川上未映子のレビュー一覧

  • ヘヴン

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    ネタバレ

    心を抉られながらも一気読み。
    いじめというものが取り沙汰されるたびに「逃げたっていい」「学校が全てではない」という言葉が自然と飛び交う。大人である我々の経験則から言えば間違いなく正しいのだが、実際にそこで生きている当事者にとっては虚しく現実味のない言葉なのだと思う。スマホが普及してネットへのアクセスが当たり前の世の中にあっても、やはり子どもにとっての世界は狭い。そんな中でコジマが拠り所として見つけ出した「強さ」が、「すべてを受け入れること」なのが虚しくてやるせない。それはコジマにとっての呪いになってしまっているからだ。
    どこか他のクラスメイトとは違う百瀬を最終的には実はいい奴、といった描き方をしない作者の徹底した冷徹さも本当に素晴らしい。
    『黄色い家』を読んで2冊目にこの作品を読んだが、「僕」の母のような少し肩の力の抜けたような登場人物がすごくいい。

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    2026年06月21日
  • 黄色い家(下)

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    これぞ純文学という文体で大衆文学を書いたような印象を受けた。ストーリーに大きな展開がなくても、川上未映子さんのような独特な言い回しでリズムよく心地よく読める本が好きになってきた。
    本書は持たざる者の苦悩と葛藤を描いており、今の日本の裏社会に通ずるものがある。犯罪に手を染める人々はその実、染めざるを得ないのかもしれない。とは言え、いかなる理由があれど犯罪は紛れもなく許されない。ここにももどかしさのようなものを感じるが、そこを打破できるのは社会であり政治であり国であろう。しかし、持たざる者を救う政策を打ち出す人は持つ者から疎まれる。いやはや、難しい。得てしてマジョリティに迎合した政治家が生まれるんだなと思わざるを得ない。

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    2026年06月20日
  • 夏物語

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    終わり方が自分の中で消化できなかった。
    それは、様々な主張があってそのどれもが納得できてしまうもので自分の中でこれといった意見が一つにがまとめられないからからかもしれない。
    かなりページ数があったが、描写が素晴らしいからなのかスラスラと読むことができた。
    もう一度読み返したい。

    15 生まれること、生まれないこと
    17 忘れるよりも
    善さんの眠っている子を起こすという事例と逢沢さんのボイジャーの事例が印象的だった。

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    2026年06月20日
  • ウィステリアと三人の女たち(新潮文庫)

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    記憶を箱としたときのその扱い方が特徴である。箱は自由には開けられないし、他人が持っていることもある。つまり、箱を開ける瞬間は、完全に受動的だということだ。

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    2026年06月20日
  • みみずくは黄昏に飛びたつ―川上未映子 訊く/村上春樹 語る―(新潮文庫)

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    おそらく最新の(?)インタビュー集で、内容が濃く面白かった。現代の創作者の立場を川上さんが代弁すると同時に村上春樹が現代社会をどう捉えているのか気になっていた部分が解消された気がする。

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    2026年06月20日
  • 樋口一葉 たけくらべ/夏目漱石/森鴎外

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    森鴎外 青年
    かわいいな!男の子やな!
    頑張れよっ
    大人になって読むからこの感想なんやろうか
    今読んでよかった

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    2026年06月19日
  • 黄色い家(下)

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    花と、蘭と、桃子と、黄美子さんの4人の生活が少しずつ崩れていき、ある時堰を切ったように大崩壊するところが印象的で、特にそのパートはグイグイ読み進めてしまった。
    花が、蘭と桃子に、「花は黄美子さんに騙されてる、いいように利用されてる」ことを告げられた時の描写が劇的で、つい読者である自分も、当たり前のように10代の頃から夜に仕事をしている花に見慣れていたせいか、ハッとさせられた。

    面白かったです

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    2026年06月19日
  • 夏物語

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    どの登場人物の考え方も正解だなていうか、その考え方に裏打ちされる経験があることも描写されてるからまあそうなるよなと。子供を持つ、持たないに正解はない気がした。主人公だけがよくわからないかんじはあった。
    自分が子なし主婦で、子供が欲しいのか欲しくないのかいまいちわかってないのはどの立場の言ってることもわかるからなんとなく迷いがあるからで読んでよかった

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    2026年06月16日
  • 黄色い家(下)

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    途中、かなりの重さに読むのをしばらく中断。しかし再開後は一気読みだった。
    黄美子さんは、考えることが苦手な人というのだろうか。生い立ちのせいもあるだろうが‥
    登場人物は皆キャラが立っているが、蘭と桃子は結果的には常識人だったようだ。
    花の思考回路は自分に近い部分がある、と感じるところがあり、それを桃子にビシッと指摘されて、うぐぐ、と胸に食い込んできた。

    ---
    「苦労するのは、いいことなんですか」
    「いいことだとは言ってないよ。しょうがないってこと。でも苦労もできない馬鹿よかましでしょ。あいつらは幸せかもしれないけど、馬鹿だよ。」

    自分だけが苦労してきたぶってるとこね。どんなふうでも人にはそれぞれ苦労があるんだよ。

    でもあんたはこう言ってほしいんだよね、花ちゃんは、ほんとにすごいなぁって。しっかり者で気が利いて、ピンチをチャンスに変えられる、いつでも一生懸命で結果を残す、すごい人って

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    2026年06月14日
  • ヘヴン

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    やっぱり、この人の小説は、最もわかりやすい(ように見える)救済が訪れるわけではない。最後よかったな。

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    2026年06月14日
  • 黄色い家(上)

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    夢中になって読んでた。黄美子さんの過去の話を聞いたあと、花が黄美子さんを見た時の心理描写がなんとも言えない切なさがあって、印象的。下巻も楽しみ。
    なんで200万渡すん……となったがやはり親というのはそれだけデカい存在なのか。

    トロスケにお金を盗まれたかもしれないとなった時の、花が感じた畳み掛けるような絶望感が凄まじくて、ページをめくる手が止まらなかった

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    2026年06月10日
  • 黄色い家(下)

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    下巻は黄色い家での生活が崩壊していく流れがハラハラドキドキ描かれます。大黒柱となった花は苦悩の連続・・・
    現在に戻って描かれるラストは納得! 映水さんがいい味出してます。

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    2026年06月10日
  • 黄色い家(上)

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    うーん、どんどん読み進められるのだけど、なかなかに重い…
    下巻の最後、救いはあるのだろうが…?

    全体の所感は下巻読み終わってからにするけど、とりあえず上巻で気に止まったフレーズを書き留めておきたい。

    ---
    こんなにとてつもない量のエネルギーを、1人の人間がどうやって受け止めて、それを背負うことができるんだろう。音楽を聴くだけで涙が出たり、会ったこともない誰かがいるだけで救われる人がいたり、勇気が出たり、自分もその一部になりたいというような気持ちに、どうして人はなるんだろう。
    ---
    「おまえの人生どうなんだって訊かれたら、なんで答えるんだろうって」
    「それは誰に訊かれるの?」
    「え?」
    「誰もそんなこと聞かなくない?」
    「聞かないかもしんないけど」
    「じゃあいいじゃんか」
    「自分が自分に聞いてるのかもしんないけど」
    「じゃあ自分で自分に聞くの、やめればいいじゃんか」

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    2026年06月05日
  • 黄色い家(下)

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    リアルで切ない。
    人生でけじめをつけずにきた細かいこと、大きな影響はないけどこれまで関わってきた人たちに会いたくなる

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    2026年06月03日
  • 黄色い家(上)

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    黄美子さんの事件を知った花が過去を振り返る。ちょっと不思議な黄美子さんと孤独な少女たちの生活、さらに映水とのつながりも明かされて物語は続いていくが・・・
    最後に事件発生、下巻でどうなるか気になります。

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    2026年06月03日
  • ヘヴン

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    ネタバレ

    いじめを受けている少年少女の話。
    中学生にしてはやけに話の内容が哲学的でびっくり。
    ラストは、「え、終わり!?」って感じだった。

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    2026年06月01日
  • 夏物語

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    ビールを飲む気分か否かみたいに、さまざまなことについてある程度の気分が認められたらいいのにと思う。(もちろん意見をころころ変えたら困る場合もあるが)

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    2026年05月30日
  • 黄色い家(下)

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    2026/5/28
    後半は一気読みだった。

    母親の恋人に、アルバイトで貯めたお金を盗まれたことから家を出、母親の友人と暮らし始めることになる主人公の花。
    同じような境遇の少女2人も加わって、生きていくために犯罪に巻き込まれていく。

    誰が悪いのか、何が悪いのか。
    どうすれば良かったのかわからなくて頭がぐちゃぐちゃになった。
    悪いことだとわかってはいても、生きていくためにはそれしかできない。
    そんな花たちの生き方がとても苦しい。

    川上未映子さんの作品は、表現がとても映像的で鮮やかだと思う。
    特に、母親の友人で生活を共にすることになる黄美子さんと再会する場面や、家をペンキで塗りたくる場面は映画を観ているようだった。

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    2026年05月29日
  • 黄色い家(下)

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    ネタバレ

    こうやって人はみんな闇バイトのようなものに手を出していくんだな…と、そして主人公がどんどん染まっていって、変わっていく思考や言動がリアルに描かれています。
    追い込まれていく感覚がすごいです。
    もっと他の選択肢はなかったのかと思ったりもしますが、きっと同じような環境の人はいるのだろうなと、色々と考えさせられました。
    とにかくヨンスさん生きてて良かった笑

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    2026年05月28日
  • 乳と卵

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    2008年に芥川賞を受賞した「乳と卵」を約10年経ってリメイクしたものが「夏物語』で、私はそちらを先に読んでいたので、内容はわかっていたけど、今回の方が読みやすかった。
    評価が完全に二分する作品らしいけど、私は好きだ。
    感想にはならないが、
    わたしたち女の思考ってこうなんだ。ぐるぐるとめどなく頭の中のおしゃべりは続くよ。

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    2026年05月27日