【感想・ネタバレ】三浦綾子 電子全集 この土の器をも ―道ありき 第二部 結婚編のレビュー

あらすじ

愛を持続させることはいかに大切であるか――。新婚生活から新聞懸賞小説に入選するまでを綴った自伝的小説。

37歳で結婚し、綾子の実家に近い一間だけの小さな新居で始まった結婚生活。新聞社の1,000万円懸賞小説に『氷点』を投稿し、入選するまでの愛と信仰の日々を描く。「大きな愛」に包まれた「小さな家」には、さまざまな人が立ちあらわれる。また日常生活の中で、人を信じる、愛することの重要性を説く。
「道ありき 青春編」の続編。

「三浦綾子電子全集」付録として、週刊新潮1999年10月28日号の記事「墓碑銘・作家、三浦綾子さんの苦難を支えた信仰と夫の愛」を引用収録!

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(10.03.2016)

道ありき•青春編に続く結婚編。三浦綾子氏は素晴らしい人脈に恵まれたなと羨ましくなる。夫である光世氏の深い愛と信仰がなければ三浦綾子という名は世に出なかったであろう。本物の結婚、夫婦、愛、そして信仰とは何なのか改めて考えさせられた。

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2017年01月15日

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三浦綾子の人生は間違いなく神様に導かれてると思う。私の人生はどうなのだろう‥そう思える人生に、どうしたらできる?

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2015年03月22日

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三浦綾子の自伝3部作の2作目、結婚編。第一部「道ありき」も三浦綾子氏を囲む人々の心の美しさに感動したが、本篇は病気が治り結婚してから「氷点」が入賞するまでの記録で、夫婦の在り方を考えさせられる。
三浦光世氏の、キリスト教に根差した、綾子氏に対する深い愛情に心が洗われる。人間って(少なくとも自分は)もっと汚いものだと思っていたが、本来ここまで美しいものなのか。支えあい、補い合える人に出会い、努力しながらも幸せいっぱいな姿、日々の健康に感謝する姿勢が感動的である。
個人的に印象に残ったのはこの部分。「子供をもうけることだけが結婚の目的だとは、わたしたちは考えていなかった。二人がお互いの人格を尊敬し合いながら、子供のいない夫婦はそれなりに、この世に果たすべき使命があると思っていた。」
愛を受け取るだけでは幸せになれないのかなと思った。

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2014年11月19日

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道ありき第二弾。三浦氏との新婚生活から「氷点」入選まで。長い闘病生活を経て力強く人生を歩む夫婦に、「あっ、生きるってこういうことなんだ」と学ばせていただきました。元気をもらいたいときに読む本。

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2014年10月15日

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日々の夫婦生活や対人関係について学ばされることが多く、生活しながらこの本に書かれた言葉を思い出して過ごした。
閉じてしまうとすぐに忘れてしまう私。その中でも一番心に刻みたい言葉は、「氷点」が朝日新聞の懸賞の一位に選ばれたとき、夫の光世さんの言った、「この土の器をも、神が用いようとし給う時には、必ず用いてくださる。自分が土の器であることを、今後決して忘れないように」という言葉。
いろいろな意味で私には胸にささる言葉。大事にしたい。

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2014年06月02日

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『道ありき』の続編。三浦綾子が光世と結婚し、『氷点』が入選されるまでの話。
夫婦とは一生の努力が必要である、などの言葉が印象に残った。
三浦綾子が光世やキリスト教に影響されて、物の考え方が変わっていく過程が面白い。
また読み返したい。人にも薦めたい。

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2013年01月13日

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光世さん綾子さんの結婚直後から、『氷点』の入選まで。
夫の光世さんは、とてもお優しいかた。その印象は初めてお会いしたときから今まで変わらない。

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2012年09月06日

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作家三浦綾子さんの人生について。病床で洗礼を受け、クリスチャンになった後のお話。

綾子37歳、三浦35歳での結婚。肺結核と脊椎カリエスを併発し13年臥せていた綾子を病気から治るまで5年待ち続けた三浦。どこに出張する際にも常に綾子の写真を携え、いつか共に来れますようにと祈り続けた三浦。そうしてようやく夫婦になれた二人。

たったひと間の小さな新居を、どこにいてもお互いの声が聞こえると喜び、一緒にいられるだけで幸せを感じる三浦夫妻。

最近イライラ気味で色々なことに不満が先立って、感謝を忘れていたけどそれを恥じるような気持ちに。心が洗われるような本。

洗礼も受けていない無宗教の私だけどプロテスタント系の学校に通い、六年間毎朝礼拝をしていたので覚えのある聖書の言葉も幾つか。読み返すと深い言葉ばかり。

夫妻に神父が贈る「結婚したからといって、翌日からすぐに夫婦になったといえるものではない。わたしたちが真の夫婦になるためには、一生の努力が必要である 」という言葉や、

(人にはできないことも、神にはできる ) という聖書の一節、

病弱な二人の結婚を批判されたときも「万一、誰も祝福してくれないとしても神様だけは祝福してくれる 」

そして( 許すということは、相手が過失を犯した時でなければできない、人を許し受け入れること、結婚とは許し合うこと) という悟り、

『 石にかじりついても、ひねくれまいとして生きて来た 』という三浦の妹の言葉にも胸を打たれる。

充分すぎるほど恵まれているのに、ひねくれてなどいられない。

また幸せ絶頂の際に二人が心に刻んだ
「人間は恵まれる時は一番警戒を要する時です。益々己れをむなしゅうして主にご信頼なさるように。お得意にならないようにしてください 」という牧師からのメッセージ。

( 親孝行の金は神がくださる ) という三浦の考えや

『なんでも祈り求めることは、すでにかなえられたと信じなさい。そうすれば、そのとおりになるであろう 』

祈ったら、あとはもう神様にまかせておきなさい。旧約聖書のヨブ記を読みなさい。何か辛いことがあっても、「
吾々は神から幸を受けるのだから、災をも受けるべきではないか 」。というクリスチャンとしての生き方、思い。


吾々は土から作られた、土の器にすぎない。この土の器をも、神が用いようとし給う時は必ず用いてくださる。

この一節はタイトルにつながる。

思い悩んだときに読み返したい本。

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2012年05月09日

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著者の自伝、結婚後〜氷点の受賞まで。
「夫婦とは、一生かかってなるものです」
許し続けることの行き着く先を初めて知った。
一人の人間の生き様としても、信仰を持たない僕にとっては非常に刺激的な本でした。こんな綺麗で力強い生き方もあるのか…

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2011年11月02日

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同じクリスチャン作家でも、遠藤周作とは違って教義に従順というか、目指す優しさの質がよりストイックな気はしますが、学生時代に自伝3部作を読んで、すげー色々考えました。真っ直ぐすぎて苦しむことの多い学生さんとかに読んでもらいたい。頑張れ。

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2011年01月21日

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1部〜3部とも三浦綾子の自伝的な作品です。戦後、病床に臥す辛い時代から結婚後の暮らしまで、キリスト教を軸に書かれています。

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2009年10月04日

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評価を下すような内容ではないですが
前作の「道ありき」と比べると緩やかなペースで
夫婦の愛を中心に描かれています。

三浦綾子さんというよりも、夫の光世さんの誠実さや真摯な思想を感じる事ができました。
人生自体が小説のようで、読んでいて身の引き締まるような思いでした。

病気や生活の多忙さの中で
筆活動をするバイタリティに脱帽。
信仰的使命感が無いとなかなか出来る事では無いと思いました。

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2023年11月13日

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30代後半で初めて結婚して小さい家に住むことになった2人の幸福感あふれる日々が、読者にも平安な気持ちをもたらしてくれる。幸福感とは、甘い新婚生活ではない、2人とも病弱でしかも、経済的に貧しい中での、日々の神への祈りと感謝に満ちた生活である。いろいろな幸福とは言えない人生へ歩んでしまっている知人との再会が、著者にとっても心の痛みになっているが、「結婚」に対する誤った姿勢がそのことを招いていることを著者ははっきりと感じている。後段は雑貨店を始めるに至った経緯、そしていよいよ朝日新聞懸賞小説への応募と1964年7月10日の1位入選発表への劇的なクライマックスへ。そこでの夫・光世氏の冷静な感謝の姿勢と、「土の器を神は必ず用いてくださる。自分が土の器であることを決して忘れないように。」と語った言葉は感動的な締めくくりだった。

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2023年08月19日

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ネタバレ

 道ありき第1部青春編に続く第2部結婚編。13年間にわたる長い闘病生活に耐えた著者が37歳で結婚し、一間だけの家で生活を始めてから「氷点」が入選するまでの日々を綴った自伝。三浦綾子「この土の器をも」、1981.8発行。夫、三浦光世氏の人間離れした寛容さ、素晴らしさがまず記憶に残ります。三浦綾子さんの、これまた人間離れした正直さに感銘しました。

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2022年05月12日

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道ありきの続編。

道ありきを読んだのは、ちょうど一年前。
道ありきも含めて、三浦綾子さんの作品を読むと、教えられること、考えさせられること、が多い。

私にとって結婚は、まだまだ遠い先の話だけど、
なんとなく、こんな夫婦になりたいなと思ったりもした。

ずっと気になっていた『氷点』を読んでみようかな。

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2020年12月25日

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三浦綾子氏の自叙伝三部作の第二部。本作品は処女作『氷点』が朝日新聞小説の大賞を受賞するまでを描き、主に三浦綾子氏と夫である光世氏との旭川での生活が描かれている。

信仰に生きて穏やかに慎ましやかに日々を送る2人の姿が印象的だ。夫婦とも長く病に臥しており光世氏35歳、綾子氏37歳での晩婚であったが、ゆえに平穏な日常に感謝する姿が意味合いを帯びてくる。綾子氏自身はとても社交的で自身で雑貨店を開業し成功させる当時の女性像とは一線を画すほど活動的な方であったようだが、13年という病そして大切な人々との別れと聖書との出会いが「生きる」ことの真剣さを綾子氏にもたらしたのであろう。光世氏が度々語る「神が与えてくれる」という言葉、真摯に人生と向き合う大切さを教えてくれる。

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2020年08月09日

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ご主人の三浦光世さんのことは、三浦綾子記念文学館のガイドをしてくれた近藤さんから聞いていたんだけど、想像以上の人格者だった(もちろんいい意味で)。まだお元気だった頃に一度お話ししてみたかった。

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2019年12月22日

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ネタバレ

三浦綾子先生の自伝、「道ありき」に次ぐ第二弾。
結婚後の生活が書かれています。

この方の作品はどれも背筋が伸びる思いがします。
先生はもちろん、旦那様もとてつもなく素晴らしい方のようで……
その信仰の部分で全ての選択に賛同できたわけではありませんが、ご夫婦の真摯に生きようとする様からは多くを学べると思います。
また、小説「氷点」執筆時のエピソードなどもあり、興味深く読むことができました。

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2013年11月21日

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道ありきに引き続き、作者の半生を綴った作品です


病気も回復し結婚後の生活から、作家として歩み始めるまでの話
キリスト教を信仰しながらも日々の生活の中でなかなか正しくあることが出来ないもんなんですね


幾つかのエピソードがとても日常的なところから書かれていて、それと聖書の教えとを上手に対比しているのですっと入っていきました



僕は彼女の作品を見てからキリスト教のイメージが良い方に変わりつつあります
とても素直に誠実な文章で書かれてるし、宗教ものと身構えないで読めるのもいいかと思います

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2010年05月06日

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『道ありき・青春編』の続編
結婚してから、小説の大賞に選ばれるまでが描かれており、
一気に引き込まれて読み上げた
健康に恵まれなくても、なんとも心の美しい夫婦の物語
キリスト教信者でなくとも教えられることは多い。

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2010年01月27日

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13年間の闘病生活後、三浦光世氏と結婚。その愛と信仰に満ちた新婚生活を、時にユーモラスに語る。信仰というものがよく解らない私ではあるが、それがもし本当にここで語られるような人間関係を支えるものなら、扉を開けてみたいと思ったりもしてみる。自身の不徳から逃れる術はあるのだろうか? 

「真実の人」という表現にエラく感動してしまった。底知れぬ魂への評価の言葉なのか? 

朝日新聞の1000万円懸賞小説に応募するくだり、『氷点』誕生、作家三浦綾子誕生のいきさつは興味深い。

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2009年10月16日

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「道ありき」の婚約者や前川さんも筆舌に尽くし難い素晴らしい人なのだけど、ご主人の三浦さんがこれまた素晴らしい。真面目で誠実。お会いしてみたい、と強く思う。

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2009年10月04日

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〈この直後東京から、ペンフレンドの木村美和子さんが訪ねて来られた。 彼女は物理学者で、わたしたちと同じキリスト者だった。 北大でひらかれた学会に出席のため札幌に来、その足を旭川まで伸ばしてくださったのだ。 わたしが土地を借りたことを告げると、そこを見せてくれと彼女は言った。 言われるままに、 わたしは案内した。 彼女はわたしの土地の前に立ち、 真実こめて祈ってくれた。 「三浦さんご夫妻が、 この土地 で、 神の栄光を現わすことができますように。 神様どうかお二人を御祝福ください」 今も彼女の真実な祈り が、時折り耳に鮮かに甦えることがある。 この祈りは、わたしの生涯忘れることのできない祈りの一つである。〉p125

他者のために真実に祈ることができる人がいる、そのことに深い驚きを覚えた一節。


〈七月十一日水曜晴無事勤めた。 毎日無事勤められるのは幸福だ。 祈りの時間も幸福だ。〉p128

境地。どうやったらこの境地に達することができるのだろうか。

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2023年10月18日

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三浦綾子さんの自叙伝第二部「結婚編」

病の綾子さんを5年も待った光世さんとの甘い新婚生活、の話ではない。
夫婦という家族になって、綾子さんの信仰を夫の光世さんがどれだけ支えていたことか、光世さんの堅実な信仰的考え方に脱帽。私など足下にも及びません。

あれほど病に臥せっていた綾子さんが、伝道をしたり、家を建てようと奮闘したり、色々な悩み(主に結婚や夫婦生活について)の相談相手になっていたり、綾子さんの小説を読んだことがある人なら、こういうところから小説の筋書きが浮かんだのかなぁと思うことがたくさんある。
人生の経験があるからこそ、書ける文章ってあるんだなぁと。

本当に夫婦として正しい生き方をしてる人って、なかなかいないんじゃないかと思う。キリストを中心に生きて物事を考えていくというのはこういうことなのかなと。
人間臭い綾子さんを信仰的に導いてるのは、夫の光世さんだなと思う。こんな真面目で誠実な人、今どきいるんだろうか。いるのかもしれないけど。
それに、光世さんのお母さんも、嫁の綾子さんに対して実に信仰的な助言をしていて、こんな家族に囲まれて暮らした綾子さんは本当に恵まれたんだなぁと思う。

祈るということ。
委ねるということ。
確信するということ。

これらが一貫していた。


これと並行して読んでいた綾子さんのエッセイ「愛すること信ずること」がちょうど連動していて、読んで良かった。

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2018年05月10日

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ネタバレ

 三浦綾子氏の自伝の第2部である。

 結婚後、雑貨店を開き、小説「氷点」が入選するまでの話。

 充実した結婚生活を送りながら、小説を書き、雑貨店をきりもりする彼女は、夫に色々と話をしながら、時には反対されながらも自分の意志を通しながら、生活を送る。そんな中でも夫はキリスト教の信徒としてどう生活・行動すべきかの軸はぶらさない。ただ、キリストのみを信じ、信じたら疑わないのである。

 ある時、彼女が夫のお気に入りの背広をクリーニング屋に出し、それを店員が盗んで逃げたといわれる。彼女でも誰でもそう思うと思うが、弁償してもらおうと彼女は夫に言う。その時、夫は彼女をたしなめるのである。「綾子は聖書を読んでいるか。聖書にはなんと書いてある。許してやれと書いてあるだろう。いいかい、綾子、許すと言うことは、相手が過失を犯したときでなければ出来ないことなんだ。何の過ちも犯さないのに、許してやることは出来ないだろう。だから許してやりなさいよ。弁償せよ、などとは決して言ってはいけない。」人を許し、人を受け入れることは、人間誰しも容易に出来ることではない。結婚と言うものも、二人の人間が、お互いに全面的に相手を受け入れなければ成り立たないものではないか。すべてを許しあうのが結婚生活でなければならないと彼女はその時思ったのである。

 姦淫の場で捉えられた女を人々がキリストの元に連れてきたときのキリストの言葉で「あなた方の中で罪の無いものが、まずこの女に石を投げつけるがいい」と言った。当時、ユダヤでは、姦通した者は石で殺せという律法があったのだ。ここで、このキリストの言葉を聴いて、人々は一人去り、二人去りして、ついには全部去ってしまったという。本当に自分を罪ある者と思うなら、人を裁くことは出来ない。責める事は出来ない。

 彼女が物を書くについて、重要なきっかけを作ってくれた牧師に、中嶋正昭牧師と言う方がいる。その方は結婚式で司式をしたが、「結婚式をしたからといって、直ちに夫婦になったとはいえない。夫婦とは一生かかって努力しあってなるものである」と言われた。また、人間は一人では生き得ないこと、夫婦だけでいくら愛し合っていても、人の助け無しには生きてゆけないこと。上のクリーニングの話もそうであるが、「聖書の言葉は、自分の問題をひっさげて読まねばならぬ」と言う。

 また、五十嵐健治先生というクリーニング白洋舎の創立者も信徒であったが、彼女はその方とも繋がりもあり、貴重な手紙を頂いている。「人間は恵まれるときはいちばん警戒を要するときです。」と。徒然草に木登り名人の話が出ている。弟子が高いところに登っているときは、名人は黙って見ていた。だが、低い所に降りてきて、地上に近くなったときに、危ない、危ないと声をかけた。見ていた人が不思議がって尋ねると、危険なところでは、注意されなくても、自分で気をつける。けがは容易なところでする。というような返事であった。病人でも、悪いときは自分で大事にするが、治りかけはつい油断して、死んだり悪化したりする人がいるものだ。車も危険な山道より、直線で事故を多く出したりする。

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2018年01月16日

Posted by ブクログ

「道ありき」のインパクトが強すぎて、この本の影が薄いような気がするけど、結婚してからの三浦夫妻の生活はつつましく、じんわりあたたかいものを感じる。とくに夫の光夫氏の誠実さは驚くばかり。今、自分が本にある光夫氏の年齢に近づいてきていても、到底そうはなれやしないと思う。

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2014年04月27日

Posted by ブクログ

37歳で2歳年下の三浦光世氏と結婚。結婚生活の開始から、「氷点」が新聞懸賞に当選するまでの話。キリスト教の教えを軸に夫婦とは何か、人との関わりをどう考えるかを諄々と綴る。14.3.15

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2014年03月15日

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