川上未映子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「真夜中は、なぜこんなにもきれいなんだろうと思う」から始まる綺麗な恋愛小説。
真夜中の雨でぼやけた光みたいな繊細な瞬きがよく似合う不器用で素朴な主人公冬子34歳の生き方が愛おしい。
いちいち人と話したり出かけるたびに、酒かちこむアル中具合も人間らしい脆さがみえる。
周りの女友達たちはみんなフレネミー要素があったり、劣等感を感じさせる真反対の人ばかりで、冬子はきっと毎日心が疲れるだろうなぁって何度も読んでて苦しくなった。
でも、冬子みたいな女がむかつく聖の気持ちも少しわかるので、2人の女同士の言い合いは共感と反省で胸が少し抉られた。
意見をはっきりという人=きつい・我が強い・自己中心的と思われがちだけど
自分の本心を出さないずるい人の代わりに悪者になってあげてるのにって思うことある。
主体性のない人間に、思った事はハッキリ言えばいいのに、って思ってしまう事がある。
でも人には人の性格があって、感じ方があって、ペースがあって、だから何かを押し付けるのって違うよねって反省できた。
それにしても、川上未映子は「乳と卵」だけ読んで女版村上春樹のような印象を受けてたんだけど
この作品は全然印象が違かったな。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ結構好きだった。
不気味で救いようのない雰囲気に引き込まれた。
コジマは 辛いことを受け入れて乗り越えることを美徳としていたが、それを主人公に押し付けて勝手に期待をし、考えが違うとわかると泣いて なにもわかっていないと言い放つ姿に重さを感じた。
理不尽な苦しみに耐える必要はないと思ったし、私はコジマの考えには共感できなかった。
主人公は百瀬と向き合おうとしたり、現状をどうにかしたいと思う気持ちがあったと思うが、コジマは 黙って受け入れることがアイツらに抵抗する唯一の手段だと考えていた。
読んでいる時、二人が報われて欲しいと思ったが、二人の考えはかなり違った。
主人公は、コジマに共感していなかったように思える。
斜視なことや、身体的特徴などが直接いじめに関係しているのではなく、全部たまたま タイミングで何もかも起こっているという、百瀬の考えに最も共感した。
コジマがいるけど斜視のままロンパリとバカにされひどいいじめがある世界。
コジマがいなくなるけれど何もかもから解放される世界。
どっちがヘヴンなのだろうか -
Posted by ブクログ
ネタバレ文章が綺麗で本当に好きな感じだったんだけども、終始しんどい。逃げればいいと思ったし、酷すぎる虐めに耐える行為に意味あることだと思えない。でもコジマにとってはそれが意味あることでそれを乗り越えてこそ、という考え方で…。
もうコジマの思想は恐ろしい程に確立していて、心は壊れてしまったのだと。2人が普通の友達になれればどれだけ良かったことか……。
今後コジマが大人になって、今までの習慣や考え方は意味なかったんだって思う時は来るのかな……それともずっと縛られて生きていくのだろうか。
主人公は、たくさん苦しんだ分、新しい目で色んなもの見て友達つくって恋人つくって普通に幸せに過ごしてほしいよ。コジマといても幸せになれないと思うよ。もう狂ってしまったからね。
そして、百瀬の透かした感じのニヒリズム、死ぬほど腹たったけどまあ気持ちもわかる。結局この非情な世の中、やられっぱなしになる理由もないしね。その状況に置かれてるのも自分の責任、そんな世の中ですからね。まぁ、仕方ねーーーーー -
Posted by ブクログ
作家・川上未映子さんの出産・育児エッセイ。妊娠発覚から1歳になるまでを赤裸々に綴った一冊。そうそう、そうだった!と自分の育児を振り返りながらの読書でした。
作家さんだけあって、感性や表現力や着目点などがさすがです。喜びも大変さも試練も盛りだくさん。感情の振れ幅も半端ない。
振り返れば幸せな時間だったなぁと思うのだけど、日々のあれこれは大変ではあったよね。
妊娠中のつわりのつらさ、新生児時期の授乳・おしめ替え・寝かしつけのエンドレスループと自分の細切れ睡眠の日々。
その時はこの日々が永遠に続く気がしたけど、赤ちゃんは確実に成長していくのよね。赤ちゃんの時期は案外短い。成長は喜びでありちょっとの寂しさもあり。
そう、子育てはずっと一抹の寂しさと隣り合わせ。子どもはどんどん自分から離れていくからね。喜ばしいことではあるんだけど。
あと産後クライシスの話が興味深かった。今思うとそうだったんだなと。パートナーに対する感情の揺れ。あれはホルモンの影響もあったのかも。
とにかく色々思い出して、新生児の頃のアルバムを引っ張り出したほど。やっぱり今見ると幸せしかないね。
このエッセイを育児まっただ中で読めていたら面白かっただろうなと思いました。