川上未映子のレビュー一覧
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ネタバレ初川上未映子だと思っていたけれど、2冊目。
読んでいる間中、柚木麻子の『BUTTER』の表紙を思い浮かべていた。
事件はなかなか起きないと思いながらもあっという間に読み終えたが、最後の火事になるところで理由も原因もわからないのに衝撃を受けた。あまりに衝撃だったのか、寝落ちしたら知り合いの家が火事になって知人が焼け出された夢を見た(笑)。
下巻を買ってくる。
p230
「だいたいのことは、ぜんぶ調子の問題だよ。理由とか、本当はどうとか、そういうの誰もいらないんだよ。調子に乗ってるやつといると、自分までうまくいってるように感じるだろ、気分がよくなって、ぜんぶうまくいってるように思える。みんなそれ -
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ネタバレ15歳の出会いが主人公 花の運命を変えていく。
文化住宅に母と暮らしていた花。
飲み屋で働いていた母は殆ど家におらず
時々母の知り合いや友人がその文化住宅に泊まりに来ていた。
花が15の夏休みに吉川黄美子という女性が来ていて
その出会いが花の運命を変えることになる。
暮らしぶりから貧困生活だったので
お金に対する執着や家を出たいという思いがあった。
黄美子さんと共に、人生を変える覚悟を決めた花。
そこでの人との出会いは、ますます花のお金への執着を加速していく。
より所だった場所を失うまでの上巻。
こんなにもつらい現実があるのか。。。という感想。
何かを得ると なくしてしまう花の運命。。
その -
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_好きなシーン
・"みんな好き勝手言うけど、あなたの話しか聞かないから"
安心感 抱擁感 安堵感 信頼感
・"言いたいことがあれば何でも言って、言いたくないことは言わなくていい。"
普段から母親に感謝の気持ちがあるのに、昔から上手く親とコミュニケーションが取れない自分の申し訳なさと不甲斐なさ、情けなさが込み上げた。
頭の中で感謝と情けなさを伝えたら号泣した。進路のことだって一緒に考えてくれる姿勢にじんわりした。就職を決めないといけない自分の心の柔らかい所がお湯に包まれた感覚になった。
最後のくじら公園のシーンは斜視による幻覚を見てるのか、寝てしま -
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ネタバレ大変な読書だった。嫌な汗をかきそうになる読書。普通に読んでいてつらかった。一気呵成に読んだけれど、それはどちらかというと、こんな気持ちのままじゃ眠れない、という不快感からの解放を求めていたからだ。どうか救いの展開を、と願ったが、中盤になっても終盤になっても、苛烈ないじめの描写はとどまることはなく、むしろどんどんひどくなっていった。これはフィクションなのに、どうして著者はこんな残酷なことを、とどこかで苛立つ部分もあった。けれどその筆の容赦のなさは、「僕」が自らの手で「ヘヴン」を見るための条件だったのかもしれない。
この小説のテーマの一つが「見る」ということであるのは明らかである。だからこそ著者 -
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思考回路をそのまま写し取ったような文体で、まっすぐ進まない。ああでもない、こうでもない、これかもしれないし違うかもしれない、否定して、また戻って、ぐにゃぐにゃと澱んでいく感じがある。
読点ばかりで、句点が少ない。
区切りが少なく、息切れする感じさえある。正直、読みやすいとは言えない。でも、それがこの作品を引き立てていると思った。
今回、感想を書くのは結構困難であった。ひとまず、自分なりの見解をまとめておく。
本作の中で、巻子の「どうしても豊胸したい」という願望が強く引っかかる。自分のためだと言い切ろうとするけれど、それは本当に自分の欲望なのか、それとも見られることを前提に内面化してきた価値 -
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旦那が「川上未映子の文章おもしろいよ」とおすすめしてくれた本。
豊胸手術を切望する母と筆談する娘、彼らを見守る叔母である主人公。
側から見たら一見毒親にもなりかねない、夜の商売で生計を立てる母親も、娘としては唯一の身内であり、何か自分にはいえない秘密を持っているような相容れない存在であり。
筆談でしかコミュニケーションを取れないのも言葉で傷つけてしまうことを恐れての結果であり、しかしそれがより溝を生み、互いに本音を言えないままにずるずると日々を重ねている。もどかしい。だけど、初潮や子を産むことへの言い知れぬ恐怖を抱いている娘の若すぎる感性では、まともに大人と向き合うには辛すぎる。私自身も気付 -
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確かな表現力とテンポよく読ませる文章で構成された一冊でした。この要素だけでも充分に読んでよかったと思えるのですが、登場人物たちが考える哲学や主人公の逡巡も大変面白かったです。
我々が俗に言うところの「ちょっとヤバい(考え方を持った)人」って、まさにコジマのように自分のなかで成立している論理を、特に強く真だと思い込んでしまうところがあるのだと思います。
その点主人公は、コジマだけでなく、血は繋がっていないけれども自分の側で目線を合わせてくれる母親や、いじめの加害者側である百瀬とも自ら話し合い、その時その時で揺らいでいくだけの強さや環境が整っていたのが印象的でした。
とはいえ、頭ではそんなふう