川上未映子のレビュー一覧
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ネタバレ私達は生きている限り、自分の体から離れることも自分の思考から逃げることもできない。緑子が体の変化を嫌がるのも、巻子が豊胸手術をしたがるのも、体という檻に閉じ込められた人間の必死の抵抗のように思えた。川上美映子さんの小説を初めて読んだけど、文体が気持ちいい。一つ一つの文が長くてすらすらと流れるように入ってくる。あっという間に読み終わった。
緑子、ほんまのことって、ほんまのことってね、みんなほんまのことってあると思うでしょ、絶対にものごとには、ほんまのことがあるのやって、みんなそう思うでしょ、でも緑子な、ほんまのことなんてな、ないこともあるねんで、何もないこともあるねんで。(本文より引用)
う -
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数年振りに再読。
前に読んだときはまだ学生だったかなあ。
今とは違う街に住んでいたなあ。
仕事を始めて、結婚して、妊娠して。喫茶店でPCに向かって文章を書く夫をたまにちらちら見つつ、どんどん強くなってきた胎動に気を取られながら読んだこのエッセイはまた違う温度で私の中に流れ込んできた。
帝王切開も母乳育児も、産後クライシスも、この一年で自分が経験することなのかもと思って読むと、このエッセイの解像度は私に恐怖を与えてくる。章を選んで、夫にも読ませよう。せめてこの恐怖の一部でも感じてもらおう。
学生のときの自分にとって、それはへ〜、そんな感じなんだと読み進められることだったのに。
でも、たのし -
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ふたつの物語があって、最初のは、小学校4年生の、近所に住む、男の子麦くんと女の子ヘガティーのお話。次のお話では、2人が6年生になっている。
4年生の麦君は、まだまだ子供で、ヘガティーのほうがしっかり者って感じだけど、6年生の麦くんは、だいぶ思慮深い感じになってて、素敵だ。
ヘガティーは、徐々に思春期にさしかかって、いろいろに思い悩むんだけど、お父さんには言えないっていうところが、ああ、自分もそうだったなあ、と思った。
大人になってしまうと、泣きたくても、泣けなかったり、誰かに何かを相談したくても、誰にも言えずじまいだったり。なんとか自分の中で折り合いをつけてしまいがちだ。
この本の2 -
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金 かね カネ … 世の中カネが全て
NO money NO life 事実か真実か現実か
お金について考えざるおえない物語
養老孟司先生がどこかの本で「誰にでもお金は稼げる。問題なのは使い方で、お金の使い方には教養がいる、どうしよもない成金がいるのはそれが原因」と言っていたのを思い出した作品だった
川上末映子の持つポエジーはかなり抑えられており、ポエジーは色に託されているように感じた
黄色に様々な意味が込められ、様々な場面で効果的に使われていた
自分自身は黄色にはポジティブなイメージを持っていたのだが(元気、喜び、歓声、ひまわり、エネルギー、太陽など)この作品を読むと、黄色の持つ魔 -
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「黄色い家」を読んで、
依存ってこういうことなんだと府に落ちました。
お金や人への依存であったり、
そして共依存。
気づいたときには周りが見えなくなっている。
この本には、人間にしかない、人間らしい弱さだったり醜さ、そして切実さがたくさん詰まっていました。
お金をテーマにした小説を初めて読みましたが
難しさは全くなく、むしろ現実として迫ってくる。
生まれつき貧しい人、貧しい国に生まれた人、
反対に、生まれながらに恵まれている人。
もし神様がいるのだとしたら、なんて残酷なんだろう、と何度も考えさせられた。
喜美子さんは物語を通して何度も登場するが、
不思議な雰囲気をまとったまま、最後まで掴 -
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妊娠、出産、育児を経験した人は、絶対泣くと思う。
このエッセイを読みながら、色々と思い出した。
妊娠検査薬が陽性になった瞬間、エコーで米粒みたいな赤ちゃんを見た時、心拍が確認出来た日、悪阻が酷くて死にかけた時、でも悪阻が軽くなると急に不安になって診察してもらった時…。
赤ちゃんを授かるのも、お母さんのお腹の中で順調に赤ちゃんが育つことも、母子共に無事に出産を終えることも、全てが奇跡。
子育てって本当に体力的にも精神的にもやられて、子育てなんて投げ出したいって思うこと、たくさんあるけど、そんな辛くなった時こそ、このエッセイを思い出して、育児を頑張っていこうと思った。
大切な作品に出会えた。 -
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川上未映子さんの本は絶対重くて、絶対読まれへんと思ってたんやけど、なんとなく気になって読んでみることにした
子どもを産むってことは、眠っている子どもを起こすことや、っていう善さんの語りが印象に残った
子ども自身が生まれてきたいかどうかとか、未来に生まれる子どもの権利とか、ここ数年で見聞きするようになった
そんななかで自分は子どもを持ったし、まわりでは不妊で人工授精で授かったいのちもまま聞くようになった
この世に生み落とされたことって、子どもにとってはどういうことなんか。自分が子どもやったころはただひたすらに大人たちがいつか死ぬってことが怖くてたまらんかった。
うちの子はどう思うんやろ、せめ -
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ネタバレ下巻は目の離せぬスーパーハードの展開。
「親」のヴィヴさんはとても人生経験豊かで好きなキャラでしたが…人生上がりの金持ちに見えた彼女もやはり地獄の世界の住人だった…どうなってしまったんだろうか…彼女の貧乏人と金持ちの話、賭場の話はおてもよかったんだけどなぁ…世にはこんな抜け出し難い地獄に住んでいる方々がいるのか…そんなことを思わせられた。主人公の花が転がり落ちるというよりは一気に足下を失って地獄に落ちていくような展開は息を呑まずにいられなかった…でも最後の映水さんの生存や黄美子さんとの再会があって花の心が少し救われる終わり方をしたので読者の私としても最後はホッとした…まさに目が離せない小説だっ