川上未映子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
言葉のひとつひとつがきれいでうっとりしてしまうような文章ばかり。装丁も好き。
人と話すことが苦手で、自信の持てない冬子、殻に閉じこもってしまって、どんどん鬱々としていくシーンは読んでいて苦しかったけど、誰しもこういう繊細さや脆さを持ち合わせていると思う。
でも、そんな冬子だからこそ、三束さんとのひとつひとつの対話が、本当に大切で、光みたいに感じられたんだろうな。
学生のころに一度読んだことがあって、その時は冬子にすごく共感できた記憶があるんだけど、今回はもう少しこうすればいいのに!ってもどかしさを感じるシーンも多かった。
再読して自分の価値観が変わっていることに気づけるのも読書の醍醐味 -
Posted by ブクログ
映画化決定とのことで読みました。
主人公の入江冬子は、人付き合いが苦手で勤めていた会社を辞め、フリーランスの校閲者に。
日々の生活は、自宅で仕事をし、どこへ出かけることもない、いわゆる陰キャ。
仕事をふってくれる大手出版社社員の石川聖との関わりから少しずつ冬子の心境の変化が生じていく物語。
読んだ最初の印象は、人はみんな不器用なんだなってことです。
それは恋愛においても、仕事においても、生活すべてにおいてです。
もっと素直になればいいのに。
プライド、慢心、自己否定、引っ込み思案などその他いろんな感情が自分自身を苦しめる。
まさに恋愛の心境が描かれているものだなぁと感じました。
三束さんと -
Posted by ブクログ
個人的には、お金を介して人への執着の方が強く感じられる物語だった
同じ境遇の仲間がいることに安心感を覚え、その輪を崩さないためにお金や犯罪が足されていく話
心に孤独と欠落を抱えた主人公
生まれ育った環境から人恋しく、優しくされるとその人のためにならなんでも出来る、してあげたい、そして「守りたい」と強く思う主人公の一方的な愛を感じた
根本は「お金があったら。、」という以前に「普通の環境に生まれていたら、、」という気持ちの方が大きいのではないか。
「解散」というより「解放」
読んでいて苦しかった。気持ちが沈んだ。
読み終えて 開放感にホッとした。
映水は どうなったのかな、、気になるところ。
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Posted by ブクログ
私は37歳で中高生の頃は恥ずかしながら、
しっかりめにグレていた。
そんな私から読んでも信じられないほどリアル。
中高生のヤンキー、ギャルたちの中には、
絶対に大人が数人紛れ込んでいる。
当時は、そんな彼らを
大人だからというだけで、尊敬してた。
お金を自分たちより多少持っていて、
車が運転できて、
合法的にお酒もタバコも吸えるから。
でも、いざ自分たちが大人に差し掛かろうとするタイミングで気づき始める。
「え。この大人、なんかやばくない?」
そこに紛れていた大人たちって、
結局は見た目が大人なだけで、
中身が子供のコドナだったって事に気づく。
一番怖いのは、それに気づかず、
ず -
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母と子、そして生殖を巡る物語でした。
幼い頃に母と祖母を続けて亡くした主人公の夏子は、姉と助け合って大阪で暮らしてきた。その後、東京で一人暮らしをしながら作家をしているのだが、37歳になって自分の子どもに「出会いたい」と思うようになる。しかし、夏子はセックスが苦痛で以前の恋人と別れており、恋人や配偶者を得ることには諦めがある。そんな中、AIDのことを知りAIDで子どもを産めないかと考えるようになる。
独身子なし、シングルマザー、AIDで産まれた人、反出生主義…夏子は様々な人たちの思いを聞き、どうして自分は子どもが欲しいのかと考える…。
親のエゴではない命はない…というのは、その通りで。AIDで -
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ネタバレ年末年始の休暇中に上下巻を一気に読んだ。物語に勢いがあり、読みやすく、ページをめくる手は止まらなかったが、おそらく再読することはないと思う。
帯には「なぜ少女たちは金を稼げる犯罪に走るのか」とあったが、正直なところ、小説に社会学的な答えを求めるのは少し違うのではないかと感じた。登場人物たちが置かれている立場や環境は、確かに一般的な家庭からは想像しにくい部分もある。しかし、それが「犯罪に手を染めてまで金を稼ぐ理由」になるかというと、やや飛躍があるように思えるし、一般論として語れる話でもないだろう。
作中でヴィヴが語る、「金持ちは自分たちに都合のいいルールを作る悪者だ」という理屈も、言いたいこ -
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ネタバレ主人公のもつ斜視は、友人のコジマにとっては、自分たちの世界への拒否のシンボルだったけど、彼にとってはただのスティグマだった。だとしても、全肯定されることで、自分を客観的に見られるようになったことは彼に撮って大きかったと思う。主人公が最後に選んだのは、斜視を治療することだったけど、コジマを失ったからできた選択だったのか、どうなんだろう。視野が矯正されたあとの初めての世界、解像度が上がって、空気まできらめくような描写が美しい。
このあと、彼はどういう人間になるんだろうか。家族と転校して、新しいコミュニティにうまく馴染んでいけるのか、あるいは不登校気味ながら学校に残って少し遠巻きにされながら卒業す -
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きっかけ
みきちゃんが貸してくれて
「大人の恋の話が読みたくて」
「でも途中で止まっちゃってます」
って
不器用に生きる校閲の仕事をしている冬子と、物理教師の三束さんの話
感想
作中に
絵に描いたような公演の網のゴミ箱
とか
停めてある自転車のカゴに誰かが
空き缶を投げ入れていく
描写があるけど それが まるで
誰かに呼び出されて言いたいことを
一方的に言われ続ける冬子と 被った
聖(ヒジリ)とか高校の同級生とか
以前の職場の先輩とか
文章は 一文がやたら長くて
冬子の頭の中がこんがらがってて
こーゆーの嫌いじゃない
アタシ、読むの大好きだけど
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Posted by ブクログ
2026.1
移動中にちびちび読んだ。
心が苦しい。
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P123 わたしたちが使える口座はひとつもなかった。
P126 自分が家を出ることで、なんだか母親を置き去りにするような、自分だけがあの暮らしから逃げ出そうとしているんじゃないかとか、そんな罪悪感めいた思いにもかられていた。
P147 もちろん嫌な客もいるけど、まあ昼だって頭おかしい客なんかふつうにいるから。
P203 いま画面で見ているのはきっとその一部に過ぎなくて、それでさえ伝わってくるこんなにとてつもない量のエネルギーを、ひとりの人間がどうやって受けとめて、それを背負うことができるんだろう。人と人のあいだには、どうしてこ