川上未映子のレビュー一覧
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小説だけどエッセイのような取り留めのなさのある本。
脅威の652ページ。
ページ数は多かったけどそこまで苦痛に感じませんでした。
物語は2部方式になっており、1部は主人公である夏子の姉の巻子と、その娘の緑子が夏子のもとに滞在しにやってくる話。
2部はこの話の本筋とも言える内容で、夏子が自分の子供を欲するように考えてAID(第三者からの精子提供を受けて行う人工授精)を検討する話。
テーマ自体は重い話でしたが、私個人としてはテーマとは異なる本質的な話(ちょこちょこ出てくる)が好きで、川上未映子さんの他の著書を読んでみたくなりました。
以下、気に入った文章。
3.おっぱいは誰のもの
p77きれい -
Posted by ブクログ
タイトルから想像してた内容とだいぶ違った。
もっと女女してる内容かと思ってた。上っ面の苦悩を性と交える小綺麗な話を想像してた。
好き嫌い分かれると思うけど、川上未映子の文章には心の普段触れないようにしてるところをゆっくりとしかし確実に抉るような力はあると思う。
オープンエンドなのがこれまたリアリティを増してる。結局何がなんだったのか、どうなったかは分からない。
作品としてみるとモヤモヤするかもしれないけど、現実でも結局自我の思い込みと感想でしか世界を見てなくて、理解した気になっているだけ。
他人の本当の事なんて分かりっこない。
ということを、改めて気付かされた小説でした。
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Posted by ブクログ
ネタバレ緑子の、本当は幼い、傷つきやすい、母を思うけど上手く接することの出来ない、思春期差し掛かった女の子特有の不安定な感じが痛々しかった。でもかわいいな、と思った。
3人の登場人物だけで、これだけ短い物語の中で、しかしわりとわかりやすく起承転結があり、最後はなんか良かったな、ハッピーエンドなんだろうなと思わせてくれる。もうひとつの収録作品も読んでみて、物事の本質的な部分や人の心の機微を抽出して、言葉にとらわれずに描き出すのが上手な作家さんなんだと感じた。
「身体」がひとつのテーマで、それをどう受け入れていくのか、自分自身とどう結び付けて位置づけていくのかって、人間考え続けるとキリがないし、しかし特に -
購入済み
女性なら一度は考えたことがあるであろう「子供を産むこと」について書かれた小説。高評価を得ているとのことで購入しましたが、書かれていることはどこか他人事で、何処かの記事を引っ張ってきただけのもののような感じがしてしまいました。乳と卵がとても感情的な作品だっただけに、その続編とのギャップが大きかったです。
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何のために人は生むのか。生みたいと思う女性の本能は、自分勝手なわがままではないのか。男の 3秒の快感のために、60年の苦労を背負わせていいのか? などと考え始めると、ほどなく人類滅亡なので、とりあえず何も考えずに性的欲求、母性本能のおもむくままに種を存続させていただきたい今日このごろではあるのだが、AID (Artificial Insemination with Donor's Semen; 夫以外の第三者から提供された精子を用いる非配偶者間人工授精)の問題を絡めつつ、38歳という出産を考えると微妙な年齢の女性の想いを「乳と卵」のあの濃密な筆致で描く。前半はその「乳と卵」の焼き直
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Posted by ブクログ
コロナ禍を舞台にして春の不穏な雰囲気をそのままに色んな題材を織り込んだ6つの短編集。タイトルの通り春の怖いもの、短編に登場する主人公がどれも登場する相手役に少し妙な怖さを感じてるのは秀逸かも。
黄色い家を読んで面白くてこの著者の短編も手にしたけど、面白さは黄色い家の方が面白かった。まあ本ごとに色が違うからこの短編集はコレでいいのかな?どうなんだろう?期待していたこともあり少し普通だった。
でもちょっと貧乏や影のあるキャラの描き方はとても秀逸でした。
特に気になったのは◉あなたの鼻がもう少し高ければの整形にまつわる面接のやり取りは面白かった。
最後の◉娘についての、よしえと見砂の対比線のキ -
Posted by ブクログ
女たちの、誰にも話すことはないだろうというような出来事や記憶や考えをフィルム越しで見ているような短編集だった。
古い海外の映画を見ているような……舞台は日本で、現代なのに不思議な感覚だった。
最初の短編が刺さりすぎてしまい、その後の物語に入り込みきることができないまま、
大きなシャンデリア、深い森の湖、藤の花と、見ている景色が移り変わっていく。
それでも、ふと集中力が途切れると、西日が当たる小さな部屋と少女の記憶まで巻き戻されてしまう。それくらい衝撃的だった。
美しい文章の裏側でこの物語は何を示しているんだろう、何を感じとることができれば私は納得してこの本を閉じることが出来るのかな、と考え