川上未映子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2026.2
ページを捲る手が止まらない。
読んでいる文字が映像になる。
ほぼ映画だった。
泣いた。
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P60 ふいに母親の笑っている顔が浮かんできた。その瞬間、ずきんと音をたてて胸が痛み、お母さんは、こんな肉を食べたこともなければ、このさき食べることもなく、そして世の中にこんなものがあることすら知らないんだと思った。
P72 「世の中は、できるやつがぜんぶやることになってんだから、考えたってしかたないよ。無無駄。頭を使えるやつが苦労することになってるんだよ。でもそれでいいじゃんか」
P73 「幸せな人間っていうのは、たしかにいるんだよ。でもそれは金があるから、仕事があるから、幸せ -
Posted by ブクログ
「もしあなたが子どもを生んでね、その子どもが、生まれてきたことを心の底から後悔したとしたら、あなたはいったいどうするつもりなの」
15章の善百合子のここからの発言、苦しい、自分何度も人生で思ったことで苦しい、これを精子提供で生まれ育ての父親から性虐待された善ではなく作者が書いたと思ったら苦しい。
最後、主人公は「忘れるよりも間違えることを選ぼうと思う」と出産を決意するが、善百合子は「生まれてきたことを肯定したら、わたしはもう一日も、生きていけないから」と言う…リアルどおり人を救いきらないのが作者らしかった。他の人のレビューを読んでも善百合子に対する感想が多く、なんか救われた
ずっとなぜ夏子 -
Posted by ブクログ
後半からスピード感が出てくる、久しぶりに一気読みした小説。
生まれた家庭環境によってこんなにも人生が違うんだと、自分も一歩違えばこうやって犯罪に加担していた人生だったのかもしれないとすごく恐怖に駆られた。最近では特殊詐欺とか闇バイトとかあるけど、この本を読むと、本当に加害者だけが悪いのか。そんな疑問を持ってしまう本だった。
上下巻ありかなり読むのに体力は必要だったけれど、まったく飽きず最後までドキドキしながら読めた。感情移入しすぎて読んでいる最中ほんと苦しくてつらかった〜。負けという表現はおかしいけれど、小説家(川上未映子さん)に敗北のような気持ちでいっぱいです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ闇バイトってどうして無くならないんだろうとニュースを見て思っていましたが、この本を読んで、生活苦や危機感などいろんなものが合わさって無くならないのかとしみじみ思いました。
花ちゃんの変わりようから、人間立場が変わると次第に性格も変わってしまうのかとも思いました…
友達関係からリーダー的立場になり、頑張らなきゃという気持ちが先行。それに蘭ちゃんや桃子が付いて来てくれるかと思ったらそんなこともなく、今までと変わらず呑気に見える2人や頼れない大人の黄美子さん…
何かを一緒にするするとき、同じ熱量、同じ価値観がないと破綻してしまうのかと思った。
最初からお金があったら解決した問題なのかと考えたが、お -
Posted by ブクログ
先日、第1子の妊娠がわかり、幸福と不安を感じる日々を過ごしてたので、思わず本作を手に取りました。
前半の出産パートは、自分でもだいぶ調べていたこともあり、そうだよなこんな感じだよな、とより具体的なイメージを膨らませることができました。
後半の育児パートは、戦慄しました。妊娠中から若干に感じている夫との気持ちのギャップ。お腹に宿しているからこその、孤独と責任感。産んだあとは、こんなもんじゃないのかと……大変びびりました。
でも、そんな辛い時間もいつかはかけがえのない思い出になる、というのも母親の特権だと考え、先輩方の後に続き、肩の力をぬいて頑張ろうと思います。
あと、夫にも読んで欲しいです。 -
Posted by ブクログ
小説の題材は「苛め」です。
これは社会で起きているであろう真実を、その当事者の思考や哲学を読み解きながら、問題提起している作品であると思います。
苛めをする側の独善的で倫理観の欠如した思考と、苛めを受ける側の苛めに耐えて受け入れていく人生哲学を、それぞれ登場人物に語らせることで、何が善(正義)で何が悪(不義)なのか、どちらが本当の強者でどちらが弱者なのか、を問うそんな内容でした。
物語は、斜視が原因でクラスの男子生徒から日常的に苛めを受けていた14歳の中学生である「僕」のもとに、「わたしたちは仲間です」という手紙が届くところから始まります。それは同じクラスの女子生徒「コジマ」からの手紙で、