川上未映子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
めーっちゃ面白かった。
川上さんだからこそインタビューを受けたそうで、かなりグイグイ突っ込んでいて村上さんもタジタジ笑
小説を創作する上でどんな手順を踏んでいるのかすごく気になっていたけどビックリするくらい自由だった。
リアリズムな印象な村上さんだけど、小説を書く際はイタコみたいなものに憑依したりもしくは何かを降ろして?書いているらしい。
その現実と非現実の間の境目に自分の影があるんじゃないかと言っていて、なるほど〜ってか天才すぎて言ってることが訳わからないって笑っちゃった。
だってイデアとメタファーを理解してなくて騎士団長殺しを書いたらしいですよ。
もう川上さん口あんぐりだっただろうな、、、 -
Posted by ブクログ
2022年の150冊目。
川上未映子さんが、村上春樹さんの井戸に一緒に入ることを試みた対談集。かなり、井戸の深いところまで二人で潜っている、そんな印象だ。
川上さんは鋭くつっこみ、村上さんが楽しそうに真剣に受け答えたり、華麗に受け流したり、そんな展開で、飽きることなく(文庫本だが)437ページの対談を読み切った。
特に、面白かったのは、村上作品に出てくる女性について「男性の自己実現のために、血を流して犠牲になっている」例が多いと言及しているところ。
川上さん、強いなあ笑
「女の人が性的な役割をまっとうしていくだけの存在になってしまうことが多い」とか
「井戸とかに対しては惜しみなく注がれて -
Posted by ブクログ
麦くんとヘガティー、小学4年生の『ミス・アイスサンドイッチ』と、小学6年生の『苺ジャムから苺をひけば』の中編が2作。いいコンビだなぁ。
二人の姿から、忘れていたたくさんの感情を思い出した。どうして大人になると忘れてしまうんだろう。
あのころは、たしかに世界が変わる瞬間があった。そうしてじょじょに開かれていく世界に、おどろき戸惑い目をみはってきたはずなのに、気づけばこうして開ききった世界にいる。
「大人ってわからないんだよ、わたしたちが何を考えているかとか、何がいやで、どんな気持ちでいるかなんて」というヘガティーの言葉にぐさり。12歳のとき、私もそう思ってたよね。
きらきらとしたイノセントに満ち -
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川上未映子さんの短編集。
「彼女と彼女の記憶について」
「シャンデリア」
「マリーの愛の証明」
「ウィステリアと三人の女たち」の四編。
田舎町の中学の同窓会に、出欠の返信も出さず当日に突然現れる女優や、思わぬ大金を手にして、デパートで気まぐれに高価な買物をして一日を過ごす女性などを主人公にした物語。
記憶とか、お金とか、愛とか、同じところにとどまることを知らない、曖昧で不確かなものたちについて、独特の言葉で美しい世界を創り出している。
表題作の「ウィステリアと三人の女たち」が良かったです。
向かいに住む主婦が、目の前で壊されつつある大きな家に真夜中に忍び込んで、かつて住んでいたウィステリ -
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初・川上未映子さん。
この文体、好きかもしれない…。
黒髪おかっぱ頭のやんちゃ娘ヘガティーと、絵が得意でクラスメイトにあだ名をつける名人の麦くん。
ふたりは学校でそんなに目立つ存在ではないけれど、男の子と女の子の最強小学生コンビなのだ。
低学年の頃、麦くんが気になって仕方がない「ミス・アイスサンドイッチ」のことをちゃんと聞いてくれて、会いたいときには会いにいかなくちゃと背中を押してくれたヘガティー。
六年生になってクラスが離れても、悩みを打ち明けたり、一緒に笑ったり、互いを支え合うかけがえのない存在。
家の近所で起こった出来事や、家族のことや、学校の授業、友達との何気ない会話が小学生その -
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作家、女優、映画監督、映画、タレント……豪華26人が「恋文」を競作!
史上最高の執筆陣が放つ、心を鷲づかみにする名文集。
うわ〜こんな豪華なラヴレターがあるのだろうか
ヾ(✿❛◡❛ฺฺ)♡
人様の恋文を盗み読むなんて…贅沢(◠‿◠。)♡
恋文と言っても多種多様なかたちのお手紙。
作家さんだけが文章が上手いと言うのではなくて、作家さんは勿論のこと、女優、映画監督、落語家、歌人、タレントetc…みんな上手くて短い文体の中に様々な人間模様があり、
その人となりが見えるようで…これって、
ラヴレターなの~(・・?))って思うようなものまで素敵に描かれていました。
先ずは一編目を…いや、最初のお手紙の -
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購入済み
役立たないけれど、役立つこと達
私たちが社会に役に立つものを求めるとき、
私たちも役に立つものであることを求められる。
これはきわめて当然だけれど、
私たちは役に立つものばかりから
できているわけではない。
私は私自身の役に立たない部分を
かえって私のアイデンティティを
表すものとして、「最後まで」
愛することができるだろうか。
また、私は、私だけで私であるわけではない。
私を生み出してくれた者たちも
私の一部である。
私は、私の一部が不完全であっても
かえってそれを愛せるだろうか。
〇〇は、後ろめたくて
自分に大きな穴ができたように感じる行為
かもしれないが、意外と戦略的で
原罪とも呼 -
Posted by ブクログ
2015年刊行。川上未映子さんのミクロで鋭くキラキラした言語感覚が余すところなく発揮された傑作だった。言語感覚よりも倫理的問題の方に主眼が向かっていた『夏物語』よりも、私はこちらを推す。
なにしろ語り手が小学生たちなので、「コトバ」との関わり自体が頼りなく、切実だ。「○○だ、でもよくわからないような気がする」というふうに、コトバを挙げてみてはやっぱり違うかも、と首をかしげる所作が繰り返されるなかで、それでいて子もたちの無垢な心の動きが浮き彫りにされていく。コトバとの関係性の微細な揺れがそのまま芸術的な美のおののきのようでもあって、これこそまさに純文学であり、芸術小説だと思った。
最後の方 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「対談」って手抜きで本を作ってテキトーに売ってる印象があって普通は読まないんだけど、村上主義者なのでこれは読みました。
対談じゃなくてインタビューですね。村上春樹を死ぬほど熟読して、どこに何が書いてあるかも、小説の登場人物についても知り尽くし、村上春樹がどこぞのスピーチで何を言ったかもフォローしている川上未央子氏の、一作家として、読者として、ファンとしてのすごいインタビュー。「騎士団長殺し」に出てくる「イデア」と「メタファー」についても一体何なのか(多くの読者が聞きたいところ!?)掘り下げて聞く。
…まぁ答えは例によって「僕にもわからない。」なんだけど。
一番心に残ったのは、あぁつまり、村上春