三浦綾子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
死因・心臓まひ。実は特高警察による過剰な暴行が原因で、小林多
喜二は築地署で命を落とした。
その多喜二の母が本書の主役である小林キセ。88歳のキセが自分の生い
立ちから息子・多喜二の死、その死後の生活を読み手に語る。
生まれは秋田県角館。貧農であった生家から嫁いだ先も、貧困にあえぐ
一家だった。
明治のこの時代、東北地方の貧しさは今とは比べものにならない。家族の
生活を支える為に娘たちは人買いの手に渡される。
そう、あの頃は普通にそんなことが行われていたんだよね。女性が学校に
行くことすら叶わなかった時代だ。
貧しいながらも温かい嫁ぎ先、優しく思いやりのある夫。そして子供たちに
囲ま -
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死因・心臓まひ。実は特高警察による過剰な暴行が原因で、小林多
喜二は築地署で命を落とした。
その多喜二の母が本書の主役である小林キセ。88歳のキセが自分の生い
立ちから息子・多喜二の死、その死後の生活を読み手に語る。
生まれは秋田県角館。貧農であった生家から嫁いだ先も、貧困にあえぐ
一家だった。
明治のこの時代、東北地方の貧しさは今とは比べものにならない。家族の
生活を支える為に娘たちは人買いの手に渡される。
そう、あの頃は普通にそんなことが行われていたんだよね。女性が学校に
行くことすら叶わなかった時代だ。
貧しいながらも温かい嫁ぎ先、優しく思いやりのある夫。そして子供たちに
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Posted by ブクログ
久しぶりに読んだ三浦綾子さんの本。
三浦綾子さんのご主人に対する思いが素敵です。
三浦綾子さんの著書は全て、その根底にキリストを伝えたいという、その思いが流れています。それ故に文壇からは「護教文学」と、敢えて無視され続けてきたと聞いたことがあります。
それでも、書きつづけた三浦綾子さんのこの言葉が響いてきました。
キリストを信じる者の強さを感じました。
わたしの場合、護教文学かも知れない、宣教文学かもしれない。それは、文学的には邪道かもしれない。そのことを充分承知の上で敢えて、わたしは今まで書きつづけてきた。
とにかく、わたしは、文学を至上とするのではなく、神を至上とする以上、信者と -
Posted by ブクログ
旧約聖書は、『パンセ』が全く理解できなかったので、やはり勉強しないといけないと思っている。
阿刀田高さんの入門書は、コミカルで楽しい本だったが、三浦さんの本はくそまじめ。
自分が高校生の時に『塩狩峠』で感動したときの、三浦さんのきまじめさとまったく変わっていない。
こういう純粋な信仰心には正直あこがれる。
①わたしの目的は、とにかくつたなくても、あるいは誤っていても、旧約をあまり読んだことのない人が旧約聖書に興味を持ち、よみはじめてくだされば達せられるわけである。(p274)
②わたしたちの人生には「なぜこんな目にあうのか」という問いに、答えの得られぬことが多い。ま