あらすじ
見上げる雪空に響く賢治のことば。文豪「ドス」を貫く心揺さぶる「ラズ」の力。たらい回しにされるおばさんクレーマーの心中と、怒髪天を衝いた新幹線車内の衝撃。小説家の日常は諸事ぐるぐる渦巻いてやがてあの謎へむかう……。オモロイからロマンティックまで、週刊新潮人気連載を厳選したエッセイ集。『ぜんぶの後に残るもの』『人生が用意するもの』を合本化し改題したオリジナル文庫を電子化。
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Posted by ブクログ
面白かった!
川上未映子さんのエッセイは、全体的に明るく楽しく読めるので好き。
時々入る大阪弁?川上さん語?みたいなものも、なんだか楽しいし、文章自体はですますなのに、めちゃめちゃフランクな話し言葉がささりこんできたり、ものの喩えがこうなるのね!とぐ、ときてしまう感じがいい。
エッセイなので1つ1つが短く、ちょこちょこ隙間時間に読むも良し、続けて読み続けて満腹感を得るも良しです。
Posted by ブクログ
目から鱗な様々な視点を、面白おかしく紹介してくれる様なエッセイ。
最後まで飽きることなく読めました。
黙読をするのに、頭の中で音声にしてから読む人とそうじゃない人の2種類になるという話、
自分は何の違和感もなく前者だったけどもそれだけじゃないんだということを知って率直に驚きました。
Posted by ブクログ
川上未映子のエッセイ集。『すべて真夜中の恋人たち』で繊細な言語感覚に打ちのめされたのだけど、意外と“こっち側”の人間なんじゃ?と思えてくる親近感。『いつか風呂敷をたたむ手』に書かれた世界の存在の話が刺さった。日常の一見すると何でもない事を拾って広げる感性がやっぱり凄いんだろうな。
Posted by ブクログ
著者の頭の中は言葉で溢れている。
他人の頭(心?)の中を覗きみるようで楽しい。
共感する部分も多々あるし。
そして、私もいつのまにか”そうやんなぁ””まじかなわんわ”と大阪弁になっているのだった。←この言いまわしも。
美人だしスタイル良さそうだし、作家として地位も確立しているのに、意外にもネガティヴ思考なんだね。
まぁ、そこが好きなんだけど。
Posted by ブクログ
思想がフラットで読みやすいエッセイです。川上作品はあまり読んでいませんが、エッセイからは柔らかい思考のプチ哲学者という印象を持ちました。思索の果てに一周して戻って来たような咀嚼されつくした思想は、半周あたりをバリバリ思考中という血気盛んなエッセイよりも気楽で自分に合っています。文章も、ずるずると長い独特の言葉遊びが、慣れてくると癖になりました。小説ともども、今後も読むのが楽しみです。面白かった。
Posted by ブクログ
震災のころのことを思い出した。
川上さんの怒りとか悲しみがヒシヒシと伝わってきて、こういう感情を忘れちゃいけないなと思った。
かと思えば、クスクス笑えたり、「そうそう、そうなんですよ!」と頷いたり、まるで川上さんとお話してるような気持ちになった。
まさにオモロマンティック・ボム!
Posted by ブクログ
ゆるーく気楽に詠めるエッセイ集。
一話一話が短いのでスキマ時間に読めるのがいい。
妙齢の意味を勘違いしていてこの本で気づいた。水泳選手だった母のバタフライ話で笑う。
他人に言われると気になることで自分をチェックするラグノグラーシエごっこという発想がおもしろい。
Posted by ブクログ
川上未映子のゆる〜く鋭い考察がぽんぽんぽんと楽しめるエッセイ88編。
世の中への切り込みが、ゆるくて他人事で、でもどこか鋭くて、でも語り口調はゆるい。
好きなのは「わたしを蹴り上げる雪の日の」「春と過去の、かさなるところ」「すべてはあの謎にむかって」。