捨ててしまってかまわない
      からだぜんぶをお前にやるよ

      
      いざ、下巻へ

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    2026年01月17日
  • 黄色い家(下)

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    最高!
    カード詐欺を始めてからの展開(つまり下巻の全て)が凄まじくて、「周りの人がおかしい」から「花がおかしい」に変わっていくグラデーションが面白すぎる。ブレイキングバッドみたいだった。

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    2026年01月16日
  • 黄色い家(下)

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    ネタバレ

    下巻は目の離せぬスーパーハードの展開。
    「親」のヴィヴさんはとても人生経験豊かで好きなキャラでしたが…人生上がりの金持ちに見えた彼女もやはり地獄の世界の住人だった…どうなってしまったんだろうか…彼女の貧乏人と金持ちの話、賭場の話はおてもよかったんだけどなぁ…世にはこんな抜け出し難い地獄に住んでいる方々がいるのか…そんなことを思わせられた。主人公の花が転がり落ちるというよりは一気に足下を失って地獄に落ちていくような展開は息を呑まずにいられなかった…でも最後の映水さんの生存や黄美子さんとの再会があって花の心が少し救われる終わり方をしたので読者の私としても最後はホッとした…まさに目が離せない小説だっ

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    2026年01月15日