川上未映子のレビュー一覧
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第一部は貧乏がずっと根底にある物哀しい雰囲気と、お姉ちゃんのいきなりの豊胸手術の話で進んでいって、正直微妙で最後まで読めるか不安になったけど、第二部に入ってからは物語にはまりこんで読むことができた。
貧乏で大変で辛いこともたくさんあったけど、出てくる女性陣はみんな一生懸命生きていて、優しくて、その優しさが切なくて何度も泣けた。特にお姉ちゃん優しい。「いつでも、お姉ちゃんやで」号泣。
緑子も反抗期終わって素敵な女性に成長してくれて良かった。
実際に子どもがいる身としては、お金はあるに越したことはないので、最後せっかくなら貰えるものは貰っとけって思ったけど、まぁ小説なので。主人公たちのこれからの未来が幸せであるよう願いたくなるお話だった。 -
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ネタバレこの、絶対スッキリ解決しないだろうという感じ、文学だわ。芥川だわ、と思いながら読むと、思わぬところから卵が出てきて、ああ、そういう意味での乳と卵なのねと納得したりするのだけど、でもやっぱり解決とはいかなくて、でも仄暗い、小さな台所についた蛍光灯の明かりくらいの明るさの、希望というものが、あたりを包んでいるようなそんな不思議な温かさがあった。
と、分かりやすいけれど長い不思議なリズムの文章が、読みにくいような、心地いいような、ということで、感想も早速それに引っ張られてしまうのであります。
個人的には、乳と卵、で、終わらせて欲しかった。2話構成と知らなくて、彼女たちの先の未来の話があるのかと期待してしまった。
知り合いの親子に重なって、幸せになってほしいとつい願ってしまった彼女たちだったので。
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すごく生々しかった。
女性が抱える、女性ならではの悩みが生々しく描かれている。女性は男性よりも身体的な成長が早い。成長に合わせた身体的な変化も特徴的(表現合ってるのかわからんけど)。生理とか胸の成長とか。特に緑子の身体と心のギャップから生まれる疑問や感情に、「ほぇ〜」ってなってた。そらそうよなぁ。自分で自分のこと気持ち悪いって思う時期絶対あるやろうなって思った。
豊胸を考えてる巻子がホステスっていうのも絶妙。女性の行動心理は男性精神のうえに立ってるんやろか。いくぶん生きにくいやろうな、、って。他人事のような感想超えて、もはやそれを理解しようとまで思えた。最後はハッピーエンドやったと信じてる。緑子話せるようになってよかった。
もう一つの話は、バッドエンドやろうな。恐らく最後、女は死んだと思う。百貨店と本屋の対比、光の対比、形(本屋と百貨店の鏡)の対比がおもしろかった。思い込みの理想と現実。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ本の薄さから読みやすいと思ったら、読点だらけで、句点のない文章が本いっぱいに詰まってて、戸惑いました。改行もほぼなし。でも、慣れると頭には情景が浮かぶ不思議な文章です。独身の主人公、豊胸を考えている主人公の姉、しゃべらなくなった姪っ子。これは母娘の物語なのか、女の物語なのか、わからなくなりました。三宅香帆さんは母娘としてあげられていたけれど、意外にさっぱりしてるんですよね、この母娘。卵を頭にぶつけ合うという謎の心理戦(?)は、床掃除がとても心配になりました。芥川賞、ふーむ、不思議。豊胸は怖いです。
でも、娘は生理を隠そうとしたり、母娘の軋轢があの卵合戦で解消されたとは、なんか納得ができない。もっと描くべきことがあった気がする。もっと深いドロドロとした感情の応酬があってもよかった気がする。結局、なんで母が豊胸をしたがったのかの理由が明確じゃないんだよね。そこまで知りたかったのかも、私は。 -
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感想がすごく難しい。刺さる人には刺さるのかしら。
すべてのものごとには意味があるのだから受け入れるとするコジマと、すべてのものごとは偶然が重なっただけなので嫌なら自分で変えるしかないとする百瀬の考え方、どちらにも納得できる。
むしろ私は、「嫌なら自分で変えるしかないけど、それでもどうしようもならなかったことはきっと何か意味があること」と思うようにしている。
但しコジマの思想はあまり理解できない。
いじめを受け入れるも拒絶するも勝手だが、いくら汚れたままでいることが本人に特別な意味があるからといっても、風呂に入らないことかで周囲に迷惑も不快感も与えているのは事実。それでいて、いじめてくる人間たちのことを「大切なことに気づけていない、あの子たちも被害者」などと憐れみを向けているのが鼻につく。もちろん、百瀬の考えで言えば、コジマが汚いことなんていじめの原因ではなく、偶然いじめの対象になった後付けの理由ということにすぎないのだが、原因を作っている側が自己満足するなよと思ってしまった。