川上未映子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
やっと読み終わった。長かった!!!
樋口一葉の『たけくらべ』
夏目漱石の『三四郎』
森鴎外の『青年』
たけくらべは、川上未映子氏の現代語訳版です。初めて読んだ気がします。
あまりにもおっさんが読むには時期を逸しているようで、あまりにも幼いころの話でありそういう感受性は失われていることを認識しました。
三四郎と青年は続けて読むと、非常によく似ており
その雰囲気や情緒が感じられ面白かったと思います。
本当に忘れていたのですが、『青年』は昔昔、大学の1年か
2年の時に読んだことがあることを思い出しました。
その時は、自分の年代とあっていたこともあって
とても感銘を受けたことを思い出しました。その時の
自分の人と群れる感じに対しての嫌悪感や、男女の
関係にての正義感や、潔癖な感じ(本当はその
ころでもずぶずぶだったのですが)。社会や
大人に対しての反発や恐れなんかをもっていたこと
を今再度読んで思い出しました。
その時の感覚は懐かしく、恥ずかしく思いました。 -
Posted by ブクログ
―――ああ、ここには文字しかないではないか―――
芥川賞をとると親戚が増えたり、
マンションのエレベータで甥っこを笑わすためにお尻丸出ししてたら、一階でエレベータを待つ住人たちにモニタリングされてたり。。
川上さんの文体はエッセイでこそ本領を発揮する。
「世界クッキー」
というタイトルはよく言ったもので
「脈絡もなければ調子もちがう、でこぼことした文章のあれこれは
わたしがじっさいにクッキーなど作ってみたら、こんな具合になるに違いない」
ということらしい。(完全引用ではございやせん)
川上さんは、酔っぱらった時の奇行がおもしろい。
床に置かれた鍋に水、乾麺の散らばりを発見した朝
それは絨毯の赤いお花柄をガスコンロと勘違いし、どうしてもラーメンが食べたくて、耐え切れず乾麺をかじった形跡ということだったらしい。
かわいそう。
センチメンタルな酔っぱらいエピソードの一節が「わかるわかる」だったので下記に引用する
―――ずっと前は、確かに同じこの指で同じように同じ番号に電話をかけてやくそくしたり、笑ったり下らない話したりしてたのになあ。何時間も、何年も。時間が動いてゆくこと、これっていったい何だろうと、もうどうしようもないそんなことを思いながら、過去にも現在にも置き去りにされた気持ちになる。―――
長嶋有の小説をいっぱい読みたいと思うように
川上さんのエッセイをいっぱい読みたい。 -
Posted by ブクログ
今まで気になりつつも作品を手に取ったことはなかった川上未映子さん。
平台に並ぶ新刊文庫のコーナーで、ひときわ目立つラブリィな表紙に目が行って、今回初めてページを開いてみました。
そしたら「イズミヤ」の文字が目に入り、あ、そうか、大阪の子やったんやな、とそこにあった行を読んでみると、思っていたよりもなんとなく気が合いそうな気がして、買ってみました。
今回のこの「世界クッキー」は雑誌や新聞に掲載された文章をまとめた本で、話題はいろいろあるのだけれど、特に、「本に関すること」や「言葉や文章に対する気持ち」を書いたものは、とくにおもしろく感じました。
単語の気持ちになってみたこと?
確かに、ないな・・・・
本棚には本しかなくて、物語は残っても、人は残らない。
そうやね。
背表紙がお墓のように見えてくる?
そりゃ大変や!
あらためて言われなければ気がつかないようなことを囁かれるような、はっとするような、そんな小気味のよい感情。
一冊を通してそんな気分になる本でした。
友達とおしゃべりしたくなるような時、「なんでもいいからしゃべって」みたいな何を求めるでもない気分のときに、本棚から取り出して読みそうな気がします。
川上さん独特の関西弁まじりの書きことば、句読点が少なめの文章から(それで前は苦手だと思ったのだったっけ)、声は聞いたことないのだけれど、ラジオで流れてくる朗読に耳を傾けているような、そんな印象のする本です。
「文庫本のためのあとがき」で、いい人やな~、と思いました。
作者さんが読者のことをこんな風に気遣ってくれる、というのもあんまりないことのような気がして、やさしい人だなあ、と思います。
背表紙の作品紹介に「きらきらしい58篇」と書いてあるのですが、
きらきらしい、っていい言葉だな。
きらきらしい毎日、意識したらきっとまわりの何もかも、違ってくる。
自分のまわりにあるきらきらしいものを、視線を変えれば、もっとつかまえられそうな気にさせてくれます。 -
Posted by ブクログ
まわりに子育て中の友達も増えたし、何も知らずにいるのはよくないな〜と、妊娠・出産、子育て当事者の苦労を知っておくに越したことはないので読んでみた。個人差があるといってしまえばそれまでだけど、壮絶な日々のうえに幸せが成り立っているかもという可能性は、ちゃんと頭に入れておかなくてはね。デリケートな問題だからこそ無知は怖いし、自分の無意識の発言で追い詰めてしまったりしたらやだもんな〜。
妊娠中や子育て中、きっと想像以上に孤独なんだろうなと思った。旦那さんと二人の子どもとはいえ、やはり男性・女性で役割が違ってしまうのは事実。なんというか本当に、社会の構造上しかたない部分はあるけどやるせないよね、と。
ほかにも色々思うことがあった。読んでよかったし、男女問わずこれは読んでおいたほうがよさそうな。 -
Posted by ブクログ
「真夜中は、なぜこんなにもキレイなんだろうと思う」。
わたしは、人と言葉を交わしたりすることにさえ自信がもてない。誰もいない部屋で校閲の仕事をする、そんな日々の中で三束さんにであった…。芥川賞作家が描く究極の恋愛は、心迷いすべての人にかけがえのない光を教えてくれる。
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とにかく言葉や情景の描き方が美しく、その世界観にうっとりと魅了された。
その美しさとは対照的に、
物語が進むにつれて少しずつ雲行きがあやしくなっていく。
主人公の冬子に感情移入して、心もとなくて胸がぎゅっと苦しくなった。
そして聖の言葉の強さ、その裏に見え隠れする嫉妬心や強烈な孤独感。
「周りの同世代と比べて、私のこの人生は正解なのかな?」という不安と、
「これが私の選んだ人生だ」と自分を奮い立たせているような気持ち…。
30代以降の女性なら、きっと一度は感じたことのある切実な揺らぎだと思う。
最後は分かりやすい完全なハッピーエンドとは言えないけど、
それぞれ幸せに向かって歩んでいってほしいと、
静かに見守りたくなるようなラストだった。
大切な友人に「私はいつだってあなたの味方だよ」と
そっと贈りたくなるような、優しく静かな余韻の残る一冊。