川上未映子のレビュー一覧
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『乳と卵』 川上未映子
「ほんだら生まなんだらよかったやん、お母さんの人生は、あたしを生まなんだらよかったやんか、みんなが生まれてこんかったら、なんも問題はないように思える、うれしいも悲しいも、何もかもがもとからないのだもの。」
多様性が叫ばれる時代に生まれた。
いつのまにかテレビのコンプラはすごく厳しくなって、昔のように父親が笑いながら「これ見ぃ」っていう顔が見れなくなった。
整形は悪ではなくて、同性を好きになってもおかしくなくて、離婚も悲しくて悪いものではない。
そうとでも言わないと、なんだか、疎外感を覚えてしまう。そんな時代。
この作品もそうなのかな、と最初は思った。
だけどもっと -
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ネタバレニュースの記事で、黄美子が監禁・傷害事件で裁判にかけられたことを知った花。それを契機に、彼女らに蘭と桃子を加えた四人で擬似家族のように生活していた記憶が蘇る。冒頭のような状況に至るまでに何があったのか、花の回顧録。
お金は、買えるものしか買えない。
ほとんどの物はお金で変えるが、買えないものが欲しい時、人はどうするのだろう。買えないものがほしくならないようにするための仕込みが、幼少期になされるのだろうと思った。子どもと呼ばれる時代に、親の庇護下にあたりまえのようにいられるうちに、挑戦も失敗も、不遜な態度も無茶な甘えも、一生分吐き出して大人になれなかった花は、なるべくしてこの結末を迎えたのだと -
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川上未映子氏のブッカー賞最終候補作品。
「夏物語」「きみは赤ちゃん」のあと読んだため振り幅というか高低差はなかなかデカかった。
壮絶な苛めがテーマだが、根底にあるのは「世界感」や「価値観」。百瀬の認識が苛める側の真理ならコジマの認識も苛められる側の真理。
読んでいる途中は息苦しさを覚える。”僕”とコジマが夏休みに美術館に赴く平和で幸福な描写はそのあと訪れる残酷な悲劇を予感させ、最後の壮絶な出来事はコジマが必然として受け入れ耐え忍んできた「世界」が残酷な事実を突きつけ、キャパシティを超過し負の達観が訪れる。
苛めに対してはカタルシスのないまま終焉を迎えるが、「斜視」がある意味キーワードとなり、二 -
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主人公の伊藤花は、小さなネット記事で監禁・傷害事件に関する事件を見つけ、吉川黄美子という名前に思い当たる。
今から二十年くらい前、まだ若かった頃の数年間を家族のように一緒に過ごした人だった。
加藤蘭と玉森桃子、あの時一緒に暮らしていた二人は今どうしているのか。
あの頃の記憶が一気に蘇る…。
元々母のホステス仲間だった黄美子さんと二人でスナック「れもん」を開店し、二十歳と偽って働き始め、同じような境遇の人たちが集まって、働いても働いても一生貧乏で、自分が育ってきたあたりまえの生活とはものすごくかけ離れていて、自分が知りえない世界を目の当たりにして震えが止まらない。
川上未映子さんの筆致が猛スピー -
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ネタバレめっちゃ読むのが辛かった
苛めの本ってどんなものかな?って思っていたより辛い
主人公はチョーク飲まされたり人間サッカーで鼻かは血が出て腫れてしまったり公園で無理矢理服を脱がされてパンツ一丁にさせられてたり、そしてコジマは主人公の虐められ仲間のコジマは臭いと汚い理由だけで女子だけで虐められる!
そして広瀬曰く虐められるのはたまたま
そして広瀬は救世主だと思ったけど二ノ宮と一緒の人だった、、
広瀬はこんなことはなんの意味もない、こんなことしなくてもおなじってわかってるけど二ノ宮に逆えないってことだよね、、次は自分がやられるって心のどこかに思ってる、、
ちょっと復讐劇はあってもよかったと思う!でも最 -
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殴り書き。ネタバレあり。
苦しい。黄色い家を読み終えて感じたことは、この一言だけでした。世の中の不条理。負の連鎖。お金、貧乏、家庭環境、グレーゾーン。とにかく誰にもどうにもできない。
主人公の花は、障がいギリギリの母親との生活を中学生まで過ごす。その最中に出会った黄美子さんに惹かれて一緒に暮らすことになるが、結局、母親の二の舞というか、ヤングアラーの話しでもあると感じた。金銭面の管理や家事を、母親と暮らしていた期間に主人公がこなしていたし、黄美子さんとの暮らしでも同じことをしていた。
蘭や桃子、映水や琴美の話もそれぞれインパクトのある話や関係ではあったが、あくまで主人公と黄美子さんに焦点を当 -
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コロナ禍が迫りくる東京を背景に六話の短編が綴られている。
感染症によって日常が崩壊する直前の脅威と不穏さが潜んでいた時期が舞台となっているのだが、登場する人物たちは切羽詰まった恐怖感には未だ襲われていなかったのだろうが、無意識ながらも情緒不安定な状態だったような気がした。
表題の「こわいもの」は身体が震え上がるようなものとは異なり、無意識に心に忍び込んでくる「こわいもの」だと私は理解した。
登場する人物が考えることや行動は極端な不自然さはなく、誰でもが陥る可能性があるような事柄だと思うのだが、川上未映子さんが描くと何となく不穏さが伝わってくる。
当たり前と思っていた生活が、当たり前で過ごせな