あらすじ
「真夜中は、なぜこんなにもきれいなんだろうと思う」。わたしは、人と言葉を交わしたりすることにさえ自信がもてない。誰もいない部屋で校正の仕事をする、そんな日々のなかで三束さんにであった――。芥川賞作家が描く究極の恋愛は、心迷うすべての人にかけがえのない光を教えてくれる。渾身の長編小説。
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Posted by ブクログ
冬子の真っ直ぐな気持ちがあまりにも痛々しくて切なくて泣いてしまった。
聖、恭子など周りのキャラが意地悪でなんだか腹が立った。聖が冬子のデート終わりにかけた言葉が最悪すぎるて。
ガラケー、喫茶店での時間などなんだか懐かしい雰囲気が素敵。
人肌恋しいこの時期にこそ読むべき小説。空気が透き通って薄い冬の寂しさを感じさせてくれる。
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読むタイミングを誤った
単語から文章、登場人物の会話全部タイプ
この作者のこういう表現が好きっていうのが分かった気がする
解説まで読んでおもしろかったです
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心の些細な変化をこんなにも美しく丁寧に綴ることができるのかと感動した
恋をしている瞬間に映る情景は本当に綺麗なんだと改めて思ったし、自分が過去に体験してきた失恋の思い出も肯定することができた気がした
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光について
本人でさえ自覚がないまま、ぼんやりと暗いところにずっといた入江冬子を、照らして、冬子は選択をできるようになって、そして、どこかへ吸収されてしまった冬子の光、三束さん
私生活は荒れども美人で仕事熱心でマッチョメンタルな聖は色々周りに言われていて割かし外れてもいないのだけど、それでも嫌いになれない弱さを持っている
冬子が三束へ電話越しに、私と寝たいと思ったことがあるか聞いて、はい と言われたシーンは、自分までが冬子になったように気持ちがいっぱいになってしまった 三束さんはどんな気持ちでその返事をしたのだろう
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この小説だけではなく各文学で恋愛感情を示す「好き」という言葉の危険に満ちる一方、なんとも微笑ましいことか。さらに本書のような良質な心理描写の中で綴られる「好き」は一入である。好きという単語の配置のタイミングは恋愛小説の評価の多寡を分ける。本書はだいぶん後半に入ってくるが。
私がそこまで「好き」という表現を好むのは他の曖昧模糊になりがちな恋愛感情の表現より明らかな直接性があり覚悟がいる表現であることであるからだ。この言葉を繰り出すシチュエーションを思い浮かべるが良い。好きな対象に自分の制裁与奪を委ねてるのが普通に理解できる。他者に表明することで自分の尊厳を委ねかねない、この大事な言葉を気安く発することが出来るのは心の底から対象を思っているか、よっぽど玄人で軽んじた者でありそいつの信用に欠格がつく。この言葉を表明することの覚悟を持つ資格がある市井の若もの達の青春に羨望する。ただ本書において重大な注釈がある。ここに出てくる登場人物はそれなりに多少、歳を経過している。まぁそんなことどうでもいいが
最後に少し憎たらしい指摘になりうるが三束が 小説のキーパーソンとして肯定的に君臨するのは間違っているのではないか?。冬子はまんまと三束の三文芝居に乗せられてしまうが、ちょっとした沈思をすると三束のデタラメに容易に気づくはずである、三束はまだ若さの残る冬子に誠意をもって居たからいいものの、この推しの弱い冬子に三束的存在が悪手を伸ばす恐れは十分あるはずである。
Posted by ブクログ
人間関係のもやもや欲張りセット! な本。
・同級生を「家に自分で上がったから」と襲う男子学生
・男性上司との飲み会の席で口論になり、引き下がらない女。それだけでなく、何も言わないその場の女性たちを卑下する女
・↑この女性の知人に「あなたは利用されているだけ。あの人は男性をとっかえひっかえしている性悪女」と吹き込む会社の元同僚
・独身の同級生(女性)に家庭の愚痴を山ほどこぼした後、「あなたも子供を生むべき」と言い、最後には「この話ができたのは、あなたが自分の人生の登場人物ではなくなったから」と話す既婚女性
……そんな生活の中で、主人公・冬子は三束という男性と出会う。
恋愛中心かと思いきや、周囲がクズだらけな世の中で冬子に見えた一筋の光が三束さんだったのかもしれないな、と思いました。
しかし、その光はあっけなく手の内をすりぬけてしまうという、なんとも悲しい終わり方。
(現実的には、「あんな顔して泣くなんて引くわ……」とか裏で思われてそうだなと思ったり。この本、ほんと人間不信になるにはぴったりだなと思います)
恋愛小説というよりは、その後の失恋にスポットをあてている物語という感触。そんなジャンルは聞いたことないけど、失恋小説。
「どろどろした中に一粒光るものがあれば、それで人は生きられます」ということなんでしょうか?
ぜんぜん「恋人たち」が出てこないのはタイトルで選んだ人からしたら、これじゃない感満点かもしれないな……。
とはいいつつも、表現とか展開が好きだったので星満点にしてみました。
内気な人の恋
他のサイトのレビューを読んでいると、
主人公に感情移入出来なくてイライラした、
というのが結構あったが、
それは読者が外向的な性格だからだろう。
内向的で人付き合いが苦手な人なら
必ず共感出来る作品。
Posted by ブクログ
34歳女性、入江冬子。
会社を辞めてフリーの校正者で一人頑張っている。前の会社でのこととか、フリーになってからの生活などを背景に、年配の男性、三束さんとの出会いという出来事を中心としてストーリーが進む。
光りの物理学的な原理のお話が出てきて、
なんだか考えるけどそうかんたんには理解できそうになく、
同じ人間でも様々な側面があるだろうし、
関係の仕方で異なる人間に映るだろうし、
見えているものと実際はどこまで乖離しているのかは誰にもわからないだろうけれども、
自分という限界の中で生きているんだなーと思う。
‥
最後まで読んで、また最初のページに戻ってみる。
_昼間のおおきな光が去って、残された半分がありったけのちからで光ってみせるから、真夜中の光はとくべつなんですよ。
Posted by ブクログ
登場人物みんな、どこかおかしい。でもなぜか共感できる。最後に三束さんのプロフィールが、パズルのピースをはめるようにわかる。これまでの三束さんの言動に納得。三束さんの立場になると若い子に言い寄られて葛藤もあったと思うが、正直でいようとしてて、よかった。
Posted by ブクログ
氷が張った湖のような透明感と静けさを感じる作品だった。光に感する描写が多くて綺麗。冬子の所在なさげな感じが読んでいてすごく共感できて、読みながら「頑張れ!」と心の中で応援している自分がいた。
とにかく冬子と三束さんがどうなるのか気になって、最後の方は一気に読み進めてしまいちょっと寝不足気味に笑
個人的には「そうかぁ…」と残念な結末ではあるけど、何も自分で選んでこなかった自覚のある冬子が初めて選んだものが、三束さんだったんだと思うと胸が熱くなる。きっと冬子にとっては忘れられない、意味のある出来事になるんだろう。
それにしても、聖さん好きだなぁ。
Posted by ブクログ
読み終わった時は正直ピンと来ておらず、綺麗な文章を編まれてるな、程度の感想しか残らなかった。
しかしそんな訳はないと思い、ネット上の考察を拝見して、点と点が繋がった感覚が強く残った。
人は選ぶ気はするが、メッセージ性が強く、良い本だなと思った。
Posted by ブクログ
心の中のモヤモヤしたもの、前向きになったかと思えば、すぐに萎んでしまうような、気持ちの揺れ等、冬子や聖の気持ちの迷いが、細やかに表現されている。
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聖の言葉が、特に終盤の私との会話の中の言葉が自分に刺さりまくった。安全圏を保とうとすることで、周りへしわ寄せが行く、とまでは思わないけど、自己完結型の人間は社会の中で害がないようである存在だと感じた。
最後の場面で、私が0から1にする行動を起こす。それは、自分から何も生み出そうとしない本人にとっては大きな変革である。その原動力は成就しなかった恋。
恋愛感情をこれからも持ち続けたいと思った
Posted by ブクログ
映画化するの知らなかった()
主人公を応援するつもりはない(なんならお酒で失敗したことを思い出して辛くなる)けれど、一歩踏み出した人が感じる世界が確実に拓けていく様子(文中で「やらない後悔の方が大きいのはおかしい」旨まで言ってたのに……。)はただ綺麗なものだと思った。
踏み出した一歩目が上手く行かなかったけど、なんやかんやで踏み込んでくれる友人を得て、自分の好きなものを文字にして自分の外に出せているのから、ハッピーエンドだと思う。
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夏物語に次いで2冊目
やはり川上さんの文章が好き
不器用な主人公の心模様が、痛いくらいまっすぐな感情がささる
映画楽しみ 浅野さんはワイルドすぎないか?と思ってたけど光について話してるところ想像したらいいかも
p245 好き
Posted by ブクログ
すごく不器用なのに、時々すごく大胆な事を言ったり行動したりする冬子さん。
辛そうな人生を歩んでいるように見えるけど、彼女なりの人生を歩んでいる。
基準とか価値観とか、私は私なりでいいのだと思えた。
冬子さんの37年間。この先も読んでみたい。
Posted by ブクログ
とにかく大人の恋愛小説が読みたくて読み始めた。
まず、比喩用言がとても好み。名前のない、文章では見た事のない感情や風景がちゃんと文字になって思い浮かべられた。
内容について
最後、聖の言葉をかき消そうとした(嫌だと思った)のは冬子が社会に溶け込み始めていたからなのか。でも、化粧を自分でできないことや貰い物でおしゃれをするのは10代。結局は最後のデートの時はまだ自分の闇の中だったんだろう。
自分も過去の恋愛を引きずっているけど、思い出す頻度が極端に減っている事、少しずつ思い出せる事が減っている事、いつかこのまま忘れられる気がした。
またこの本の内容を忘れかけた時に読み直したい。
Posted by ブクログ
すごく丁寧に書かれているような気がして、長い物語ではないんだけど、読み応えがある。
というか、しっかり感動できた。
じんわりと、良い話だなぁ・・・と
Posted by ブクログ
何故なのか分からないけれども、心の深いところに沁み入る様な物語でした。ぼんやりと生きている冬子に共感出来るところもありつつも、共感出来ないところもあり、等身大の女性の心情が細やかに描かれている印象を受けました。何に対しても受け身に生きていた冬子の人生の中で、三束さんと過ごした時間は、初めて彼女が主体的に行動出来た時間だったのだろうと思います。真夜中の様にしん…とした空気感を感じる、しんみりとした読後感でした。
Posted by ブクログ
一人の女性が自分を見つける物語だった。
仕事、恋愛、人間関係、色々な環境の中で自分の外殻に触れて形作っていくような
人は良くも悪くも外の世界と関わることで、自己を確立させる。主人公も三束さんやその他の人と関わることで初めて自分の想いに気づくことができたのかな
吸収されず反射したものが色として届く。想いとして発したものが相手に届き、自分になる?
この物語において光、色が差すものが何か、いろんな人の意見を聞いてみたい
Posted by ブクログ
言葉や描写が繊細で美しい。よってよりリアルな日々を描いている。
「あなたが自分の本当の気持ちを吹き受けて、自分で行動を起こしてそれで断られて玉砕してそんなドロドロの顔して帰ってきたって言うなら、私すごいと思うわよ。すごく頑張ったと思うもの。でも結局傷つくのが怖いのか何なのか知らないけど、安全なところからは出ないでおいて相手に気持ちを汲んでもらって、それで小学生みたいなセンチメンタルにどっぷり浸って自分の欲望を美化して、気持ちよくなってるのが端から見ててすごく嫌なんだよね。きれいごとってそんなにいい何がいいの?軽く見られるのが嫌なの?何か大事なものを守ってるように男に見られたいの?誰に見られたいの?そういう自分が好きなの?いっとくけど、それってただのグロテスクだよ。
生きることにこつというものがもしあるとするなら、それはやっぱり全面的には深刻にならないことよね。」
「知ってるとは思うけど、そういう人たちが傷つかないで安全な場所でひっそりと生きてられるのは、ほかのところで傷つくのを引き
うけて動いている誰かがいるからなのよ」
「たとえばあの葉っぱがみえるのは、葉っぱに光が当たっているからですけど、それであれが緑にみえるのはですね、これも簡単に言ってしまうと、葉っぱが無数にある太陽の光の色のなかから緑以外の色を吸収してしまって、それで緑色の光だけを反射しているからなんですよ。もちろん精確にいうと一色だけを反射しているわけではないんですけれど、まあそれが人の目には緑にみえるというわけなんですね」
Posted by ブクログ
言葉がとても繊細で美しく、ひとつひとつを大切に味わいながら読み進めました。
光や真夜中の描写が儚くて切なく、静かな物語なのに感情の揺れが繊細に伝わってきました。
主人公の冬子は、人との関わりが苦手で、傷つくことや失敗を恐れ、淡々と日々を生きていて。
自分の意思や言葉が曖昧で、時に危うく感じる部分もあったけれど「何も選ばずにやり過ごしてきた」という感覚には共感するところが多かったです。
聖との口論の場面はぐさぐさと刺さり、自分の感情は誰かの引用なのではないか、という問いも強く心に残りました。
三束さんと出会ってから、冬子は自分の感情に気づき、連絡をしたり、おしゃれをしたり、告白したりと、静かに行動を起こしていく。結果がどうであれ、「自分の意思で何かを選んだ」という経験は、冬子にとって大きな一歩だったと思います。二人のぎこちない会話や、光について語る場面もとても繊細で印象的でした。
人生は孤独で、人と関わることは煩わしい。それでも誰かとつながりたいという気持ちは消えない。登場人物たちの不器用さや葛藤を通して、恋愛や生き方に正解はなく、それぞれの在り方があるのだと感じました。
Posted by ブクログ
久しぶりにこういった恋愛ものを読んだが、若い頃は憧れを感じたり切なさが身に沁みたが、年をとってから読むとどこかで「甘えるな」と思ってしまう。
仕事、家事、育児、介護など毎日の中では自分を殺してやらなくてはならないことが多々ある中で、センチメンタルに浸かっているだけの主人公に「甘えるな」と言いたくなってしまった。
聖に非常に近い感覚。でも読みやすく面白いと思う。
以下、好きなフレーズ
あなたが自分の本当の気持ちを吹き受けて、自分で行動を起こしてそれで断られて玉砕してそんなドロドロの顔して帰ってきたって言うなら、私すごいと思うわよ。すごく頑張ったと思うもの。でも結局傷つくのが怖いのか何なのか知らないけど、安全なところからは出ないでおいて相手に気持ちを汲んでもらって、それで小学生みたいなセンチメンタルにどっぷり浸って自分の欲望を美化して、気持ちよくなってるのが端から見ててすごく嫌なんだよね。きれいごとってそんなにいい何がいいの?軽く見られるのが嫌なの?何か大事なものを守ってるように男に見られたいの?誰に見られたいの?そういう自分が好きなの?いっとくけど、それってただのグロテスクだよ。
生きることにこつというものがもしあるとするなら、それはやっぱり全面的には深刻にならないことよね。
Posted by ブクログ
納得いかない終わり方。
そして主人公冬子の行動、聖の言葉にとてもむずむずした。仕事上仲は良いが、根本的に合わない何かが2人の距離を近づけようとしていない感じ。
そして三束さんは誠実そうな人だったのに約束を破って嘘をついて姿を消したのも納得できない!!
Posted by ブクログ
ずっとどんよりしていた、、最後友情が壊れんかったことは意外で、まぁ良かった。その友達のことはずっと、なんやこいつ!と思いながら読んでたけど
Posted by ブクログ
こんなに不器用に生きている人がいるのだなと思う反面、
あ、なんか自分みたいだな、、とも思う。
作者の
言葉のチョイスがとてもよい。好き
ふれているとは
これ以上近づけないということでもある
みたいな表現があって
ああ、なにこの感じ!!とブックマークしたくなった。
もう一回戻ってみよう
Posted by ブクログ
入江冬子にはあまり共感できなかったし周りにいないけど、描写が詳細でそういう人もいるんだなと思った。アル中はまじかと思った
みつつかさんよく平然と嘘つけたな
怖い!
聖が真逆で気持ちよかった
Posted by ブクログ
一つのシーンを緻密に表現するのが特徴的だった。一読したけどあまり理解が追いつかず。。期待していたラストではなかったので驚き。ただ文のまま読んでいるだけだと、作者の意図を汲みきれてない気がした。誰かの解説記事を読んで「そういう事だったのか」と理解する事ができた。国語の問題文のようだ。
もう一度読み直して咀嚼したい。
Posted by ブクログ
三束さんとのシーンの表現が美しかった
でも結局嘘で作られた世界だから美しかったのかなとも思えた
本音でぶつかりあえた聖みたいに三束さんも一方的に告げるのではなく本音でぶつかってほしかったかな
あと三束さんの仕事がなくなってから今までのことはどんなことが書かれていたのか気になる
Posted by ブクログ
とりあえず文章から連想できる情景がとても綺麗だった。雪や雨がとても似合うシーンが多く、主人公の感情が徐々に表現されていき、そこに切なさと愛おしさを覚えた。静かにスローに、大人の初恋がなされていく。相手もまたいい、好きだわ、哀れな彼。
(ただ、少しダラダラと長く集中できない所もある。特に仕事系とか、友人のところとか、あまり記憶にない。もっと恋愛部分を深掘って書いてほしかった気もする)