川上未映子のレビュー一覧

  • ヘヴン

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    いじめの描写が過酷だけれど、現在もきっとどこかでいじめは起こっているから、目を背けてはいけない事実であると思った。たまたまいじめたいという欲求があって、たまたま標的がいた、そんな理不尽な理由で人の精神をえぐるようなことは、絶対にあってはならないと思う。

    いじめ被害者のコジマと僕が、加害者もきっと弱い部分がある、彼らもきっと自分のしていることの意味がいつかわかるときがある、と言い聞かせ、なんとか強く過ごそうとしている姿は、見ていてやるせなかった。彼らが幸せにいきてほしい。

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    2026年08月23日
  • 春のこわいもの(新潮文庫)

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    『娘について』の短編が、終始じっとりと怖い感じがした。
    人間のこころの中で起こる怖い部分をじっくり炙り出されている感じがした。

    昔自分が人にしたひどいことを、あとから思い起こさせられる怖さ。
    母親のコンプレックスの捌け口として過干渉された娘。
    世間知らずな友達がどう考えてもヤバイ男に引っかっているのに、その友達は優越感すら覚えていることを話聞きながら感じること(友達の低い自己肯定感が原因で、才能を認められた云々の甘い言葉でコロっと落ちているアホさにドン引きしながらも、聞き役に徹しないといけない状況)。
    努力している自分が夢を叶えられないのに、隣で遊んでばっかりの友達が夢を叶えそうな現実に耐え

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    2026年08月22日
  • すべて真夜中の恋人たち

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    正直、主人公の冬子に共感はできない。どちらかというと聖に近い感覚を持っているので、共感して涙するみたいなことはなかった。

    ただ、冬子の心が三束さんと関わる中で本当にゆっくりゆっくりと変化していく様が丁寧にえがかれていて、だからこそ簡単には共感できないという感覚になったのかなとも思う。

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    2026年08月22日
  • 乳と卵

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    ネタバレ

    難しかった。
    二つのお話とも結局何が言いたかったのかよくわからなかった。
    巻子が豊胸したかった理由は結局自分のためなのか。別れた夫と何かあるのかと思ったけどそれも結局よくわからず。期待していた展開と違ったと言えばそこまでだが、巻子、緑子の気持ちが交わる展開がなかったので残念だった。

    女性をテーマにしていることはわかった。共感するような、しないような。恋愛している時もしていない時も、特定の相手だろうがなかろうが、男性に求められたがるその気持ちは何となくわかる。性的にみられたいという気持ちも。そこに女としての価値を見出したがるのだろう。
    緑子の成熟していない少女としての価値観が逆に新鮮。性を厭が

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    2026年08月21日
  • 春のこわいもの(新潮文庫)

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    物語は全てコロナ禍。あの頃特有の空気感のためか元々の性格なのか不明だが、どの話も精神的に不安定な人物がメイン。読んでいて鬱々とした。

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    2026年08月20日
  • 夏物語

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    ちょっと前から考えていた、子供の「自分は頼んで産んでもらったわけじゃない」に対する模範解答ってなんだろうという問い。色々考えてたけど、やっぱり100%「親のエゴ」だよなぁと実感した。その上でどうするか。

    「自分は頼んで産んでもらったわけじゃない」と言うことを子供に言わせないのが最適解だろうとは思う。
    そうなると、親としては夏子の言っていた「自分で産んで、自分の子供に会いたい」って言うのが持つべき感覚かなぁ。ただ、意図的に結婚せず、生殖に問題があるわけでもないのに、原則1人で育てる前提で精子提供を受けて子供を産むってどうなのかなぁ。
    現実問題、相手に問題ないのであれば、普通に男親もいた方が子供

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    2026年08月17日
  • 夏物語

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    ずっと積読リストにはあったんだけど、率直に言うと「思ってたのと違った」。いや、あらすじをちゃんと読まず表紙と題名の雰囲気で判断していた自分が悪いのだけど。

    静謐で清らかな風景描写の数々がとても好きで、夏に読みたいなと思っていた期待は損なわれなかった。ただ、余りにリアルで身体的な文脈で圧倒される時もあり。デジャヴだなと思ったら、同作家の過去作品でも似たような感想を持っていたのでした。

    緑子が複雑な時期を終えて朗らかになっていたのがとてもよかった。彼女もこれからも色々とあるだろうけど、周りの女性たちとうまくやっていってほしい。

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    2026年08月16日
  • 春のこわいもの(新潮文庫)

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    2020年のコロナ禍で生活様式が一変した世界の話
     
    全体的に内心面を描いている文章で、共感できる話とそうじゃない話がはっきり別れた
    どの話も後味の悪さが残るというか、消化不良気味
    な作品

    青かける青は、病棟に長いこと入院している女の子の話で、いつになったら退院できるのかが判らない
    状況がリアルで、誰かに当てた手紙の文章がダラダラと続いて、何の前触れもなくぷつりと終わる
    それだけに印象に残ったストーリーだった

    美人至上主義の話もある意味、こわい話になるけど
    主人公が面接を受けた時に浴びせられた言葉がきつかった

    コロナ禍により通っていた学校が急に通えなくなる
    話。ニュース等で見聞きしてたけ

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    2026年08月16日
  • 乳と卵

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    芥川賞受賞作とのことで読んではみたが、難しかった。難しい言葉は使われていないし、一つひとつの言葉もわかる。でもある程度のまとまりになると掴みきれない。全体像としては「女」について語りたい話なんだとは思うのだが、そこまでしか読めなかった。巻子と緑子それぞれの「女」としての悩みというか葛藤がわかるような、わからないような。ただ、2話両方とも、物悲しくつらい読後感だった。

    また10年後とかに読んでみると違った感想をもてるだろうか。

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    2026年08月15日
  • 女性作家が選ぶ太宰治

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    女性作家さんは江國香織さんだけ知っているのだけど、選んだ作品がとてもらしくてニッコリした。太宰治は暗いイメージだったけど、こんなかわいい作品もあるんですね
    太宰治は病みそうで怖くてあんま読んでないんだけど、こちらは全部短編なので入り込みすぎなくて逆に良かったかも…… すごい元気な時に読むのが良さそうですね。
    でも暗くても言葉選びがすごーーく綺麗且つわざとらしさがなくて、こんなに古いのに読みやすかった。

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    2026年08月14日
  • 夏物語

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    一章目は、どう続くのか?と思ったが
    これはこれで親子の関係などを示していたのかなと。

    大阪弁が妙にこそばく、
    コテコテ感に慣れなかったが
    第二章からは東京に馴染んだ夏子を知れた

    そして本題の人たちとの出会い、葛藤を理解した

    だがやはり、なんで子どもが欲しいかに対して
    書いているものの、私の理解が乏しかった
    また高齢出産の大変さなども少なく
    そのあたりはリアルってなんだろう?と思えた

    ただ、いろんな人が出てくる中での
    主人公の成長などは少しわかった

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    2026年08月13日
  • 春のこわいもの(新潮文庫)

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    読み進めていきながらコロナ禍が背景にあると理解した。パンデミック中でも人は普通に暮らしていることを思い出して、こうやってただの日常と化していくことを思い出した。

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    2026年08月11日
  • 愛の夢とか

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    あまり読んだことのないタイプの小説だったので新鮮だった!

    私の読解力のせいか物語の方向が掴めなかったのと、少し回りくどいかな?という言い回しを楽しむことができなかった気がする

    最後の短編「十三月怪談」では、時子が色々考えながら思いを巡らせる中で、後半につれて平仮名だけの文章になっていくのが面白い書き方だと思った

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    2026年08月10日
  • すべて真夜中の恋人たち

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    人を好きになるということについて、考えさせられた。
    主人公の冬子は募る想いを伝えるのが得意ではないけれど、三束さんと一緒に話したときの時間やもらった本、共有した話題を何度も思い返している様子が恋をしている時そのもので、純粋に人を好きになるってこういうことだなと感じた。
    最後、2人はハッピーエンドとはならないけれど、甘酸っぱさが残り、これも恋愛の形だなと想う。

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    2026年08月08日
  • 乳と卵

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    「最大の事なかれ主義よ。そりゃあまともな本も読めなくなるわよ。だってなんにつけたって関係性において努力するってことを知らないんだもの。」

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    2026年08月07日
  • 黄色い家(上)

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    こわい。こわい。
    怖さが身に迫ってくる。真面目に生きているけど、正しくない感じ。ちょっと踏み外したら誰もがそっち側に行く、そんな感じ。
    こわいから読みたくないけど、どう今につながるか知らないともっとこわいから、読む。読みたいけど読みたくない。
    結局続きも読むのだけれど。

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    2026年08月07日
  • 乳と卵

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    女性の思考という感じ、正解を明示せずニュアンスで会話が進む感じ、区切りがなくタラタラと溢れてくる言葉をそのまま書き起こしているような。私も小さい頃には初潮を喜ぶ文化や、胸が大きいことを善とする風潮に疑念を抱いていた。緑子は読んでいる感じ中高生のように思えた。

    男友達と女性に生まれて良かったことを考えたことが最近あり、記憶を抜いて生まれ変わるなら迷わず男を選ぶだろうと思った。処世術や空気感を学び直すことはもう面倒だと、内心感じているのかもしれない。

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    2026年08月04日
  • 黄色い家(下)

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    ネタバレ

    テーマ的に自分が好きな領域だからすごい期待して読んでしまったけど、そこまでハマれなかった。お金によって繋がり、崩れていく時の書きっぷりや、どうなるんだろうという気持ちを持ちながら読めたけど、振り返るとただただ後半は辛いだけだったような気がする。それが現実なのかもしれないけど。

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    2026年08月03日
  • 黄色い家(上)

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    少しだけ共通項のある事件をニュースで目にすると「黄美子さん…?」って思ってしまうくらいにはこの作品の世界を私も生きました。ものすごく近い世界線であって、交わることのない世界線の話のような奇妙な感覚に襲われた。掴めるようで掴めない、無視できないのに問題がどこから発生してどこで起きてるのかわからない。川上未映子さんの問題提起をどこまで私は感じられたのかな、その視線も感じる。

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    2026年08月02日
  • すべて真夜中の恋人たち

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    静かな物語ですね。淡々と静かに進むストーリー、こういうの好きです。せめて主人公の誕生日は望み通りに過ごして欲しかった。

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    2026年08月01日