あらすじ
「真夜中は、なぜこんなにもきれいなんだろうと思う」。わたしは、人と言葉を交わしたりすることにさえ自信がもてない。誰もいない部屋で校正の仕事をする、そんな日々のなかで三束さんにであった――。芥川賞作家が描く究極の恋愛は、心迷うすべての人にかけがえのない光を教えてくれる。渾身の長編小説。
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人間関係の移ろいがとても丁寧に描かれていて、とてもよかった。冬子が三束さんと2ヶ月会わないでいるところなど、ゆっくり丁寧に時が流れる感じも良かった。夜寝る前にゆっくり読みたい小説だと思った。
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「十二月、この冬が来たら35歳になる。」
川上さんの作品を、次は何を読もうと手に取ると同じ境遇である主人公に心奪われ、気が付いたらしっとりとした特有の世界観に紛れ込んでいた。
聖の物言いや考え方に共感し、人間誰しも多面性があるけど表に出せるかどうかで周りの印象も良くも悪くも変わるよなぁって。
なぜ三束さんは、誕生日のお祝い返しに全てを打ち明けなかったのだろう。
ただ、日々を送り時間をやり過ごし忘れていくしかない心の痛さが切なかった。
恋愛小説を久しぶりに読みました。でも恋愛小説、と言っていいのかな。むしろ社会とうまくつながれない主人公の心が解けていく、1人の女性の変化の物語として私は楽しみました。静かな筆致と、主人公の丁寧な内面描写が美しくて、読み終わった後も長く余韻の残る物語でした。
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1本の映画を観たような濃いの内容の物話だった。
単純な恋愛小説ではなく、他者や仕事との関わり方について、
考えさせられる本だった。
人それぞれ事情を抱えていたり考えがあるため、
正論だけでは他者を理解することが難しくなることがあることを
改めて実感した。
個人的には、主人公と三束さんの会話の空気感が、読んでいて心地良かった。主人公が片思いしている時の喜び・苦悩も丁寧に描かれており印象に残った。
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タイトルに惹かれて。
人と関わることに消極的で思ったことを言葉にするのが苦手な冬子。孤独に苛まれるなかで三束さんに出会い、知らぬ間に想いが募り、自分の恋心に気いていく。
不器用だし、見ていられないような部分も多い。共感できる、という主人公ではない。
ただ、三束さんの傘に入れてもらう場面、自分の気持ちに気付く瞬間やそれを彼に伝えるシーンなど、色々な素敵な場面が、冬子にぴったりな繊細な表現で描かれていて胸がいっぱいになった。
人を好きになる気持ちってやっぱりいいなと思うし、その気持ちが人を動かす力にも驚かされる。
川上未映子さんの言葉選びがとにかく素敵で、優しくてゆっくり紡がれる文章が心地よかった。静かな夜にまた読みたくなると思う。
好きな芸能人のお勧めの本だったか、何かのきっかけで購入して積んでた本を長期休暇に読んだ。
純文学を普段読まないこともあり、ずっとモヤモヤしたようなもどかしい気持ちだった。
同じ年齢のまったく反対の友人への憧れと嫉妬とか、自分の気持ちを伝えず行動に移さない他人への苛立ちとか、共感できる感覚はいくつもあった。
内気な人の恋
他のサイトのレビューを読んでいると、
主人公に感情移入出来なくてイライラした、
というのが結構あったが、
それは読者が外向的な性格だからだろう。
内向的で人付き合いが苦手な人なら
必ず共感出来る作品。
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感想を言葉にするのがとても難しい本だと感じた。
すべて真夜中って結局どういうことなんだろう。主人公や登場人物にとって光ってどういうものなんだろうか。難しいけれどとても繊細で素敵な表現の詰まった本だった。
本の中のフレーズからとるとするなら
この本への感想は「しょせん何かからの引用じゃないか、自前のものなんて、何もないんじゃないか」と思ってしまって表現できないのかもということにしておく
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フリーの校正者として、日々仕事に勤しむ入江冬子。かつて所属した会社を退社してフリーになっても、変わらない日常を送っていた。しかし一人の中年男性と偶然の出会いをして恋に落ちてから、わずかながら生活に変化をもたらした。本作は30代女性の悩みや20代の頃には思わなかった人間関係、また年の離れた異性との恋愛を丹念に描いた長編小説。
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感情移入だったり行動には理解出来ないけど、冬子が三束さんを思い出すときの、相手をよくよく観察しているからこその表現がとても好きだし、その細やかさにうんうんと頷きながら読んだ。
物語全体というより文体や表現の美しさに非常に惹かれる。
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世界観にのめり込んでするする読めました。ずっとショパンが流れているような、静寂を守りたいときに読みたい作品です。
冬子が恋を進めないのは、片想いの状況を楽しみたい、好きな人のことを考える時間が好き、みたいな感情からくるのかな。もちろん関係が壊れる恐怖で動けないのもあると思いますが。
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本当に文章が美しい。夜の光の描写に胸がギューっとなった。主人公に共感をする訳ではないのに、何故か惹かれて物語の中をゆったりと漂ってずっとふわふわした感覚だった。私には良い読書体験となった。
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初読は2014年(単行本)
冬子と三束さんのやりとりにもどかしさを感じて挫折したんだけど、今回映画化をきっかけに、岸井ゆきのちゃんと浅野忠信さんをイメージしながら再読したらスイスイ読めてびっくり。
自分の思いを言葉にすることが苦手な冬子34歳。校閲者という言葉を扱う仕事をしているのに、自分の気持ちはうまく言葉にできない。
他人とのコミュニケーションが苦手で人とうまく話すことに自信がなくてお酒に依存してしまう。
そんな冬子が三束さん(58才)という謎多きおじさんと出会い惹かれていくんだけど、近づきたいのに近づけない、どう接したらいいのか分からずお酒に頼るようになる。日本酒を入れた魔法瓶を常にバッグに入れて持ち歩く、どうしょうもない冬子。酩酊状態で夢か現実かわからない三束さんとの会話。
高校の物理の先生だという三束さんの光の話や音楽の話もマニアック過ぎて訳が分からない(笑)
それでも冬子はどんどん三束さんを好きになっていく。
意味不明な会話劇が延々と続く。
(あーーー、もどかしーー笑)
でも、そんな冬子がラストに不器用だけど心の底から絞り出した告白シーンは胸がジーーーンとした。
なのに、なのに、、、。
三束さんは冬子の前から姿を消してしまった。
三束さんは嘘をついていた。
純粋な冬子と向き合うことが苦しくなって離れてしまったのかな。
孤独な人だったのかもしれないけれど、やっぱりズルい男だな。
まぁでも、単純に善悪で分けられない人間の弱さやどうしようもない感情ってあるもんね。
孤独や、人とつながることの難しさ。言葉にできない思いと、言葉にしても届かない思い。いろんな顔を持つ人間の不器用さや切なさを真夜中の光の美しさとか静かな空気感たっぷりに、素敵な文章で淡々と描かれてるのがすごく良かった。
性格の全く違う聖とのやりとりや、恭子さんや典子さん、高校時代の水野くんとのあの話もなかなかドロドロしくてよかったな。
映画見に行きたい。
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他人を理解することは難しい。
決めつけないでほしい。何でも知っているかのように、自分本位で話せるあなたこそ生きていて「楽」だろうな。
繋がりが欲しいから、ただ「肯き」、本音を隠し、やり過ごす。一見「楽」に見えるけど…。
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川上未映子さんは、いろいろな種類の感情を言葉にする能力が高い。川上未映子さんの小説を読むと、自分の感情にも言葉が与えられる感じがして、すごく好き。
何ともいえない、グレーな気持ちすら言葉になってしまう。
最近「人生はハッタリで生きてナンボやな」と思っていたところに、たまたまこの小説を読んで、ハッタリの人生についてまた考えている。
私はハッタリで生きるほどのキャパシティがない、かつ、めんどくさいので「人生はハッタリで生きてナンボやな」というのは、そうやって生きている人はうらやましいなという意味。
本当は、内心では、うらやましいというより、かわいそうだと上から目線で見ているのかもしれないけれど。
ダメな自分を嘘で取り繕うと、嘘が嘘を呼んでしまうよね。
どんな人にも「ダメ人間」な部分ってあるんだから、自分のダメなところはダメなまま受け入れていこうと、いつもの結論に落ち着く。
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三束さんと出会ってから、冬子の単調な日常に「光」が灯ったと思う。暗闇の中でゴールの見えない人生を生きてきた冬子が「三束さん」という光に出会ってちょっと仄暗い人生になったのではないかと思う。
「光」があると「影」が生まれるように、冬子の人生に「光」が差し込むほど、三束さんは自信のついた嘘に罪悪感を感じていって、「影(陰)」の世界にどんどん進んでいったのではないかと思う。大きな嘘をついたうえで、人間関係を構築するのは難しい。
川上未映子さんの表現は特徴的で、今回もその表現力に驚かされた。
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好きな人ができると、その人の存在が自分にとっての光となる。冬子から見た三束さんは白色で冬子自身は黒色だった。三束さんは白色なので光を反射して輝いて見えた。しかし、その光は冬子の黒色に吸収されてしまう。物語が進むにつれて、冬子は少しずつ、黒色からグレー色に成長していったのではないかと思う。
個人的には聖が好き。恐らく作者は聖と恭子を通して自分の伝えたいことを読者に伝えようとしているのではないかと思う。恋愛小説というよりかは、女性の複雑さについて書かれていたような気がする。
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本の後半にかけて、三束さんのことで頭がいっぱいになり、日常生活が覚束無くなり、日に日に飲酒量が増えてしまっていた冬子が印象的。お酒で酔わないと三束さんと話せない、本当は臆病で他人に深く踏み込めない自分をお酒の力で濁して、三束さんの関心のある話題を持っていき、その話題に反応が良い三束さんのことをどんどん好きになってしまう。
その気持ちもわかるけど、体にも心にも良くない恋煩いの様な状態で、私は冬子よりも、はっきりとした性格の聖の方が好きだった。
冬子も三束さんも良い歳の大人だけど、二人の関係性の進展がこんなにゆっくりなことある?と思ってしまった。でもそれが純愛の良さでハマる人にはハマる小説なのかもしれない。
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一つ一つの言葉の表現が綺麗だった。何のことはないミドサーの恋愛なんだけど、恋をするときのドキドキ感や焦り、焦がれる感じがとても綺麗な言葉で紡がれていて、そこがよかった。ミドサーの本気の純愛って、こんなに可愛くて綺麗なものなんだなと愛らしかった。初恋はうまくいかないものというけど、この恋も例外ではなく、それでも何か一つ乗り越えた感じが良かった。ドキドキする恋愛も良いけど、たまには良い。
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冬子の思考回路とか、感情とか、おんなじ側からは見れないなーって思いながら、傍観者のように、そっと見守っていたはずだけど、
ラストには同じところから同じ方向を見つめていた気がする。
文章の美しさに惹かれました。
近々映画化とのこと。この世界観、どう表現するのだろう。
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ストーリーがすごくゆっくり進むから、物語としての面白さはそこまでなんだけど、描写の感じがとても好き。文章が美しい。あえて分かりづらいような、遠回しな表現がむしろこの小説の良さだと思う。
ショパンの子守唄を聴きながらこの小説を読む時間が心地よかった。
土のスープが気になって調べたら、本当にあるらしい、、
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This didn’t grasp me quite like how Heaven did. Also felt slightly creepy.
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映画化されるという事と、友人の聖の考え方が潔くて良いとの評判を聞いて読むことにした。
Audibleだったからか?友人たちの話し方が気になって仕方なかった。「……よね……ね。」「……じゃない。……さ、……さ。」という語尾が気になった。それぞれ性格の違う友人たちなのに、同じ口調…気になって内容が入ってこなかった。
それぞれの会話の部分がクドく、読みづらかったけれど、その他の風景や情緒の描写は凄くリアルだった。
だからこそ、6の主人公の過去がリアルすぎて、こっちまでトラウマになりそうになった。(読む人によっては注意だと思う。)
上記の嫌な部分が目立つので、三束さんとの時間は余計に光り輝いて、主人公にとって特別な時間であることが理解できた気がする。三束さんの気持ちはあまり書かれていないが、最終章を読めばいかに冬子を大事に思っていのかがわかる。
少しずつでも冬子が前を向いて歩いていける未来で良かった。
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なんだかすべてがよくわからない話だった。サラサラ読めて、読みやすかったけど、主人公もウダウダグダグダ24も上のヨレヨレおじさんに恋して変だし、友達が苗字にくん呼びなのもなんかよくわかんなかった。全体的によくわからなかったな。主人公はなんでそんなにお酒におぼれてたのかもよくわからない
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個人的にあまり刺さらず…。静かにゆったりとした恋愛を描いていたところは良かったけど、説明が長ったらしかった。読んでいて少し疲れる。そして難しい。でも綺麗ではあった。三束さんの気持ちがあまり分からなかった。もっと冬子以外の目線からの感情も描写して欲しかった。
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表現が美しくて、素敵な文章で構成された小説だなと思った。
ただ、なんで主人公がお酒に頼るようになってしまったのかあまり理解できなかった。
大きなきっかけがあったとかじゃなくて、生きづらさとか仕事の鬱憤とかそういうことの積み重ねが原因なのかな、たぶん。
あと、終盤の荒ぶり聖も唐突すぎてびっくりした。あれもお酒のせいだよね…?溜まってたものはあったにせよ、突然押しかけて来てブチギレるのは、うーんって思った。
結末は想像とは違くて、でも三束さんが主人公に与えた影響がすごく大きくて、出会えて良かったねって思えた。
Posted by ブクログ
川上未映子さん、四作品目(うちエッセイ一冊)。
私は川上未映子さんの小説が好きなのかどうか、まだわからない。
気がついたら手が進んでいて、読まずには居られなくて、あっという間に読み終わってる。
今回はどれくらい恋愛色が強いのかな?と思って読み進めると主人公の性格も相まって静かで淡々としていた。(長編恋愛小説は初だったらしい)
恋愛に没頭している最中の文章はふわふわして夢のようで、同僚の人との会話は急に現実的になるところは川上未映子さんの文章力なのだろうなと感じる。
講談社のホームページに川上未映子さんのコメントがあったので引用。
「いつか消えてしまうけれど、でも今は、ここに確かにあると信じられるもの、信じたいもの。
淋しさや感情や記憶や、わたしたちのあいだにある、見えるもの、見えないもの。それらについて、どうしても書きたかった恋愛小説です。
まるで人生にちりばめられた、儚いけれどそれだけがあれば生きていける光のようなもののことをずっと想って、それだけを想って書きました。」
自分自身、結婚して落ち着いてしまったけれどふと人生を振り返るとこんな恋愛感情を抱いていた瞬間もあった気がするなぁと思い出す。
川上未映子さんの作品をここ最近よく読んでいたので、一旦間を開けてしばらくしてからまた新しい作品を読んで自分が好きな文体なのか確かめたい。
余談だけれど調べていたら今作の映画が11月に映画が公開予定でとてもびっくり。本のイメージと映画の予告は違ったけれどどんな仕上がりになってるのか観てみたい。
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人と話すのが苦手…酒の力借りる
わからなくもない…けど、力借りすぎ
よくこんな出会い方で三束さんは会ったよなぁ
周りのイライラするっていう人の気持ちわかる…冬子にイライラした
だけど
さすがに典子には腹が立った
ニコッと笑って辛辣な言葉ぶっこむよな
自分のこと棚にあげて
聖との関係も うーん
こういう関係がおばあちゃんになっても続くのかなあ
それぞれの5年後10年後知りたいな
真夜中に歩く気持ちはすごくわかる
Posted by ブクログ
「真夜中は、なぜこんなにもキレイなんだろうと思う」。
わたしは、人と言葉を交わしたりすることにさえ自信がもてない。誰もいない部屋で校閲の仕事をする、そんな日々の中で三束さんにであった…。芥川賞作家が描く究極の恋愛は、心迷いすべての人にかけがえのない光を教えてくれる。
***
とにかく言葉や情景の描き方が美しく、その世界観にうっとりと魅了された。
その美しさとは対照的に、
物語が進むにつれて少しずつ雲行きがあやしくなっていく。
主人公の冬子に感情移入して、心もとなくて胸がぎゅっと苦しくなった。
そして聖の言葉の強さ、その裏に見え隠れする嫉妬心や強烈な孤独感。
「周りの同世代と比べて、私のこの人生は正解なのかな?」という不安と、
「これが私の選んだ人生だ」と自分を奮い立たせているような気持ち…。
30代以降の女性なら、きっと一度は感じたことのある切実な揺らぎだと思う。
最後は分かりやすい完全なハッピーエンドとは言えないけど、
それぞれ幸せに向かって歩んでいってほしいと、
静かに見守りたくなるようなラストだった。
大切な友人に「私はいつだってあなたの味方だよ」と
そっと贈りたくなるような、優しく静かな余韻の残る一冊。
Posted by ブクログ
初めての川上未映子さん作品でした。
どんなジャンル?とかはよく分からずに読んだんですが本に関わる主人公の話でもあったので好きな雰囲気でした。痛い感情もあったけれど。
とてもとても静かなんだけれど、心に大きな余韻が残る感じだった。それは、真夜中の色、というか、空気、いやそれが光なんだろうか。
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冬子は、社会の中でうまく人と関われず、あまり光の当たらない人生を送っている。そんな冬子がカルチャースクールで、見知らぬ人に自分から話しかける場面が印象に残った。
「すいません」と声をかけるとき、男性の目ではなく「顎のあたりを見て言った」という描写がある。目を合わせることすらできない冬子の人との距離感が、この一文から伝わってくる感じがして、とても印象的だった。
もう一つ印象に残ったのがお酒のシーン。家でお酒を飲めないのに無理して飲むうちに、次第にお酒にハマっていく。そして、ゴミを捨てるときには、自分が飲んだ缶や瓶でゴミ箱が埋め尽くされていたという描写がある。
ここは自分も若い頃はかなりお酒が好きだったので、妙にリアルに感じた。
「光」という言葉が作品の中で何度も出てくるけれど、描かれているのは、いわゆる華やかな人生や美男美女の恋愛だけではない。むしろ、普段はあまり光が当たらないような人の人生に光を当てている。
いろいろな人に、それぞれの人生がある。そんなことを感じさせてくれる作品だった。
Posted by ブクログ
2025/4/28再読。
はじめて読んだのは何年前か忘れてしまったけど徐々に内容を思い出した。意外と覚えているもんだなぁ。
意味わからなすぎておもしろかった部分。
「献血に協力してくれませんかとその小柄でたっぷりと肉のついた女性はにっこりと笑ってわたしに言った。その笑顔はなぜか真っぷたつに割ったキャベツを思い起こさせた。」
主人公、素面の自分に自信がなくて昼間から日本酒で酔っ払い、カルチャーセンターで粗相。そこで知り合った年の離れた男性と時々会うようになるが、、、
なんか、大丈夫?という感じの場面がたくさんある。学生時代も30代半ばの現在も、関わる人から“あなたをみているといらいらする”と言われてしまう主人公。私もちょっとイライラした。
「・・・・・・みんながみんな、あなたの常識で動いてるって思わないでほしい」「大事なものは、ひとそれぞれ違うでしょう・・・・・・」
物語の終盤で、このセリフがあってよかった。