川上未映子のレビュー一覧
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たけくらべ読み終えたところ。樋口一葉を読んでいなかった(日本文学をなんとなく敬遠していた)自分の愚かさを呪う。なんだこの瑞々しさ。おっとりした、それでいて景色のわかる気持ちの持っていかれる文運びと表現(これは現代語訳の賜物かもしれないが)。あー、、、、とにかく今日読めてよかった。
三四郎読み終えた。NHKの100分de名著の漱石特集を観てうっすら冒頭は知っていたけども、そこからの印象とは違くなっていって。とても良かった。これも繰り返し読みたい。三谷幸喜さん演出の漱石を題材にした演劇、ベッジ・パードン(野村萬斎さん主演)を思い出しつつ、漱石自身の思想はどこかと想いつつ。
青年、終えた。森鷗外 -
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文庫化されたので実に3年ぶりに再読。
どんなこと書いたっけなぁと思ってレビューを読み返そうとしたら何も書いてなかった。そうだそうだ、あまりに濃密で果敢で超絶怒涛のインタビューに圧倒されて言葉が出てこなかったんだ、と思い出した。
インタビュアーとしての川上未映子さんの資質には、ほんとうに驚くべきものがある。
この本をまだ読んでいなかった2016年頃、NHKのSWITCHという番組で「君の名は。」の公開間近だった新海誠監督にインタビューをしている未映子さんを見たことがあって、彼らはイノセンスについての話をしていたのだけど、未映子さんはそのとき新海誠監督が話すイノセンスに「季節は?」ってさらに突っ -
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ラブレターと聞いて。
一番に頭に浮かぶのは好きな異性に対しての手紙。
と、いうことではないんだよって、それを教えてくれる色んな人の恋文を集めた一冊。
相手は好きな人にだけじゃなくて、恋する手紙、って広いんだなーと。
色んな生き方をされた方々の文章は、ステキで繊細で、ほのかに甘く、更に切なくて不思議という、いっぱい違う気持ちにさせられました。
でもでも。
読み終わって一番に思った事は。
メールやSNSなど直接的で一対一で、ある意味まっすぐ直線的に対人関係が可能になってきた最近。
きっと。
ラブレターを「書いて渡す」ということは、どんどんなくなってて、データでは残ることはあっても、物理的 -
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いやはや、これは。
はぁぁあ。
なんとも。
いいっ!
カーソン・マッカラーズの「結婚式のメンバー」のあとがきで、「たけくらべ」を思い出した。だなんて村上さんが書いてたもんだから、気になって気になって文庫をペラペラとめくってみたんですが、原文はもとより、口語訳でさえなんだかちんぷんかんぷんと思ってたところ、池澤夏樹編の日本文学全集で、川上未映子が訳してるって聞いて、そりゃぁ好きだわきっとと思い、このかわいいピンクの全集を手にしました。
それがほんとに私にしっくりピッタリ!だって川上未映子の「乳と卵」も、「先端で、さすはさされるわ…」も面白いねと思ってたから、そりゃもう楽しめたし、好きだったし -
購入済み
内気な人の恋
他のサイトのレビューを読んでいると、
主人公に感情移入出来なくてイライラした、
というのが結構あったが、
それは読者が外向的な性格だからだろう。
内向的で人付き合いが苦手な人なら
必ず共感出来る作品。
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ネタバレ川上さんのエッセー集。タイトルのルーツは、
世界クッキー、なはんて書いてみると「うふふ、世界のほうも、クッキーのほうも、ここで隣り合わせになるなんてことは、夢にも思ってなかったはず」
と、あとがきにあるように、全然別の世界の言葉の出会いと化学反応に文章を書くことの喜びを見出している作者ならでは。
章ごとに、からだのひみつ、ことばのふしぎ、ありがとうございました(文学賞受賞などの際の感謝の言葉)、きせつ、たび、ほんよみ、まいにちいきてる、ときがみえます、と、とても面白いカテゴリー分けになっている。
しょっぱなの「からだのひみつ」から、彼女の独特の感性が爆発。特に、彼女のこだわる「境 -
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淡々とした生活をおくっていた30代の女性に、恋愛感情が芽生えて育っていき、けれども、それが頂点に達したところで、幻想とともに崩れてしまいます。失恋したけれども、友情を得るという救いはある物語です。
崩れてからの傷心ゆえに友情を得るところ、そして、幻想が現実の前に崩れて傷つくところに、わたしたちが生きていく中での不思議さがあるように思います。傷あるがゆえに他人と結びついていけるのですね。
三束さんは奇特なキャラクターでした。無職なのにカルチャーセンターに行っていたのか? あるいは別の仕事があるのかもしれません。いずれにしても、失業の痛手があったからこそ彼は、酔っている女性にずっと対応できたの -
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読み進めるうちに、なんだか現実の感覚がふわふわしてくるような、不思議な没入感に引きずり込まれた。
とにかく、いじめの描写が壮絶。なのに、どこかファンタジーのような、現実離れした静けさを感じるのはなぜだろう。主人公の「僕」が、あまりにひどい現実から自分を切り離して、どこか遠くから自分を眺めているような「俯瞰の視点」のせいかもしれない。
特に印象に残ったのは、百瀬のニヒリズム。
「強い者が弱い者を踏みにじるのは、ただの自然現象だ」という彼の理屈は、残酷だけれど、私たちが目を背けている世界の真理を突きつけてくるようで、否定しきれない怖さがあった。
一方で、唯一の味方だと思っていたコジマの存在。