川上未映子のレビュー一覧

  • すべて真夜中の恋人たち

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    冬子の感情の動き方が、デジャヴというか、昔私もなったことあるなぁ、と思って一緒に苦しくなりました。でも冬子の真っ直ぐな気持ちに触れて、心の汚いものが洗い流されたような気持ちです。

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    2025年10月13日
  • きみは赤ちゃん

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    現在1歳2ヶ月の女の子を育てながら、妊娠中の母という立場で読みました。
    妊娠から出産、1歳までの育児が川上さんの言葉で書かれていて、共感の嵐。もう二度と戻ってこない娘との尊い日々が、おもしろくて、愛おしくて、産前産後のあの頃の気持ちをありありと思い出させてくれる。

    2度目の妊娠で自分を客観的に捉えられて、ガルガル期なんかも穏やかに過ごせるんじゃないかと思ってるけど、そんなに甘くないですかね、ホルモン(笑)

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    2025年10月12日
  • きみは赤ちゃん

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    出産は奇跡だという言葉は経験したことのない私からしたら漠然としたものだった。想像以上だった、痛みも孤独も愛しさも全て。この本を読んで最後は涙腺を緩ませながら「産まれてきてくれてありがとう」「お母さんたち本当にありがとう」って心から思った。

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    2025年10月10日
  • きみは赤ちゃん

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    先日、母親3年生になりました♪
    ということで、書店の文庫フェアでずっと気になっていたエッセイを見つけたので手に取った。

    35歳で初めての出産。それは試練の連続だった!つわり、マタニティーブルー、分娩の壮絶な苦しみ、産後クライシス、仕事と育児の両立…芥川賞作家である川上未映子さんの異色エッセイ。

    この作品のことをもっと早く知りたかった!
    妊娠中に読みたかった!!!
    (でも、もし妊娠中に読んでいたら出産に対する恐怖は増していたかも…)

    エッセイを通して、慌ただしい日々の中に埋もれていた自分の妊娠、出産のこと、子どもが0歳だった日々のことを思い出して、懐かしい気持ちになったり、出産直後にメモし

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    2025年10月09日
  • 乳と卵

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    芥川賞受賞作より、『あなたたちの恋愛は瀕死』が大好きでした。
    ラストに「え~~~!」って感じになり、笑っちゃダメなんだけど、笑ってしまった。

    見知らぬ男とのセックスについて、対立する意見が三者三様で語られるシーンなどは、のちの『ヘヴン』に繋がったのかな?

    爆発的文章。

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    2025年10月08日
  • ヘヴン

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    もう少し心の準備してから読めばよかった…と反省。
    すごく心が痛いのと自分の人生の一部を見ているようでしんどいのだけど、
    やはり文章のプロはそう思わせるだけではなく、細部にまで凝って最後まで読めるように導いてくれる。

    これもまた心を落ち着かせて読み直したい。

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    2025年10月01日
  • 夏物語

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    川上未映子さんの自然に肌に馴染むような文体と、くすりと笑ってしまうユーモラスな表現でするすると読めてしまった。視点がさすがすぎる。

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    2025年09月29日
  • 乳と卵

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    01|感想
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    3人の関係性がすごくいい⋯。貧しいながらも確かな幸せがあります。独特な筆致から3人の思いや息遣いが伝わってきて、読んでいて胸が暖かくなりました。文体は特徴的です。読点でつながる独特な文体や関西弁のリズムに戸惑いますが、だからこそ感情や息づかいが直に伝わってきます。素晴らしい作品でした。

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    02|あらすじ
    ━━━━━━━━━❐❐
    豊胸手術を望む姉・巻子と、12歳の娘・緑子が、東京に住む妹・夏子もとへ訪れる、二泊三日の夏の物語です。緑子は母の行動を理解できず、ある日から突然口をきかなくなってしまいます。彼女が心の内

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    2025年09月27日
  • ヘヴン

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    ネタバレ

    6章まで読んだ時、ちょっと考える時間が必要になった。

    なぜ誰かをいじめること暴力をふるうことがダメなのか。
    百瀬の理屈にそった説明で納得させることは、私も難しいと感じてしまった。

    それはなぜか。根本的な何かがズレてる感じがある。
    「僕」にはあるけど、百瀬は持ってない何かがあるんだということはわかるんだけど。何なのかちゃんと説明できない。
    それはモラルと言われる何かのことなのか。

    (内田樹さんの本にこんな事が書かれてたように思う)
    なんでひとを殺してはいけないんですか?
    これは、あらゆる幸運がそろって今自分が恵まれた環境にいることを自覚できない人ができる質問である。
    じゃあ、もしあなたがい

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    2025年09月23日
  • 夏物語

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    セリフが関西弁、地の文は標準語という自分が今まで読んだことのない文章で新鮮さがあった。
    テンポのいい関西弁とそこにトーンを落とし重さを感じさせる標準語が混じり合った文章のおかげで、題材が重く600ページをこえる本作を飽きずダレることなく一気に読むことができた。

    本作はパートナー不在で子供を欲する夏子、豊胸手術をしようとする夏子の姉である巻子など様々な女性が書かれている。
    男である自分は物語内の彼女たちの姿を見て、今付き合っている彼女のこと、地元にいる母のことを以前より考えるようになった。それとかなり気持ち悪いと思うが将来彼女のお腹に宿るかもしれない架空の赤ん坊についても考えてしまった。けど男

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    2025年09月18日
  • あこがれ(新潮文庫)

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    娘とaudibleで聴いた。
    ヘガティーとかあだ名が面白くて、どうやったら思いつくんだろう。天才的にネーミングが全て好きだった。
    この作品を娘と一緒に話し合いながら聴けたことが嬉しい。

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    2025年09月15日
  • ヘヴン

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    ネタバレ

    いじめの描写を、こんなにも淡々と書くことに驚いた。“いじめられている”という共通点がある僕とコジマだが、その感じ方や捉え方は両者違っており、それぞれの強さがあると感じた。「いじめは絶対悪」という私自身の考えに変化はないけれど、それでも、百瀬の考えには圧倒されたし、説得力があった。他人とそうでない人の境界について、改めて考えさせられた。二ノ宮は本物のカス。

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    2025年08月26日
  • ヘヴン

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    ネタバレ

    しんどくて苦しくて涙が出た。虐められてる側の僕はなぜ同じことを虐めた側にできないのか。できないからできないと僕は言っていたけど、同じことをすることによって虐めた側と同類になってしまうからできないのではないかと思った。相手と僕は違う人間だけど体格も年齢も同じようなものなのに、なぜそれができないのか。生まれ持った性格もあるとは思うけど、虐めてくる相手を心の底から軽蔑しているからだと感じた。コジマがわざと不潔な格好をしている理由が、お父さんと一緒に暮らしていた頃の貧乏だった記憶や繋がりを忘れないためというところに、コジマは本物の強さを持っているなと思った。ひどいいじめをこれから受けるのだと察して恐怖

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    2025年08月17日
  • 乳と卵

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    「乳と卵」思考が取り止めもなく流れ落ちてるような文体が面白かった。
    「あなたたちの恋愛は瀕死」自分の中だけに矢印を向けて考え込むことの危険性を感じた。

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    2025年08月18日
  • 夏物語

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    女性の性にまつわる純文学
    芥川賞の「乳と卵」をリライトした第一部とその数年後を描いた第二部に分かれる

    以下、公式のあらすじ
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    大阪の下町で生まれ小説家を目指し上京した夏子。38歳の頃、自分の子どもに会いたいと思い始める。子どもを産むこと、持つことへの周囲の様々な声。そんな中、精子提供で生まれ、本当の父を探す逢沢と出会い心を寄せていく。生命の意味をめぐる真摯な問いを切ない詩情と泣き笑いの筆致で描く、全世界が認める至高の物語。
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    「乳と卵」だけを読んだときは、「私が共感できない方の芥川賞作品」と思ってたけど

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    2025年08月14日
  • 愛の夢とか

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    「お花畑自身」が特に好き。大切に手入れしてきた庭や自宅をいけすかない若い女に売らざるを得なくなった50代の女性の話。かつて自宅だった庭のバラを何度も見にいくの切ない。

    「十三月怪談」は死んでしまった妻視点、生きている夫視点が混じるような不思議な視点。薄れていく意識なのか、記憶が本当のことなのか幻なのか…

    自分は川上さんの文章はどういいのかいかに素敵なのかというのが説明しにくく、何を言っても無粋になる気がしますが、川上沼にズブズブです。一冊を読み終わりたくないんです。ずっと読み続けたい…といつも思ってしまう。

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    2025年08月11日
  • 夏物語

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    数年ぶりに小説を読み、読書好きの母に勧めた本。
    何年か前に読んだので記憶が薄れて感想を書くことは難しいけど、今いちばん好きな作家、川上未映子の作品の中でも上位にはいる作品でした。
    読み返して、感想をしたためたい。でも、当分そんな時間はとれないだろうな。
    ページ数は多いのに、面白くてあっという間に読み終えました。
    第一部は芥川賞を受賞した「乳と卵」のリライト版らしい。私が川上未映子を読み始めたきっかけが「乳と卵」なので感慨深い。

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    2025年08月11日
  • 夏物語

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    ネタバレ

    オーストラリア人の英語の先生からおすすめされて読んでみた。

    自分30代女、まさに今子供をどうするかについてもうかれこれ5,6年自分の気持ちが行ったり来たりしている、そんな私にとってヒントをくれるような本だった。 こんなに迷うなら子供を持つ資格なんてないんだろうなと薄々思ってた。
    でも善百合子の『自分の子供が苦しまずにすむ唯一の方法っていうのは、産まれないでいさせてあげることだったんじゃないの』この一文を見てはっとした。
    私もそうだと気づいた。生まれてもない子供が大切すぎて、だからこの世に存在させるのを躊躇ってるんだって、多分そうだって気づいた。
    だからこそ、もっと主人公の気持ちの移り変わりを

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    2025年08月02日
  • あこがれ(新潮文庫)

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    自分が成長していくなかで失ったものを突きつけられます。とてもとても切なくなってしまった…

    異性の友達ってすごくいいなぁと思いました。自分にはいなかったので、それが本当に羨ましい。

    あと、麦くんがつけるあだ名がめっちゃおもろい。

    素敵な小説でした。

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    2025年07月30日
  • すべて真夜中の恋人たち

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    この小説だけではなく各文学で恋愛感情を示す「好き」という言葉の危険に満ちる一方、なんとも微笑ましいことか。さらに本書のような良質な心理描写の中で綴られる「好き」は一入である。好きという単語の配置のタイミングは恋愛小説の評価の多寡を分ける。本書はだいぶん後半に入ってくるが。

    私がそこまで「好き」という表現を好むのは他の曖昧模糊になりがちな恋愛感情の表現より明らかな直接性があり覚悟がいる表現であることであるからだ。この言葉を繰り出すシチュエーションを思い浮かべるが良い。好きな対象に自分の制裁与奪を委ねてるのが普通に理解できる。他者に表明することで自分の尊厳を委ねかねない、この大事な言葉を気安く発

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    2025年11月28日