川上未映子のレビュー一覧

  • すべてはあの謎にむかって(新潮文庫)
    面白かった!

    川上未映子さんのエッセイは、全体的に明るく楽しく読めるので好き。
    時々入る大阪弁?川上さん語?みたいなものも、なんだか楽しいし、文章自体はですますなのに、めちゃめちゃフランクな話し言葉がささりこんできたり、ものの喩えがこうなるのね!とぐ、ときてしまう感じがいい。

    エッセイなので1つ...続きを読む
  • ラヴレターズ
    ラブレターと聞いて。
    一番に頭に浮かぶのは好きな異性に対しての手紙。

    と、いうことではないんだよって、それを教えてくれる色んな人の恋文を集めた一冊。
    相手は好きな人にだけじゃなくて、恋する手紙、って広いんだなーと。

    色んな生き方をされた方々の文章は、ステキで繊細で、ほのかに甘く、更に切なくて不思...続きを読む
  • 世界クッキー
    川上未映子は好きです。おっさんの本ばかり読んだあとには新鮮な言葉の響き。

    ・そっか、体こそが人生なのだな
    ・「あの作家にだけは会ってみたかった」と言うときに、満たしたいものは本当のところなんであるのだろうか
    ・本を読むには本を読むしかないのだ
  • 樋口一葉 たけくらべ/夏目漱石/森鴎外
    いやはや、これは。
    はぁぁあ。
    なんとも。

    いいっ!

    カーソン・マッカラーズの「結婚式のメンバー」のあとがきで、「たけくらべ」を思い出した。だなんて村上さんが書いてたもんだから、気になって気になって文庫をペラペラとめくってみたんですが、原文はもとより、口語訳でさえなんだかちんぷんかんぷんと思って...続きを読む
  • すべて真夜中の恋人たち

    内気な人の恋

    他のサイトのレビューを読んでいると、    
    主人公に感情移入出来なくてイライラした、
    というのが結構あったが、
    それは読者が外向的な性格だからだろう。
    内向的で人付き合いが苦手な人なら
    必ず共感出来る作品。
  • 女性作家が選ぶ太宰治
    読んだことのある作品もそうでない作品もあったけれど全体を通して楽しかった。
    やっぱり太宰治が好きだなぁと。

    女生徒、恥は読んだことのあった作品。好きな作品は何度読んでも楽しめるし、何度だって読みたくなる。
    そのうちまた読みたい。

    古典風、秋風記。今回初めて読んだ作品の中ではこの2篇が私の中でベス...続きを読む
  • 樋口一葉 たけくらべ/夏目漱石/森鴎外
    2016/10/22
    たけくらべ

    これまで、樋口一葉がなぜお札に載っているのか不思議だった、という以前に気にもとめてこなかったのだけれど、たけくらべ、面白すぎて一気読み。文体が軽快でリズミカル。読んでて気持ちがいい。そして何より、思春期の登場人物の心の内を表す文章は秀逸で、それはもうかゆくてかゆく...続きを読む
  • きみは赤ちゃん

    涙がとまりません。

    今1ヶ月の息子を育てている新米ママです。
    妊娠から出産、子育ての中で、もわもわと涌き出る不安とか心配事、嬉しいこと、幸せな瞬間、怒れることなど、共感できるところがたくさんありました。
    自分が経験してきたことが書かれているところについては、あの頃を思い出しては泣き、まだ見ぬ未来が書かれているところにつ...続きを読む
  • 世界クッキー
    川上さんのエッセー集。タイトルのルーツは、

     世界クッキー、なはんて書いてみると「うふふ、世界のほうも、クッキーのほうも、ここで隣り合わせになるなんてことは、夢にも思ってなかったはず」

    と、あとがきにあるように、全然別の世界の言葉の出会いと化学反応に文章を書くことの喜びを見出している作者ならでは...続きを読む
  • 世界クッキー
    川上未映子さんのエッセイ集は3冊目、どれも好きだけれどこれが一番好き。この人の言葉のリズムと相性がいいのかなと思う。「夜のなかに見えるもの」が一番好き。
  • 世界クッキー
    川上未映子。語り口調で日々の何気無い事象をその独特な視点で捉える。もう話し方というか、そのシュールさというかなんか好きな文でした。燃える顔そして失われたお尻、や境目が気になってあたりがほぅ。と読み読みしてた。
  • 黄色い家
    「家でも金でもなんでもいいけど、仮にその誰かのものを自分のもののように遣える状況になったとしても、それはあくまで遣わせてもらっているだけのことなのだ。金を出すやつは金を出してもらうやつより強い。金を出すやつは口を出すし、それが通る。金を出すやつには意識していてもいなくてもいつも優越感があって、出して...続きを読む
  • 黄色い家
    凄かった。

    どうしてこうなっちゃったんだろう…
    なんて考える余地もない程
    昔から轢かれたレールだった気がする。
    始まりも、終わりも。

    どんどん悪くなっていく現状に
    「れもんがあればなぁ…!」と
    読みながら何度も思った。

    まともな大人が一人いれば違ったのかなぁ
  • すべて真夜中の恋人たち
    言葉や行動は正反対の意味を含むことがあると日々思っている。私はインプットよりもアウトプットの方が得意であり、アウトプットよりもインプットの方が得意だったりする。こうなると、どちらも得意ではない、つまり何もないことになるのだ。

    このことから、主人公の自分は何も判断してきてない〜などの描写は、この感覚...続きを読む
  • 黄色い家
    重いテーマ。リアリティを感じた。自分の現実とはかけ離れているけど、こうゆう世界はいくらでもあるだろうなと想像ができた。

    みんなまともに働く資格をどうやって得たのだろうか、と考える花。金が全てではないが、この資格を得るために最低限の「金」と「常識」を親は携えておくべきだと思う。
    蘭と桃子も家庭に問題...続きを読む
  • 黄色い家
    悪いことをしようと思って犯罪者になっているわけじゃなくて、それしか選ぶことが出来なくて負の連鎖が止まらない話
    とにかく解像度が高くて筆者は何者なのかなというのが正直な感想
    ケツ持ちとか猫とかそっち界隈の言葉を当たり前に使うし、花目線で幼少期から時系列で話が進んでいく作りになってた。物語の作り込みが...続きを読む
  • 乳と卵
    オーディオブックで聴いた。
    これは文字媒体で読みたかった本かもしれない。
    関西弁のナレーションも結構好きだったけど。


    男性では味わうことのできない世界を知った感じ。
    緑子の女性として生きることへの違和感と、女性が持つ生殖機能とそれを持っている自分への違和感、母親の考えの違和感など、シンプルに何も...続きを読む
  • 乳と卵
    生理になるのは、卵子が受精しなかったから。受け止めて育てるために準備されてたクッションみたいなものが血とっしょに流れるからら。ナプキンの中を見た国ちゃん、粒々一個一個が血を吸いゼリーみたいになっていて、無精卵がどれかはわからなかった。

    女性が女性であることの不信感。腹痛や心の不安定感、男では実感す...続きを読む
  • 黄色い家
    重くダークな作品ではあったが、まるっきり救いがないわけではなく、読後感は悪くない。少女たちの葛藤や焦燥感がリアルに伝わってくる。
  • 黄色い家
    こういうのあるな…と思った。最近の若者の犯罪に当てはまる感じがした。
    法を犯しているのにどこかピュアな気持ちのまま。痛々しい。