川上未映子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
琴美がカラオケで「想い出がいっぱい」を歌う描写がされてから、物語の終わりまでずっと頭の中でその音楽が流れていました。
自分たちの"幸せ"が何かもわからない未成年の少女3人が、"幸せ"を求め生きて行く。
彼女たちはもちろん答えは持っていないし、ヒントをくれる人もいない。自分で自分の道を切り拓くのはこんなにも難しいのかと改めて思った。
自分だったらどうするか、とか自分だったらどう関われるか、みたいな視点を小説を読むときに持っているが、自分の物理的な力はもちろん、育んできた考え方ではどうにもできない大きな渦に少女たちが呑み込まれていく、それがひたすらにど -
Posted by ブクログ
作者が妊娠してから、子供が1歳を迎えるまでのエッセイ。
出産2ヶ月前に読んだ。
妊娠初期〜8ヶ月のすでにわたしも体験した期間は
めちゃくちゃ共感しながら読み進めた。
エアロビ強制は結構特殊な産院?と思った。
他の人の体験談を読んでる時もそうだけど、
みんなそれぞれの大変さがあって、なんとか乗り越えているんだなと勇気と安心をもらえた。
出産を控えたいま、
出産痛くないかな耐えられるかな
授乳ってしんどいって聞くけど耐えられるかな
仕事復帰したいけど子育てとの両立できるかな
心配性で完璧主義なわたしは思い詰めそうだな大丈夫かな
みたいな心配が頭を占めてるけど
きっと乗り越えられるし、ほほえま -
Posted by ブクログ
静かで胸がじんわりする物語だった。
川上未映子さんの描く情景はなんでこんなに胸を打つんだろうか。同じ女性だからだろうか。
私とは生き方も環境も違うのに、でもなぜだか彼女の考えていることを私も考えたことがあるし、わかるのだ。
はじめと最後で、彼女の置かれた環境はほとんど変わってない、なのに彼女自身が少しだけ、でもとても大事な部分において変わったことがよくわかる。変わったという表現もなんか違う、もっと適切な言い方で表したい。
この本のことを軽く扱いたくない、この本を読んで感じたことを大切にしたい、冬子の生き方や存在ひとつひとつを大切に思える、そんなような気持ちになる読後感だった。 -
Posted by ブクログ
恋愛小説は好んで読む方ではないですが、とても心に残る作品でした。恋愛部分もそうですが、人の孤独というものがとても綺麗に表現されていて、そして文章に透明さを感じるのはこの作者さんだからなのでしょうか。はじめてましての川上未映子さんです。第一冊目印象、結構好きです。
本書に登場する女性陣、冬子にも、聖にも、恭子さんにも、典子にも、共感ができるところがあります。もっと楽に生きたいなぁと思ってしまいます。先が知りたくてずっと文字を追っていたらあっという間に読み終えてしまいました。ドラマチックなラストにはならなかったですが、それが良かったのかなとも思います。また、時間を置いてもう一度読みたい作品かもと今 -
Posted by ブクログ
下巻も一気読みだった。
お金、お金、お金。
お金に依存しすぎてしまった。
人に、依存してしまった。
お金を簡単に稼ぐことを知ってしまった。
でもそうでもしないと生きていけなかった。
主人公である花は、必死で生きていた。
花がやっていたことは犯罪であり、決して許されることではないけれど、どうしてこうなってしまったのか。
花にはこれしかなかった。
これしかないと思ってしまった。
みんなはどうやって普通に稼ぐことを教えてくれるのだろう?知ることが出来るのだろう?
普通とは、なんなのだろう。
お金を稼ぐことの大変さを仲間に共有したくて、でもわかってもらえないイライラが爆発し、どんどん花がどん底へ落ちて -
Posted by ブクログ
ネタバレ随分昔に読んだ記憶が再読。なんて美しい本なんだろう。言葉が雪みたいにキラキラしてる。
聖は「好き」を妥協してきたんじゃないかなと思った。全て好きと思い込んで全て手にしてきたけど、その中に本当の好きはなかったのではと。
そして冬子が見ている聖が冬子にとっては全てであり、他人が聖に下した評価は気にしなくていいよなとも思った。
典子が言った「私の人生の登場人物じゃないから話したんだよ」というセリフがとてもとても嫌で。言わなくていい事すぎるだろと。その反面心にブッ刺さってる自分もいて複雑な心境。
二度と会えない人の幸せも不幸せも祈らず、ただひたすらに思い出す夜もある。苦い薬もいつか優しい薬になる