川上未映子のレビュー一覧

  • ウィステリアと三人の女たち(新潮文庫)

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    短編集。

    比喩と言っていいのか、その美しさとか新鮮さに、
    身も心も持っていかれて幸せな読書だった。

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    2021年06月04日
  • みみずくは黄昏に飛びたつ―川上未映子 訊く/村上春樹 語る―(新潮文庫)

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    読み始めは「???」だったけど、読み終わった時は定期的にやって欲しいと思いました。
    「そんな質問しなくても」とか「失礼じゃない?」って思う質問も慣れてくると(ってなんか変な言い方だけど)面白くなってきた。

    小説を読んでいる感じで、インタビュアーの川上未映子さんに自分がなって村上春樹(ここは敬称略)に聞きなさたいこと聞いているような。
    そんな感じです。

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    2021年05月30日
  • あこがれ(新潮文庫)

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    読み終わった後、ものすごく長いため息がでて、呼吸まで疎かになるほど集中して読んでいたんだと思った。
    圧倒的な筆力だと思う。
    心理描写のリアリティがすごいんだろうか。
    主人公は小学生なので、行動(行動原理)は子供なんだけど、思考のプロセスは大人とかわらない。そんな中で知識や経験が足りなくてうまく立ち回れなかったり、できる事に金銭的な制約があったり。
    子供であることの不自由さを知っていたはずなのに、大人になるにつれてどうしてこんな気持ちを忘れていたのか不思議になる。
    チグリスの話も読みたいなぁ。

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    2021年05月09日
  • あこがれ(新潮文庫)

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    『川上未映子の文体は、ジェットコースターだ。』


    「文体」
    それは読書という行為において、骨みたいなもので、
    いや、五臓六腑みたいなもので、
    つまり、目には見えないけど(気付きにくいということ)核みたいなものだ。
    料理で例えるなら「塩味」といったところだろうか。

    みなさんが本に求めることはたくさんあると思う。
    気になるテーマ、新たな発見、新たな学び、感動、
    大どんでん返し、苦悩、共感、、、
    それらすべては、本の内容(中身、コンテンツ)に関わるものだ。
    もちろん大事だ。実際に僕もほとんどの場合、それらを基準に読む本を選んでいる。

    でも、それらをすべてひっくり返すようなものとして
    「文体」は

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    2021年02月23日
  • 樋口一葉 たけくらべ/夏目漱石/森鴎外

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    たけくらべ読み終えたところ。樋口一葉を読んでいなかった(日本文学をなんとなく敬遠していた)自分の愚かさを呪う。なんだこの瑞々しさ。おっとりした、それでいて景色のわかる気持ちの持っていかれる文運びと表現(これは現代語訳の賜物かもしれないが)。あー、、、、とにかく今日読めてよかった。

    三四郎読み終えた。NHKの100分de名著の漱石特集を観てうっすら冒頭は知っていたけども、そこからの印象とは違くなっていって。とても良かった。これも繰り返し読みたい。三谷幸喜さん演出の漱石を題材にした演劇、ベッジ・パードン(野村萬斎さん主演)を思い出しつつ、漱石自身の思想はどこかと想いつつ。

    青年、終えた。森鷗外

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    2021年02月14日
  • みみずくは黄昏に飛びたつ―川上未映子 訊く/村上春樹 語る―(新潮文庫)

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    村上春樹さんと川上未映子さんのロングインタビューを1冊にまとめた本書
    村上さんの文章に対するひたむきさや川上さんの鋭い質問、読んでいて楽しかったなー。
    あの特徴的な比喩も村上さんの小説を書く上で意識していることで、小説を作る上での裏側を興味深かった。
    たとえ紙がなくなっても人は語り継ぐ
    このセリフいいです。
    次に本を読むときは文体を意識して読んでいきたいな。

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    2021年02月06日
  • みみずくは黄昏に飛びたつ―川上未映子 訊く/村上春樹 語る―(新潮文庫)

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    文庫化されたので実に3年ぶりに再読。
    どんなこと書いたっけなぁと思ってレビューを読み返そうとしたら何も書いてなかった。そうだそうだ、あまりに濃密で果敢で超絶怒涛のインタビューに圧倒されて言葉が出てこなかったんだ、と思い出した。

    インタビュアーとしての川上未映子さんの資質には、ほんとうに驚くべきものがある。
    この本をまだ読んでいなかった2016年頃、NHKのSWITCHという番組で「君の名は。」の公開間近だった新海誠監督にインタビューをしている未映子さんを見たことがあって、彼らはイノセンスについての話をしていたのだけど、未映子さんはそのとき新海誠監督が話すイノセンスに「季節は?」ってさらに突っ

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    2021年07月30日
  • すべてはあの謎にむかって(新潮文庫)

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    面白かった!

    川上未映子さんのエッセイは、全体的に明るく楽しく読めるので好き。
    時々入る大阪弁?川上さん語?みたいなものも、なんだか楽しいし、文章自体はですますなのに、めちゃめちゃフランクな話し言葉がささりこんできたり、ものの喩えがこうなるのね!とぐ、ときてしまう感じがいい。

    エッセイなので1つ1つが短く、ちょこちょこ隙間時間に読むも良し、続けて読み続けて満腹感を得るも良しです。

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    2019年08月18日
  • ラヴレターズ

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    ラブレターと聞いて。
    一番に頭に浮かぶのは好きな異性に対しての手紙。

    と、いうことではないんだよって、それを教えてくれる色んな人の恋文を集めた一冊。
    相手は好きな人にだけじゃなくて、恋する手紙、って広いんだなーと。

    色んな生き方をされた方々の文章は、ステキで繊細で、ほのかに甘く、更に切なくて不思議という、いっぱい違う気持ちにさせられました。

    でもでも。
    読み終わって一番に思った事は。

    メールやSNSなど直接的で一対一で、ある意味まっすぐ直線的に対人関係が可能になってきた最近。

    きっと。
    ラブレターを「書いて渡す」ということは、どんどんなくなってて、データでは残ることはあっても、物理的

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    2019年03月07日
  • 世界クッキー

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    川上未映子は好きです。おっさんの本ばかり読んだあとには新鮮な言葉の響き。

    ・そっか、体こそが人生なのだな
    ・「あの作家にだけは会ってみたかった」と言うときに、満たしたいものは本当のところなんであるのだろうか
    ・本を読むには本を読むしかないのだ

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    2018年11月24日
  • 樋口一葉 たけくらべ/夏目漱石/森鴎外

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    いやはや、これは。
    はぁぁあ。
    なんとも。

    いいっ!

    カーソン・マッカラーズの「結婚式のメンバー」のあとがきで、「たけくらべ」を思い出した。だなんて村上さんが書いてたもんだから、気になって気になって文庫をペラペラとめくってみたんですが、原文はもとより、口語訳でさえなんだかちんぷんかんぷんと思ってたところ、池澤夏樹編の日本文学全集で、川上未映子が訳してるって聞いて、そりゃぁ好きだわきっとと思い、このかわいいピンクの全集を手にしました。
    それがほんとに私にしっくりピッタリ!だって川上未映子の「乳と卵」も、「先端で、さすはさされるわ…」も面白いねと思ってたから、そりゃもう楽しめたし、好きだったし

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    2018年08月19日
  • すべて真夜中の恋人たち

    購入済み

    内気な人の恋

    他のサイトのレビューを読んでいると、    
    主人公に感情移入出来なくてイライラした、
    というのが結構あったが、
    それは読者が外向的な性格だからだろう。
    内向的で人付き合いが苦手な人なら
    必ず共感出来る作品。

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    2017年08月28日
  • 女性作家が選ぶ太宰治

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    読んだことのある作品もそうでない作品もあったけれど全体を通して楽しかった。
    やっぱり太宰治が好きだなぁと。

    女生徒、恥は読んだことのあった作品。好きな作品は何度読んでも楽しめるし、何度だって読みたくなる。
    そのうちまた読みたい。

    古典風、秋風記。今回初めて読んだ作品の中ではこの2篇が私の中でベスト。2度、3度と読み込んでいきたい。

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    2017年07月13日
  • 樋口一葉 たけくらべ/夏目漱石/森鴎外

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    2016/10/22
    たけくらべ

    これまで、樋口一葉がなぜお札に載っているのか不思議だった、という以前に気にもとめてこなかったのだけれど、たけくらべ、面白すぎて一気読み。文体が軽快でリズミカル。読んでて気持ちがいい。そして何より、思春期の登場人物の心の内を表す文章は秀逸で、それはもうかゆくてかゆくてたまらない背中をピンポイントでさすってもらったかのように、私の胸にストンと落ちた。今回は川上未映子さん訳で楽しんだが、また違う翻訳でも読んでみたい。

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    2016年10月22日
  • 世界クッキー

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    ネタバレ

    川上さんのエッセー集。タイトルのルーツは、

     世界クッキー、なはんて書いてみると「うふふ、世界のほうも、クッキーのほうも、ここで隣り合わせになるなんてことは、夢にも思ってなかったはず」

    と、あとがきにあるように、全然別の世界の言葉の出会いと化学反応に文章を書くことの喜びを見出している作者ならでは。

     章ごとに、からだのひみつ、ことばのふしぎ、ありがとうございました(文学賞受賞などの際の感謝の言葉)、きせつ、たび、ほんよみ、まいにちいきてる、ときがみえます、と、とても面白いカテゴリー分けになっている。

     しょっぱなの「からだのひみつ」から、彼女の独特の感性が爆発。特に、彼女のこだわる「境

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    2013年07月01日
  • 世界クッキー

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    川上未映子さんのエッセイ集は3冊目、どれも好きだけれどこれが一番好き。この人の言葉のリズムと相性がいいのかなと思う。「夜のなかに見えるもの」が一番好き。

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    2013年05月29日
  • 世界クッキー

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    川上未映子。語り口調で日々の何気無い事象をその独特な視点で捉える。もう話し方というか、そのシュールさというかなんか好きな文でした。燃える顔そして失われたお尻、や境目が気になってあたりがほぅ。と読み読みしてた。

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    2013年01月05日
  • すべて真夜中の恋人たち

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    ネタバレ

    氷が張った湖のような透明感と静けさを感じる作品だった。光に感する描写が多くて綺麗。冬子の所在なさげな感じが読んでいてすごく共感できて、読みながら「頑張れ!」と心の中で応援している自分がいた。

    とにかく冬子と三束さんがどうなるのか気になって、最後の方は一気に読み進めてしまいちょっと寝不足気味に笑
    個人的には「そうかぁ…」と残念な結末ではあるけど、何も自分で選んでこなかった自覚のある冬子が初めて選んだものが、三束さんだったんだと思うと胸が熱くなる。きっと冬子にとっては忘れられない、意味のある出来事になるんだろう。
    それにしても、聖さん好きだなぁ。

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    2025年12月07日
  • きみは赤ちゃん

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    ネタバレ

    とても繊細で透明感のある文章を書く人だと思っていたのだけど、何このエッセイの面白さ!!電車やカフェで読む人は要注意です。クスッと笑うどころか吹き出しそうになってしまうw

    とはいえ産まれたお子への愛情は半端ない。最後はうるっと。

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    2025年12月06日
  • すべて真夜中の恋人たち

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    読み終わった時は正直ピンと来ておらず、綺麗な文章を編まれてるな、程度の感想しか残らなかった。
    しかしそんな訳はないと思い、ネット上の考察を拝見して、点と点が繋がった感覚が強く残った。
    人は選ぶ気はするが、メッセージ性が強く、良い本だなと思った。

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    2025年12月06日