川上未映子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
川上未映子さん…
他の作品はまだ読んだことがなく、妻夫木聡さんと共演されているサッポロビールのCMで初めてお姿を拝見した。ほうほう…おしゃれで色気があって、少し気の強そうな女性だなという印象が強く残っていた。
だから本書を開くまえ、きっとおしゃれで軽やかなキラキラ育児生活の日々が綴られているのだろうと少し気後れしていた。
それでも色んな本屋で探してやっとの思いで手に入れるほど読みたくなったのは、自分が妊娠して、文字だけで書かれた育児エッセイというのは、それもプロの小説家が書いた育児エッセイというのは、意外にも世の中にあまり存在しないと知ったから。
妊娠中に読みたいと思っていたものの、気後れし -
Posted by ブクログ
ネタバレ救いのない、ではどうすればよいのかもわからない顛末。
黄美子さんとはどういう存在なのか。
世間で虐げられる危うさを持つ弱者であることは間違いない、けど同じような境遇に立つ弱者のそばにいることができる。意図しない優しさで他人を掬い取ることができる力があるように思われる。徐々に少しずつ削れていくように、存在が希薄になっていく描写がいたたまれない。
エンタメ性も兼ね備え、お金とはという命題に挑む。
お金に踊らされないように、お金なんてただの紙といえるのはある一定以上の恵まれた階級の詭弁なのかもしれないと惑う。夢や希望を持つことも許されないジュブナイルな展開に心穿たれる。 -
Posted by ブクログ
妊娠35週頃の妻におすすめされて読んだ本
妊婦の方だけじゃなく、男性にもお勧めです。
妊娠してからの悪阻や、身体的変化、精神的変化など側から見てるだけでは決してわからないことが見事に言語化されていました。
(恐らく多くの妊婦さんはここまで言語化できないのと、目まぐるしい生活を過ごす中で忘れていくことも多いでしょう)
出産後はホルモンバランスの変化などで通常とは異なる精神状態になることもあるので、予め知っておいてよかったと思いました。
また、全体的におもしろおかしく書いてくれているので、スラスラ読めました。
生まれてくる子どもに早く会いたくなった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ機械が発展し古典的な犯罪が取り残され、段々追い詰められていく様子に、西部劇映画の明日に向かって撃て!を、栄枯盛衰の日々を過ごしたのち何も残らず、時間だけが過ぎていく、でも少しだけ希望のようなものも見えたラストに北野武のキッズリターンを思い浮かべた。
琴美さんとのカラオケのところはとても綺麗だった。黄色い家が崩壊していく中、蘭と桃子はやっぱり持っている側というか居場所がありなんとかなる側で、花と黄美子さんはなんとかならない側で、花のお母さんもなんとかならない側で、そこの断絶が残酷だと思った。花のお母さんが72000円を残していたのも心に残った。
人生、レールの上を走れている時は大丈夫だけど、一旦