川上未映子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
思春期の心と体の揺れ、いじめと言う社会問題を通して、「善悪とは何か」「生きるとは何か」を問いかけてくる作品だったような気がします。
いじめの描写は正直かなり辛いものもあり、現実はもっと酷いのではないかと思うと、苦しくなることもありました。
そんな中で、いじめる側である百瀬の言い分に、自分が完全には反論できなかったことも辛かったです。そこに、この作品の怖さがあるのではないかと感じました。
一方で、どこまでもブレずに自分の価値を信じ続けるコジマや、淡々とした中でも主人公に寄り添う母親に、救いのようなものを見出しました。
読み終えたあとも、簡単には答えの出ない問いが残り続けるような作品でした -
Posted by ブクログ
ネタバレ重かった………………読むのにとても時間が掛かった。。
ずっと辛いし、希死念慮が膨らんで鬱状態が加速していく描写は本当に生々しくて、新卒期の摩耗しきった己と重なる部分もあって、わかるなあ、と思いながら読んでた。
元々ショッキングな描写には耐性があるつもりでいたけど、それも年々ダメになってて、主人公が二ノ宮たちに人間サッカーとかいう惨たらしい暴力に晒されるところで貧血になって一時中断した。。
生々しい活字に体調崩すのは、中山七里『連続殺人鬼カエル男』と平山夢明『独白するユニバーサル横メルカトル』以来かもしれない。
ノストラダムスの予言、とかいう、自分が生まれるずっと前に流行ったらしいワードか -
Posted by ブクログ
読んでいて感じたのは、「こうなるしかない」という諦念に近い確信だった。
未成年での飲酒やスナック勤務、血縁ではない人々との同居、明らかな違法行為の人間関係。表面的には自由にも見える環境の中で、実際には選択肢がほとんど存在しない。守ってくれる大人も、安定した生活も、引き返すための基盤もない。あるのは、その場に適応するしかない状況だけだ。
さらに残酷なのは、ようやく積み上げたものが徹底的に破壊されることだ。自分で稼いだお金は盗まれ、次には母親に奪われる。外からの搾取だけでなく、内側からも奪われることで、信じられるものそのものが失われていく。
本来なら拠り所になるはずの家族が、最も人を削る存在になっ -
Posted by ブクログ
コロナが蔓延し、生活が一変したあの春にまつわる物語を連ねた短編集。
全話に通じて対話が少なく主人公の心情を丁寧に描写していることと終始不穏な空気が漂っていることが印象的であった。
心理描写に関しては"不安"や"恐れ"などといった一言でも通じる感情を様々な比喩表現を用いてこれでもかというほど深掘りっているのが印象的だった。
心理描写ももちろんだか、傍から見た言動に関しても「この人はこういう感情なんだろうな」と読者が一目で分かるような表現が秀逸であった。
作品の空気感に関しては暗い話が多く、何かが起きる結末でないことが不穏な空気感を作り出していた。起き -
Posted by ブクログ
なんだか不思議な感覚がじんわりくる小説でした。
言葉での表現があまり得意でなく、良く観察し、独特の感性で物事を感じとるタイプの人たち。
芸術的なセンスが強くて、真っ直ぐな心を持ってるから世の中を上手く泳ぎことが苦手でちょっと生きづらそうな遺伝子を持つ人たちかな。って思いました。
若い緑子は思春期に入りこれから色々と戸惑うだろう。
でも卵かぶり事件で母子の絆が再確認されたのかな。
このシーンは笑えてしまった。どこの家庭でもありそうな思春期の子とのぶつかり合い。それをこの家族は殴り合いや、言い合いではなく、卵かぶりでしたのだなあ
彼らは本当に個性的で平和的で、独特の魅力を持つ人たちだ。