三浦綾子のレビュー一覧
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ネタバレ粗野で下品、道徳観念なし、アクの強い登場人物が多い中で、主人公貴乃の真面目さ、純粋さ、やさしさがひときわ目立ちます。その貴乃とお似合いの孝介、結ばれるはずの2人は完治の悪巧みによって引き裂かれ、それぞれの運命が激変していきます。
泣く泣く完治の家に嫁入りした貴乃ですが、主婦として立派に勤め上げることが驚きでした。運命に翻弄されて終わらず、「置かれた場所で咲く」ことのできる女性です。内心では恨み、つらみ、未練も多々あるのですが、それを押し隠して生きていく。誰にでもできることではありません。
一方、孝介も樺太で実業家として成功。完治の妹あき子を嫁にもらうのですが、もしかして復讐のため?と思って -
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女性が政治的戦略や人質として扱われていた戦国時代に明智光秀の娘として生まれ、細川忠興に異常なまでの執着心を持たせたガラシャ。
両親から愛情深く育てられた少女時代、忠興を夢中にさせた美貌、本能寺の変の後、不安の中で暮らした様子など、周囲の状況で生き方が大きく変わる当時の女性の様子に胸が詰まるようでした。
印象に残ったのは、キリスト教に出会ってから、自分自身の傲慢さや周りを見下していた態度に気がつき、慈愛の心で満たされていくプロセスです。
姫として生まれ育ち、嫁ぎ先でも夫の愛情を受け、周りから美しさを讃えられる中で、侍女たちとは「主人ー仕える人」という人間関係が出来上がってしまいます。
その -
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(01.14.2017)
「主(神)吾を愛す、主は強ければ
吾弱くとも 恐れはあらじ……」
この歌が葬儀でうたわれた時、私は泣けて泣けて仕方がなかった。苦労つづきの中で、この讃美歌を愛唱したということは、すばらしいことだ。どんなに苦労がつづいても、とにかく神は自分を愛していると信じて、この歌を母は毎日うたってきたのである。だから私は、母の生涯は「勝利」の生涯であったと思うのである。
今の私に必要なことをこの本から教わった。人生山あり谷ありという言葉通り、ここ一、二年なかなか思うように事が進まない日々が続いていて、精神的に弱っている。すぐネガティブになってしまったり、物事を悲観してしまうよう -
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乱世の不穏な世情ながらも幸せに暮らしていたのは上巻まで。
本能寺の変から、一気に逆賊の娘として過酷な運命に
翻弄されていく様が描かれています。
歴史的にすでに知っている方でも面白く読めると思います。
自分は何もしていない、穏かに暮らしているだけなのに
次から次へと降りかかってくる火の粉。
運命に翻弄されるってまさにこういう事ですよね。
何かにすがりたくもなる気持ちはよく理解出来ます。
ただなぜキリスト教なんでしょう?
傾倒するまでの心の移り変わりはよく描かれているのですが、
最後のところでやはり理解が及びませんでした。
信者でない私には、熱心さ真剣さは頑固さにしか思えず、
信者の心情を -
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細川ガラシャ夫人とありますが、
上巻はほぼ明智光秀が主人公って感じです。
光秀の描かれ方がとても新鮮で面白く、一気に読めてしまいました。
悪く言われがちな光秀がこの本では苦労人でありながら教養豊かで思慮深く、
武勇にも優れた素晴らしい人物のように描かれています。
史実的にと言うよりは作者の目線で描かれた光秀像ですが、
玉子が父である光秀から多いに影響を受けた様子やら、
かなりの信頼を寄せていたらしい記述を鑑みると、
かなり美化されてる感は否めませんが、
これに近い人物なのではないかなと思えてきます。
戦国の世における家族や女性がどのようであるかなど、
これも作者目線ではありますが興味深い -
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修一おじさんが登場する度に涙が出そうになる。今の世で考えれば聖人のような、耕作と拓一と福ちゃんだけだと「作り話」感が否めないが、彼はとても人間らしく、重要な役回り。
節子もいいキャラクターだと思う。
「因果応報は人の希望」
であって、現実はそうではない。
なぜ、いい事ばかりしている人がこんなにも辛い目にあうのか。なぜ、悪い事ばかりしている人が悠々と生きているのか。
このあたりを考えるのが終盤のテーマ。
私は無宗教なので、人生の大道は「先祖の行い」で決まっているが、細かい部分は自分次第って考えている。ちょうどいいところ。笑
ラストシーンは、情景が浮かぶ。
白いハンカチかあ。映画で見たいなあ -
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主人公が塩狩峠の人に似てる!
不穏な時代でも、自分の信念を貫いてる人たちがでてくる、見習いたい。
竜太、政太郎、美千代、芳子、坂部先生、沖島先生、木下先生等々。
「迷ったときは、自分の損する方を選んだらいい」
「人間は誰でも、尋ねられたくないものをもっているもんだ。隠しておきたいことは、聞いても語らんだろうし、聞いて欲しいことは、聞かんでも自分で語るもんだ」
「自分の人生をいきるということは、いわば真っ白な布の上を歩いていくようなもんだ。そこに記された自分の足跡が乱れるのも乱れないのも、自分の責任だ」
チェーホフ『孤独が恐ろしかったら結婚するな』 -
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ネタバレ聖書読んでるみたい?(聖書読んだことないですが・・)
な感じ。ゆるすとは、愛とは。
あらためて今読むと、時代を感じます。いろいろ理不尽なことも多く、自由に恋愛も結婚も出来なかった時代。自分でどこかで理不尽を受け入れる手段の宗教感。
生きていくって辛かったり、理不尽だったり、昔も今も変わらないようで、やっぱり昔のほうが生きにくかった、自由が少なかったのだろうなと感じました。
物語の中ではゆるしすぎに感じました。ゆるし、愛せば・・・。聖書で説いてるならそういうものと思いますが、物語だと御伽噺みたいに感じてしまいました。
心の持ちようはそうありたいですけどね^^ -
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許せない私を、まずは許そう
あの笑点のもととなった作品、氷点(タイトルをもじっただけで、内容は何も関係ありません)の作者、三浦先生の本。
何かヒントにならないかと、キーワードをグーグル検索した中で、三浦先生の本をピックアップして読みました。
三浦先生の本にして良かった。ヒントの言葉、自分を省みるよすがになる話があり、今の自分に沁みました。
特に
あなたがたのうち、罪のない者が、先ずこの女に石を投げつけるがよい
という「ヨハネによる福音書」の「姦淫の女の話」が。罪のない人間はいない。誰しもが、罰し、罰しられないのだ。
自分を苦しめる思想から、一つ解き放たれたような気持がしました。
さ