川上未映子のレビュー一覧

  • ウィステリアと三人の女たち(新潮文庫)

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    川上未映子さんが描く女の話は、繊細で美しく、そして一途の不穏が漂う感じが本当に素敵だなと思う。ウィステリア〜も良かったけど、シャンデリアの虚しさが蔓延る雰囲気も好きだった。ブランド品を買えても満たされない心の寂しさよ。

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    2026年03月20日
  • 春のこわいもの(新潮文庫)

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    コロナ禍は大騒ぎして馬鹿なことだったと記憶されるんだろうか。いや生きている時に感染すれば死ぬかもしれない得体のしれない「病い」と実感される記憶だと思う。その切迫感がこの小説群に反映されている。「ブルー・インク」の永遠に失われた手紙の物語を読みながら、世界と自分がああこうやって分断されていったんだと思い返していく。個を大切に最大限に尊重することで手に入れたものが、今のあからさまな力の支配を許すことだとは思いたくない。そんな現在をコロナ禍の時点で投射しているように思える作品であった。

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    2026年03月19日
  • 黄色い家(下)

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    一気読み。思っていたよりもサスペンス要素が薄くて、どちらかというとシスターフッド要素の方が強くて終わった感じだったから少し拍子抜けしたけど、面白かった。お金って物の入手手段だけでなくて、その先の暮らしや交友関係、精神状態を担保するもの何だなぁと思う。貧困層がどことなく余裕が無くて焦っているのはそういう事だよね。花がこの家の将来の事への不安が積もりに積もった時に、黄美子さん達への態度が高圧的になるシーンは胸が痛かった。

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    2026年03月14日
  • 黄色い家(上)

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    初めての川上未映子さん。

    お話のテンポが良くてどんどん進む。花に試練のフラグが立ちすぎて切ない…。

    下巻に続く。

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    2026年03月14日
  • 黄色い家(上)

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    ネタバレ

    なんかもっとお金に関わるサスペンスな話かと思ってたら違ってました。ストーリーの核の黄美子さんがゆったりしているからか、進行ものんびりです。花は母に200万円を貸し、「れもん」も燃えてしまって、頼りの大人である黄美子は全く頼りにならないし、どうするんだろうと思います。特に登場人物全員、善人寄りの思考回路をしているけれど、ちょいちょい癖があるところは気に入っています。黄美子はどんな逮捕されるような悪事をしたのかどうか、きっと本人に悪気なんてないんでしょうが、それを楽しみにし下巻も読みます。黄色い家はどこ。

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    2026年03月14日
  • 黄色い家(上)

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    黄美子さんと花ちゃん達の生活は青春っぽさがあって美しい描写だったけど、水面下に蔓延る生活の不安定さや社会的弱者の運命が拭いきれず、この生活の儚さを感じながら読んだ。下巻はもっとしんどい描写が続くのだろうけど。花ちゃんだってもっとまともな家に生まれていたら、それなりの生活が送れそうな素質はあるはずなのに、結局自分の生まれ育った環境が自分の人生の8割くらいを決めるんだと思うと、世知辛い。

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    2026年03月12日
  • 黄色い家(下)

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    ネタバレ

    上巻だけ読むと、黄美子さんに洗脳されて的な話かと思うけど、下巻も読んで一気に印象が変わった。

    お金は無いよりある方がいいけど、絶対にトラブル起きるなと思ったし、誰か一人でも道を正してくれる大人がいれば、違う道もあったのでないかと。

    最後、また黄美子さんに会えたことが良かったのか、悪かったのか?

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    2026年03月12日
  • ヘヴン

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    彼女には彼女なりの正義があった。
    そして彼には彼なりの正義を見つけた。

    「できる」が「しない」を選ぶ事が強さになる。
    今その時には無意味な行動かもしれないけど、今後その選択をした自分が正解だと思えるのだろう。

    ヘヴンを見なかったことにより、ヘヴンはどん底からの渇望により探し見るものではなく、結果としてそれがヘヴンだと肯定できる場所だったんだな、と。


    自分の話をする。

    小学生の時に、虐められていた子が居た。
    パジャマのような服を着て、鼻水を垂らしている。軽度の知的障害がある子だった。
    仮にA子とする。
    「A子菌」というものが流行った。
    その子自身やその子が触った所にはA子菌があると周り

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    2026年03月12日
  • 黄色い家(上)

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    ネタバレ

    中盤が少しだけ退屈だったが、最後また盛り返した。下巻が楽しみ。母親が虐待している暴力的な母親ではなく、でも決していい親ではなく、リアル。一生懸命、子供も嫌いではない、でも自分の方が好き、楽しいことがしたい。
    信頼している大人(きみこさん)実は他の大人からみたら、あの人は、、、ってときの花ちゃんの気持ちもリアルだなぁと。よくあることだよね、ではないが、パーツパーツの事柄とそれにまつわる気持ちに共感

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    2026年03月07日
  • 春のこわいもの(新潮文庫)

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    これはパンデミックの時期でなくても、人間の心に巣食う。社会と隔離された入院という時間、淡い恋心を抱いていた相手と心が繋がらなくなった時、美しさのあこがれの先にあった汚さ、死を前にしての性への執念、近しい人への優越感。この感情がずっと続くものではないけれど、重苦しく息がつまるような感覚を体験した人は多いのではないでしょうか。

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    2026年03月01日
  • 乳と卵

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    久しぶりに文が合わなくて読みづらかった。
    卵で生まれて乳で育つ。卵と乳がなくなると用済み??まだ生きてる。

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    2026年02月26日
  • 黄色い家(上)

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    かつて一緒に住んだ女性・黄美子の事件記事を見た花が同居していた当時を回顧していく物語。

    お金に無頓着でネグレクト気味の母親のもとで育った花。

    生きる上で必要な知識というものが世の中にはある。
    それを知る機会がないことは大きなハンデで、資本主義の世の中を渡っていくのはとても難しくなると思った。

    そんな中、選べる選択肢の中で精一杯頑張って、やっと手に入れたものを何度も失う花の絶望感は計り知れない。

    現在から始まるものの、過去同居していた蘭の言動からは、断ち切りたい過去の空気感しかない。

    転落のスタートラインに立った上巻のラストに、これからどうなっていくのか、先が気になった。

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    2026年02月24日
  • 黄色い家(上)

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    冒頭で、この小説のオチと思われる、とある女性に関する事件について示唆があるものの、上巻では事件そのものについては全く触れられない。
    主人公がその女性と出会い、どのような人生を送ってきたかが淡々と描かれる。
    上巻のみでは物足りなさが残るが、下巻に期待!

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    2026年02月20日
  • ヘヴン

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    きつい。

    暴力もそうだけど、
    主人公とコジマの優しさと強さと、
    ちゃんと弱いところ。
    全部が痛い。

    加害側の、わかるようなわからんような
    いじめを正当化する発言とか理屈みたいなのも
    もやもやするし気持ちが悪い。
    あとからじっくり分解するとツッコミどころ満載なんだけど、その場ではよくわからんけど正解っぽい謎理論を用いて相手を言い負かすことができるタイプの気持ち悪いやつ、百瀬。

    主人公が治療を考え始めて
    前に進んだ?
    大事な物の変化?
    によりコジマとの距離が決定的になるのがつらい。

    コジマには主人公に匹敵する、
    もしくはそれ以上の存在感があった。
    だからこそ最後はただ
    コジマが幸せであって

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    2026年02月18日
  • ヘヴン

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    ネタバレ


    斜視でなにもかもがぼんやりと二重に見える。「ロンパリ」と呼ばれ、二ノ宮を中心に、クラスの男子からいじめを受けている。

    二ノ宮
    クラスの中心的な存在。学年でスポーツが一番できて、成績も優秀で、誰が見てもきれいだと思うような男性な顔つきをしている。僕をいじめるリーダー格。

    僕の母

    コジマ
    僕と同じクラスの女子。女子たちに苛められている。

    百瀬
    中学で一緒になった生徒。僕と同じクラス。二ノ宮とおなじくらい勉強のできる生徒。二ノ宮と同じグループ。

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    2026年02月16日
  • ヘヴン

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    哲学的!!10代の思考としてはとても深い。
    こんなにも過酷で狭い世界に身を置かなければならない2人、読んでいてツライ。
    だからこそ彼らの価値観は狭く、そして深くなりやすく、アイデンティティの形成に大きな影響を及ぼす。
    僕の斜視→手術後の視野の拡大は、価値観や未来の展望を感じさせてくれて、ラストは読んでるこっちが救われた。お母さん、あなたがお母さんでよかった。涙
    コジマの話は宗教的にすら感じる部分があって、それぐらいの解釈をしていないと自分を保てなかった、彼女なりの自己防衛だったのかな。

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    2026年02月13日
  • 黄色い家(上)

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    ニュース記事で知人女性による監禁・傷害事件を知った「花」。彼女と二人の少女たちと、疑似家族のように暮らした20年前の記憶が甦る・・・・・。人はなぜ、金に狂い、罪を犯すのか。読売文学賞受賞作!

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    2026年02月13日
  • 乳と卵

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    ネタバレ

    正直何も起きない話ではある。
    登場人物は語り手の女性とその姉、そして姉の娘−−つまり語り手の姪である緑子。
    思春期女子特有の二次性徴の気持ち悪さや自分を産んだ親や繁殖そのものに対する嫌悪感、「こんなしんどい世なら生まれてきたくなかった」みたいな感情が自分にもあったことを思い出しつつ、語り手と同世代の自分はもうそれらに慣れっこになってしまっていて、いつからか生理が来たり性的なものに触れたりちょっと嫌なことがあったくらいではなんとも思わないように鈍麻していたのだなというのを語り手を通して自覚する。
    これといって大きな見せ場はなく、緑子が母に我慢ならなくなって廃棄予定の卵を自分の頭にぶつける奇行に走

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    2026年02月13日
  • 黄色い家(上)

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    下巻こそがこの作品の見どころで、そのための仕方ない序章だと理解していても頁が進まない。ようやく興味が湧いてきた頃に終わるけど、続きを過度に期待しないようにと自分に言い聞かせる上巻。

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    2026年02月11日
  • 黄色い家(上)

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    ネタバレ

    知人と思しき人の逮捕からの過去の話が長すぎ。
    下巻に移る前に終わると思いきや全然終わんなかった。下巻からも多少続きそう。
    多分あのお金も母の彼が奪ったんじゃなくて、母が奪ったんだろうな。
    更に花を見つけてお金の無心にくるんだけど嘘くさいな。
    下巻どうなるんだろうな?

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    2026年02月10日