川上未映子のレビュー一覧

  • 夏物語

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    650ページもあるし、一ページ一ページ、なんというかな、詩情に溢れる文章が連なっているので、それらを味わっているとなかなか読み進まなかった。
    主人公には、まあ性別も違うし、味方にはなれなかったという感じだけれど、この先頑張って子育てしてくださいと素直に思えた。

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    2025年12月06日
  • きみは赤ちゃん

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    独身男性の僕には、知らなかったことだらけでした。。出産の凄まじさは、色々と側聞していましたが、授乳が本書に書かれているように、そんなに痛さを伴うものだとは全く知りませんでした。大昔と違って、授乳しているおかあさんを見る機会なんて殆どないですからね。それと、産後クライシスでミエコさんが感じたことで、育児は女性が行うものとするという擦りこみが男性性女性性の中にいつの間にかあって、それが当たり前のように世の中の常識みたいになっているのは怖いことだと思いました。最終章のオニに対する愛情深い一連の言葉にはとても温かみを感じることが出来ました。

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    2025年12月05日
  • ヘヴン

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    ネタバレ

    この作品における「いじめ」は、テーマというより一つのモチーフとして扱われているように感じた。いじめが許されないのは当然だが、作者が描こうとしたのは、卑劣で非情な環境に置かれた人間がどのように生き延びようとするのかという、もっと根源的な部分だったのではないかと思う。とはいえ、凄惨ないじめの描写はあまりに辛く、一語一句を丁寧に追うことはできなかった。

    コジマが父との繋がりを絶やすまいとして風呂に入らず、服も洗わない行為が周りに理解されることはない。しかし中学生の少女にとってそれは、理屈を超えた、自分らしく生きようとする精一杯の自己主張なのではないだろうか。

    また、百瀬の無慈悲で過度に冷笑的な世

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    2025年12月05日
  • きみは赤ちゃん

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    自分の妊娠をきっかけに読み始めたけど、内容が濃くなかなか進まない。笑 結局正期産になってしまった。産後クライシスの場面では、さすがの語彙力で女性の脳内ではこういうことが起こるんだなあと、言語化されていることでとても勉強になった。クスッと笑えるところも多かった。ぜひ、世の中のパパになる人にも読んでいただきたい!!
    産後に読むとまた違った気持ちで読めるのかもしれない。とにかくいまは、赤ちゃんに会うのがより楽しみになった。

    ーーー誕生日におめでとうっていうのはきっと、この1年、無事にみんなが一緒に生きることができたっていうことにたいするおまでとうで、それはほんとうにすごいことなのだと、そういうかも

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    2025年12月01日
  • 夏物語

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    ネタバレ

    たしかに全ての生き物は生まれることを選べないのかもしれない、と思う。
    「生まれたことを肯定したら、わたしはもう一日も、生きていけない」という善の言葉に、引き裂かれたような気持ちになった。

    生きていくことととはなんなのか、間違うことはどこまで許されるのか、生まれてくることはなんなのか、全部分からないけれど、自分自身の人生をなぞらえながら考えを巡らさずにはいられない小説。

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    2025年11月26日
  • 黄色い家(上)

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    あぁああもうなんなんだよこれぇぇええってなる。

    なんてもん書いてんだよ『ミスミソウ』ってこんな感じなんかな読んだことないけどってなる。お世辞にも「続きが気になります⭐︎」なんて言えやしないわ。

    なんでこうも暗くて救いようのない話を選んでしまうのか?昨今であれば『成瀬は◯◯〜』とかが良さそうなのに、と自分でも思うけど、おそらく眩しくて目がチカチカするので読めないだろうと思う。こういう誰に薦めていいのかわからない本ばかりが性に合う物悲しさよ。

    それにしても、あいもかわらず川上未映子の、幼少期から思春期にかけての表現しようのない、トラウマまではいかないけど、「もしかして私だけ?」と自己完結しよ

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    2025年11月25日
  • きみは赤ちゃん

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    母、そして人としての親心を感じれた気がした。

    私自身、子どもが産まれて2ヶ月がたち、日々成長する我が子の動向に振り回され、ふとした笑顔に癒され何とか乗り切っている毎日。
    育児の隙間時間で読み切ったのだが、共感の嵐、世の中にはたくさんの育児同志がいるのだな、と心強く感じられた。
    いつ読んでも良いと思ったが、妊娠中から読んでおけば育児先輩の本音1サンプルとして今を構えられて良かったかもな、と思った。

    「誕生日おめでとう!」
    の意味を改めて考えさせられた。
    そうだよね、大人になって生きるのが当たり前になってるから言葉の価値が下がってきてる(もしくは、生ではなく死に向かう意味合いが強くなってる)け

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    2025年11月24日
  • きみは赤ちゃん

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    作家ってやっぱりすごい。
    子どもを産み、育てるという行為には、それはそれは並々ならぬ物語がある、ということは当たり前なんだが。人類の数だけその物語が存在するというのも、これまた当たり前なんだが。
    そのことに関する全ての思い、考え、行動の数々をここまで忠実に文章化できるなんて、川上さんがただの作家ではないからかもしれない。
    とにかく、出産、子育てを経験した女性なら、ああ、私はこういう気持ちだったのか、と代弁してもらった気がするし、男性なら、お母さんや妻にごめんなさい、と謝りたくなるはず。

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    2025年11月23日
  • すべて真夜中の恋人たち

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    心の中のモヤモヤしたもの、前向きになったかと思えば、すぐに萎んでしまうような、気持ちの揺れ等、冬子や聖の気持ちの迷いが、細やかに表現されている。

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    2025年11月23日
  • すべて真夜中の恋人たち

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    ネタバレ

    聖の言葉が、特に終盤の私との会話の中の言葉が自分に刺さりまくった。安全圏を保とうとすることで、周りへしわ寄せが行く、とまでは思わないけど、自己完結型の人間は社会の中で害がないようである存在だと感じた。
    最後の場面で、私が0から1にする行動を起こす。それは、自分から何も生み出そうとしない本人にとっては大きな変革である。その原動力は成就しなかった恋。
    恋愛感情をこれからも持ち続けたいと思った

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    2025年11月25日
  • きみは赤ちゃん

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    妊娠出産育児の日々を思い出す本
    二度と来ないこの時間を、大切にしたい
    「まじで」を乱用しすぎていて、少しノイズ

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    2025年11月19日
  • きみは赤ちゃん

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    卒乳後のおっぱいが「打ちひしがれたナン」でこらえきれず笑ったのに、「どうかどうか終わりませんように。」で目の前がじわりとゆがんで、カフェで情緒不安定な人になってしまいました。

    オニくんを産んだ産院が、98%くらいの確信度で、子供達を出産したところだとわかってしまい、あの先生の顔が浮かびました。切腹後だとあのご馳走が食べられなかったのでは…

    ツライ、シンドイ、カワイイ、イトシイ、でもツライ、の産前産後の気分のジェットコースターを、ただ追体験させるだけではなく、あのときうまく言えなかった思いを代わりに言葉にしてくれてありがとうございます。後書きで、いろんな事情の人の気持ちを考慮しきれていなかっ

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    2025年11月18日
  • 深く、しっかり息をして 川上未映子エッセイ集

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    川上未映子さんの文章を初めて読んだけど、こちらに語りかけてくれているような少し口語的なところがすごく心地よかった。
    ひとつひとつは短くて軽やかなんだけど、女性に関する社会の問題提起とか、言葉や考えることの大切さとか、今の自分に刺さる話が多かった。
    なんとなく価値観というか感性が似ているのかも…と恐縮ながら思った。別れるとき思わず泣きそうになってしまう人がいるよね、とか、あ〜〜わかるぅ〜〜となった。
    深く息をするのが大事、は私も経験があって、なんだか私がこれから経験したり考えたりすることを先に経験して教えてくれる女性の先輩のような、そんな存在になりそう。

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    2025年11月17日
  • きみは赤ちゃん

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    私だけじゃあなかったんだね〜(^^)
    でも、私たちほんとうにがんばったんだよ。
    と思いました。こんなに、パートナーに気持ちを伝えられる川上さんは羨ましいですね。
    私は我慢してたし、今もガマンしてること多い。

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    2025年11月16日
  • すべて真夜中の恋人たち

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    ネタバレ

    映画化するの知らなかった()
    主人公を応援するつもりはない(なんならお酒で失敗したことを思い出して辛くなる)けれど、一歩踏み出した人が感じる世界が確実に拓けていく様子(文中で「やらない後悔の方が大きいのはおかしい」旨まで言ってたのに……。)はただ綺麗なものだと思った。
    踏み出した一歩目が上手く行かなかったけど、なんやかんやで踏み込んでくれる友人を得て、自分の好きなものを文字にして自分の外に出せているのから、ハッピーエンドだと思う。

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    2025年11月14日
  • きみは赤ちゃん

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     川上未映子さんの出産・育児エッセイです。出産編(2013年web連載)「できたら、こうなった!」と産後編(書き下ろし)「生んだら、こうなった!」という構成です。
     そういえば、「サッポロ生」のCM「大人エレベーター」で見目麗しい川上さんのお姿発見! 妻夫木さんから「大人とは?」「アイディアが枯渇する恐怖は?」などの質問へ、さらりとカッコよく答える言葉選びに唸ります。本に囲まれた背景もいいです。

     男には到底わからない、女性の心とからだの生理的感覚を、実に瑞々しい言葉で紡ぎ読ませてくれます。切実さを一人ボケ・ツッコミに言い換えて笑わせる表現、「さきどりネガティブさ」と自己分析を裏打ちする?よ

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    2025年11月10日
  • 乳と卵

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    夏物語と重複している内容。乳首の色にこだわる異常な姉。豊胸手術にとらわれることで、生きる意味を見出している状態。精神障害だろうな、と思いつつ進んでいく物語の日常に圧倒された。

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    2025年11月09日
  • すべて真夜中の恋人たち

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    夏物語に次いで2冊目
    やはり川上さんの文章が好き
    不器用な主人公の心模様が、痛いくらいまっすぐな感情がささる
    映画楽しみ 浅野さんはワイルドすぎないか?と思ってたけど光について話してるところ想像したらいいかも
    p245 好き

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    2025年11月09日
  • ヘヴン

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    ネタバレ

    僕が百瀬の言ってることをなかなか理解できない、受け入れたくないみたいな感情の描写がリアルでよかった。

    「権利があるから、人ってなにかするわけじゃないだろ。したいからするんだろ」

    「欲求が生まれた時点では良いも悪いもない。そして彼らにはその欲求を満たすだけの状況がたまたまあった」

    「自分が思うことと世界のあいだにはそもそも関係がないんだよ。それぞれの価値観のなかにお互いで引きずりこみあって、それぞれがそれぞれで完結してるだけなんだよ」

    権利とか人の気持ち(罪悪感)で善悪を判断する僕、そういった人それぞれの都合に意味づけするのは弱いからであり、世界はシンプルな仕組みでできているしそこに善悪

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    2025年11月09日
  • きみは赤ちゃん

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    小説は未読。初めて著者の文章を読んだ。病院の待ち時間で一気に一緒に妊娠から出産までを駆け抜けた感じ。

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    2025年11月08日