【感想・ネタバレ】すべて真夜中の恋人たちのレビュー

あらすじ

「真夜中は、なぜこんなにもきれいなんだろうと思う」。わたしは、人と言葉を交わしたりすることにさえ自信がもてない。誰もいない部屋で校正の仕事をする、そんな日々のなかで三束さんにであった――。芥川賞作家が描く究極の恋愛は、心迷うすべての人にかけがえのない光を教えてくれる。渾身の長編小説。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

本書を読んで強く感じたのは、人の感情は決して一つではなく、いつも「ごちゃまぜ」なのだということだった。

聖は主人公に苛立ちをぶつける一方で、「友達になりたい」と涙ながらに伝える。三束さんの「人には、色んな事情があると思うので」という言葉も、主人公への優しさであると同時に、自分自身への弁明でもあったのかもしれない。誰かを思う気持ちと、自分を守りたい気持ちは、きれいに分けられるものではないのだと思った。

また、「自分の頭で考えたものじゃないと厭なのよ」「好かれるために生きてるわけじゃない」という言葉には、自立した生き方への憧れを感じた。自分を大切にしながら、周囲とは適度な距離を保ち、本当に大切な人とは深くつながりたい。そんな人との関わり方について考えさせられた。

そして何より心に残ったのは、「一日ごとに薄まり、忘れ、やがて消えてしまう記憶のなかにある痛みだった」という一節。今抱えている辛さも、いつかは少しずつ薄れていく。この小説は、心の傷を抱えている人に静かに寄り添ってくれる一冊だと思った。

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2026年06月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

〜1周目〜
2023.07.04
恋愛物語というか、大人の女性が大人でありながら少しずつ成長していく物語になっていた。
奥手すぎるとイライラする部分もあったけど繊細な人々の話なのだなと思った。

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2026年06月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

冬子さんが三束さんとの関わりを通して感じる感情、それを表現する言葉が、美しくもどこか胸を締め付けられるようで引き込まれてしまいました。
聖との衝突が書かれている所が特に好きで、修復を経て強くなる関係の美しさや、聖の心のうちでは生きづらさを抱えていることがよく分かる場面で、人間の魅力が良く表現されているなと思いました。
最後の選択は、三束さんなりの誠意なのか、本当の事を伝えるのが怖かったのか、両方なのか、また他にも思うところがあったのか、何か事情があったのかは分かりませんが、もっと言葉を交わしていれば、なんて思うのは無粋でしょうか。
日を追うごとに薄まっていく感情を抱えながら、たまに思い出して泣いて、思い出すこともなくなって。
いつか忘れてしまうのは必然で、人間として正常な反応であるからこそ、価値のあるものなのだなと気付かせてくれた本でした。

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2026年05月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

どちらかと言えば聖寄りの性格なので、大人しくて自分の意見をなかなか口にしない冬子の心情が新鮮だった。
冬子や他の登場人物からみる聖の印象が分かりやすくて、聖の気持ちも分かりやすかった。聖の、自分達もそうしたいと思ってるくせに堂々としてる人を軽蔑したりするのがイライラする、どうせ今も私があげた下着をつけているんでしょ、みたいなシーン、私も似たような気持ちになった事がある。
冬子と聖は間反対な性格だけど、2人とも恋愛下手で、痛々しかった。

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2026年05月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

なんとなく会社で周囲に馴染めなかった冬子、ご縁があり個人で校正の仕事をこなす中で聖と出会う。
(この時点で強い主体性がある訳では無いと示唆されてるなと思い返した。)
三束さんとの出会いはドラマ的ではなかった。カルチャーセンターにいく勇気を得るためお酒を飲んだ冬子。ここから少しアルコールで得られる感覚の鈍りに頼りがちになる。
喫茶店で頻度は少ないが三束さんと会うようになる。
物理の本、光の不思議な話、ピアノ子守唄が入っているCDなど三束さんから頂いたものも沢山あるにもかかわらず、冬子の胸に残るのは話している時に見ていたであろう三束の手や目の皺などばかり。この時点で既に冬子は三束に惹かれていたのだろう。
お互いに何をするわけでも特別な関係でもなかったがある時冬子の一言で関係が変化した。
私とそういったことをしたいと思ったことがありますか?そんな聞き方するか?とも思ったが冬子なのだから仕方ない

三束の誕生日に聖から贈られた彼女の不要な服、靴、鞄、下着を身につけ出かける。
あんな素敵な女性だったら隣に立てると錯覚したのだろう。ありのままの冬子で良かっただろうに。
帰宅する道中に心配してかけつけた聖とばったり会い、思ったことをそのまま口に出され口論?一方的なとっつきにあった。


三束の嘘は何のためにあったのか。それだけが不思議。

今回は主人公に共感することができなかった為か少し話にとっつきにくさを感じた。
言葉を紡ぐのに何度も頭の中で校正し、考えているうちに時間が経ってしまう。そういう彼女は言葉の重みを知っているのだ。

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2026年06月22日

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