川上未映子のレビュー一覧

  • 乳と卵

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    著者らしい美しい文体の中に葛藤や反目が赤裸々に描写されていてとても良かった。ただ、夏物語をこの前に読んだのは明らかなミス…

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    2026年04月14日
  • 春のこわいもの(新潮文庫)

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    コロナ禍が迫りくる東京を背景に六話の短編が綴られている。
    感染症によって日常が崩壊する直前の脅威と不穏さが潜んでいた時期が舞台となっているのだが、登場する人物たちは切羽詰まった恐怖感には未だ襲われていなかったのだろうが、無意識ながらも情緒不安定な状態だったような気がした。
    表題の「こわいもの」は身体が震え上がるようなものとは異なり、無意識に心に忍び込んでくる「こわいもの」だと私は理解した。

    登場する人物が考えることや行動は極端な不自然さはなく、誰でもが陥る可能性があるような事柄だと思うのだが、川上未映子さんが描くと何となく不穏さが伝わってくる。
    当たり前と思っていた生活が、当たり前で過ごせな

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    2026年04月14日
  • 黄色い家(下)

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    3人の未成年を中心に、アングラな世界を覗き見るような1冊。夜の世界のぬめりと温かみと独自性を味わえる。知らない世界に潜り込んでしまった。

    登場人物は大人も子供も関係なく、真っ当に生きようと、生き延びようとしているのに、選択肢がないせいで溺れていく様子が妙にリアル。はなちゃんはじめ登場人物はみんなどこか欠けている。選んでいる言動はなにもハートフルじゃないのに、どこか温かみを感じさせる空気の作り方が面白い。どんな世界にも人との関係はあって、それの全てにお金は絡んでいて、お金が絡むと人は変わってしまう。

    終わりについては、そんな生き方をしてきた人がそうなるのか わたしはとても疑問である ここはリ

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    2026年04月14日
  • 春のこわいもの(新潮文庫)

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    コロナ禍が舞台だけど生きてる人間の怖くて醜い部分が物語の中にしっかり描かれてて、タイトルの春の綺麗なものが全て掻き消されてる感じが良かった!

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    2026年04月11日
  • 黄色い家(上)

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    とりあえず上巻。
    川上さんの作品は読んでいく中で、知らなかったことというか想像すらできずにいたことについて申し訳なさというか罪悪感に近いような痛みや苦みを感じていくことがあるのですが、本作は今のところそれがない。明るい話ではないからずっしりとはくるけれども。男性の身として読む『夏物語』などと違って、本作で描かれるような貧しさというものやその周囲にあるものについては私自身がわりと密接なところで生きてきたからだろうか、などとあれこれ考えながら読んでいます。さて、下巻、物語はどこに向かっていくのか。

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    2026年04月10日
  • ヘヴン

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    すんごいしんどい話だった。
    人間サッカーとかもう吐き気すら感じる。
    百瀬が正しいわけないのに否定しきれない芯のある考えとかコジマの印とか正しさがどんどんわからなくなっていく。
    お母さんの包容力には読者まで安心感で満たされた。僕の斜視が治った後の綺麗な世界にコジマがいたらなぁって悲しくなった。

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    2026年04月07日
  • ヘヴン

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    読み進めるうちに、なんだか現実の感覚がふわふわしてくるような、不思議な没入感に引きずり込まれた。

    とにかく、いじめの描写が壮絶。なのに、どこかファンタジーのような、現実離れした静けさを感じるのはなぜだろう。主人公の「僕」が、あまりにひどい現実から自分を切り離して、どこか遠くから自分を眺めているような「俯瞰の視点」のせいかもしれない。

    特に印象に残ったのは、百瀬のニヒリズム。
    「強い者が弱い者を踏みにじるのは、ただの自然現象だ」という彼の理屈は、残酷だけれど、私たちが目を背けている世界の真理を突きつけてくるようで、否定しきれない怖さがあった。

    一方で、唯一の味方だと思っていたコジマの存在。

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    2026年04月05日
  • 愛の夢とか

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    ネタバレ

    文章のリズムがよく心地よく読めた。7編の短編集で、どれもよかったけど特に十三月怪談が好きだった。ヴァージニアウルフのような詩的な文章で、ちょっと不思議な世界観が好き。現実と霊魂の間で少しずつ記憶やいろいろが失われて薄まっていくけど大切な気持ちだけ残って、そんな様子が一人称視点でつらつらと連なり、読点を多用しひらがなの割合が徐々に多くなっていく文体で表現されていて感覚的なものがよく伝わった。

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    2026年03月31日
  • 夏物語

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    乳と卵のリライトに、その後の重厚な物語が加わった渾身の作品。文章は乳と卵よりこっちの方が断然良いと思った。

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    2026年03月30日
  • 黄色い家(上)

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    上下とも読み終えて。
    海外で翻訳めっちゃされてて大ヒット!にびっくり。
    これは日本のアンダーグラウンドというか、
    社会問題というか…
    心の繊細な描写とか、これこのままの感じ方を翻訳できるの?という感じで、シンプルな驚き。
    登場人物も絞られてて
    ある意味なんとなく予測がつく、という
    意味でとても読みやすい!
    弱きはどこまでいっても大逆転は難しいし
    普通の幸せを得ることも難しいし
    それにすら気づかなければ
    それはそれで幸せなのだし。
    読み終えて、モヤァとはしなかった。
    そうか、そうかそうか、、

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    2026年03月28日
  • 夏物語

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    ネタバレ

    女性の人生についてふんわり思っていたことが、かなり細かく描かれていた。

    反出生主義。私自身も、鬱になった時、
    こんなに辛い思いをするなら、消えたい。これからも辛いまま生きなければならないことは明らかで、明るい未来が見えない。だけど、自死は嫌だ。家族を悲しませ、想像できない痛みに自ら向かって行く勇気もない。だから、そもそも生まれなかったら1番良かった。と思ったのだった。
    同時に、不妊治療は本当にエゴでしかないという考えを持った。自然の摂理ならともかく、不自然な形を取ってまで、不要なお金や他人の労力をかけてまで、将来私みたいに苦しむかもしれない子供を産むなんて。今、実際、苦しんでいる子供がいるの

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    2026年03月29日
  • 深く、しっかり息をして 川上未映子エッセイ集

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    川上未映子作品を読んでいると、いろんなことを考えさせてくれるところが好き。女性としての私、社会人としての私、そして将来母や妻になるかもしれない私、などなど。それをあらゆる観点から多角的に読むことができる。日常だと「考えすぎやろ」とか言われるようなことを、つぶさに拾い上げてくれるところが好き。

    特に今回は、恋愛リトマス紙が好き。(笑)

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    2026年03月26日
  • 乳と卵

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    ネタバレ

    縁子が玉子を自分に向かって叩きつける場面が印象的でした。なぜ川上さんは、縁子が自分に叩きつけるものに玉子を選んだのか、理由があるようで考えてしまいます。縁子は自身の体内にある卵子について、「かきむしりたい」「ぶち破りたい」と日記に書いており、玉子はそのように縁子が厄介に扱った卵子と関連があるような気がします。その一方で、作中では「玉子」と「卵」で表記を変えていたりして、やっぱりなんの関係もなかったのかな、、、?と思ってしまい、謎のままです。

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    2026年03月23日
  • 乳と卵

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    去年の今頃、男性である私の乳房が膨らみ、痛みを伴うしこりが生じた。乳がんを疑いパニックになりかけたが、乳腺内科で薬の副作用による女性化乳房と診断された。
    ごく最近無事完治したものの、普段から自分より相手の乳房のことばかり考えてきた人間にとって、「女性らしい外見」としてシンボリックな膨らんだ乳房を自らが持つことは想像以上の違和感とストレスを覚える経験だった。

    本作の登場人物である、豊胸手術を受けようとする母親と初潮が来て生命を育める身体になることを恐れる娘。それぞれ女性の外側と内側のシンボルの存在を象徴する彼女たちの関係性は、終盤の「玉子のシーン」で変化する。それが「女性である」ということ、ま

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    2026年03月23日
  • 春のこわいもの(新潮文庫)

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    世界の暗さは私たちが生きる世界と何も変わらないのに川上さんが書く言葉によって綺麗なものになっているのがずるいと思った。でも読み終わって本を閉じたあと視界に見えるものの動き一つ一つが繊細なもののように見えた。読後感を味わいたい人にぜひ。

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    2026年03月21日
  • 黄色い家(上)

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    上下巻ってなんとなく手をつけにくかったけど、あまりにも本屋で目につくから買ってみた。おもしろい、けど、下巻がいますぐに読みたい!ってほどではなかったな〜。。ただ序章に漂っていた黄美子のやばさとか、なんで全員バラバラになったのかとか、は気になるから下巻も読もうと思う。

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    2026年03月20日
  • 乳と卵

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    川上未映子は以前にヘヴンという小説は読んだことがあり、その時はえぐい話だなと思うくらいで、特に文体が特徴的だったという印象はなかったのですが、この小説を読むと口語的で大阪弁をそのまま文章に起こした文体がとても特徴的であり、実験的もあり印象に残る。

    内容の方は、豊胸手術を受けることに取り憑かれている母とそんな母親に嫌気がさし言葉を発することを拒否するようになってしまった小学生の娘の関係性の修復というのが主なテーマになっている。

    心はまだまだ子供なのに、体は大人になっていく、思春期特有の不安定な感情をよく表現している。

    親子揃って卵を頭にぶつけて割って、泣きながら会話するというシュールすぎる

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    2026年03月19日
  • 乳と卵

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    ネタバレ

    はじめは段落もかなり少なくて読みにくいと感じてたけど、日常生活の中の細かな独特の描写やリアルな話し言葉での関西弁が頭から離れなくて引き込まれました。
    こんな文章の書き方があるんや!という驚きと本ってほんまに面白いやん!という感激がありました。
    巻子と緑子のやり取りで、ほんまのことゆうて!ほんまのことってなに?ほんなのことなんてないこともある。と言うところは、あぁ二人の言ってること分かる気がするって思いました。
    ほんまのことってほんまに何やろって思うことあるし、大事な人が自分自身を大事にしてないって感じた時、ほんまのこと知りたいし理解したい助けたいって思う。
    夏子の友達の豊胸と化粧の違いのやりと

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    2026年03月18日
  • ヘヴン

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    いじめが壮絶すぎて‥
    自分がそこにいる気持ちになります‥
    早くお母さんに言ってとか、病院の先生に言ってとか
    思春期はなかなか言えないのわかるけど
    抱えこんでたらダメだよね

    コジマとのその後が知りたい!

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    2026年03月17日
  • 黄色い家(上)

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    貧しい日常に疲れた女性達が共同生活を送る話し。生きていくために犯罪に手を染めていく。花は逃れられない不安に、お金という安心感で対峙する。裏の世界やシノギの場面の描写が、ややぼかされていることで、奥深さやリアリティを感じた。

    上下巻の感想

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    2026年03月14日