川上未映子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
作家・川上未映子さんの出産・育児エッセイ。妊娠発覚から1歳になるまでを赤裸々に綴った一冊。そうそう、そうだった!と自分の育児を振り返りながらの読書でした。
作家さんだけあって、感性や表現力や着目点などがさすがです。喜びも大変さも試練も盛りだくさん。感情の振れ幅も半端ない。
振り返れば幸せな時間だったなぁと思うのだけど、日々のあれこれは大変ではあったよね。
妊娠中のつわりのつらさ、新生児時期の授乳・おしめ替え・寝かしつけのエンドレスループと自分の細切れ睡眠の日々。
その時はこの日々が永遠に続く気がしたけど、赤ちゃんは確実に成長していくのよね。赤ちゃんの時期は案外短い。成長は喜びでありちょっとの寂しさもあり。
そう、子育てはずっと一抹の寂しさと隣り合わせ。子どもはどんどん自分から離れていくからね。喜ばしいことではあるんだけど。
あと産後クライシスの話が興味深かった。今思うとそうだったんだなと。パートナーに対する感情の揺れ。あれはホルモンの影響もあったのかも。
とにかく色々思い出して、新生児の頃のアルバムを引っ張り出したほど。やっぱり今見ると幸せしかないね。
このエッセイを育児まっただ中で読めていたら面白かっただろうなと思いました。 -
Posted by ブクログ
あえて整理せず、頭の中の思考のログをそのまま反映させたような文章。読みづらいのに読み進めてしまう不思議な魅力があった。
女性としての体を取り戻したいという衝動は、欲求とか下心とかではなく、もう制御の効かない動物としての本能に近いものなのかなと感じた。
あらゆるものに関して「ほんまのこと」は意外と存在していなくて、普段の自分の行動も、大切にしている拘りも、理由づけがされないまま出力されている。
P.S.
どこかの記事で読んだか動画で見たか忘れたが、椎名林檎の作品について
「椎名林檎の本質は女じゃないと理解できない。男がいくら考察を重ねようが研究しようが、女という性の根源の体現者である椎名林檎の作品を男が根元から体感するのは不可能だ(意訳)」
的なことをおっしゃっている方がいた。
『乳と卵』もそういう作品のひとつなのかもしれない。私がいくらこれを読み返そうがどれだけ調べ上げようが、真にこの作品を理解することはできないかもしれない。悔しいけれど。 -
Posted by ブクログ
下巻は上巻よりもあっという間に読めた。
仕事も暮らしも精神もどんどん苦しく、窮屈になる。
人一倍責任感の強い主人公の頭はどんどん黄色に支配されて、おかしくなっていく。
でも汚い手段で手に入れたお金は表の世界では使えないし、一度裏の世界に染まってしまうと、責任感の強い人ほどそこから這い出るのは難しい。
性格が良くても頭を使うのが苦手な人は、性格が悪くて頭を使うのが得意な人に利用されて使い捨てられる。
主人公が、あんなに大切だった黄美子さんや仲間、自分の罪を忘れたのは自分の精神を守るための防衛本能で、この物語に共感できる体験なんて何一つしていないのに、なんだかすごく分かるなあと感じた。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ黄美子さんが結局何なのかがわからなかった。
途中からぼーっとしてる描写が多く、存在感があるようなないような。でも花にとっては大切な必要な存在だったことが終盤の展開からもわかる。
20年後くらいの犯罪の記事から再開し、一緒に来ないか?と言うくらいだから。 花は何とかしてあげたかったのか?そうすることで罪の意識だったりから少しでも解放されたかったのか。
花のキレ具合が面白い。
カード不正などで金を稼ぐ。燃えて無くなってしまった「れもん」をまたやりたいとお金を貯めるが、悪い稼ぎ方だ。それでもお金が必要。
蘭、桃子、琴美、映水
琴美さん魅力的だった。