川上未映子のレビュー一覧
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川上未映子さんの文章を初めて読んだけど、こちらに語りかけてくれているような少し口語的なところがすごく心地よかった。
ひとつひとつは短くて軽やかなんだけど、女性に関する社会の問題提起とか、言葉や考えることの大切さとか、今の自分に刺さる話が多かった。
なんとなく価値観というか感性が似ているのかも…と恐縮ながら思った。別れるとき思わず泣きそうになってしまう人がいるよね、とか、あ〜〜わかるぅ〜〜となった。
深く息をするのが大事、は私も経験があって、なんだか私がこれから経験したり考えたりすることを先に経験して教えてくれる女性の先輩のような、そんな存在になりそう。 -
Posted by ブクログ
川上未映子さんの出産・育児エッセイです。出産編(2013年web連載)「できたら、こうなった!」と産後編(書き下ろし)「生んだら、こうなった!」という構成です。
そういえば、「サッポロ生」のCM「大人エレベーター」で見目麗しい川上さんのお姿発見! 妻夫木さんから「大人とは?」「アイディアが枯渇する恐怖は?」などの質問へ、さらりとカッコよく答える言葉選びに唸ります。本に囲まれた背景もいいです。
男には到底わからない、女性の心とからだの生理的感覚を、実に瑞々しい言葉で紡ぎ読ませてくれます。切実さを一人ボケ・ツッコミに言い換えて笑わせる表現、「さきどりネガティブさ」と自己分析を裏打ちする?よ -
Posted by ブクログ
ネタバレ僕が百瀬の言ってることをなかなか理解できない、受け入れたくないみたいな感情の描写がリアルでよかった。
「権利があるから、人ってなにかするわけじゃないだろ。したいからするんだろ」
「欲求が生まれた時点では良いも悪いもない。そして彼らにはその欲求を満たすだけの状況がたまたまあった」
「自分が思うことと世界のあいだにはそもそも関係がないんだよ。それぞれの価値観のなかにお互いで引きずりこみあって、それぞれがそれぞれで完結してるだけなんだよ」
権利とか人の気持ち(罪悪感)で善悪を判断する僕、そういった人それぞれの都合に意味づけするのは弱いからであり、世界はシンプルな仕組みでできているしそこに善悪 -
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こんなふうに妊娠・出産・育児にまつわる自分の心の機微を言葉にして残せる能力を持っていたら!本当に羨ましいなあ、いいなあという感想。
もうすぐ2歳になる息子を育てる身として、共感もたくさんあったし、もちろん一人一人違う体験なのでこれはなかったなあ、という照らし合わせもあり。でも妊娠期・そして出産してからの1年間を振り返ると確実に私もかなり感情がアップダウンしたり今までの自分であれば何とも思わなかったことが引っかかったりして、あああれって私だけじゃなかったんだ、、、と1年前の自分を慰めてくれるような素敵なエッセイだった。(今もそんな場面が多々ありますが)
つわりが酷かったとき、不思議と私も人に会っ -
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苦しい作品……苦しい!
救いの物語に進んでいくのかと思えば,どんなに踠いても逃げ出せない現実に収斂されていく生き地獄.
感想すら,うまく出てこない…….
いじめられる側の理屈は,感情的に「分かりやすい」.
でも,いじめる側の圧倒的な「屁理屈」は,「分かりたくないけど,分からされてしまう」.
「善悪とか関係なく,やりたい事をやるか,やらないか,それだけ.
その時,それが実行できる環境があるか無いか,それだけ,シンプル」――
きっと,現実世界でもひどいいじめをする人たちの心理って,そんなものなのかもしれない.
「いじめているつもりは無かった」って,言い訳でも何でもなくて,本当にそう思ってい -
Posted by ブクログ
ネタバレとにかく大人の恋愛小説が読みたくて読み始めた。
まず、比喩用言がとても好み。名前のない、文章では見た事のない感情や風景がちゃんと文字になって思い浮かべられた。
内容について
最後、聖の言葉をかき消そうとした(嫌だと思った)のは冬子が社会に溶け込み始めていたからなのか。でも、化粧を自分でできないことや貰い物でおしゃれをするのは10代。結局は最後のデートの時はまだ自分の闇の中だったんだろう。
自分も過去の恋愛を引きずっているけど、思い出す頻度が極端に減っている事、少しずつ思い出せる事が減っている事、いつかこのまま忘れられる気がした。
またこの本の内容を忘れかけた時に読み直したい。