川上未映子のレビュー一覧

  • 愛の夢とか

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    濃密だけれどどこか危うい七つの短編。
    誰の心にもある、言葉にするのが難しい気持ちというものを本当に上手く書いてくれていて。自分の頭に長年積み重なってきた澱のようなものが解かれてほぐされていくような感触だった。それは女性特有の感情だったり、もっと言えば個人そのものの秘めたる想いかもしれないけれど。きっと私が思うように、他の人もこの短編たちを読んだらそう思うんじゃないかなと確信できるような感じ。
    甘くて哀しくて優しくて厳しい気持ち。
    どのお話も良かったけれど、愛の夢とか、十三月怪談の2つが特に好きでした。
    川上未映子の作品がめちゃくちゃ好きな理由が目一杯詰まってる本でした。

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    2026年09月26日
  • 夏物語

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    これはたぶん、生まれ変わりの物語。ただし直線上で続いていく世界の。

    心内文がとにかく分厚い、1部がもう壮絶、鬱屈な逡巡です。比較的短いはずなのにページを容易に進めることができないほど、悩み抜かれた言葉たちが全力で迎えてきた。けど良い。
    じゃあ2部は?というと、1部ほどの重量感を感じないのにやっぱり進まない。簡単に進んじゃいけない感じ伝わってきた。ノスタルジーもあるし、やっぱり良いです。

    読む体力がない時には絶対に読めない、けど読んでどう感じたかを聞かせてほしい。って感じる作品でした。
    新作の広告や誰かの解説も入っておらず、ただ純粋な物語で全652ページの大作です。
    初めて線を引きたい衝動に駆られました。
    楽しかったです。

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    2026年09月24日
  • 乳と卵

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    とにかく文体が良い。が、これは自分と相性が良かったからで、合わなかったら振り落とされていただろうな。

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    2026年09月24日
  • すべて真夜中の恋人たち

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    ネタバレ

    1本の映画を観たような濃いの内容の物話だった。
    単純な恋愛小説ではなく、他者や仕事との関わり方について、
    考えさせられる本だった。

    人それぞれ事情を抱えていたり考えがあるため、
    正論だけでは他者を理解することが難しくなることがあることを
    改めて実感した。

    個人的には、主人公と三束さんの会話の空気感が、読んでいて心地良かった。主人公が片思いしている時の喜び・苦悩も丁寧に描かれており印象に残った。

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    2026年09月23日
  • 黄色い家(上)

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    これは大好きな本。
    富裕層でも貧困層でも一般層でも、その階層でのリアルな生き様が書かれている本は大好物。私の大好きな小説『あのこは貴族』の主人公は華子で、こちらの主人公は花。漢字でもうっすら棲み分けがされているというか。
    こちらの小説は都市型貧困について本当にリアルにかかれていて、東京の下町で育った身としてはありありと花の生活が想像出来てしまって、ノンフィクションだと思って読んでいた。クラスに花みたいな子がいたかもしれないし、親が貧困だったら私もそうなっていたかもしれないと真剣に読んでしまった。花は自分に与えられた選択肢がほぼ一つしかなくて、それが正解でも不正解でも一つしかないんだから、それを選んで懸命に生きてきただけ。憎めないし応援してしまう。素晴らしい社会派小説だと思った。

    中弛みもなく、2日で読み終えました。
    下巻も楽しみ。

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    2026年09月22日
  • きみは赤ちゃん

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    川上未映子さんの本、初めて読みました。
    妊娠中からお子さんが1歳になるまでの経験を、笑あり涙ありで綴られたエッセイです。
    特に産後編がとても参考になりました。メンタルが不安定になるってどんな感じなのか臨場感を持って理解できた気がします。夫にも予習がてら読んでおいてもらいたい。笑

    出産って幸せであることは間違い無いけれど、漠然とした不安、辛さ、孤独感、自分が自分じゃなくなる喪失感があるのも事実で。それでも夫婦2人が家族3人になったときの日常の幸せは計り知れないものなんだと学びました。最後の方は幸せの涙を堪えるのに必死でした。川上未映子さんの作品これから読んでみようと思います!

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    2026年09月20日
  • きみは赤ちゃん

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    臨月にちょうど読み終わった。読んでて不安になったり、共感したり。出産後のことを想像したり。
    ぜひ性別、年齢問わず、色んな人に読んでほしいと思う一冊。

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    2026年09月17日
  • きみは赤ちゃん

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    子育て中の身としては共感の嵐。
    私は出産、産後通して夫に感謝が大きいので、そこは夫の頑張りなのかなあと思ったり。

    妊娠中、産後まもないママに是非読んでほしい。
    みんな一緒だよと思えるエッセイ。

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    2026年09月15日
  • すべて真夜中の恋人たち

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    久しぶりに純愛小説と出会いました。これは切な過ぎて泣けます。
    「真夜中の」という言葉が、とても内容と合う。2人が「光」を話題にする中身も「生と死」「希望と絶望」など対義語になっていて面白い。

    大人の恋愛って、高校や大学生とは違い、もっと深い環境が関わってきますよね。ただ会いたいとか、一緒にいたいとかそういった感情の後に必ず付いてくるそれぞれの事情。年齢が高まるにつれ、また環境が変わるから複雑です。

    お金や仕事、既婚者とか子供とか、親のことなどなど、背負うものをいっぺんに振り払えれば楽だけど、それはまた別次元のお話。

    ハッピーエンドでいいのかな?
    とにかく胸にぐっと刺さる作品でした。

    お互いが真面目で共通点が何もない中で、向き合うのが辛くなる未来があったのかもしれませんね。そんな関係が切なくて苦しい。

    全体的にみたら簡単に短く伝えられるストーリーなのに、それを軸に主人公の過去や考え方、生活などを踏まえて長編にさせる著者が素晴らしい。
    11月に映画公開ですね。観たい!

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    2026年09月09日
  • 春のこわいもの(新潮文庫)

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    人間の心の奥底に潜み、それを抱いた当人しか知りえない「こわいもの」が多様なグラデーションで描かれていて良かった

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    2026年09月08日
  • 夏物語

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    なんというか凄い小説だった
    子どもを産みたい女・子どもを産みたくない女
    女を嫌悪する男・女を愛する男
    それらすべての人と、そして死にたい人、幸せに生きたい人に読んでほしい小説だ

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    2026年09月08日
  • ウィステリアと三人の女たち(新潮文庫)

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    川上未映子を読む度に思うが、ある人間の世界の捉え方(のとりわけ感覚的な部分)を言葉で掬うのが上手すぎる。シャンデリアの下を通る度にそれが落ちてこないかいまかいまかと待ち侘びる感覚、一つだけ残された藤の房がまさに自分の死んでしまった赤子としか思えなくなる感覚……

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    2026年09月08日
  • すべて真夜中の恋人たち

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    すごく良かった。
    各フレーズが秀逸で、比喩表現や描写の感覚が自分に非常に似ていると思った。そのうえでやはり文章や言葉選びが上手で、妙な説得力がある。

    冬子、聖、三束さんが主な登場人物。
    冬子のような人は割に多くいると思う。表面上は違っていても、内面にこういう傾向を持っている人はたくさんいるはず。

    冬子と聖、冬子と三束さん、それぞれの関係が冬子を少しずつ変え(というよりかは、何かに埋もれている冬子が引き摺り出されるみたい)、生活を繋いでいった。
    エンディングも割に好みだった。

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    2026年09月08日
  • 黄色い家(下)

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    初 川上未映子の作品。最近日本の女性作家がたくさんいて読んでみると何も心に残らないようなことが多くて今回もどうなの?と思って読んだら、すっかりファンになってしまった。
    ニャー兄(宮台真司オマージュ?)とかゴリ玉とかところどころのネーミングセンスも好き。
    グイグイと引き込まれるだけでなくて、胸を掴まれるような表現が何箇所かあって。他の作品も読みたいけど、しばらくは余韻に浸りたい。

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    2026年09月04日
  • すべて真夜中の恋人たち

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    探偵よむーくのフェアで購入しました。
    川上先生の作品は初読です。
    始めは、会話が長く展開がダラダラと遅いように感じていましたが、最後の冬子と聖の会話で印象がガラリと変わりました。途中までの聖や響子さんとの会話があるからこそ、最後がクッキリと色濃く縁取られるように感じて、すごいなぁと感じました。
    三束さんとのラストもあっけないように見えて、でもだからこそ余韻が残りました。
    川上先生の他の作品も見てみたくなりました。
    とてもおもしろかったです!

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    2026年09月01日
  • すべて真夜中の恋人たち

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    川上未映子のこの言い切らない感じ?この靄がかってるみたいな感じ結構好き
    「わたくし率ー」読んだ後に読むと同じ作者なのビックリする

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    2026年08月28日
  • きみは赤ちゃん

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    本屋に行ってふと目に入ったこの本。
    いま、まさに妊娠出産そして育休中のわたし。
    35歳で初産で同じ状況で。
    読んでみたら、わかる…っていうことが多くてとても楽しく読ませていただきました。
    読んでて涙も出てきました。
    この本のなかにもあった、我が子のために死ねるかって言う感情もわかる。
    この本に出会えて良かった。

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    2026年08月28日
  • すべて真夜中の恋人たち

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    スローテンポな会話や繊細な語りが心地よい。冬子の生き方や聖の言葉に(全てではないが)共感して、だからこそ二人が口論するシーンは胸と耳が痛かった。著者の作品を初めて読んだが、個人的に好みでとても良かった。

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    2026年08月22日
  • すべて真夜中の恋人たち

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    ネタバレ

    タイトルに惹かれて。
    人と関わることに消極的で思ったことを言葉にするのが苦手な冬子。孤独に苛まれるなかで三束さんに出会い、知らぬ間に想いが募り、自分の恋心に気いていく。
    不器用だし、見ていられないような部分も多い。共感できる、という主人公ではない。
    ただ、三束さんの傘に入れてもらう場面、自分の気持ちに気付く瞬間やそれを彼に伝えるシーンなど、色々な素敵な場面が、冬子にぴったりな繊細な表現で描かれていて胸がいっぱいになった。
    人を好きになる気持ちってやっぱりいいなと思うし、その気持ちが人を動かす力にも驚かされる。
    川上さんの言葉選びがとにかく素敵で、優しくてゆっくり紡がれる文章が心地よかった。静かな夜にまた読みたくなると思う。

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    2026年08月20日
  • すべて真夜中の恋人たち

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    めっちゃよかった。川上未映子の良いところがめちゃくちゃに詰まった作品であった。恋愛小説というより、一人(もしくは周辺)の人間をすこぶる丁寧に描いた作品、という印象を受けた。そういうのめっちゃ好きィ…

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    2026年08月20日