川上未映子のレビュー一覧
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ネタバレものすごく良かった。
光をひとつテーマとする上で、冬子にしか見えない景色の美しさが見事に文章化されている。ほんとうに美しい文章に浸り続ける体験ができた。
感覚を描くのがうますぎる。全身の刺激が、自分の体に感じられるように読める。
でも、どうしてもこの物語を手放しに礼賛する気にはなれない。
悲恋がもたらすカタルシスによって物語が矮小化されているような気がどうしてもしてしまうのだが、これはぼくが若すぎるのか。青すぎるのか。
最後の方で、聖が悪者として描かれてすぎているように感じたのも正直すこしいやだった。登場人物がみな、嫌に描かれすぎている気がする。まあ、完全に悪者には描かれてはいないのだが。
最 -
Posted by ブクログ
言葉や描写が繊細で美しい。よってよりリアルな日々を描いている。
「あなたが自分の本当の気持ちを吹き受けて、自分で行動を起こしてそれで断られて玉砕してそんなドロドロの顔して帰ってきたって言うなら、私すごいと思うわよ。すごく頑張ったと思うもの。でも結局傷つくのが怖いのか何なのか知らないけど、安全なところからは出ないでおいて相手に気持ちを汲んでもらって、それで小学生みたいなセンチメンタルにどっぷり浸って自分の欲望を美化して、気持ちよくなってるのが端から見ててすごく嫌なんだよね。きれいごとってそんなにいい何がいいの?軽く見られるのが嫌なの?何か大事なものを守ってるように男に見られたいの?誰に見られ -
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ネタバレ言葉がとても繊細で美しく、ひとつひとつを大切に味わいながら読み進めました。
光や真夜中の描写が儚くて切なく、静かな物語なのに感情の揺れが繊細に伝わってきました。
主人公の冬子は、人との関わりが苦手で、傷つくことや失敗を恐れ、淡々と日々を生きていて。
自分の意思や言葉が曖昧で、時に危うく感じる部分もあったけれど「何も選ばずにやり過ごしてきた」という感覚には共感するところが多かったです。
聖との口論の場面はぐさぐさと刺さり、自分の感情は誰かの引用なのではないか、という問いも強く心に残りました。
三束さんと出会ってから、冬子は自分の感情に気づき、連絡をしたり、おしゃれをしたり、告白したりと、静か -
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久しぶりにこういった恋愛ものを読んだが、若い頃は憧れを感じたり切なさが身に沁みたが、年をとってから読むとどこかで「甘えるな」と思ってしまう。
仕事、家事、育児、介護など毎日の中では自分を殺してやらなくてはならないことが多々ある中で、センチメンタルに浸かっているだけの主人公に「甘えるな」と言いたくなってしまった。
聖に非常に近い感覚。でも読みやすく面白いと思う。
以下、好きなフレーズ
あなたが自分の本当の気持ちを吹き受けて、自分で行動を起こしてそれで断られて玉砕してそんなドロドロの顔して帰ってきたって言うなら、私すごいと思うわよ。すごく頑張ったと思うもの。でも結局傷つくのが怖いのか何なのか知ら -
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正直に言うと、文体には少し読みにくさを感じた。読点で文章を繋ぎすぎている印象があり、思考や感情が途切れないまま流れ込んでくるため、読む側としては息継ぎがしにくい。その点は意図的なのだろうが、個人的には合わない部分でもあった。
また、物語は母と娘の関係の拗れを、妹であり叔母という立場の主人公の視点から描いている。さらにその主人公自身が感情の起伏をあまり表に出さず、物事を冷静に分析するタイプであるため、読者は二重三重に俯瞰した位置から物語を見ることになる。その構造が、感情移入のしづらさに繋がっているように感じた。
それでも、巻子と緑子の親子関係において、夫であり父親の存在が不在であること、そし -
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中学2年生の主人公の《僕》と同級生の女の子の《コジマ》。2人の共通点は、いじめられっ子。
ある日、「私たちは仲間です。」
差出人不明の手紙を受け取ったことがきっかけで、2人はこっそりと文通をするようになる。
毎日のように続く、凄惨ないじめの内容は、正直目を背けたくなった。
その中で、2人は、いじめを受けている自分たちの存在意義を共有しあっていたのだ。
そして、後半、いじめグループの中の1人である百瀬に、《僕》が、「なぜいじめるのか。」と対峙するシーンがある。百瀬は、ただ自分たちの欲求を満たすものが、たまたまそこにあっただけ。だからやった。ということだろうか。
反対に、《僕》もその状況を -
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小説だけどエッセイのような取り留めのなさのある本。
脅威の652ページ。
ページ数は多かったけどそこまで苦痛に感じませんでした。
物語は2部方式になっており、1部は主人公である夏子の姉の巻子と、その娘の緑子が夏子のもとに滞在しにやってくる話。
2部はこの話の本筋とも言える内容で、夏子が自分の子供を欲するように考えてAID(第三者からの精子提供を受けて行う人工授精)を検討する話。
テーマ自体は重い話でしたが、私個人としてはテーマとは異なる本質的な話(ちょこちょこ出てくる)が好きで、川上未映子さんの他の著書を読んでみたくなりました。
以下、気に入った文章。
3.おっぱいは誰のもの
p77きれい -
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タイトルから想像してた内容とだいぶ違った。
もっと女女してる内容かと思ってた。上っ面の苦悩を性と交える小綺麗な話を想像してた。
好き嫌い分かれると思うけど、川上未映子の文章には心の普段触れないようにしてるところをゆっくりとしかし確実に抉るような力はあると思う。
オープンエンドなのがこれまたリアリティを増してる。結局何がなんだったのか、どうなったかは分からない。
作品としてみるとモヤモヤするかもしれないけど、現実でも結局自我の思い込みと感想でしか世界を見てなくて、理解した気になっているだけ。
他人の本当の事なんて分かりっこない。
ということを、改めて気付かされた小説でした。
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Posted by ブクログ
ネタバレ緑子の、本当は幼い、傷つきやすい、母を思うけど上手く接することの出来ない、思春期差し掛かった女の子特有の不安定な感じが痛々しかった。でもかわいいな、と思った。
3人の登場人物だけで、これだけ短い物語の中で、しかしわりとわかりやすく起承転結があり、最後はなんか良かったな、ハッピーエンドなんだろうなと思わせてくれる。もうひとつの収録作品も読んでみて、物事の本質的な部分や人の心の機微を抽出して、言葉にとらわれずに描き出すのが上手な作家さんなんだと感じた。
「身体」がひとつのテーマで、それをどう受け入れていくのか、自分自身とどう結び付けて位置づけていくのかって、人間考え続けるとキリがないし、しかし特に -
購入済み
女性なら一度は考えたことがあるであろう「子供を産むこと」について書かれた小説。高評価を得ているとのことで購入しましたが、書かれていることはどこか他人事で、何処かの記事を引っ張ってきただけのもののような感じがしてしまいました。乳と卵がとても感情的な作品だっただけに、その続編とのギャップが大きかったです。