三浦綾子のレビュー一覧

  • 三浦綾子 電子全集 天北原野(上)

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    或る小説を興味深く読んで愉しんだという経過が在ると、「同じ作者による別作品?」という興味が沸き起こる。
    その種の興味に駆られて入手するに及んだのだが、紐解き始めてみると頁を繰る手が停まらない、また「停められない」という様相を呈し、なかなかに愉しんだ。
    題名の「天北」である。明治の初め頃、現在の北海道内に所謂「旧国名」に相当する地方の地域が設定された。北海道の北には「天塩国」、「北見国」というような「国」が設定された。ここから「天北」というような呼び名が起こっている。使用例を見ると、2つの「国」の頭文字を取っているという例も、「天塩国の北側」という意味が起こりという例も在るという「天北」である。

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    2023年10月22日
  • 三浦綾子 電子全集 石の森

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    人間の弱さを理解していることが強く優しく生きるためには大事、みたいなテーマ。いつもの三浦綾子さんらしさを感じる。

    親しい友達も家族でもお互いの気持ちを完璧に理解することはできないという点で自分以外はみな他人であり、だから人は孤独。自分も他人のことを心から思ったり理解することはなかなかできなくて、親しい人が悲しんだり苦労していることはよくよく知らずに自分が一番不幸であるかのように思い込んでしまう。そういうことに気づく経験をして人(というか自分)の弱さを知ったときに少し優しくなれる。でもどんなに優しい人でも人を傷つけない人はいない、優しいからこそ人を傷つけうる。っていうお話だなと思いました。

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    2023年10月19日
  • 三浦綾子 電子全集 泥流地帯

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    素晴らしかった。重厚で読み応えがあって、示唆に富む。久々にいい本に出会えた。こういう本をまた読みたい。

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    2023年10月14日
  • 三浦綾子 電子全集 泥流地帯

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    誰かが話題にした本が記憶に残り、気になって入手して紐解き、その本との出会いが善かったと思える場合というものが在ると思う。本作はそういう、話しを聞いて気になったという切っ掛けで出会った。そして読後に、本との出会いが善かったと余韻に浸っている。
    少し長く読み継がれていて、これからも読み継がれていくであろう作品、或る意味で「古典」という趣も在る作品だと思う。
    本作は上富良野町(作中の時代は上富良野村)を舞台とする物語で、実際の大きな災害の頃のことに題材を求めている。この作品を知る切っ掛けとなったのは、上富良野町の隣りである美瑛町を訪ねた経験だった。
    美瑛町を訪ねて、景色を愛で、写真を撮るようなことを

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    2023年10月14日
  • 三浦綾子 電子全集 石ころのうた

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    ネタバレ

    三浦綾子さんの7年間の教師時代。
    情熱的で頭脳明晰な三浦綾子さん。
    時代が違ったらという「たら」「れば」を言いたくなる。
    しかし、迫り来る戦争をどんどん肌で感じ、
    最後は今まで信じて疑わなかったことを
    墨で塗りつぶさねばならなくなったことを自省しやめていく。
    教育愛に燃え、子どもをとことん可愛だっていた彼女だったからこそ
    虚無感や失望の念が強かったのだろう。
    キッパリと教師を辞める潔さ。
    彼女の真摯さに惹かれる。

    教師時代、炭鉱の村に赴任し、そこで働く人の子達を見て
    目を見開かれていく彼女。
    中でも朝鮮半島から来た子が
    風呂敷を振ってサヨナラを告げていた光景が目に焼きつく。
    その後日談もいい

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    2023年10月11日
  • 石ころのうた

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    ネタバレ

    三浦綾子さんの7年間の教師時代。
    情熱的で頭脳明晰な三浦綾子さん。
    時代が違ったらという「たら」「れば」を言いたくなる。
    しかし、迫り来る戦争をどんどん肌で感じ、
    最後は今まで信じて疑わなかったことを
    墨で塗りつぶさねばならなくなったことを自省しやめていく。
    教育愛に燃え、子どもをとことん可愛だっていた彼女だったからこそ
    虚無感や失望の念が強かったのだろう。
    キッパリと教師を辞める潔さ。
    彼女の真摯さに惹かれる。

    教師時代、炭鉱の村に赴任し、そこで働く人の子達を見て
    目を見開かれていく彼女。
    中でも朝鮮半島から来た子が
    風呂敷を振ってサヨナラを告げていた光景が目に焼きつく。
    その後日談もいい

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    2023年10月11日
  • 三浦綾子 電子全集 心のある家

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    三浦綾子さんの本を初めて読みました
    雪虫やナナカマドは道民なのでわかるわかる!と共感して読みました

    素敵なクリスチャンのご夫婦で、ご主人の人柄も素晴らしいと思いました

    学ぶよろこび
    小さな生命を守るために
    は子供にも読んで欲しいと思いました

    この本に出会えてよかった!!

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    2023年09月02日
  • 三浦綾子 電子全集 ひつじが丘

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    ネタバレ

    23歳の今。
    この本に出会って本当に良かったと思いました。

    良一に惹かれて結ばれた後、後悔する気持ちのやり場の無さ。とても感情移入しました。

    そして奈緒美の両親の温かさ。
    愛とは何かを深く学びました。

    どんな境遇に立っても人を裁くのではなく、許して生きていく。
    この本からとても難しい人生の課題を与えられました。

    人生のバイブルにします。

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    2023年08月18日
  • 三浦綾子 電子全集 泥流地帯

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    30代に読んで40代50代と2回再読
    そのくらいオススメ
    読む年代で感じ方が変わりますね(深まります)
    50代での再読では市村キワ(耕作達の祖母)と同い年になってしまった

    生きていられる内10年一度の再読続けたいな




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    2023年08月10日
  • 三浦綾子 電子全集 続 氷点(下)

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    達哉が自分勝手過ぎてイライラしてしまった笑
    達哉にもまた原罪が生まれたのであろうと思います。
    さて、上記の点は抜きにして続編もみるみるうちに氷点の世界に引き込まれた。
    本当の陽子の人生はここから始まるのだと思います。
    結局、どういう道を選ぶのかは読者の想像にお任せということでしょうか。
    全ての罪が晴れるわけではありませんが彼女の本当の人生を歩んでいってほしいと願うばかりです。

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    2023年08月05日
  • 続 氷点(下)

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    達哉が自分勝手過ぎてイライラしてしまった笑
    達哉にもまた原罪が生まれたのであろうと思います。
    さて、上記の点は抜きにして続編もみるみるうちに氷点の世界に引き込まれた。
    本当の陽子の人生はここから始まるのだと思います。
    結局、どういう道を選ぶのかは読者の想像にお任せということでしょうか。
    全ての罪が晴れるわけではありませんが彼女の本当の人生を歩んでいってほしいと願うばかりです。

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    2023年08月05日
  • 三浦綾子 電子全集 銃口 (上)

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    戦時の旭川の新米教師の話。昭和25年に三国同盟、政党解体、国家総動員、配給制が始まるのに、日本国内の出来事ではないように受け止めた上、いずれ勝つでしょとの国民一般の意識。新聞や東大も国策に疑義を持つ者を排除し、決まったベクトルに進んでいく。。そんか中、キリスト教の博愛精神を持つ担任に憧れ、教師となった主人公。天皇万歳の校長、教頭の下、今後どうなるのか。当時の状況もわかるし、展開もよく、読み応えしかない。

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    2023年08月03日
  • 三浦綾子 電子全集 道ありき 青春編

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    ネタバレ

    10年以上、折に触れて読み返している。
    内容は重たいが、深く悩んだ時や落ち込んだ時に読み返すと孤独が紛れる。閉塞感や低調なテンションの語り口が寄り添ってくれることもある。
    誰かを愛するとは、誰かが自立して生きていけるようにすることだという言葉が印象的であった。

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    2023年07月31日
  • 三浦綾子 電子全集 道ありき 青春編

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    大病を患いながらも、まさに青春時代における精神的な潔癖さで、倫理観や人生観を悩み、さまざまな物事を拒絶したり受け入れていったりする様は、誠実かつ情熱的で、ご本人の人格を少しでも理解出来たと思います。

    三浦綾子さんの小説を読むのであれば必読です。

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    2023年06月28日
  • 三浦綾子 電子全集 続 氷点(上)

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    早く読みたかった続編。
    前回に比べると緩い感じではあるが一気に辻口家に氷点の世界へと引き込まれていく。
    下巻も楽しみですp(^^)q

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    2023年06月19日
  • 続 氷点(上)

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    早く読みたかった続編。
    前回に比べると緩い感じではあるが一気に辻口家に氷点の世界へと引き込まれていく。
    下巻も楽しみですp(^^)q

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    2023年06月19日
  • 三浦綾子 電子全集 氷点(上)

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    デビュー作とは思えない完成度と内容の濃さ。
    しかし原罪や赦しといったテーマを理解しないで読むと、ただの昼ドラのような愛憎劇と勘違いされそう。

    「原罪」というテーマは重くても、テンポ良く滑らかに展開するストーリーは昼ドラのように読みやすいので、面白く読めて意味も感じるような、エンターテイメント性と問題提起のバランスが絶妙だと思います。

    若者特有の、社会に対する欺瞞や矛盾を許さない目線と、宗教者の俗世に対する目線が合わさったような、潔癖とも言える目線が、非常に鋭く表現されていて、それが断罪と赦しのテーマに繋がっている感じがお見事。

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    2025年09月05日
  • 氷点(上)

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    デビュー作とは思えない完成度と内容の濃さ。
    しかし原罪や赦しといったテーマを理解しないで読むと、ただの昼ドラのような愛憎劇と勘違いされそう。

    「原罪」というテーマは重くても、テンポ良く滑らかに展開するストーリーは昼ドラのように読みやすいので、面白く読めて意味も感じるような、エンターテイメント性と問題提起のバランスが絶妙だと思います。

    若者特有の、社会に対する欺瞞や矛盾を許さない目線と、宗教者の俗世に対する目線が合わさったような、潔癖とも言える目線が、非常に鋭く表現されていて、それが断罪と赦しのテーマに繋がっている感じがお見事。

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    2025年09月05日
  • 嵐吹く時も(新潮文庫)

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    久しぶりの三浦作品
    そのストーリーのうまさに 一気に読まされた
    それにしても40年近く前の作品なのに、全くそれを感じさせない

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    2023年05月14日
  • 三浦綾子 電子全集 泥流地帯

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    「おれはな耕作、あのまま泥流の中でおれが死んだとしても、馬鹿臭かったとは思わんぞ。もう一度生れ変ったとしても、おれはやっぱりまじめに生きるつもりだぞ」
    どんな理不尽が襲いかかっても拓一は真面目に生き続ける、作中でのその姿勢に何度も感動させられた。
    拓一・耕作兄弟と家族の幸せはもうすぐ近くというところで、この災害が起きた。泥流に迷わず飛び込む兄、拓一。厳しい環境で育った男の強さに驚くばかり、本当に昔はこんな感じだったのだろうか。
    実際にあった出来事を基にした作品ならではのリアリティーを感じることもできた。迷わず続編も買ったくらいに、拓一・耕作兄弟のこれからの挑戦が気になった。

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    2023年05月07日