川上未映子のレビュー一覧
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いじめはダメだやっぱり。百瀬の理論は、理論的には正しいし同意。たまたまなんだ全部。ただ、規模を大きくしただけでそこまで機械的に動けない人間の要素を除外してるし、それぞれの解釈を集合させないといけない時に倫理観が試されると思う。つまり、机上の空論で都合が良すぎる。もっと人と人、人と集合はままならない世界観に放り込まれていると感じた。コジマの耐えるべきが正しいはどこか「夜と霧」を思い出した。2人が手紙を交わし合いながらお互いが関係性を深めていく過程で、痛みの象徴を共有し合い、残すことに、痛みに価値を据えている有様は自分にもよくわかる。ラストシーンのコジマの自己を削った狂ったような美しさ、主人公の斜視を直したことによる世界の美しさに気づくシーンは、痛みを駆動力にして生まれる美しさか、痛みを取り除いて生まれる美しさの対比が描かれていた。個人的には、主人公の美しさの気づくシーンは過剰でそこにトラウマやしがらみの解放も見て取れたけど、どちらかというとそう思い込もうとして、感動することで痛みを必死に遠ざけてるように見えた。コジマが、いじめの原因だと思っていた要素が取り除かれた世界でどう生きていくのか、想像させられる終わり方だった。
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Posted by ブクログ
『娘について』の短編が、終始じっとりと怖い感じがした。
人間のこころの中で起こる怖い部分をじっくり炙り出されている感じがした。
昔自分が人にしたひどいことを、あとから思い起こさせられる怖さ。
母親のコンプレックスの捌け口として過干渉された娘。
世間知らずな友達がどう考えてもヤバイ男に引っかっているのに、その友達は優越感すら覚えていることを話聞きながら感じること(友達の低い自己肯定感が原因で、才能を認められた云々の甘い言葉でコロっと落ちているアホさにドン引きしながらも、聞き役に徹しないといけない状況)。
努力している自分が夢を叶えられないのに、隣で遊んでばっかりの友達が夢を叶えそうな現実に耐えられなくて、最悪の手段で邪魔をしていく自分。
若い頃は特に何の実績がなくても自分のことを非凡な存在だと思っている。
なのに何者でもない凡庸な人間になってしまったことへのコンプレックスがずっとどこかにあって、それが拭えないから自分の娘に昔の自分の夢を託したい気持ちと、それすらも邪魔したい気持ち などなど。
見砂も、ネコさんも、よしえも全員こわい。
友達に昔ひどいことをした罪悪感に駆られて、最後に起こす行動もえええ、、こわ、、ってなった。
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ネタバレ難しかった。
二つのお話とも結局何が言いたかったのかよくわからなかった。
巻子が豊胸したかった理由は結局自分のためなのか。別れた夫と何かあるのかと思ったけどそれも結局よくわからず。期待していた展開と違ったと言えばそこまでだが、巻子、緑子の気持ちが交わる展開がなかったので残念だった。
女性をテーマにしていることはわかった。共感するような、しないような。恋愛している時もしていない時も、特定の相手だろうがなかろうが、男性に求められたがるその気持ちは何となくわかる。性的にみられたいという気持ちも。そこに女としての価値を見出したがるのだろう。
緑子の成熟していない少女としての価値観が逆に新鮮。性を厭がる子どもから、いつのまにか性的なことを求める女性に成熟していく。そんな対比をしたかったのか?
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ちょっと前から考えていた、子供の「自分は頼んで産んでもらったわけじゃない」に対する模範解答ってなんだろうという問い。色々考えてたけど、やっぱり100%「親のエゴ」だよなぁと実感した。その上でどうするか。
「自分は頼んで産んでもらったわけじゃない」と言うことを子供に言わせないのが最適解だろうとは思う。
そうなると、親としては夏子の言っていた「自分で産んで、自分の子供に会いたい」って言うのが持つべき感覚かなぁ。ただ、意図的に結婚せず、生殖に問題があるわけでもないのに、原則1人で育てる前提で精子提供を受けて子供を産むってどうなのかなぁ。
現実問題、相手に問題ないのであれば、普通に男親もいた方が子供の成長にはいいと思う。
夏子は小さい時に父親がいなくなってるから、男親の存在が子供の成長にどう影響するのかとか考えてないのかなとか思った。
「生まれてきた子供の目線」はなかったように感じた。それがなんなら1番重要なはず。やっぱ親のエゴでしかないから、考えなくてもいいのか。 -
Posted by ブクログ
2020年のコロナ禍で生活様式が一変した世界の話
全体的に内心面を描いている文章で、共感できる話とそうじゃない話がはっきり別れた
どの話も後味の悪さが残るというか、消化不良気味
な作品
青かける青は、病棟に長いこと入院している女の子の話で、いつになったら退院できるのかが判らない
状況がリアルで、誰かに当てた手紙の文章がダラダラと続いて、何の前触れもなくぷつりと終わる
それだけに印象に残ったストーリーだった
美人至上主義の話もある意味、こわい話になるけど
主人公が面接を受けた時に浴びせられた言葉がきつかった
コロナ禍により通っていた学校が急に通えなくなる
話。ニュース等で見聞きしてたけど、こんな感覚な
のかと考えさせられた
緊急事態宣言が出されると、市内の施設も軒並み閉鎖されたことを思い出した
ラストの話は、夢を見て上京し生活環境が違う者同士が同居して、女優になること、小説家になること
を目指していたのに温室育ちの彼女に違和感を感じて苛立ち、彼女の母親に毒付く女がこわい…