川上未映子のレビュー一覧
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Dear 川上未映子様,
時々貴女がわからなくなります。貴女は普段から曖昧模糊を基調とした表現をなされるのに、時折見せるその抽象から具体への鋭角な、鋭利な刃物を喉に突きつけられたかのような、まるでいつもの本当の自分を、ある特定の人物に本音を語らせるように物語の人物に己の側面を仮託するように鋭い指摘をする人物を用意されます。今回でいうと『お花畑自身』に出てくる家を買った女性や『ヘヴン』でいう百瀬のことを言っているのですよ。彼女ら彼らが言うことは、間違っていても決して全否定できない世の中みたいな核心があります。ガツンとくるものがあります。あえてスマブラで言わせてもらえるなら、普段カービィの貴女が時 -
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すらすらと楽しく読めた。
村上さんの熱心な読者であり自身も作家である川上さんの問いは、情熱的・具体的・切実でありながら楽しそうだ。質問と回答というより、二人がかりで一つの答えを求めて分け入っていくような。
村上さんのファンとしてはこういうものを読むことには少々躊躇いもあったが(個人対個人の体験でなくなってしまうような気がして)、普段は一人で好きなように見ている美術館を、学芸員さんと一緒に巡るような……自分を遥かに上回るオタク(失敬)の話を聞く楽しさもあった。
心に残ったフレーズは「信用取引」、「悪しき物語/開かれた・善き物語」。
「騎士団長殺し」を読み返したくなった。免色さんってやっぱり -
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川上未映子の作品を初めて読んだ。
あー、すごく好きだ。大好きだ。
特にアイスクリーム熱がたまらない。
よくわからないけど、どうしてもどうしても愛おしい人って、生きているうちに出会う。そして、その人はよくわからない人だから、さよならも言わずにどこか遠くへ行ってしまう。そんなことを私はよく知ってる。だからとても響いた。
それぞれの異なる愛の形が描かれた短編集だったと思う。愛のカタチって一つじゃないから。
表題作『愛の夢とか』で、お互いの名前を呼び合うところも本当に素敵で心に残った。
いい短編、いい作家さんに出会えてとても嬉しい。
また読みます。 -
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ピーター・ラビットシリーズの二十二作目ですね。
ねずみのアプリィ・ダプリィが、とあるお家の戸棚にしのびこむと、そこには……?
ビアトリクス・ポターによる、わらべうたの数々。ピーターの妹カトンテールたど、シリーズでおなじみの動物たちを楽しくリズミカルな文で描きます。
アプリィ・ダプリィ
ちっちゃな ねずみ
だれかの おうちの
だれかの とだなへ
さあさあ おでかけ
だれかの とだな
いいもの ばっかり
ケーキに チーズ ジャム ビスケット
ーーねずみが むちゅうに
なるものばっかり!
アプリィ・ダプリィ
なんでも みつける
めざとい おめめ -
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ピーター・ラビットシリーズの十一巻目ですね。
ねずみふじんは、きれい好き。
いつも家をぴかぴかにしています。
ところが、よんでもいないのに、
ごみ虫、かえるなどの起きるが次々やってきます。
おかけで家はすっかりめちゃくちゃ。
ねずみふじんの、おそじがはじまります……?
潔癖症のねずみふじんの困惑を、ユーモアたっぷりに物語ます。
ビアトリクス・ポターさんの美しい絵もまったりと楽しめる絵本です。
登場する虫や小動物に、すべて名前をつけて語られているのが、ビアトリクス・ポターさんのこの作品への想いが表れていて楽しく読めました。
きれい好きなねずみふじんに共感と優しさも感じる心 -
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ピーター・ラビットシリーズの十九巻目ですね。
ピーター・ラビットシリーズは絵本だと思いましたが、この「こぶたのロビンソンのおはなし」は、児童小説ですね。八章からなる長いお話です。
第一章は、ビアトリクス・ポターの思い出話から始まり、猫のスーザンが、港に買い物に出かけるお話です。そこで、船に乗る、猫とこぶた(実は、こぶたのロビンソンです)を見かけます。
第二章から、こぶたのロビンソンのお話になります。
こぶたのロビンソンが、腰を悪くしたおばさんたちに、港に商品を売りに行くように、頼まれます。お代で買ってくる物と、ロビンソンの好きな物を買うように言われます。
第三章から、いよいよ、こぶたのロビンソ -
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ピーター・ラビットシリーズの十七巻目ですね。
犬のダッチェスは、猫のリピーのお茶会によばれました。ごちそうは、ねずみのパイみたい。でもダッチェスはねずみを食べたくありません。
そこで、ダッチェスは自分でパイを作って、入れかえようと思いました。作戦はうまくいくのかな?
猫のリピーは、このシリーズでよく出てくる猫のタビタさんのいとこです。ビアトリクス・ポターの得意な猫の絵が、とても可愛いですね。
犬のダッチェスも愛らしく描かれています。
とてもあどけないどたばた騒ぎが、愉しい物語でした。ビアトリクス・ポターは、この物語を友達の赤ちゃんに送ったみたいです。
川上未映子さんは訳で、抑 -
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ピーター・ラビットシリーズの18冊目ですね。
猫のジンジャーと犬のピクルスの二匹は、雑貨店ををひらいています。お店は品ぞなえが、ばつぐんなので、いつもお客さんがやってきます。
でも、お客さんは、つけで買い物をするので、お店はだんだんお金がなくなってきました。
ジンジャーとピクルスはどうするのかな?
ビアトリクス・ポターは農業経営をしていましたので、こうしたお店のお話が語らされます。擬人化の楽しい、また、寓話の要素があるのがピーター・ラビットシリーズの魅力ですね。
なんといっても、ビアトリクス・ポターの絵の美しさが物語を美しく彩るのも人気のひとつですね。
物語がたくさんあって、ビアトリクス・ -
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ネタバレピーター・ラビットシリーズの絵本ですね。
シリーズの十三巻目です。
「まちねずみジョニーのおはなし」と言う題名になっていますが、いなかのねずみティミーとの、おはなしですね。
そう、イソップのお話のオマージュと言えます。
ですから、ビアトリクス・ポターは作品の始めに「あちらにいるイソップにささぐ」と記しています。
いなかのねずみティミーは あるとき やさいかごにはいって いましたが なんとそのまま 町までつれていかれました。
とほうにくれた ティミーですが つれていかれたお家で まちねずみジョニーと であいます。
さぁ~? これから ティミーとジョニーの ものがたりが はじまります。
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〈彼女と彼女の記憶について〉
東京で女優の端くれのような仕事をしながら、嫌みにならない程度に計算し尽くしたブランド品を鎧のように身にまとい、田舎で行われる同窓会に参加した彼女に、私ははっきりとした好感を抱く。
そこで突然ぽんと手渡される記憶の箱。黒沢こずえという少女と仲が良く、一緒に遊んでいたこと。黒沢こずえという少女に自分がかつてしていたこと。そして黒沢こずえという少女が辿ることになったその後の顛末。
黒沢こずえが、独りきりではなく、もう一人の女性と亡くなったと聞いたときの、主人公の心情はどんなだろう。安堵?嫉妬?罪悪感? 何も感じない、なんてことはないはずだ。
私も、誰に会いたいとかではな -
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ネタバレ圧倒的に西川美和のラヴレターが良すぎる
いろんな人の本気のラヴレター(実在する人宛て)を覗き見できるため、若干の背徳感がある。
「なんだかんだあったけどまあそこそこにいい感じでぼちぼちお互いやっていこうね〜」というメッセージを、それぞれが添い遂げるパートナーだったり、二度と合わない初恋の人だったり、恨み怨みの愛人だったりに向けているのがおもしろい。山あり谷ありの人生を追体験している気分だった。
西川美和のラヴレターは、宛先の相手の印象が、こちらの中でジェットコースターみたいに乱高下するからなかなか像が定まらないんだけど、最後はそこに落ち着くのか〜って感じだった。あつあつの肉まんを食べ終 -
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ピーター・ラビットシリーズの21巻目ですね。
この巻の主役はこねこのモペットちゃん。
ねずみをつかまえようとして よけられて たなにあたまをぶつけてしまいました。
モペットちゃんは ねずみに しかえししようとして
さくせんを かんがえました。
さぁ~、どうなるのかな?
これは、どうでしょう!
主役が、モペットちゃんではなく、お兄さんのトムだったら。トムとジェリーの原作みたいですね。
ねこ好きの私には、モペットちゃんの絵は最高です。ねずみも可愛く描かれています。いつもでしたら、ねずみにも名前があるのですが、なぜか今回はありませんでした。名前を付けると、もう一冊物語が出来そうですが、残念です -
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作家や俳優などの著名人が、いろいろな相手に対してラブレターを
書くというコンセプトの作品集。
ラブレターを出す相手が、必ずしも人ないし生き物とは限らない
ところが、このラブレター集の面白いところで、
素直なラブレターもあれば、作家ならではな小説を書いてるような
ノンフィクションなの?と思うのもあったり、
まさに、この人と言えばという独特な愛のカタチのラブレターも良かった。
松尾スズキさんのとある女優への思いを綴ったラブレターは、
同じ職業としての思いを綴っていて、感動しました。
一部文体が読みにくいのもありましたが、概ね、他人の書くラブレターを
のぞき見る感じもあって、楽しめました。 -
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ネタバレピーター・ラビットシリーズの九巻目ですね。
あひるのジマイマは じぶんの卵を あたためたいのですが いつも農場のおばさんが 持っていってしまいます。
そこで ジマイマは山まで飛んでいって 卵を産むことにしました。
山に行くと 新聞よんでいる紳士がいました。
ジマイマは紳士にそうだんします。
ところがこの紳士は きつなのです。
さぁ~たいへん、どうなるのかな?
ビアトリクス・ポターの物語はいつも機知に富んでいます。今回も起死回生のお話しです。
いつもながら、ポターの絵の美しさに引かれながら物語に引き込まれていきます。
この時代の物語は寓話の要素がありますから、因果応報で、それでも仲間の手助けで