三浦綾子のレビュー一覧

  • 三浦綾子 電子全集 銃口 (下)

    Posted by ブクログ

    素晴らしい。非常に面白かった。まぁ、有り得ない奇跡みたいなことが起こるのは小説かもだけど、この人の凄いところは淡々とした飾らない言葉で当時あった出来事をある程度忠実に伝えつつ、全体としてのストーリーも成り立っていて様々な事件に触れていることも非常に興味深い。もちろん主人公の心情もありありと描写していて、具体的な箇所が良いのではなく、まるまる1冊、この物語全体が素晴らしい。

    0
    2026年03月22日
  • 氷点(上)

    Posted by ブクログ

    これほどまでに激しく、生々しい感情を揺さぶられた小説は、かつてなかったかもしれない。物語を貫くのは、人間が抱える「邪悪さ」だ。
    まず、母・夏枝の姿に戦慄する。自分の欲望を優先し、何も知らない養女・陽子を復讐の道具にするその姿。美しく成長する陽子に女として嫉妬し、彼女の想い人を誘惑し、最悪の形で出自を暴露して嘲笑う。何より恐ろしいのは、彼女が常に「自分は被害者だ」と言い聞かせ、自らの醜悪さを一切反省しないことだ。まさに、「吐き気を催す邪悪」がそこにある。
    一方、夫・啓造もまた救いようがない。彼は「隣人愛」という高潔な言葉を盾に、陽子を復讐の道具として家庭に招き入れた。理性的に自らの卑怯さを自覚し

    0
    2026年03月21日
  • 三浦綾子 電子全集 氷点(上)

    Posted by ブクログ

    これほどまでに激しく、生々しい感情を揺さぶられた小説は、かつてなかったかもしれない。物語を貫くのは、人間が抱える「邪悪さ」だ。
    まず、母・夏枝の姿に戦慄する。自分の欲望を優先し、何も知らない養女・陽子を復讐の道具にするその姿。美しく成長する陽子に女として嫉妬し、彼女の想い人を誘惑し、最悪の形で出自を暴露して嘲笑う。何より恐ろしいのは、彼女が常に「自分は被害者だ」と言い聞かせ、自らの醜悪さを一切反省しないことだ。まさに、「吐き気を催す邪悪」がそこにある。
    一方、夫・啓造もまた救いようがない。彼は「隣人愛」という高潔な言葉を盾に、陽子を復讐の道具として家庭に招き入れた。理性的に自らの卑怯さを自覚し

    0
    2026年03月21日
  • 海嶺(上)

    Posted by ブクログ

    すごい物語です。平穏な日常を経ての前途洋々の船出、嵐に翻弄される恐怖の船上、永遠に続く苦しい漂流、陸地が見えた歓喜と苦難の道のりを予感させる上陸と、展開や描写が素晴らしく一気に読まされました。とても印象深かった同じく実話を基にした吉村さんの「漂流」を思い出しました。海の漂流から次は世界を漂流することとなるのでしょうか。楽しみです。

    0
    2026年03月18日
  • 三浦綾子 電子全集 海嶺(上)

    Posted by ブクログ

    すごい物語です。平穏な日常を経ての前途洋々の船出、嵐に翻弄される恐怖の船上、永遠に続く苦しい漂流、陸地が見えた歓喜と苦難の道のりを予感させる上陸と、展開や描写が素晴らしく一気に読まされました。とても印象深かった同じく実話を基にした吉村さんの「漂流」を思い出しました。海の漂流から次は世界を漂流することとなるのでしょうか。楽しみです。

    0
    2026年03月18日
  • 三浦綾子 電子全集 氷点(下)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    とんでもない小説を知ってしまった!

    イエスキリストの「汝の敵を愛せよ」という言葉をテーマに登場人物は皆がそれぞれに許してほしい、許したいと思っているような罪を抱えている。妬んだり僻んだりして生きていく中で、人は人を許すことができるのか。
    陽子は唯一純粋無垢な人物として育つのだが、原罪として自分の血が汚れていることが自分で許せない。汚れた感情が内にあるのだと。
    そんな陽子がどうなっていくのかは続・氷点ではっきりするのかな?

    正木の自殺理由は私も全く同じことを考えてしまうな。
    この世で何者でもない自分の生きる価値とはなんなんだろうと嫌になるときもあるけど、それでも前を向いて生きていたい。


    0
    2026年03月04日
  • 氷点(下)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    とんでもない小説を知ってしまった!

    イエスキリストの「汝の敵を愛せよ」という言葉をテーマに登場人物は皆がそれぞれに許してほしい、許したいと思っているような罪を抱えている。妬んだり僻んだりして生きていく中で、人は人を許すことができるのか。
    陽子は唯一純粋無垢な人物として育つのだが、原罪として自分の血が汚れていることが自分で許せない。汚れた感情が内にあるのだと。
    そんな陽子がどうなっていくのかは続・氷点ではっきりするのかな?

    正木の自殺理由は私も全く同じことを考えてしまうな。
    この世で何者でもない自分の生きる価値とはなんなんだろうと嫌になるときもあるけど、それでも前を向いて生きていたい。


    0
    2026年03月04日
  • 塩狩峠

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    人がその友のために自分の命を捨てること、これよりも大きな愛はない。

    恥ずかしながらこの歳になるまで、キリスト教思想について無知であった。この小説を読んではじめて少しだけキリスト教の教えに触れたようなものである。
    自分が無知すぎてまだまだ落とし込めない引用もたくさんあったが、自分もどこかキリスト教とは自分とは遠く離れたものであると思っていたところからは少しだけ近づけたような気はする。
    何よりこの小説が実話に基づいているというのが衝撃でした。
    友のために命を捨てるということ。果たして自分にできるだろうかと。
    ここで言う友とは、決して現代の意味で言う仲の良い友達という範囲に留まるものではなく、「他

    0
    2026年02月28日
  • 三浦綾子 電子全集 塩狩峠

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    人がその友のために自分の命を捨てること、これよりも大きな愛はない。

    恥ずかしながらこの歳になるまで、キリスト教思想について無知であった。この小説を読んではじめて少しだけキリスト教の教えに触れたようなものである。
    自分が無知すぎてまだまだ落とし込めない引用もたくさんあったが、自分もどこかキリスト教とは自分とは遠く離れたものであると思っていたところからは少しだけ近づけたような気はする。
    何よりこの小説が実話に基づいているというのが衝撃でした。
    友のために命を捨てるということ。果たして自分にできるだろうかと。
    ここで言う友とは、決して現代の意味で言う仲の良い友達という範囲に留まるものではなく、「他

    0
    2026年02月28日
  • 三浦綾子 電子全集 道ありき 青春編

    Posted by ブクログ

    キリストの神様を信じることで
    運命に心を乱す事なく愛を持って
    生きていける

    難病で寝たきりの綾子さんを
    見ず知らずでも
    信仰で繋がった人が
    たくさん見舞う

    病人を見舞おうと
    キリスト教の教えにあるのか?

    前川正さんを始め
    元婚約者や三浦光世さん
    みんな驚くほど献身的でよい人 
    あんなに人のために差し出されるか?
    綾子さんを愛した前川さんは幸せそうだったな

    わたしたちの神様は備えてくださる神さまなんです
    わたしたちの目には悪いと思う事も
    結局は良かれと思って準備してくださる

    必要なことは与えられる
    与えられないのは不必要だという証拠

    御心のままに

    人生に疲れたら読み返したい



    0
    2026年02月27日
  • 三浦綾子 電子全集 氷点(上)

    Posted by ブクログ

    人間という生き物は刹那的な欲望のために人生を棒に振るこをいとも簡単に出来てしまう。 心に思い描いた一見些細な情欲の一つが、大きく人を傷付ける火種となってしまうこともある。 夏枝の自惚れのハンパなさに呆れ、登場人物の身勝手さに腹立たしさを覚えつつも、自分だってそうだろう、と身につまされる思いで上を読み終えました。 「道ありき」の前川正が出てきた辺りは少しニヤリとしました。

    0
    2026年02月18日
  • 氷点(上)

    Posted by ブクログ

    人間という生き物は刹那的な欲望のために人生を棒に振るこをいとも簡単に出来てしまう。 心に思い描いた一見些細な情欲の一つが、大きく人を傷付ける火種となってしまうこともある。 夏枝の自惚れのハンパなさに呆れ、登場人物の身勝手さに腹立たしさを覚えつつも、自分だってそうだろう、と身につまされる思いで上を読み終えました。 「道ありき」の前川正が出てきた辺りは少しニヤリとしました。

    0
    2026年02月18日
  • 三浦綾子 電子全集 道ありき 青春編

    Posted by ブクログ

    最後まで読んだ時、この人はかつて生きる目的を失い自殺未遂までした女性と同一人物なのだと思い返した時、ここまで人を変えられたのはキリストの愛故なんだとしみじみ思う。また信仰者である前川正が自分の弱さを赤裸々に書いた短歌が好きだ。汚れないフリをして生きるのではなく、ただ神の前に聖くされる事を求める姿勢に胸を打たれた。ヨナ書を読んで病気の事も三浦光世の事も「備えてくれる神」に信頼し受け入れた流れは今の私にとっても学びになった。余談ではあるが前川正と三浦光世の写真を検索してみたらあった!確かに、凄く似ている〜!

    0
    2026年02月18日
  • 三浦綾子 電子全集 氷点(下)

    Posted by ブクログ

    上巻の最後も下巻が早く読みたくなるような終わり方だったが、下巻の最後も続編を読みたくなる面白さだ。
    会話文には時代の古さを感じ少し違和感があるが、それ以外は今の時代とあまり変わらない気がした。
    特に日本人の建前で話すところ。
    家族であっても建前で感情を隠し、怒りの感情さえも永年隠し続けながら暮らすところは昔も今も日本人らしいと感じながら読んだ。


    0
    2026年02月15日
  • 氷点(下)

    Posted by ブクログ

    上巻の最後も下巻が早く読みたくなるような終わり方だったが、下巻の最後も続編を読みたくなる面白さだ。
    会話文には時代の古さを感じ少し違和感があるが、それ以外は今の時代とあまり変わらない気がした。
    特に日本人の建前で話すところ。
    家族であっても建前で感情を隠し、怒りの感情さえも永年隠し続けながら暮らすところは昔も今も日本人らしいと感じながら読んだ。


    0
    2026年02月15日
  • 三浦綾子 電子全集 塩狩峠

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    読み終わった時涙が出た
    永野が幼い頃から死ぬまでの一生を味わった感じ
    途中の学校肝試しのシーンは都立入試かなにかの入試の国語で見かけた覚えがある。

    約束を破るのは、犬猫に劣るものだよ。犬や猫は約束などしないから、破りようもない。人間よりかしこいようなものだ。守らなくてもいい約束なら、はじめからしないことだな。

    0
    2026年02月11日
  • 塩狩峠

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    読み終わった時涙が出た
    永野が幼い頃から死ぬまでの一生を味わった感じ
    途中の学校肝試しのシーンは都立入試かなにかの入試の国語で見かけた覚えがある。

    約束を破るのは、犬猫に劣るものだよ。犬や猫は約束などしないから、破りようもない。人間よりかしこいようなものだ。守らなくてもいい約束なら、はじめからしないことだな。

    0
    2026年02月11日
  • 三浦綾子 電子全集 続 泥流地帯

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    十勝岳の山津波の後、硫黄に汚染された大地を耕し、復興を目指す拓一や村長。それに対し、無駄な努力で負債を増やし、街のものにその損害を負わせていると反対する深城を始めとする反復興派は、村長に無実の言いがかりをつけて反対運動をしている。そんな中耕作を庇って反復興派に殴られて拓一は不具となる。正しい者が不幸に遭い、悪を行う者が蔓延る世界に疑問を持つ耕作だが、母の聖書のヨブ記を読み、また拓一の揺らがぬ姿勢を見て、因果応報は現実ではなくて人の願いに過ぎず、現実は善因善果とは限らないことを悟っていく。それでも最後は拓一の稲が実り、深雪楼に売られていた福子は深城の娘の節子が救い出して汽車に乗せ、きっとこれから

    0
    2026年02月08日
  • 銃口 下

    Posted by ブクログ

    上巻最後のすぐ続きから始まり、物語は戦争一色へと一気に姿を変えていく。

    無慈悲に竜太に襲いかかる悪夢のような現実に、映画「私は貝になりたい」を観ているときのような、逃げ場のない不吉さと息苦しさを思い出した。
    けれど、嫌だな、嫌だなと思いながらも、不思議と頁をめくる手は止まらず、むしろ上巻以上に走り抜けるように読み進めた。
    散々と言うほどの理不尽に苛まれ、こんなことがあっていいのかと思うような現状があるのに、どういう訳かそこに完全なる絶望がないからかもしれない。

    作中、坂部先生が竜太に「竜太、人間が人間として生きるというのは、実に大変なことだなあ」と言うシーンがある。
    無実でありながら、正し

    0
    2026年02月08日
  • 三浦綾子 電子全集 千利休とその妻たち(下)

    Posted by ブクログ

    歴史の事実として、
    利休の最後は有名なので、最後の最後を読むのだけは時間がかかりました。


    三浦綾子さんの細川ガラシャ婦人
    宮尾登美子さんの松風の家

    合わせて読むと、世界が深まります。
    ぜひ。

    0
    2026年01月31日