川上未映子のレビュー一覧

  • すべて真夜中の恋人たち

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    ロマンチックだというのは、こういうのをいうのかなと思った。
    冬子はどこか非現実的で、行動も言葉も、考えにも、とても時間を使う。

    甘くもあり、苦くもある冬子の目から見た現実は、「ロマンチック」というのに相応しいのではないかと思う。

    物理的に語られる光も、色々に散りばめられた嘘も、真実も、現実も、やがては冬子のロマンチックになる。

    恋愛小説は久々に読んだけれど、やっぱり苦いものなのだと思った。

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    2026年06月02日
  • すべて真夜中の恋人たち

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    ネタバレ

    どちらかと言えば聖寄りの性格なので、大人しくて自分の意見をなかなか口にしない冬子の心情が新鮮だった。
    冬子や他の登場人物からみる聖の印象が分かりやすくて、聖の気持ちも分かりやすかった。聖の、自分達もそうしたいと思ってるくせに堂々としてる人を軽蔑したりするのがイライラする、どうせ今も私があげた下着をつけているんでしょ、みたいなシーン、私も似たような気持ちになった事がある。
    冬子と聖は間反対な性格だけど、2人とも恋愛下手で、痛々しかった。

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    2026年05月31日
  • きみは赤ちゃん

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    授かったからこそ書けるエッセイだなと思った。
    健康体の子供が授かった人、これから出産を控えている方が共感できるエッセイのように感じます。
    私は結婚もしてないし、子供もいるわけじゃないけど
    どうしても、子供ができたからこそ書けるエッセイだなと感じるし、きっとそうなんだと思う。
    生前前検査について「障害がある子供が生まれたら、、」と思っている知人に対する嫌悪感があったと綴っているが、嫌悪感を抱いた作者に嫌悪感を抱きました。
    どうしても1人じゃ生きていけないレベルの子だっているし、時間も労力も金銭的にも想像以上の責任感が問われる部分です。
    今、世間的にも物価の高騰もある中で健康的な子供1人を育てるの

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    2026年05月30日
  • 春のこわいもの(新潮文庫)

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    人の複雑な部分が詰まった一冊。読んでてずっと苦しい感じがした。
    この表現いいなと思う文章がいくつかあって、心に残った。
    最後の娘については主人公に少し共感できるところがあって、感情移入していただけに最後ひやっとした

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    2026年05月29日
  • すべて真夜中の恋人たち

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    自分に何もないのは自分で何も選択したことがないから…と自分の恋を動かす選択をする冬子がいじらしい。

    すべてを選択した気になっている人間から人生で2回も「見ててイライラする」と言われてしまう冬子だけど、水野くんも聖もどこかで羨ましいと思っていたんじゃないかな。常識を突っぱねなくても、無理くり選択し続けなくてもそれなりに生きている冬子に嫉妬してたんじゃないかなって思った。

    冬子の気持ちも聖の気持ちも典子や恭子の気持ちもどれもなんとなく共感できて、でもどれも人の嫌な部分を孕んでて、そのリアルさが痛々しかった。

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    2026年05月29日
  • 黄色い家(下)

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    花は、悪に憧れて染まったわけではなく、純粋でまっすぐなあまり、何にでも染まりやすく、見ていてとても辛い。ここにいていいと言ってくれる人に合わせ続けた結果、倫理観まで悪に染まっていく様子が見ていられなかった。このリアルな侵食されていく描写、川上未映子すごいな、どうやったら描けるんだろうと不思議にも思った。

    たらればばかりが浮かんだ。もし途中で、正しい選択肢を教えてくれる優しい大人がいたら。居場所を見つけてくれる人がいたら。救いの手をどうにか差し伸べられなかったものか。
    途中の花の黄色への執着も怖かった。
    最初は黄美子さんの真似っこで、幸せへの憧れに見えたが、だんだん信仰や呪いへと変貌する。

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    2026年05月24日
  • 黄色い家(上)

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    2000年代の東京の空気感。三茶あたりに住んでいたのでより目に浮かぶ。村上龍みたいな時代の切り取り感?

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    2026年05月22日
  • ヘヴン

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    川上さん作品2作目。
    やっぱり読みやすく、面白くてやめられなくて、1日で読んだ。
    切なくて苦しい描写の中に、ホッとするような、キラキラと光る素敵な空気が出てきて。
    シャガールの絵が作中に出て来たのも、良かった。
    分かりやすいハッピーエンドじゃない感じがリアルだった。

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    2026年05月21日
  • ヘヴン

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    いじめに遭っている中学生男女の話。むずくて不快感強い。
    斜視をもつ僕はクラスの男子グループからいじめを受けている。ある日差出人不明の手紙の指示に従って公園を訪れると、そこには同クラスの女子グループからいじめを受けているコジマがいた。
    再婚後にできた母がいいキャラしてる。最後に安心したけど、途中はしんどいしどうしようもなくてきつい。議論の内容が卑近なもので難しく、私には合わなかった。でも川上未映子作品とあって文章が読みやすく、活字を追うには楽しかった。

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    2026年05月15日
  • 乳と卵

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    変な小説。
    エピソードトークを喋りかけられてるような、話のその場面に実際にいて脳内を覗いているような、不思議な文章。ふんわりしているので、女性が生まれながらにして背負う重たくしんどい宿命のことをテーマにしても軽快に受け取れる。
    短編の『あなたたちの恋愛は瀕死』が面白い。やるせなさが好き。

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    2026年05月14日
  • 乳と卵

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    少し難しく、登場人物の感情がとりとめもなく書かれていて読みづらい点もありましたが面白かったです。緑子のやるせなさに共感できました。

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    2026年05月12日
  • 春のこわいもの(新潮文庫)

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    物語を読み進めていくと、コロナ禍のあの時のあの感じが蘇ってくる。あの時私は地元を離れて地方に住んでて緊急事態宣言下でも働く側で、世の中に平等なんてないんだなって、職業や環境によって誰かが線引きした中の外側の人間で内側に入れなかった溢れた側の人間なんだなって、なんか捻くれてたな。そんなあの時の気持ちも思い出させてくれた作品でした。
    一つ一つの話は何度も読み返しながら読み進めて、どの物語も最後には読者の想像にお任せします。みたいな感じの終わり方で、これが地獄なのか、これが恐怖なのかって感じました。

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    2026年05月10日
  • みみずくは黄昏に飛びたつ―川上未映子 訊く/村上春樹 語る―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    3周回ってまた村上春樹に興味が湧いてきた。
    良書。



    ようこそ、村上さんの井戸へ――川上未映子はそう語り始める。少年期の記憶、意識と無意識、「地下二階」に降りること、フェミニズム、世界的名声、比喩や文体、日々の創作の秘密、そして死後のこと……。初期エッセイから最新長編まで、すべての作品と資料を精読し、「村上春樹」の最深部に鋭く迫る。十代から村上文学の愛読者だった作家の計13時間に及ぶ、比類なき超ロングインタビュー!

    はじめに 川上未映子
    第一章 優れたパーカッショニストは、一番大事な音を叩かない
    朗読会の思い出/「語りかけ」の変化/キャビネットの存在/「人称」をめぐって/登場人物、囚わ

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    2026年05月08日
  • 夏物語

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    全編にわたって状況描写がすごく細かくて、よくこんなに描けるなぁ、リアルに想像できるなぁと思った。
    主人公の夏子の感情は、もちろん上下はあるんだけどどこか1歩引いているというかゆっくりして感じられる。
    確かに子供を産む/産みたいという時に子供が不幸/病気になるかもしれない、とか子供のことをあんまり考えないし、それって賭けではあるなぁと思った。
    第1章はあまりにも描写細かい中で、割と暗くて重めな前提情報の話が多いので面白いのか?とおもってしまったが、第2章からはスピードアップする。

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    2026年05月06日
  • 愛の夢とか

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    短編集。最後の物語では、死んだ奥さんが天国や地獄に行けず、生前の家を彷徨いながら夫と別の女性の新生活を見て苦しんでいた。しかしそれは妻の勘違いで、実際には夫は妻の死後も彼女のことを想い続け、前向きに生きていた。

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    2026年05月03日
  • ヘヴン

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    鬱々としたいじめの描写が長く続く。あまりに可哀想で、伏線が回収され、虐める側に何らかの天誅が下ることを期待しつつ読み進めてもいじめは終わらない。最後に少しだけ救われるが、それまでの苦難に十分には見合ったとは思えずもどかしさが残った。

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    2026年05月03日
  • ヘヴン

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    「ヘヴン」とは何か。
    僕が最後に見た景色、それがヘヴン?
    コジマのヘヴンは?

    虐めなんて甘い言葉で済ましてはいけない。
    描写がリアルすぎて何度も辛くて本を閉じては読むの繰り返しで、読み切るのに時間がかかった。
    虐めから鬱状態になり希死念慮が湧き立つまでのストーリーが流れるように自然で、同じく希死念慮のある自分も引きづり込まれそうになった。
    虐めももちろん悪だけど、そこにも意味があるというコジマの考えは、僕を虐めから逃さない鎖のようにも思えた。

    世界で翻訳されてるようだけど、あの繊細な言葉はそのまま綺麗に伝わるのかな?なんて疑問を抱いてしまった。

    とにかく重くてしんどい。

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    2026年05月02日
  • 乳と卵

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    ネタバレ

    思春期に入った女の子が、体の変化に戸惑い嫌悪し、自分のこころは体という入れ物に入ってるだけと感じている。一方、シングルで育てている母親もなぜか豊胸手術をしようと企てる。ままならない境遇を、この体がもっとこうだったら違う人生になるかもと期待してか。それにしても、この娘が賢い。声を発しなくなったのはなぜか。読後感がよい。母子に幸あれ!

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    2026年04月30日
  • 黄色い家(下)

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    ネタバレ

    ニュース記事で知人女性による監禁・傷害事件を知った花。
    彼女と二人の少女たちと疑似家族のように暮らしていた20年前軒を句が蘇る。
    人はなぜ金に狂い、罪を犯すのか。

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    2026年04月30日
  • ヘヴン

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    思春期の心と体の揺れ、いじめと言う社会問題を通して、「善悪とは何か」「生きるとは何か」を問いかけてくる作品だったような気がします。

    いじめの描写は正直かなり辛いものもあり、現実はもっと酷いのではないかと思うと、苦しくなることもありました。

    そんな中で、いじめる側である百瀬の言い分に、自分が完全には反論できなかったことも辛かったです。そこに、この作品の怖さがあるのではないかと感じました。

    一方で、どこまでもブレずに自分の価値を信じ続けるコジマや、淡々とした中でも主人公に寄り添う母親に、救いのようなものを見出しました。

    読み終えたあとも、簡単には答えの出ない問いが残り続けるような作品でした

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    2026年04月29日