川上未映子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
こんなふうに妊娠・出産・育児にまつわる自分の心の機微を言葉にして残せる能力を持っていたら!本当に羨ましいなあ、いいなあという感想。
もうすぐ2歳になる息子を育てる身として、共感もたくさんあったし、もちろん一人一人違う体験なのでこれはなかったなあ、という照らし合わせもあり。でも妊娠期・そして出産してからの1年間を振り返ると確実に私もかなり感情がアップダウンしたり今までの自分であれば何とも思わなかったことが引っかかったりして、あああれって私だけじゃなかったんだ、、、と1年前の自分を慰めてくれるような素敵なエッセイだった。(今もそんな場面が多々ありますが)
つわりが酷かったとき、不思議と私も人に会っ -
Posted by ブクログ
苦しい作品……苦しい!
救いの物語に進んでいくのかと思えば,どんなに踠いても逃げ出せない現実に収斂されていく生き地獄.
感想すら,うまく出てこない…….
いじめられる側の理屈は,感情的に「分かりやすい」.
でも,いじめる側の圧倒的な「屁理屈」は,「分かりたくないけど,分からされてしまう」.
「善悪とか関係なく,やりたい事をやるか,やらないか,それだけ.
その時,それが実行できる環境があるか無いか,それだけ,シンプル」――
きっと,現実世界でもひどいいじめをする人たちの心理って,そんなものなのかもしれない.
「いじめているつもりは無かった」って,言い訳でも何でもなくて,本当にそう思ってい -
Posted by ブクログ
ネタバレとにかく大人の恋愛小説が読みたくて読み始めた。
まず、比喩用言がとても好み。名前のない、文章では見た事のない感情や風景がちゃんと文字になって思い浮かべられた。
内容について
最後、聖の言葉をかき消そうとした(嫌だと思った)のは冬子が社会に溶け込み始めていたからなのか。でも、化粧を自分でできないことや貰い物でおしゃれをするのは10代。結局は最後のデートの時はまだ自分の闇の中だったんだろう。
自分も過去の恋愛を引きずっているけど、思い出す頻度が極端に減っている事、少しずつ思い出せる事が減っている事、いつかこのまま忘れられる気がした。
またこの本の内容を忘れかけた時に読み直したい。 -
Posted by ブクログ
乳と卵、夏物語からハマって読み続けている川上未映子。これは雑誌Hanakoに掲載されたエッセイ集。何気ない日常や思いなど川上さんの考えに触れる一葉で、私はとても好きでした。片思いしている人の声を聞くみたいな気持ちで読んでいて、知らなかったアートや考え方にも触れられて、様々な事を考えさせられたり、自分の知らなかった気持ちに気付けたりしました。これを読んで彼女のInstagramも見てみたりして、やっぱり好きだなぁと思いました。
デビューした頃は全く興味がなくて読んでみたいとも思わなかったけれど、どこでどんな出会いをするかで自分にとって大切な本や作家になりうる、また書き続けて欲しいと思います。 -
Posted by ブクログ
すごく言葉が多い小説。言葉は言の葉と書くのだけれどだとしたら、秋のイチョウの木のしたに立って、落ち葉を浴び続けているようです。
緑子の独白ノートとでも言うべきものが、すごく切ないというか、胸をギュッとさせる。
もどかしい、やるせない、焦燥感が凝縮されていると思うのです。
私は多感な男子だったので、はっきりとしたことは言えないのですけど。
なので、女性目線だともっと感じるものがあるのではないでしょうか。
男性目線で小説を書く村上龍氏と対称的な女性作家さんと思います。
こうやって、男性、女性と書くのはもはやよろしくないのかとか、思いつつ。
最近、ビールのCMに川上未映子さんがで出ますけど、ス