川上未映子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
今まで気になりつつも作品を手に取ったことはなかった川上未映子さん。
平台に並ぶ新刊文庫のコーナーで、ひときわ目立つラブリィな表紙に目が行って、今回初めてページを開いてみました。
そしたら「イズミヤ」の文字が目に入り、あ、そうか、大阪の子やったんやな、とそこにあった行を読んでみると、思っていたよりもなんとなく気が合いそうな気がして、買ってみました。
今回のこの「世界クッキー」は雑誌や新聞に掲載された文章をまとめた本で、話題はいろいろあるのだけれど、特に、「本に関すること」や「言葉や文章に対する気持ち」を書いたものは、とくにおもしろく感じました。
単語の気持ちになってみたこと?
確かに、ないな・・・・
本棚には本しかなくて、物語は残っても、人は残らない。
そうやね。
背表紙がお墓のように見えてくる?
そりゃ大変や!
あらためて言われなければ気がつかないようなことを囁かれるような、はっとするような、そんな小気味のよい感情。
一冊を通してそんな気分になる本でした。
友達とおしゃべりしたくなるような時、「なんでもいいからしゃべって」みたいな何を求めるでもない気分のときに、本棚から取り出して読みそうな気がします。
川上さん独特の関西弁まじりの書きことば、句読点が少なめの文章から(それで前は苦手だと思ったのだったっけ)、声は聞いたことないのだけれど、ラジオで流れてくる朗読に耳を傾けているような、そんな印象のする本です。
「文庫本のためのあとがき」で、いい人やな~、と思いました。
作者さんが読者のことをこんな風に気遣ってくれる、というのもあんまりないことのような気がして、やさしい人だなあ、と思います。
背表紙の作品紹介に「きらきらしい58篇」と書いてあるのですが、
きらきらしい、っていい言葉だな。
きらきらしい毎日、意識したらきっとまわりの何もかも、違ってくる。
自分のまわりにあるきらきらしいものを、視線を変えれば、もっとつかまえられそうな気にさせてくれます。 -
Posted by ブクログ
映画化されるという事と、友人の聖の考え方が潔くて良いとの評判を聞いて読むことにした。
Audibleだったからか?友人たちの話し方が気になって仕方なかった。「……よね……ね。」「……じゃない。……さ、……さ。」という語尾が気になった。それぞれ性格の違う友人たちなのに、同じ口調…気になって内容が入ってこなかった。
それぞれの会話の部分がクドく、読みづらかったけれど、その他の風景や情緒の描写は凄くリアルだった。
だからこそ、6の主人公の過去がリアルすぎて、こっちまでトラウマになりそうになった。(読む人によっては注意だと思う。)
上記の嫌な部分が目立つので、三束さんとの時間は余計に光り輝いて、主人公にとって特別な時間であることが理解できた気がする。三束さんの気持ちはあまり書かれていないが、最終章を読めばいかに冬子を大事に思っていのかがわかる。
少しずつでも冬子が前を向いて歩いていける未来で良かった。 -
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思考深すぎ中学生。主人公もコジマも百瀬も哲学者みたい。コジマは主人公のことを仲間というが、「しるし」は自分で選んだ行いであり異常なこだわりさえ持たなければ普通の生活を送れていたはずで。主人公は幼い頃から斜視が原因で悩んできた経緯があり、決して同じ仲間とは言えないだろうと思う。序盤はコジマが心の支えとなっていたが後半になるにつれコジマが狂気じみてきて、主人公にも縛りを与えている印象。正直、百瀬の言う通りいじめには何の意味もないし、愛する人の汚れを一緒に背負い込むことも、苦しみを受け入れることも、意味がないことのように思う。人生に暗雲をもたらしていた斜視も新人の医師がたったの一万五千で、なんなら局部麻酔だけで済んでしまう。たったそれだけのことで人生が一転し光り輝き、悩んでいた自分のことなんて忘れてしまう。苦しみに意味を見出そうとし、死まで意識していたのが拍子抜けしてしまうほどにだ。コジマも案外大人になったら、普通に社会に馴染んで子綺麗になって昔の黒歴史に自分自身で苦笑いするかもしれないなんて想像をした。
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Posted by ブクログ
川上未映子さん、四作品目(うちエッセイ一冊)。
私は川上未映子さんの小説が好きなのかどうか、まだわからない。
気がついたら手が進んでいて、読まずには居られなくて、あっという間に読み終わってる。
今回はどれくらい恋愛色が強いのかな?と思って読み進めると主人公の性格も相まって静かで淡々としていた。(長編恋愛小説は初だったらしい)
恋愛に没頭している最中の文章はふわふわして夢のようで、同僚の人との会話は急に現実的になるところは川上未映子さんの文章力なのだろうなと感じる。
講談社のホームページに川上未映子さんのコメントがあったので引用。
「いつか消えてしまうけれど、でも今は、ここに確かにあると信じられるもの、信じたいもの。
淋しさや感情や記憶や、わたしたちのあいだにある、見えるもの、見えないもの。それらについて、どうしても書きたかった恋愛小説です。
まるで人生にちりばめられた、儚いけれどそれだけがあれば生きていける光のようなもののことをずっと想って、それだけを想って書きました。」
自分自身、結婚して落ち着いてしまったけれどふと人生を振り返るとこんな恋愛感情を抱いていた瞬間もあった気がするなぁと思い出す。
川上未映子さんの作品をここ最近よく読んでいたので、一旦間を開けてしばらくしてからまた新しい作品を読んで自分が好きな文体なのか確かめたい。
余談だけれど調べていたら今作の映画が11月に映画が公開予定でとてもびっくり。本のイメージと映画の予告は違ったけれどどんな仕上がりになってるのか観てみたい。 -
Posted by ブクログ
まわりに子育て中の友達も増えたし、何も知らずにいるのはよくないな〜と、妊娠・出産、子育て当事者の苦労を知っておくに越したことはないので読んでみた。個人差があるといってしまえばそれまでだけど、壮絶な日々のうえに幸せが成り立っているかもという可能性は、ちゃんと頭に入れておかなくてはね。デリケートな問題だからこそ無知は怖いし、自分の無意識の発言で追い詰めてしまったりしたらやだもんな〜。
妊娠中や子育て中、きっと想像以上に孤独なんだろうなと思った。旦那さんと二人の子どもとはいえ、やはり男性・女性で役割が違ってしまうのは事実。なんというか本当に、社会の構造上しかたない部分はあるけどやるせないよね、と。
ほかにも色々思うことがあった。読んでよかったし、男女問わずこれは読んでおいたほうがよさそうな。