川上未映子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
うーん、どんどん読み進められるのだけど、なかなかに重い…
下巻の最後、救いはあるのだろうが…?
全体の所感は下巻読み終わってからにするけど、とりあえず上巻で気に止まったフレーズを書き留めておきたい。
---
こんなにとてつもない量のエネルギーを、1人の人間がどうやって受け止めて、それを背負うことができるんだろう。音楽を聴くだけで涙が出たり、会ったこともない誰かがいるだけで救われる人がいたり、勇気が出たり、自分もその一部になりたいというような気持ちに、どうして人はなるんだろう。
---
「おまえの人生どうなんだって訊かれたら、なんで答えるんだろうって」
「それは誰に訊かれるの?」
「え?」
-
Posted by ブクログ
2026/5/28
後半は一気読みだった。
母親の恋人に、アルバイトで貯めたお金を盗まれたことから家を出、母親の友人と暮らし始めることになる主人公の花。
同じような境遇の少女2人も加わって、生きていくために犯罪に巻き込まれていく。
誰が悪いのか、何が悪いのか。
どうすれば良かったのかわからなくて頭がぐちゃぐちゃになった。
悪いことだとわかってはいても、生きていくためにはそれしかできない。
そんな花たちの生き方がとても苦しい。
川上未映子さんの作品は、表現がとても映像的で鮮やかだと思う。
特に、母親の友人で生活を共にすることになる黄美子さんと再会する場面や、家をペンキで塗りたくる場面は映画 -
Posted by ブクログ
ネグレクト気味な母子家庭の少女のサバイバルノワール小説
スナックで働く母の友人だという黄美子に伊藤花が出会い、惹かれ、共に暮らした数年間のお話
冒頭で40代の花は、黄美子が起こした少女障害監禁の事件をニュースで知る
当時一緒に暮らしていた欄に連絡を取り、自分も同じ状況にあった事の回想
ある日、いつの間にか家で隣に寝ていた黄美子
母からはネグレクト気味で、学校ではいじめられている花にとって黄美子の醸し出す雰囲気は自らの生活の清涼剤
しかし、黄美子は冷蔵庫を食材でいっぱいにして出ていってしまう
そして、高校生になった花は黄美子と再会する
家を出て黄美子と同居し、スナック「れもん」を始める二人
-
Posted by ブクログ
村上春樹ファンである小説家川上未映子が、村上春樹本人と対談したものを収録。熱狂的なファンのため、川上は細かい内容まで質問して、村上は質問に答える。なかでも『国境の南、太陽の西』、『アフターダーク』のような長編と短編に中間に位置する作品は、世間的にはあまり評価されていないと対談で言及されているが、川上はそのような作品こそ、村上作品の核なるものが詰まっていると指摘した点が印象的。また女性ファンの立場として、村上春樹の女性描写に若干の不満を募らせており、それに対して、村上が答えに窮してなんとか答えるところも、ある種の緊張感があって興味深かった。
-
Posted by ブクログ
『乳と卵』 川上未映子
「ほんだら生まなんだらよかったやん、お母さんの人生は、あたしを生まなんだらよかったやんか、みんなが生まれてこんかったら、なんも問題はないように思える、うれしいも悲しいも、何もかもがもとからないのだもの。」
多様性が叫ばれる時代に生まれた。
いつのまにかテレビのコンプラはすごく厳しくなって、昔のように父親が笑いながら「これ見ぃ」っていう顔が見れなくなった。
整形は悪ではなくて、同性を好きになってもおかしくなくて、離婚も悲しくて悪いものではない。
そうとでも言わないと、なんだか、疎外感を覚えてしまう。そんな時代。
この作品もそうなのかな、と最初は思った。
だけどもっと -
Posted by ブクログ
主人公の伊藤花は、小さなネット記事で監禁・傷害事件に関する事件を見つけ、吉川黄美子という名前に思い当たる。
今から二十年くらい前、まだ若かった頃の数年間を家族のように一緒に過ごした人だった。
加藤蘭と玉森桃子、あの時一緒に暮らしていた二人は今どうしているのか。
あの頃の記憶が一気に蘇る…。
元々母のホステス仲間だった黄美子さんと二人でスナック「れもん」を開店し、二十歳と偽って働き始め、同じような境遇の人たちが集まって、働いても働いても一生貧乏で、自分が育ってきたあたりまえの生活とはものすごくかけ離れていて、自分が知りえない世界を目の当たりにして震えが止まらない。
川上未映子さんの筆致が猛スピー