川上未映子のレビュー一覧
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なんだか不思議な感覚がじんわりくる小説でした。
言葉での表現があまり得意でなく、良く観察し、独特の感性で物事を感じとるタイプの人たち。
芸術的なセンスが強くて、真っ直ぐな心を持ってるから世の中を上手く泳ぎことが苦手でちょっと生きづらそうな遺伝子を持つ人たちかな。って思いました。
若い緑子は思春期に入りこれから色々と戸惑うだろう。
でも卵かぶり事件で母子の絆が再確認されたのかな。
このシーンは笑えてしまった。どこの家庭でもありそうな思春期の子とのぶつかり合い。それをこの家族は殴り合いや、言い合いではなく、卵かぶりでしたのだなあ
彼らは本当に個性的で平和的で、独特の魅力を持つ人たちだ。 -
Posted by ブクログ
「れもん」がなくなってから、生きていくため、居場所を守るために必死になる花。
居場所を必死に作っていかなければならない人がいる一方で、それが自然と作られている環境にいる人はそのことに気が付かない。
怒涛の展開に花の頭の中が考えに埋め尽くされていく様が文字数で表現されていて、苦しくなるほど。人は考えが止まらない時ってこうやって頭の中が文字で埋め尽くされるのかもしれない。
逆に黄美子さんの思考や心は見えなくて、器のような人。黄色い家を離れてからも記憶は薄れつつずっと何かに縛られていた花は、またそんな黄美子さんに会うことでようやくそれを手放せたのかも。
登場人物の感情や状況の切迫感を文体等で -
Posted by ブクログ
ネタバレ「黄色い家」が衝撃だったので川上さんの他の小説をあたっている最中。
冒頭から冬子や聖の性別に確信が持てないときがあった。「聖」って男性でもありそうな名前だし。(読み方は「せい」で良いのかな。)
途中、典子が冬子を「入江くん」って呼んでいて、ますます混乱。冬子は男性だったの?途中で性を変えたの?いや水野くんとの描写を見る限り女性だよね?とか、、、
正直この物語の結末より、そこが気になってしまっている。笑
冬子がアルコール依存症なことが、あまりに自然に描かれていて、そこが怖くもあった。「アルコール依存症=悪」という解釈がそのまま持ち込めず、冬子がお酒を飲むことで三束さんと楽しい時を過ごして自信を -
Posted by ブクログ
率直に、こんなに何も起こらない物語の登場人物を生き生きとさせて、読み手を退屈させない文才が半端ないと思った。
映画化されたら絶対観ようと思うけれど、映像化が難しくないですかねぇ…この人が書く文章だからこそ魅力的だと思うんだけど…。。
なんとなーくふらふらぼんやりしてた不器用なのか器用なのかわからない危なっかしい主人公が、自分の手で何かを選べたり、話せたり、ふと思いついた言葉を書いたりできるようになっててよかった。
光は何かに反射しないと光として認識できないけれど、見えなくても光は確かに存在していて、それを真夜中の恋人として、何か愛しいものとしてるのかな、と解釈しました。
関係性に何か名前 -
Posted by ブクログ
彼女には彼女なりの正義があった。
そして彼には彼なりの正義を見つけた。
「できる」が「しない」を選ぶ事が強さになる。
今その時には無意味な行動かもしれないけど、今後その選択をした自分が正解だと思えるのだろう。
ヘヴンを見なかったことにより、ヘヴンはどん底からの渇望により探し見るものではなく、結果としてそれがヘヴンだと肯定できる場所だったんだな、と。
自分の話をする。
小学生の時に、虐められていた子が居た。
パジャマのような服を着て、鼻水を垂らしている。軽度の知的障害がある子だった。
仮にA子とする。
「A子菌」というものが流行った。
その子自身やその子が触った所にはA子菌があると周り -
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ネタバレこじられた人々のお話
話自体は大きく展開しないが、作者の情景描写のうまさと、主人公たちの心情などを描き楽しみながら読み進めていった
・どんどん主人公がアル中になっている姿が怖かった。途中まで登場人物が触れることなく進んでいるからこその怖さ
・聖さんの語録がとても印象に残る
感情に対して「なにかの引用じゃないか」は、SNSでえた情報や感想を嬉々としてなる我々も強く心当たりがある
・分厚い本を見て「人が人に伝えたいことがこんなにある」
・スプーン1,2杯の液体を体から出すだけでこんなにも変わる
主人公が典子から「入江くん」って呼ばれているのは、伏線かと思ったが違った??