三浦綾子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
山崎豊子さんへのラブを勝手に感じるくらい、見事なまでに壮大な人生編だった。
第二次世界大戦をはさんだ動乱期の中で、素朴で内気だった少年が人との出会いを通じてさらに純粋さ、ひたむきさを増し青年に成長していく様を描ききっている。
ただ少年は時に計算高く、保身に虚い、人を庇う勇気を振り絞れないことに強く苛まされながら、しかし周りから見たら真っ直ぐ気高く生きていく。
この周囲との微妙なズレというか、とにかく主人公が感じている「勇気のなさ」その一点を凝視しながら読んでいった。そして思ったことは、勇気がある人への憧れや、勇気が出ない悔しさや落胆が、もしかしたら一からげに考える必要のないことなんじゃないか?という、問いかけである。
まぁ、書いてて今思っただけなんだけど。
強い思いがあれば勇気が出るぞ、それはとても幻想的だし、だからと言って2つはそれほど繋がっていない気もする。例えて考えるとバカになれば勇気っぽいものは出るし、思いが強ければバカっぽくもなる。
バカを挟んだ三角関係ができた。
無駄に因数を増やしても仕方ないので、私の勇気論の現在地は、勇気はひと肌脱いでくれる仲間の存在だと思うし、仲間は自分でつくるものだし、それは他人に与えるということで、そのために自分を抑える勇気が時にはいるという円環構造。つまり勇気は内向き。自分を殺すための刃という考え。
この主人公もこの円観を体現していたように思う。ひたすら謙虚に見えた。とすると究極ビビりの私は一体どこに障害を抱えているのかインナーユニバースを訪ね歩く。そもそも人嫌いだからじゃない?仲間づくりの段階から、でも人、怖いしな。謙虚って我慢だっけか、とかこうなると手がつけられない。
我慢といえば最近よく『〜と思ったが、◯◯はそれを口にはしなかった。』という表現が目に焼きつく。これが多く見られる作品は9:1でハッピーエンド、とか思ったり。そこでついつい言ってしまう所が我が家を見ていればなんとなく分かったつもりにもなる。
別に言葉一つ殺したところで勇気が出るわけではないけど、この円環の中で口から出る言葉の定位置だけがさまよい続けている。
はあー、勝手にスッキリしない感想書いたので勇気論争は放映時間終了。
あと本作にこれだけは辛いけど言わせて。出会いはガチャ。ギフテッド。いった瞬間に自分が途方もなくバカになれてないとお察しなんだけど。(言葉を殺す勇気はどこへ) -
Posted by ブクログ
始終泣きながら読んだ。
生きるとは、そして死ぬとは。私たちの人生は、何のために存在するのか。悩みもがく人間の痛切な想いに、三浦綾子は一クリスチャンとして答えを出すことを試みている。
自分自身も実際に肺結核と脊椎カリエスを患い、信仰に生を支えられた経験を持つ。また、信夫のモデルである長野政雄の史実を知って感銘を受け、「塩狩峠」を書いたのだという。
彼女の人生、彼女の「誠」がそのままに反映されたこの作品を読むと、私自身もこのように、もっと正直に生きることができるはずだと思わされる。傲慢な行いを顧み、罪を認め、より善く生きるために己を律することができるはずだと。
フィクションに過ぎないと言われてしまえばそれまでなのだけれど、読後のこの感動をいつまでも新鮮に覚えていたい。道標のような作品。 -
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始終泣きながら読んだ。
生きるとは、そして死ぬとは。私たちの人生は、何のために存在するのか。悩みもがく人間の痛切な想いに、三浦綾子は一クリスチャンとして答えを出すことを試みている。
自分自身も実際に肺結核と脊椎カリエスを患い、信仰に生を支えられた経験を持つ。また、信夫のモデルである長野政雄の史実を知って感銘を受け、「塩狩峠」を書いたのだという。
彼女の人生、彼女の「誠」がそのままに反映されたこの作品を読むと、私自身もこのように、もっと正直に生きることができるはずだと思わされる。傲慢な行いを顧み、罪を認め、より善く生きるために己を律することができるはずだと。
フィクションに過ぎないと言われてしまえばそれまでなのだけれど、読後のこの感動をいつまでも新鮮に覚えていたい。道標のような作品。 -
Posted by ブクログ
下巻は読む方もどんどん追い詰められていく。
内容も、結末も知っていても話に引き込まれていくし、幾度も考えさせられる。
啓造の立場、夏枝の立場、高木の立場、徹、そして陽子。
下巻は特に夏枝の心の動きが身勝手すぎて、嫌悪する。
氷点と言えば、原罪。
「原罪」とは何か?を常に考えながら読み進める。
生まれながらに持っている罪とは何か?
「汝の敵を愛せ」
啓造、高木、夏枝、それぞれの身勝手な思惑で陽子の人生を狂わせてしまう。
人とは恐ろしい。誰しも恐ろしさを持っている。
それを見せつける小説。
キリスト教を超えた深い教えがある。
これがデビュー作なのが信じられない。
今回37年ぶりに読み返したけど、全く色褪せることなく何年たって読んでも傑作は傑作。
内容も鮮明に覚えていたことに驚いた。
それくらい、初めて読んだ時、自分にも衝撃だったのだろう。
塩刈峠と氷点は人間とは何かを思い出すために時々読むのがいいかもしれない。
引き続き続編も読もう。
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Posted by ブクログ
下巻は読む方もどんどん追い詰められていく。
内容も、結末も知っていても話に引き込まれていくし、幾度も考えさせられる。
啓造の立場、夏枝の立場、高木の立場、徹、そして陽子。
下巻は特に夏枝の心の動きが身勝手すぎて、嫌悪する。
氷点と言えば、原罪。
「原罪」とは何か?を常に考えながら読み進める。
生まれながらに持っている罪とは何か?
「汝の敵を愛せ」
啓造、高木、夏枝、それぞれの身勝手な思惑で陽子の人生を狂わせてしまう。
人とは恐ろしい。誰しも恐ろしさを持っている。
それを見せつける小説。
キリスト教を超えた深い教えがある。
これがデビュー作なのが信じられない。
今回37年ぶりに読み返したけど、全く色褪せることなく何年たって読んでも傑作は傑作。
内容も鮮明に覚えていたことに驚いた。
それくらい、初めて読んだ時、自分にも衝撃だったのだろう。
塩刈峠と氷点は人間とは何かを思い出すために時々読むのがいいかもしれない。
引き続き続編も読もう。