あらすじ
「真夜中は、なぜこんなにもきれいなんだろうと思う」。わたしは、人と言葉を交わしたりすることにさえ自信がもてない。誰もいない部屋で校正の仕事をする、そんな日々のなかで三束さんにであった――。芥川賞作家が描く究極の恋愛は、心迷うすべての人にかけがえのない光を教えてくれる。渾身の長編小説。
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Posted by ブクログ
Clean Bandit "I miss you"
ポケットに入った生米も嫌だった初体験も、ろくでもない関係性と、すごくすごく大切な景色や音、光や暗闇と、その全てを覚えいることはできなくて、忘れてしまうことも多い。忘れないように大切にしようとしたり、忘れようとしたり。その忘れてしまったものから成る今の私と、それをふと思い出したときの言葉にできない感覚の物語。(なので全然感想が上手く書けない。のだが読後感は最高だった)
きっと誰にとっても三束さんような人がいる。
なんだったのかはわかるようでわからなくて、好きだったのか体目的だったのか、友達だったのか、なんでもなかったのかわからない。けどとてもとても大切で好きな人。
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川上さんの作品としては2作目。
乳と卵より好きかも。
どうしようもなく不器用な主人公、入江冬子にモヤモヤするが、どこまでも透明で純粋な世界が、夜を彩る光のよう。
川上さん、上手いなぁと思う。
Posted by ブクログ
大好きすぎて再読
みつつかという名前がもはや好きです
三束さんの話し方から言葉まで魅力的なんだけど容姿はどこにでもいるような普通のおじさんなのがいい
私の中で創られた三束さんにずっと恋してる
昔読んだ時の感想読み返したけどおんなじようなこと言ってた。てか今より愛溢れてた。
内気な人の恋
他のサイトのレビューを読んでいると、
主人公に感情移入出来なくてイライラした、
というのが結構あったが、
それは読者が外向的な性格だからだろう。
内向的で人付き合いが苦手な人なら
必ず共感出来る作品。
Posted by ブクログ
恋愛小説として読む人も多いと思いますが、私は主体性と社交性が乏しい冬子が自分なりに〝苦手〟なことへ小さく踏み出してゆく物語なのかなと感じました。
冬子と三束さんの関係も「えっ、これ恋愛?」と首を傾げるような曖昧さ?
三束さんは成り行きで会っていただけで、気づけばただならぬ流れになり、ふと我に返って後退りしたのかな、そんなふうに想像しました。
終盤で人物像が覆され、ロマンチックな夢(酔い)から醒め、一気に現実に引き戻されるようなラストは、どこかブラックユーモア的で苦笑い。
不思議な余韻が残りました。
特に印象に残ったのは、冬子の「日本酒入り魔法瓶」と、知人たちとの後味の悪い会話の数々。そこでは共感や価値観の受取り方を、どこか上から試されているような居心地の悪さを感じていました。
そんな空気のなか、冬子が語った
「大事なものは、人それぞれ違うでしょう それに、なぜあなたに、がんばったって言ってもらわなきゃいけないの」
このひと言で、ようやく胸がスッとしました。
突き詰めれば、自分は自分、人は人。
人と関わり合うなかで、気持ちを言葉にして伝えあう難しさや、自分の中にもある同調圧力や「普通」の決めつけについて、静かに考えさせられました。
いろんな角度から楽しめる作品と思いますが、個人的にはそれほど好みではなかったかもしれません。
むしろ、読者によって、解釈が大きく分かれる感想を知るほうがなんだか興味深くて、面白ように感じました。
Posted by ブクログ
文章、文体がとても好き。
生きてる中で、うっすら思ってることとかをしっかり言葉で表現してくれた。
最後の文も大好き。
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いっぱいいっぱいになって、ただこの人のことを好きとしか思われへん感じがすごいわかる。
聖の言ってること理解できるけど、人の気持ち感情は複雑なの。
Posted by ブクログ
音楽のような美しい文章。
長いセンテンスと短いセンテンス。
あえてのひらがな使いと平易な漢字。
独特なリズムで心地良かった。
フリー校閲者:入江冬子、生きるのに不器用で人と関わるのが苦手。でも孤独を選びとっているわけではなくとても不安定。
好きになった2回り歳上の三束さん。
冬子と正反対でアグレッシブな聖。
誰でも生きていけば傷つくことと遭遇する。
そこから学び、時を薬として進むしかないのよね。
そして思い出した!
息子が小学生時代のママ友…呂律が回らずプツッと突然切れる電話。掛け直すも出ない。。。そんなことが何度か続いたことを。。。
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主人公冬子の恋愛観が少しだけ自分に似ていて、感情移入してしまいました。
また、聖のような女性に抱くような感情にも共感します。
冬子は報われない恋に憔悴していましたが、最後は今まで通りの生活に戻っていって安心しました。
ですが、ぜひ続編で新しい恋もしてほしい!とも思います。
これからされる映画化にも期待しています。
Posted by ブクログ
切ないけれど、いい終わりだと思った。
恋愛小説ではあるんだけど、確かにそれがメインなのだと思うのだけど、私は友だちの物語としてとても良いと、とても好きだと思った。
読んでる間は少し苦しく感じていて、「感想は捻り出して書くことになるかも」と思ったりもしてた。
けど、大きな展開を経た最後、その印象がガラッと変わって、感じていた苦しさが嘘のように、スッキリした気持ち良さを感じた。
スッキリといっても色々あると思うんだけど、ひどい風邪でだるかった体が、熱がひいて体がスッキリしたときみたいなスッキリ。
不器用な主人公が少しずつ周囲の人間から影響を受けて、自分を変えたくなって、でもやり方が本当に不器用で、苦しくなる。
でも、だからこそ最後のシーンが尊いと思った。
Posted by ブクログ
表現がとても綺麗で、読み進めやすかった。
あれだけ悩んで考えていた事も、周りの人間関係も、完全では無いけど元通りの生活に戻っていくことで薄れていくのがリアルだった。
また、女性向けの実用書のコーナーのシーンで、昔自身も違和感を覚えたことを思い出した。私の人生は恋愛だけじゃないはずなのに、恋愛に支配されてる感覚がしたあの時、自分が何を考えていたのか思い出したい。
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それなりの歳を重ねた男女の恋愛。
光の行方について話している時、やっとこの物語の意図的なものに気付いた気がしました。
枕元の光が窓から宇宙空間にすり抜ける
輝いているどんな光もいつか宇宙に吸収されて目には止まらなくなるけど、どこかで生き続けてる気がします。そうであってほしいですね。
Posted by ブクログ
大人の恋なのに、初心な感情があって、相手への強烈な思いや、臆病から来る恐怖が、こちらにも伝染してくる。
どんな真夜中も、どんな大恋愛も、風化する。
Posted by ブクログ
2026.10
黄色い家が衝撃だったので
他の作品も読みたくて
前から気になっていた本
本屋で最初の一文を読んでこれだ、と思った
通勤途中にちびちび読み
最後は週末に一気に読んだ
脳内再生されて勝手に映画になるのすごい
川上未映子さんの登場人物の会話は
私の心をぐさぐさ突き刺してくるので
かなりずしんとくる
人間を感じる
職場のアル中の人のことを考えながら読んでいた
===
P5 夜中は、なぜこんなにもきれいなんだろうと思う。
それは、きっと、真夜中には世界が半分になるからですよと、いつか三束さんが言ったことを、わたしはこの真夜中を歩きながら思いだしている。
P161 「そんなのっていつか仕事で読んだり触れたりした文章の引用じゃないのかって思えるの。何かにたいして感情が動いたような気がしても、それってほんとうに自分が思っていることなのかどうかが、自分でもよくわからないのよ。〜とにかく他人のものを引用しているような気持ちになるの」
P183 「…家族も家も、親も、学校も、この町もさ、何ひとつ僕が選んだものじゃないんだよ。〜みんなそろいのお面でもつけてるみたいにぼうっとした顔してさ。ぞっとするんだよ。退屈と停滞を、平和とか安心なんかと取り違えてるんだよ。」
P261 ひとりきりなんだと、わたしは思った。もうずいぶん長いあいだ、わたしはいつもひとりきりだったのだから、これ以上はひとりきりになんてなれないことを知っているつもりでいたのに、わたしはそこで、ほんとうにひとりきりだった。
P291 わたしは自分の意思で何かを選んで、それを実現させたことがあっただろうか。何もなかった。だからわたしはいまこうして、ひとりで、ここにいるのだ。〜いまみたいに自分に言い訳をして、自分がこれまでの人生で何もやってこなかったことを、いつだってみないようにして、ごまかしてきたのだった。傷つくのがこわくて、何もしてこなかったことを。失敗するのがこわくて、傷つくのがこわくて、わたしは何も選んでこなかったし、何もしてこなかったのだ。
P341 わたしのことなんて何も知らないくせにっていうかもしれないけど、それはそうかもしれないけれど、でもわたしはあなたを友達だと思ってるの、と涙と鼻水がいっぱいに広がった顔を歪ませて声にならないような声で言った。わたしは肯いた。あなたのことをもっと知りたいと聖は言った。
P345 「色々あるけど、こっちの世界もまあ悪くないわよ。はやく生まれてこい」
Posted by ブクログ
みんなが必ず心のどこかに感じている誰かといたいという気持ち、けれども人と関わることの難しさや大変さ、そんなものを感じさせる作品。
話に起伏はなく、淡々と過ぎていく冬子の日常に気づいたらのめり込んでいてスルスルと読み進めてしまう。
物語の終わりはどこかすっきりしないが多くの人にとってそうであるように物事にしっかりとしたオチはつかない。
だからこそ自分の他人との関わり方や今までを振り返りたい気持ちになる。
Posted by ブクログ
なんか共感もできないし、ドキドキワクワクもしないし、流れるように静かに読み進める感じが新鮮だった。冬子と聖が続いてくのは2人にとって良い方向に進んだなと思う。自分には合わないけど、良い本ではあった。
Posted by ブクログ
文章は美しい。主人公の見ている世界の描写も美しい。だけど気持ち悪さが拭えなかった。主人公がぼんやりしてて、他の人との会話の場面とかイライラするし、最後まで共感できなかった。でもラストは少し感情が目覚めたのかな…?
Posted by ブクログ
「黄色い家」が衝撃だったので川上さんの他の小説をあたっている最中。
冒頭から冬子や聖の性別に確信が持てないときがあった。「聖」って男性でもありそうな名前だし。(読み方は「せい」で良いのかな。)
途中、典子が冬子を「入江くん」って呼んでいて、ますます混乱。冬子は男性だったの?途中で性を変えたの?いや水野くんとの描写を見る限り女性だよね?とか、、、
正直この物語の結末より、そこが気になってしまっている。笑
冬子がアルコール依存症なことが、あまりに自然に描かれていて、そこが怖くもあった。「アルコール依存症=悪」という解釈がそのまま持ち込めず、冬子がお酒を飲むことで三束さんと楽しい時を過ごして自信を持てるならそれでいいんじゃない、と言う気持ちにすらなった。結局最後はアルコール依存を克服できたのかな?
三束さんが実は高校教師じゃなさそうなのは、読んでいる途中からわかった。何か事情があって、生きたかった人生を生きられなかった人なんだろう。だから、冬子の危うい感じを一緒にいることで救ってあげたいと思ったのだろうか。
聖については、共感できる部分もあった。でも必ずしも冬子を利用だけしていたわけじゃないと思う。冬子のような生き方に憧れるところもあったんじゃないかな。二人は友達として今後も生きていく気がする。
主人公全員が、自信のなさだったり、危うさを抱えていて、この物語の中で冬子が三束さんや聖との関係を通して少しでも前向きになれたように見えたことがせめてもの救い。
Posted by ブクログ
冒頭の一文があまりにも美しすぎる。
肯定も否定もせず色んなことを受け入れていく主人公の冬子。
私はどちらかと言うと聖と似たタイプの女だと思う。
そして私も冬子のような人に無性に惹かれる。
冬子と聖のように自分には持っていないものを持っている同士は
惹かれ合うことが多い気がする。
「みんながみんな、あなたの常識で動いてるって思わないでほしい」
冬子のこのひと言が刺さりまくった。
2026年に映像化されるんですね。
Posted by ブクログ
率直に、こんなに何も起こらない物語の登場人物を生き生きとさせて、読み手を退屈させない文才が半端ないと思った。
映画化されたら絶対観ようと思うけれど、映像化が難しくないですかねぇ…この人が書く文章だからこそ魅力的だと思うんだけど…。。
なんとなーくふらふらぼんやりしてた不器用なのか器用なのかわからない危なっかしい主人公が、自分の手で何かを選べたり、話せたり、ふと思いついた言葉を書いたりできるようになっててよかった。
光は何かに反射しないと光として認識できないけれど、見えなくても光は確かに存在していて、それを真夜中の恋人として、何か愛しいものとしてるのかな、と解釈しました。
関係性に何か名前がなくても愛しい人やものってあるよね、、
Posted by ブクログ
こじられた人々のお話
話自体は大きく展開しないが、作者の情景描写のうまさと、主人公たちの心情などを描き楽しみながら読み進めていった
・どんどん主人公がアル中になっている姿が怖かった。途中まで登場人物が触れることなく進んでいるからこその怖さ
・聖さんの語録がとても印象に残る
感情に対して「なにかの引用じゃないか」は、SNSでえた情報や感想を嬉々としてなる我々も強く心当たりがある
・分厚い本を見て「人が人に伝えたいことがこんなにある」
・スプーン1,2杯の液体を体から出すだけでこんなにも変わる
主人公が典子から「入江くん」って呼ばれているのは、伏線かと思ったが違った??
Posted by ブクログ
文章がとても綺麗。
静かな夜やその他場面も想像しやすい
でも冬子のアル中で肯いてばかりで自己主張がない感じが私にははまらなかった。
あの会話のテンポ感雰囲気、繊細な表現が好きな人はおすすめだと思う
Posted by ブクログ
感情移入しきれず。
酒の力を借り、人の服で着飾る女。
本来でない仕事を語る男。
女はファッション、男は仕事というステレオタイプ。ある種の風刺なのか。
学生時代のセックスの話含めて、聖との関係性も含めて、人生を消費される冬子と、
消費する周りの人。
それぞれがどんな価値観で人生を送っているのかとても分かりやすく描写されてる。
好きになれる登場人物がいないのが大きいのかな?
すべて真夜中の恋人たち
これにどんな意味があるのかもまだしっくり来てない
Posted by ブクログ
繊細でいて生々しい、美しさと醜さを綺麗に納めたような小説だった。
全体的に冗長なのが主人公そのものを表しているようで、時折目を背けたくなった。
Posted by ブクログ
初の川上さんの作品。
言葉とか、全体の雰囲気は文学的って感じた。お堅めな文学賞とかで好かれる系統と言ったらいいのかな。
大きな進展のない話だけど読みやすかったのは川上さんの力なんだろうな。
ただ個人的に主人公のことを好きになれなかった。
冬子は自分には自分がないと思っているんだろうけど、考えることを放棄しているだけというか、苦手って決めつけて自分からは動こうとしない。何をするにも緊張するのはまだわかるけど、それをお酒に頼ってなんとかするのは人としてどうなのかと思ってしまう、、。
よっぽど聖のほうが人間味があって好き。
まさに「自称サバサバ系女子」って感じだけど、人からどう思われるかよりも、自分がどう思っているかをはっきり言ってくれて、見ていて気持ちがいい。
ちょっとこねくり回しすぎな気もするけど笑
Posted by ブクログ
言葉のひとつひとつがきれいでうっとりしてしまうような文章ばかり。装丁も好き。
人と話すことが苦手で、自信の持てない冬子、殻に閉じこもってしまって、どんどん鬱々としていくシーンは読んでいて苦しかったけど、誰しもこういう繊細さや脆さを持ち合わせていると思う。
でも、そんな冬子だからこそ、三束さんとのひとつひとつの対話が、本当に大切で、光みたいに感じられたんだろうな。
学生のころに一度読んだことがあって、その時は冬子にすごく共感できた記憶があるんだけど、今回はもう少しこうすればいいのに!ってもどかしさを感じるシーンも多かった。
再読して自分の価値観が変わっていることに気づけるのも読書の醍醐味だなと思った。