川上未映子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
今まで気になりつつも作品を手に取ったことはなかった川上未映子さん。
平台に並ぶ新刊文庫のコーナーで、ひときわ目立つラブリィな表紙に目が行って、今回初めてページを開いてみました。
そしたら「イズミヤ」の文字が目に入り、あ、そうか、大阪の子やったんやな、とそこにあった行を読んでみると、思っていたよりもなんとなく気が合いそうな気がして、買ってみました。
今回のこの「世界クッキー」は雑誌や新聞に掲載された文章をまとめた本で、話題はいろいろあるのだけれど、特に、「本に関すること」や「言葉や文章に対する気持ち」を書いたものは、とくにおもしろく感じました。
単語の気持ちになってみたこと?
確かに、な -
Posted by ブクログ
「ヘヴン」とは何か。
僕が最後に見た景色、それがヘヴン?
コジマのヘヴンは?
虐めなんて甘い言葉で済ましてはいけない。
描写がリアルすぎて何度も辛くて本を閉じては読むの繰り返しで、読み切るのに時間がかかった。
虐めから鬱状態になり希死念慮が湧き立つまでのストーリーが流れるように自然で、同じく希死念慮のある自分も引きづり込まれそうになった。
虐めももちろん悪だけど、そこにも意味があるというコジマの考えは、僕を虐めから逃さない鎖のようにも思えた。
世界で翻訳されてるようだけど、あの繊細な言葉はそのまま綺麗に伝わるのかな?なんて疑問を抱いてしまった。
とにかく重くてしんどい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ最初の方あまり物語に集中できてなくて、気付いたら主人公が昼からお酒を飲み、魔法瓶に日本酒を入れて外に持ち運ぶほどのアル中になっていてびっくりした
自分のなかにある三束さんへの想いを自覚することの恐れや、一度自覚してしまうとダムが決壊したかのように自分のなかにとめどない感情や欲望が溢れてくる主人公の感情の揺れみたいなところはかなり共感できてしまってしんどかった
主人公のキャラクターや振る舞いを思うとそういう人間のサンドバックにされがちなのも納得だけど、それでもこの小説のなかで冬子の人生に関わってくる女は最初に仕事を紹介した元同僚?の女も含め、どいつもこいつも強くて、冬子と会話をしているようで実際 -
Posted by ブクログ
思春期の心と体の揺れ、いじめと言う社会問題を通して、「善悪とは何か」「生きるとは何か」を問いかけてくる作品だったような気がします。
いじめの描写は正直かなり辛いものもあり、現実はもっと酷いのではないかと思うと、苦しくなることもありました。
そんな中で、いじめる側である百瀬の言い分に、自分が完全には反論できなかったことも辛かったです。そこに、この作品の怖さがあるのではないかと感じました。
一方で、どこまでもブレずに自分の価値を信じ続けるコジマや、淡々とした中でも主人公に寄り添う母親に、救いのようなものを見出しました。
読み終えたあとも、簡単には答えの出ない問いが残り続けるような作品でした -
Posted by ブクログ
ネタバレ重かった………………読むのにとても時間が掛かった。。
ずっと辛いし、希死念慮が膨らんで鬱状態が加速していく描写は本当に生々しくて、新卒期の摩耗しきった己と重なる部分もあって、わかるなあ、と思いながら読んでた。
元々ショッキングな描写には耐性があるつもりでいたけど、それも年々ダメになってて、主人公が二ノ宮たちに人間サッカーとかいう惨たらしい暴力に晒されるところで貧血になって一時中断した。。
生々しい活字に体調崩すのは、中山七里の『連続殺人鬼カエル男』と平山夢明の『独白するユニバーサル横メルカトル』以来かもしれない。
ノストラダムスの予言、とかいう、自分が生まれるずっと前に流行ったらしいワー -
Posted by ブクログ
読んでいて感じたのは、「こうなるしかない」という諦念に近い確信だった。
未成年での飲酒やスナック勤務、血縁ではない人々との同居、明らかな違法行為の人間関係。表面的には自由にも見える環境の中で、実際には選択肢がほとんど存在しない。守ってくれる大人も、安定した生活も、引き返すための基盤もない。あるのは、その場に適応するしかない状況だけだ。
さらに残酷なのは、ようやく積み上げたものが徹底的に破壊されることだ。自分で稼いだお金は盗まれ、次には母親に奪われる。外からの搾取だけでなく、内側からも奪われることで、信じられるものそのものが失われていく。
本来なら拠り所になるはずの家族が、最も人を削る存在になっ