川上未映子のレビュー一覧

  • 乳と卵

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    大阪弁のリズムが心地よくて1ページの文字量の多さのわりに余計な言葉がない。色々とはっきりした答えは示されずに曖昧さが残る作品だけど、その曖昧さが良かった。

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    2025年12月09日
  • 夏物語

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    正直中盤ごろまで主人公、夏子の心の語りの多さにうんざりしてしまう時もあった(彼女が小説家なので仕方ないのだが…)些細なエピソードや会話が案外最後で繋がったので、全部必要だったんだなと納得。卵子凍結は周りでもよく聞くけど精子提供は全然聞かないし、興味深い議題だと思った。夏子の彷徨ったり突っ走ったり爆発するのは何度かドン引きしたが不思議と最後は夏子の今後を応援したくなる、そんなスッキリな読後感が味わえた。

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    2025年12月09日
  • すべて真夜中の恋人たち

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    ネタバレ

    氷が張った湖のような透明感と静けさを感じる作品だった。光に感する描写が多くて綺麗。冬子の所在なさげな感じが読んでいてすごく共感できて、読みながら「頑張れ!」と心の中で応援している自分がいた。

    とにかく冬子と三束さんがどうなるのか気になって、最後の方は一気に読み進めてしまいちょっと寝不足気味に笑
    個人的には「そうかぁ…」と残念な結末ではあるけど、何も自分で選んでこなかった自覚のある冬子が初めて選んだものが、三束さんだったんだと思うと胸が熱くなる。きっと冬子にとっては忘れられない、意味のある出来事になるんだろう。
    それにしても、聖さん好きだなぁ。

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    2025年12月07日
  • すべて真夜中の恋人たち

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    読み終わった時は正直ピンと来ておらず、綺麗な文章を編まれてるな、程度の感想しか残らなかった。
    しかしそんな訳はないと思い、ネット上の考察を拝見して、点と点が繋がった感覚が強く残った。
    人は選ぶ気はするが、メッセージ性が強く、良い本だなと思った。

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    2025年12月06日
  • 夏物語

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    650ページもあるし、一ページ一ページ、なんというかな、詩情に溢れる文章が連なっているので、それらを味わっているとなかなか読み進まなかった。
    主人公には、まあ性別も違うし、味方にはなれなかったという感じだけれど、この先頑張って子育てしてくださいと素直に思えた。

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    2025年12月06日
  • ヘヴン

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    ネタバレ

     この作品における「いじめ」は、テーマというより一つのモチーフとして扱われているように感じた。いじめが許されないのは当然だが、作者が描こうとしたのは、卑劣で非情な環境に置かれた人間がどのように生き延びようとするのかという、もっと根源的な部分だったのではないかと思う。とはいえ、凄惨ないじめの描写はあまりに辛く、一語一句を丁寧に追うことはできなかった。

     コジマが父との繋がりを絶やすまいとして風呂に入らず、服も洗わない行為が周りに理解されることはない。しかし中学生の少女にとってそれは、理屈を超えた、自分らしく生きようとする精一杯の自己主張なのではないだろうか。

     また、百瀬の無慈悲で過度に冷笑

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    2025年12月05日
  • きみは赤ちゃん

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    自分の妊娠をきっかけに読み始めたけど、内容が濃くなかなか進まない。笑 結局正期産になってしまった。産後クライシスの場面では、さすがの語彙力で女性の脳内ではこういうことが起こるんだなあと、言語化されていることでとても勉強になった。クスッと笑えるところも多かった。ぜひ、世の中のパパになる人にも読んでいただきたい!!
    産後に読むとまた違った気持ちで読めるのかもしれない。とにかくいまは、赤ちゃんに会うのがより楽しみになった。

    ーーー誕生日におめでとうっていうのはきっと、この1年、無事にみんなが一緒に生きることができたっていうことに対するおめでとうで、それはほんとうにすごいことなのだと、そういうかもし

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    2025年12月01日
  • 夏物語

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    ネタバレ

    たしかに全ての生き物は生まれることを選べないのかもしれない、と思う。
    「生まれたことを肯定したら、わたしはもう一日も、生きていけない」という善の言葉に、引き裂かれたような気持ちになった。

    生きていくことととはなんなのか、間違うことはどこまで許されるのか、生まれてくることはなんなのか、全部分からないけれど、自分自身の人生をなぞらえながら考えを巡らさずにはいられない小説。

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    2025年11月26日
  • すべて真夜中の恋人たち

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    心の中のモヤモヤしたもの、前向きになったかと思えば、すぐに萎んでしまうような、気持ちの揺れ等、冬子や聖の気持ちの迷いが、細やかに表現されている。

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    2025年11月23日
  • すべて真夜中の恋人たち

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    ネタバレ

    聖の言葉が、特に終盤の私との会話の中の言葉が自分に刺さりまくった。安全圏を保とうとすることで、周りへしわ寄せが行く、とまでは思わないけど、自己完結型の人間は社会の中で害がないようである存在だと感じた。
    最後の場面で、私が0から1にする行動を起こす。それは、自分から何も生み出そうとしない本人にとっては大きな変革である。その原動力は成就しなかった恋。
    恋愛感情をこれからも持ち続けたいと思った

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    2025年11月25日
  • 深く、しっかり息をして 川上未映子エッセイ集

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    川上未映子さんの文章を初めて読んだけど、こちらに語りかけてくれているような少し口語的なところがすごく心地よかった。
    ひとつひとつは短くて軽やかなんだけど、女性に関する社会の問題提起とか、言葉や考えることの大切さとか、今の自分に刺さる話が多かった。
    なんとなく価値観というか感性が似ているのかも…と恐縮ながら思った。別れるとき思わず泣きそうになってしまう人がいるよね、とか、あ〜〜わかるぅ〜〜となった。
    深く息をするのが大事、は私も経験があって、なんだか私がこれから経験したり考えたりすることを先に経験して教えてくれる女性の先輩のような、そんな存在になりそう。

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    2025年11月17日
  • すべて真夜中の恋人たち

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    ネタバレ

    映画化するの知らなかった()
    主人公を応援するつもりはない(なんならお酒で失敗したことを思い出して辛くなる)けれど、一歩踏み出した人が感じる世界が確実に拓けていく様子(文中で「やらない後悔の方が大きいのはおかしい」旨まで言ってたのに……。)はただ綺麗なものだと思った。
    踏み出した一歩目が上手く行かなかったけど、なんやかんやで踏み込んでくれる友人を得て、自分の好きなものを文字にして自分の外に出せているのから、ハッピーエンドだと思う。

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    2025年11月14日
  • 乳と卵

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    夏物語と重複している内容。乳首の色にこだわる異常な姉。豊胸手術にとらわれることで、生きる意味を見出している状態。精神障害だろうな、と思いつつ進んでいく物語の日常に圧倒された。

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    2025年11月09日
  • すべて真夜中の恋人たち

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    夏物語に次いで2冊目
    やはり川上さんの文章が好き
    不器用な主人公の心模様が、痛いくらいまっすぐな感情がささる
    映画楽しみ 浅野さんはワイルドすぎないか?と思ってたけど光について話してるところ想像したらいいかも
    p245 好き

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    2025年11月09日
  • ヘヴン

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    ネタバレ

    僕が百瀬の言ってることをなかなか理解できない、受け入れたくないみたいな感情の描写がリアルでよかった。

    「権利があるから、人ってなにかするわけじゃないだろ。したいからするんだろ」

    「欲求が生まれた時点では良いも悪いもない。そして彼らにはその欲求を満たすだけの状況がたまたまあった」

    「自分が思うことと世界のあいだにはそもそも関係がないんだよ。それぞれの価値観のなかにお互いで引きずりこみあって、それぞれがそれぞれで完結してるだけなんだよ」

    権利とか人の気持ち(罪悪感)で善悪を判断する僕、そういった人それぞれの都合に意味づけするのは弱いからであり、世界はシンプルな仕組みでできているしそこに善悪

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    2025年11月09日
  • すべて真夜中の恋人たち

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    すごく不器用なのに、時々すごく大胆な事を言ったり行動したりする冬子さん。

    辛そうな人生を歩んでいるように見えるけど、彼女なりの人生を歩んでいる。

    基準とか価値観とか、私は私なりでいいのだと思えた。

    冬子さんの37年間。この先も読んでみたい。

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    2025年11月08日
  • 夏物語

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    途中の比喩表現やら情景描写やらが複雑でぽかーんでしたが、同じ女性として、なるほど、と思うところも多かったので★4つ。

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    2025年11月01日
  • 夏物語

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    題材とかメッセージ性とかストリートがどうとかの前に、文章がいいんです。
    的なことを、編集者が主人公に言っている場面がある。

    そうなんだよな。
    文章が好きでその作家さんを読むんだよ。
    正直、ストーリー、メッセージ性は別の話。
    読んでいると、なんだか落ち着く、でもワクワクする文章に出会えると嬉しくなる。

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    2025年10月30日
  • ヘヴン

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    平易でリズム感もあるとても読みやすい文体で、あっという間に読めました。10代の人達に読んでほしい。内面の葛藤や苦悩と世界の理不尽さ。エンタメ小説とは一線を画す小説でした。

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    2025年10月26日
  • ヘヴン

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    苦しい作品……苦しい!

    救いの物語に進んでいくのかと思えば,どんなに踠いても逃げ出せない現実に収斂されていく生き地獄.
    感想すら,うまく出てこない…….

    いじめられる側の理屈は,感情的に「分かりやすい」.
    でも,いじめる側の圧倒的な「屁理屈」は,「分かりたくないけど,分からされてしまう」.

    「善悪とか関係なく,やりたい事をやるか,やらないか,それだけ.
    その時,それが実行できる環境があるか無いか,それだけ,シンプル」――

    きっと,現実世界でもひどいいじめをする人たちの心理って,そんなものなのかもしれない.
    「いじめているつもりは無かった」って,言い訳でも何でもなくて,本当にそう思ってい

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    2025年10月25日