川上未映子のレビュー一覧

  • すべて真夜中の恋人たち

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    恋愛小説は好んで読む方ではないですが、とても心に残る作品でした。恋愛部分もそうですが、人の孤独というものがとても綺麗に表現されていて、そして文章に透明さを感じるのはこの作者さんだからなのでしょうか。はじめてましての川上未映子さんです。第一冊目印象、結構好きです。
    本書に登場する女性陣、冬子にも、聖にも、恭子さんにも、典子にも、共感ができるところがあります。もっと楽に生きたいなぁと思ってしまいます。先が知りたくてずっと文字を追っていたらあっという間に読み終えてしまいました。ドラマチックなラストにはならなかったですが、それが良かったのかなとも思います。また、時間を置いてもう一度読みたい作品かもと今

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    2026年03月27日
  • 黄色い家(下)

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    何と言ったらいいか。
    久々に没頭して引き込まれた。
    こんなはずじゃなかった、どこかで引き返せたのか。
    正当化し続けることで生きていけることもあるのか。
    その世界にはその世界の人間同士の特殊な絆があって、それぞれに守りたいものがあって、でも普通の世界には戻れない。
    引き返したい時にはもう遅い。
    最後はそれを受け入れていくしかなかったのか。
    どこで歯車が狂ったのか。それでも大切な人には変わりない、どうしようもない自分の人生に必要な人だった。

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    2026年03月27日
  • 愛の夢とか

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    短編集。短中編くらいのものもある。
    どれもそれぞれ別の女性が主人公でそれぞれの人生なんだなと思うが、どこかお花のイメージが共通してある感じがした、
    好きなもので作り上げた家を引き払うことになり、でも未練が残って戻ってきてしまい、特に思い入れが強かった庭に埋めてもらう「お花畑自身」や、心配性の妻が早くに亡くなってしまった仲睦まじい夫婦のその後(とその感覚)を描いた「十三月怪談」など、軽やかで飄々ともしているけれどテーマとして重みもあるものが印象的だった。

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    2026年03月27日
  • きみは赤ちゃん

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    妊娠期にも一度読み、出産3ヶ月経った今改めて読み返した。妊娠から出産にかけて自分が感じていた子供に対するこのかけがえのないじんわりとした思い、そして絶対に失いたくないというある種の恐怖のような気持ちも含めて、うまく言葉にできないところを全部代弁してもらったかのような。とくに、最後から2番目の章では、子供に対するたまらない思い、一瞬の煌めきを丁寧に繊細に描かれていて涙が止まらなくなった。すべてのおかあたんに捧げたい最高のエッセイ。

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    2026年03月26日
  • 黄色い家(下)

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    下巻も一気読みだった。
    お金、お金、お金。
    お金に依存しすぎてしまった。
    人に、依存してしまった。
    お金を簡単に稼ぐことを知ってしまった。
    でもそうでもしないと生きていけなかった。
    主人公である花は、必死で生きていた。
    花がやっていたことは犯罪であり、決して許されることではないけれど、どうしてこうなってしまったのか。
    花にはこれしかなかった。
    これしかないと思ってしまった。
    みんなはどうやって普通に稼ぐことを教えてくれるのだろう?知ることが出来るのだろう?
    普通とは、なんなのだろう。
    お金を稼ぐことの大変さを仲間に共有したくて、でもわかってもらえないイライラが爆発し、どんどん花がどん底へ落ちて

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    2026年03月24日
  • すべて真夜中の恋人たち

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    ネタバレ

    随分昔に読んだ記憶が再読。なんて美しい本なんだろう。言葉が雪みたいにキラキラしてる。

    聖は「好き」を妥協してきたんじゃないかなと思った。全て好きと思い込んで全て手にしてきたけど、その中に本当の好きはなかったのではと。
    そして冬子が見ている聖が冬子にとっては全てであり、他人が聖に下した評価は気にしなくていいよなとも思った。

    典子が言った「私の人生の登場人物じゃないから話したんだよ」というセリフがとてもとても嫌で。言わなくていい事すぎるだろと。その反面心にブッ刺さってる自分もいて複雑な心境。

    二度と会えない人の幸せも不幸せも祈らず、ただひたすらに思い出す夜もある。苦い薬もいつか優しい薬になる

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    2026年03月24日
  • 黄色い家(下)

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    ネタバレ

    (上)に続き読みました!
    展開が一気に動いて黄色い家(上)で謎だった部分が解明されていきました。
    苦労して貯めたお金を2回も失ったり働き口が無くなった花は黄美子さん、蘭、桃子と4人で一緒に住む為に必要なお金を稼ぐ為に犯罪に手を出してしまい心が痛みます。
    生まれた環境が全てではないですが主人公の生い立ちはとても辛いですね…
    お金が無いという事がいかにして人を狂わすのか、人間の醜い部分が露わになっていて後半は常にもやもやしてしまいました。

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    2026年03月22日
  • 黄色い家(上)

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    ネタバレ

    SNSで話題になっていたのとジャケットのインパクトと帯の「人はなぜ、金に狂い、罪を犯すのか」というフレーズがとても気になって購入しました。
    第一章の内容は主人公の花の現在から始まっていて一緒に住んでいたという黄美子さんが何故捕まったのか?
    古い携帯に電話番号が残っていた蘭とはどういう関係だったのか?
    桃子は何故行方不明になったのか?
    等の伏線回収を感じる内容で徐々に興味を惹かれていきました。
    第二章からは主人公が15歳の時に戻ってそこから過去の話が始まり黄美子さんとの出会い等が明かされます。
    黄色い家の(上)はとにかく心が痛くなる内容で主人公に感情移入してしまうと胃痛がしてしまう様な内容でした

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    2026年03月22日
  • 黄色い家(下)

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    ネタバレ

    海外の知り合いに「Yellow House、僕の国で大人気だよ!」と言われ、逆輸入のような形で手に取った本。
    ー圧巻だった。
    今年はまだ始まったばかりだが、おそらく2026年ベスト3に入る。

    花は本当にどこにでもいる、責任感が強くて、少し自分に自信がない女の子。そんな子が、ただその時々で最善(のように見える)の選択肢を選びとり、向かった先は闇社会だった。
    花の育った環境が特殊だったとはいえ、おそらく他にもたくさん選択肢はあっただろう。きちんと教育を受け、持ち前の責任感を活かして、正しい方法でそれなりのお金を稼ぐこともできただろう。
    ただ、それを教えてくれる大人が、誰もいなかった。

    では、は

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    2026年03月19日
  • 夏物語

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    女性が子供を産むこと、持つこと、生命の意味をめぐる、とても美しい物語でした。切なくて美しい表現と、大阪弁のコミカルなリズム感が心地よかった。男性には計り知れない思いを抱いて女性は生きているのだと思いました。だから男性こそ読むべき小説だと思います。

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    2026年03月19日
  • きみは赤ちゃん

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    妊娠、出産、育児、を経験したことがなく、将来的に子供が欲しい(授かれたらいいな程度)と考えている私の率直な感想。
    こ、怖すぎる。
    世のお母さんたち凄すぎるって。
    自分には無理なんじゃないか。
    という不安な気持ちと
    私がいまこうして存在していることって
    当たり前なことではないんだな。母って偉大!
    という尊敬の気持ちになりました。
    かなりリアルに書かれてるからこそいい。
    今後、妊娠したタイミングや出産したタイミング、子育て中などのタイミングで読み返すと、きっと今と違う読み方ができるんだろうな〜
    と今から楽しみでもあります。
    読書初心者の私からするとページ数が多いのと、感情移入しすぎてしまい、読むの

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    2026年03月18日
  • 黄色い家(上)

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    上巻。
    このあとどうなっていくのか‥。
    主人公の花がとことん可哀想で。
    頑張っても頑張っても突き落とされてしまう。
    どうしてこんな辛い試練ばかり‥。
    上巻の最後は『なんでこうなるの、、』と目を塞ぎました。

    苦しいけど、下巻が楽しみ。

    2026.3.17(火)

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    2026年03月17日
  • ヘヴン

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    いじめの描写があまりにも生々しくて、読んでいて胸がヒリヒリしてしまいました。かなりビターな内容ですが、学校のいじめの物語にとどまらず、人が理不尽さや矛盾とどう向き合い生きるかを問われているようで、強く引き込まれました。

    読みながら考えたのは、
    人はなぜ集団になると残酷さに鈍感になり、正当化してしまうのか、ということです。本来、人が人に暴力をふるう権利なんてないはずなのに…、理不尽な暴力の場面に何度もやるせない気持ちになりました。

    特に印象に残ったのは、百瀬が語る「世の中の仕組み」と「世界はひとつじゃない」という言葉です。
    認めたくはないけれど、
    身近な人間関係だけでなく、歴史の中で繰り返さ

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    2026年03月19日
  • 黄色い家(下)

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    上下2巻、一気に読み終わった。
    読み終わってすぐ1週間は余韻が残るような小説。
    自分とは違う別の人間の人生を経験したように感じられる。
    内容は重めだが読みやすく、とても面白かった。

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    2026年03月15日
  • 黄色い家(下)

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    上下巻読むのに費やした時間はたった2日だけど、一人の女性の半生を一気に駆け抜け、たった2日とは思えない時間を過ごしたように思えた。
    全て終わった事だけど、あまりにも多くの激情と展開に呑まれ、駆け抜け、自分の半生のように主人公の半生を今、振り返っている。
    物語を読む小説は数多くあるが、人生を読める小説はどれほどあるだろうか。
    そんな作品でした。

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    2026年03月14日
  • すべて真夜中の恋人たち

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    Clean Bandit "I miss you"

    ポケットに入った生米も嫌だった初体験も、ろくでもない関係性と、すごくすごく大切な景色や音、光や暗闇と、その全てを覚えいることはできなくて、忘れてしまうことも多い。忘れないように大切にしようとしたり、忘れようとしたり。その忘れてしまったものから成る今の私と、それをふと思い出したときの言葉にできない感覚の物語。(なので全然感想が上手く書けない。のだが読後感は最高だった)

    きっと誰にとっても三束さんような人がいる。
    なんだったのかはわかるようでわからなくて、好きだったのか体目的だったのか、友達だったのか、なんでもなかったのか

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    2026年03月14日
  • きみは赤ちゃん

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    マザーズ後、もう一度読んでみた

    小説とノンフィクションの違いはあるけど、どちらも素晴らしい
    (もう少し何か書けるかと思いましたが、無理ですね)

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    2026年03月13日
  • ヘヴン

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    斜視を理由にイジメにあっている男子中学生。
    ある日、「私たちは仲間です」と書かれている、差出人不明の手紙が届く。
    互いにイジメられている者同士が、男女の垣根を超えて奇妙な仲間関係となり…
    家庭環境も色々あり、他には誰にも言えずにイジメに耐えていく二人。
    けれど、斜視が手術で治せると知って…。
    善悪や強弱の価値観を一人一人に問い、それぞれが出来ることと出来ないことの境目、一人一人の行動や発言の意味など、世の中の全ての価値観において深く考えさせられる。

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    2026年03月10日
  • 黄色い家(下)

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    かなり面白かった。犯罪小説や貧困を描く小説は何度か読んだ事があるが、ここまで精緻に書かれた物は中々ないと思う。怒涛に一気読みしてしまった。
    序盤は黄美子さんの輪郭が見えず、良い人なのか悪い人なのか分からぬままとにかく読み進めていったが、その自問こそがラストの展開に効いてきてかなりグッときてしまった。終わり方も、「これで良かった」と思う気持ちとなんだが居た堪れない気持ちが共存する気持ちになった。が、それも良かった。
    黄色。幸運でもあり警告でもある色、トラウマになりそうだ。

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    2026年03月10日
  • 黄色い家(下)

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    生まれた場所も時代も親も選べないのに、
    それでも生きるように迫られる人生の中で、
    必死で選んできた道だったはず。
    花の孤独でギリギリな生き方は、
    他に選択肢があったのだろうか。

    出てくる大人も含めて、
    みんなが笑いながら泣いている子どものようだった。

    可哀想とか愚かとかではなく、
    熱くならずにでも冷めておらず、
    畳み掛けるのに感情的でもまして感傷的でもない。
    なんなんだこの文体は。

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    2026年03月08日