【感想・ネタバレ】三浦綾子 電子全集 続 氷点(下)のレビュー

あらすじ

血の中を流れる罪を「ゆるす」といってくれる権威あるものをつかんだ陽子。感動の結末!

北海道大学に進学した陽子は、徹の友人・北原や札幌で知り合った順子らと、一見穏やかな日々を過ごすが、不義の子であるという自らの「罪」に悩み苦しむ。そんな陽子の前に、実の弟である達哉が現れる。達哉は異父姉とも知らずに、以後、陽子に近づき、母の秘密をかぎ出していく。そしてついに陽子が実母と顔を合わせる日がやってくる……。

1971年(昭和46年)にテレビドラマ化され話題を呼んだ。

「三浦綾子電子全集」付録として、夫・三浦光世氏による「創作秘話」などを収録!

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

人のこころを最後まで描き切る、描写でストーリーを語るだけでない、深く、時にはこころを傷つけそうな文学。これが本当の文学かもしれないが。
啓造、陽子の内省が、浅はかであるときもあり心理に近い時もあり。しかし本当の善悪はどこでつけられるか。杓子定規らに見ると明らかな悪も、弥吉の戦時中の罪により咎められないものにもなる。
もしかしたら原罪というゆるしは、人間がどこかで持っている罪深さをお互いに許し合う、ということなのかもしれない。

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2025年11月15日

Posted by ブクログ

氷点4冊一気に読み終わった!
続編もたるむことなく面白かった。
登場人物全員の気持ちに共感出来るところもあって
「原罪」について深く考えさせられた。

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2025年10月31日

Posted by ブクログ

啓造が気持ち悪すぎる。夏枝は普通の女ですよ。続でも夏枝が不憫で、この夏枝の寂しさを啓造は想像することもできず聖書を読んでさらに今は改心した、今の自分は正しいと思い込もうとしているように感じる。
いかに自分の娘ではないとしても赤ん坊の頃から育てた陽子に性を感じるような男が、他者から人格者だと尊敬されるような描写には辟易します。

しかし氷点の面白さは損なわれない!
というか、当時はこんなキモい男を読者は受け入れられたんですか?信じられない!

最後の選択肢、
陽子が幸せだったといえる
人生になることを願います!

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2025年10月25日

Posted by ブクログ

この物語における「事件」は前作冒頭に起きた事件のみ。犯人も捕まっていて解決済みのひとつの事件が影響を与えていくという、不思議なミステリーだった。登場人物1人ひとりの細かい心理描写があり、「ゆるし」ということについて考えさせられる。
私のまわりにも軽薄で思考が浅いと感じる人はいてがっかりしたりイライラしたりはする。しかし、そのような人は決して思いやりがないとか優しくないわけでもなく、思考の軸がこちらとは違うだけで、優しい気持ちも思いやりも持っていて、ある意味では、深く読みし過ぎてしまう私たちよりも素直で、気持ちも強い部分があるのだと思う。そしてそれが深読みし、共感し過ぎて疲弊する人間にとっては救いであり、必要な存在であると思った。根本的な考え方の違いということを受け入れる=ゆるすことで生きやすくなるのかもしれないと感じた。

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2025年10月20日

Posted by ブクログ

一気に読みました。氷点がかなり面白かったので、続編こわいな〜と思って二の足を踏んでいましたが、読み始めたらすぐ読んでしまった。おもしろかった。読んでてしんどかったりもどかしかったりする話だけど離さない引力のある話だな〜と氷点同様思った。
上巻、夏枝へのヘイト溜めすぎじゃない!?!?というほど執拗に書かれているような気がした。わたしは氷点のときから、夏枝という女がなんだかんだ嫌いではないというか、彼女はどうしようもなく箱入りのお嬢さんのままで、水と土が良ければ完璧な美しい花で、本当に素敵な女性で本当に素敵な母だったのだと思う。だからどちらかというと啓造のほうに苛立つというか、自分は正しいことしかしていないという風なところがかなり鼻についたような感じ。
そういうと辰子も村井もむかっとくるんだけど。
陽子の産みの母、その家族も登場して話が動いていくと「どうなっちゃうのー!」とハラハラしてしまってややつらかった。
今作は「ゆるし」がテーマとのことで、あらゆる登場人物が自身の罪に向き合い、あるいは他人の罪をいかにゆるしたか、というシーンが出てくる。陽子は自身の罪というより、不義を犯した母が何よりゆるせない。その果てに生まれた自分が祝福されなかった子供であることを憂う。という葛藤がたびたび出てきて、ラストの流氷のシーンがある。なんどもキリスト教のおしえが出てくるんだけど、人と人の間のゆるしてほしいという気持ちとゆるしは永久ではないのだなと思った。なんていうか言い方が難しいのだけど。だから人には神さまが必要なのかもしれない。

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2025年09月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

一気に読み終わりました。

まさか順子が佐石の娘だったとは!
順子の手紙と陽子の日記は、心に残りました。

三井弥吉の告白も、衝撃でした。
「罪と赦し」というテーマがまさに凝縮されています。

それにしても、夏枝はもはやこういう人とあきらめの境地に至ったところで、達哉という新たなイライラ人間の登場。
彼に「罪の自覚と赦し」はなかなかハードルが高そうだから、まだまだ騒動がありそうですね。

4巻通じて、ずっと辰子さんが一番好きです。

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2025年08月28日

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ネタバレ

佐石の娘、順子がここまで生きてきた理由が辛く悲しい。いい養父母のもとで育ってそれだけは幸せだ。
対して陽子は、裕福な家で育ったが順子の様な愛の中で育ったとは言えない。当たりのきつい夏枝、兄弟の愛情とは違う感情の徹、徹とはまた違う愛情を持つ啓造。さらに感情的すぎる実弟の達哉、穏やかなようでそうでもない北原、どこまで気の毒な…
それなのに陽子は、常に罪と赦しを悩み続けている。何処かで自分を解放してほしいと読みながら思っているのに最後に北原を選ばざるを得なくなるのか。
登場人物の中で辰子が一番人間味あると思うが、ラストを辰子は何というのだろうか。陽子くんが決めたことなら、というのかな。
本の中で垣間見える生活は昭和そのものだけど、手紙を書く、夕刊を手渡す、などいい時代だったんだなと懐かしく思う。もちろん戻れないが、今の若い子が読んだらどう思うのかな。
何度読んでも、美しくいい本だと思う。この先も折に触れ読み返したい。

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2025年07月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

よかった
登場人物に関しては
陽子が真面目というかまっすぐすぎる
夏枝と達哉はどうも好きになれない
辰子さんが1番好き
と言った感じ

ゆるしについては私もずっと考えてるけどわからない。正直多分ずっとそうだと思う

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2025年06月13日

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 1年遅れで北大に入学した陽子。
夏枝と離れて兄の徹や北原さんと穏やかな大学生活を送れると思っていたら、生みの母親の家族との接点が出来てしまう。

 不義の子を産んだ母も、不義の子として生まれた自分も許せず思い悩む陽子。罪と許しについて考えさせられました。こんな重い話、私の身には降りかからないけど。

 育ての母である夏枝が浅はかで、わがままで、苦手。でも私も似たようなもんなんじゃないかと思ったりして、自分省みるためにもたまに読もう。氷点〈上・下〉、続・氷点〈上・下〉全4巻の中で夏枝が圧倒的にやばいキャラかと思いきや、もっとやばい奴が出てきます。面白かった。

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2025年02月08日

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ネタバレ

続氷点、三浦綾子はすごい作家だと改めて思う。個性的だけど、どこかしら共感を覚える登場人物たち。それぞれの悩みに、私たちは、自分のことのように寄り添って考えずにはいられない。時折描かれる北海道の美しい自然とともに、彼らの様々な思いを共有することができた。だから、今も色褪せることのない素晴らしい小説なのだと思う。

特に、ラストに向かって陽子の様々な葛藤を、自然の情景に重ねて、彼女の深い悟りへと導くところは、圧巻だった。

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2024年08月11日

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この数年で読んだ中でも傑作中の傑作であり、勧めてくれた友人に感謝。
4冊の締めくくりに再度タイトルの意味に立ち返り、湧き起こる思いが、自分の日常に深く切り込み読み終えた後なおも影響を与える。
随に沁みる一冊

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2024年07月10日

Posted by ブクログ

学びや自己覚知のない母夏枝の存在が
自己愛性の強い女性の象徴に感じられてならない
人物それぞれの視界が広がり重なって変化し
万事を受け入れて生きる人間の強さに胸が熱くなる

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2023年11月24日

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達哉が自分勝手過ぎてイライラしてしまった笑
達哉にもまた原罪が生まれたのであろうと思います。
さて、上記の点は抜きにして続編もみるみるうちに氷点の世界に引き込まれた。
本当の陽子の人生はここから始まるのだと思います。
結局、どういう道を選ぶのかは読者の想像にお任せということでしょうか。
全ての罪が晴れるわけではありませんが彼女の本当の人生を歩んでいってほしいと願うばかりです。

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2023年08月05日

Posted by ブクログ

氷点苦手な人ランキングを作れと言われたら、達哉が一位になるかも...と感じながら、どんどん読み進めました。
一番印象に残っているのが三井弥吉の手紙のシーン。うまく言えませんが、氷点シリーズの中でもここは読んでいて違う感情の動きになりました。私にとっての燃える流氷、赦しに触れる何かだったのかなと思います。
本当に面白かった。読んでいて全く楽しくないのに読んでよかったと思える本です。

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2022年12月13日

Posted by ブクログ

読んでいて不快感のある登場人物たちも、家庭環境や親からの影響によって、望まずしてそうなってしまったところが大きいのだと思うと、親が子にもたらす影響力の強さに恐ろしさを覚えるのと同時に、気の毒だとも思えた。

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2025年10月26日

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陽子の自殺未遂で終わった前編からの続編。ストーリーや登場人物の大枠が固まっているためか、前編に比べて内面に迫る場面や会話が多いように感じ、読み応えがあった。

祖父の教え「一生を終えてのちに残るのは、集めたものではなく与えたもの」や、聖書からの引用の「罪のないものだけが石を投げよ」が特に心に響いた。

読み進めるうちに、無意識の罪、自覚的な罪、妬みや狡さ、などなど、「自分の中にもあるある」と自らを振り返らずにはいられなくなる。

最後に陽子が実母である恵子に電話をするに至るまでの心の動きが、必然性をもって迫ってきて、この結末は「こうなるべくしてなったもの」という納得感があった。

場面設定などは現代とはかけ離れたものも多いが、それ以上に、人間の性(さが) に深く迫る大作&名作だと思う。

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2025年09月03日

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ネタバレ

「氷点」「続・氷点」と読みました。

「氷点」では、登場してくる人物達の傲慢さ、浅はかさ、幼さ、自分本意の行動など、驚きの連続で、単なるお騒がせ夫婦のとんでもない小説(←言い過ぎ…)と感じてしまった。

テーマは原罪…とのことだったが、思慮の浅い自分は過去に放送されていたような昼ドラのイメージで読んでしまっていた。

しかし、「続・氷点」では、もちろん浅はかな行動の徹、猪突猛進の達哉、相変わらずの夏枝、そんな夏枝を許せない啓造、空気の読めない村井の、自分達から敢えて辛い運命に寄せていってないか?と思うほどの思慮の浅い言動に驚きつつも、三浦綾子の訴える「赦し」というテーマにぐっと引きこまれた。

自分の周りにいる人達との関係性で思うところあり、胸に残る言葉が沢山ありました。

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2025年08月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

資格試験の勉強に集中したかったのもあり、しばらくぶりに読書を。

氷点から続氷点単行本4冊、とても面白かったです。北海道の景色が目の前に広がるような、そんな清々しさと、人間のどうしようもない罪のコントラストが心に刺さる。ラストスパートは読む手が止まらず・・・深い感動に包まれました。しかし、三井(夫)の独白は辛かった。どこかに『戦争が発端となり、不義の子が生まれたのではないか。罪の根源は戦争にあるのではないか』というような文章があったと思うけど、本当にそうだと思う・・・。ただ、人間にはどうしようもない罪に向き合うチャンスが神様から与えられて、その時に自分を省みることができるのか、自分を謙り、他者の心を推しはかることができるのか。そこが分かれ目になるのではないかと、思った。好きと愛することの違いも頷ける。終始、読み手である自分自身にも突き刺さってくる言葉がたくさんあった。

ひとつ、敬造さん、あなた最終的に改心したような雰囲気になってるけど、序盤で出てきた10代の頃に犯した罪、あれとちゃんと向き合って欲しい。あれ以来語られず、無かったことのようになっていることがどうしても不快だった。

しばらく余韻を味わいます。

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2025年08月07日

Posted by ブクログ

全4冊、深い物語を読んで多くの事を考えさせられた。
思いもかけぬ展開でしたが読み終えて満足。
物語の舞台に北海道の美しいスポットが多く、自然の偉大さを感じ、それと対比して人間の在り方、ちっぽけさも下巻ではしみじみと感じました。
対話の多い小説で、リアル感あって心情が伝わってきた。携帯も無く手紙が主流な時代、懐かしい雰囲気のある小説でした。

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2025年05月29日

Posted by ブクログ

読めば読むほど善し悪しが分からなくなってくる。結局、“ゆるす“とはなんなのか。ひとつ許せないと、芋づる式でそれに付随する人や出来事も許せないし、あの人が悪いならこの人も悪いような気もするし……
物語自体は誰でも経験できる話ではないけど、心の迷いや葛藤は生きていれば誰でもあるような話。
この本のテーマについて考え続けるとモヤモヤするけど、物語としては楽しめた。

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2025年05月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

前作「氷点」よりも興味深く読めた。前作はフィクションを読んでいるという感が大きく、テーマの「原罪」を意識することが難しかった気がするが、今作は「罪のゆるし」について漠然とだが考えながら読むことができた。
登場人物それぞれの視点で描かれており、とある事象が夏枝としては考えがあってのことでも啓造視点では全く別のように捉えられている。どの登場人物も身勝手に都合の良いように考えていて、人間はそういう生き物なんだろうなと感じた。
最終盤で陽子が「人間同士のゆるしには、恐らく完全を求めることはできないであろう」と考えているが、だから神という存在が生まれたのだと思う。神がゆるすとすれば人間の手の出しようがないところで落とし所がつく。
読んだ時の状況や年齢で感じ方が変わる気がするので、また何年後かに読んでみたい。

1960年代の生活や時代背景が垣間見えたのと、北海道のいろんな描写が書かれていて楽しかった。本編ではないが解説の「文学とは何か?それは人間を解明するものである、ということができよう」という言葉が心に残った。

陽子:本当によく頑張っている。高潔すぎて生きていくのは大変だと思うが幸せになってほしい。
夏枝:基本的に自分中心の考え方で(他の人のためと言っている部分も自分に都合の良いように考えている)全く共感できないが、女性の本質はこんな感じなんだろなと思った。陽子と正反対で世渡り上手というか、何があっても最後まで生き残るタイプだと思う。
啓造:流石に流されすぎでは。もう少し自分の考えを持った方が良いと思う。
村井:理解不能。普通に気持ち悪かった。
北原:辻口家の事情に直接関係ないのに足を失うことになり一番可哀想。陽子は北原と結婚する決意を固めて物語は終わるが、北原は断りそう。
達哉:最初はちょっとかわいいくらいに思っていたが流石に暴走しすぎ。恵子に同情さえする。
弥吉:出番はほぼないが赦しを一番体現していた人物。戦争に行った人にしかわからない気持ちがあるのだと思う。

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2024年10月12日

Posted by ブクログ

陽子の弟、三井達哉の独走的な振舞いに腹立たしかった。北原が止めてるのに、何で達哉と話しする為に車に乗ったの〜!と陽子にも腹が立った。
順子が佐石の娘ということに、ひっくり返るくらい驚いた。
続編は往々にしてトーンダウンして面白味が無くなると思っていたが、最後まで惹きつけられる昨日でした。

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2024年09月15日

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陽子のその後の話
小説の名を借りたキリスト教入門書ともとれる
等身大の陽子の疑問や葛藤は私たちの普遍的な問題とも共通しているから、読んでいて飽きない
ただ終わり方については納得いかない部分はある
それはたぶん私の宗教観も関わってると思う
色んな人の感想が聞いてみたくなる作品

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2023年10月09日

Posted by ブクログ

古さを感じる事なく、それぞれに感情が付いていきながら完読した。
正しいと思う事自体が、裁きになっている。
「罪」を深く考えさせられます。。。

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2023年03月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

テーマが原罪 らしいが、許す という点に重きを置くと、夏枝の言動も達哉も許せるのか?と考えさせられる話だった。
全体(続 じゃないほうの氷点も含め)を通して 陽子の人柄は恵子の娘だなと思うし、きっと北原と陽子はこれから何があっても明るく前向きに生きていくのだろうと思う。
三浦先生がもうお亡くなりになっているので、続の続はないが、思いを馳せてしまう。

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2023年01月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

どういう帰結になるかなと思っていたら、こういう終わり方か〜、、なんとも言えないな。本当はすっきりハッピーエンドで終わって欲しかったけど、つくづく辛い身の上の陽子、、、
「続・氷点」は、人への「赦し」や「裁き」について考えさせられるものだった。たまに聖書から引用や牧師さんの言葉が出てきて、なるほど聖書を読んだり教会に通ったりするとこういうことが分かるんだなと思った。
「人のことを責めたり裁いたりしていいのは、罪のない人間だけ」というようなことや、「人は皆自分のことが正しいと思っていて、考えが違う人間のことは見下している」など、なるほど確かに、私も人のことをどうこう言える資格はないなと思ったり。
「愛とは感情的なものではなく、意思的なもの」といった啓造の言葉や、「たとい、わたしが自分の全財産を人に施しても、また自分のからだを焼かれるために渡しても、もし愛がなければ、いっさいは無益である」という聖書の引用も、とても印象的だった。

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2021年05月27日

Posted by ブクログ

陽子の出生に関わる問題と、それにまつわる周囲の人々との関係。
結末は、あまりにも残酷な感じがしたがラスト数ページは陽子が長年悩み考え続けていた「許し」の答えを見つけた気がして少し救われた。

夫婦の在り方についても考えさせられたなぁ。
意外と、ドライというか割り切りも大事だなと。

★ おかあさんの未知の世界に、おとうさんだけが入って行く、それに抵抗を感じているんじゃないのかな。自分とは遠い世界の人になるような不安と、ジェラシーに似た感情の入りまじった、複雑な抵抗をね。

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2025年05月12日

Posted by ブクログ

かなりヤバイ性格の陽子ちゃんの実弟が他人の人生をダメにするまでに至り、陽子ちゃんが流氷を観ながら「原罪」や「許し」を「絶対的な存在」である「神」に啓示されるまでのお話。

最後は前面にキリスト教が押し出され、その点に関しては陽子ちゃんがそれで良いのならどうぞ…という感じ。
何に救いを見出すかは人それぞれなので…。
ただ、絶対的な「神」を信じること(「神」の存在を受け入れること)でこれまでの数々の苦悩が救われるというのは、ちょっと良い子ちゃん過ぎるお話かな。

人の心の安寧というのは、何かしら既に出来上がっているものに寄ったほうが楽であることは事実だと思う。
自由のなかで自己選択と自己責任の繰り返しで生きるよりかは指針があったほうが楽だからね。

キリスト教信者の著者が絶対的信仰に基づいて描いた人間模様と考えれば破綻もなく、飽きずに最後まで読める作品でした。
ただ、良くも悪くも人間の本質を考えるにあたっては「続」ではなく『氷点』のほうが良かったです。

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2024年03月17日

Posted by ブクログ

氷点がとてもよくて、続・氷点(上)もハラハラしながら読み続け、楽しみだった最終巻の「続・氷点(下)」でずっこけ。辰子の人格が大好きだったので、滅多に登場しなくなってつまらなくなった。南京大虐殺が真実だったかの様な嘘が書かれた箇所で一挙に覚めた。日本軍はそんな野蛮な事はしておりません。最後まで陽子に振り回されて、ハッピーエンドを期待してたのに、納得いかない締めくくりだった。最後の章はキリスト教信仰バイブルですな。

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2023年09月14日

Posted by ブクログ

全員が自分に対し、何らかの罪を持っている、もしくは罪の意識にかられている。
湊かなえさんのNのためにみたいな後味だった。何気ない一文でさえ、情景でさえ、全てに意味がある展開であると思います。

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2022年12月23日

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